あふりかくじらノート
あふりかくじら



 アフリカに降る雨。

今度は、デスクの抽斗をひっくり返して掃除しはじめた。いままでどうして捨てられなかったのだろうというようなものがたくさん出てきて、大量にゴミ袋(可燃物)に詰め込んだらかなりの量に。何年かぶりに空っぽになったので中を除菌クリーナーで掃除。微妙にかび臭い。

昔、お付き合いしていたひとがアフリカから送ってきたハガキが大量に出てきた。西アフリカ某国に彼が滞在していたとき、毎日のように送ってくれたのだ。そしてわたしはそれを捨てられずに何年ものあいだ抽斗にしまいこんでいたのだ。

そういえば、ずいぶんまえだけれど、それらの手紙を捨てようとしている場面を夢に見たことがある。何故か、その彼本人と一緒に、わたしが今日整理していたこの抽斗を整理しているのだ。そして、捨てないとダメでしょうと彼が言い、たしかわたしは躊躇しているのだったと思う。エンピツ日記に書いたな。いつだっけ。

とうとうわたしは今日、そのハガキの束を捨てた。
あのころのわたしを愛し、いろんなことに感謝しながら。恋愛はほんとうにすっかり終わってしまったのだけれど、それらはこころのなかでたぶん良い色になって留まっている。


男と別れると、わたしはいつも物を捨てた。
まぁ、捨てられないものもあるにはあったが、大部分は捨てていた。とくに指輪など。
捨てられないものは、時間をかけて捨てる。あんまりそれも良くないけど。

李家幽竹というひとの『おそうじ風水』という本を最近読んだ。まあ、風水をどこまで信じるかということよりも、その本が言わんとしていることは、いままで何となくわかっていたことだった。つまり、古い写真や手紙を取っておくと、新しい縁を呼び込まなくなるとか、悪い気が溜まるとか。そういうのってよくわかる。



だけど。
今日のBGMはTOTOで、あのころ、大学生のころ、そして卒業したばかりでその恋人とお付き合いをしていたころ、ほんとうに何万回と聴いた"Africa"という曲が流れたとき、わたしはそのハガキのうち一枚だけをどうしても捨てられなかった。

そこには、アフリカに降る雨のことが書かれていた。
スコールのように激しい雨。ずっと降らなかったのに、突然激しくバケツをひっくり返したような、アフリカらしい雨のこと。

"I bless the rains down in Africa"

このフレーズを、あのときのわたしはほんとうに愛していた。
そして、いまでもそのときの気持ちを覚えている。

ジンバブエでも、そういう雨が降った。ときどき、わたしはTOTOのその曲を思い出した。あのころの時間が、いまのわたしを作っている。アフリカというフィールドで、わたしの人生を彩っている。


あれからわたしは新しい恋愛をし、そして新しい恋人とおつきあいした。いまは、そこから立ち直らなければならない時期にある。それらを経て、わたしはまた、わたし自身と生きていかなくてはならない。

アフリカに降る雨のことを思いながら。


そういえば、肝心の師匠(アナログ)に手紙を出していない。わたしをアフリカへ導いたひとだ。



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*見つけた。2004年8月だ。


2007年08月15日(水)
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