あふりかくじらノート
あふりかくじら

■■■
■■
■ 軽やかな自転車の女。

その女性は、いつも自転車に乗っていた。
実に軽やかに、小さな小さな身体よりも
ずっと大きな自転車にふわっとまたがり、
まるで水面をすべる笹船のようだ。

同じマンションの上のほうに住んでおられる
小さな小さな「おばあさま」だ。
ふわふわとやわらかく真っ白な髪の毛、
小さく曲がった背中、折れそうな骨格、
しわだらけの穏やかな顔はしかし、眼光が鋭い。

毎晩、図書館が8時に閉館すると、
帰宅するわたしとこれからでかける彼女が
マンションの玄関ですれ違う。
毎晩、きっちり決まった時間にお出かけなさる。
スーパーがしまる直前、買い物に行くのだ。

一人暮らしなのだろうか、名前も知らない。
でも彼女はわたしの名前を憶えようと必ずこう声をかける。
「あら、十三階のナガサキさんね」
わたしは答える。
「あ、いえ、ちがいます。九階の・・・です」
いつも同じひとに間違えられるのだ。
そして彼女はいつも謝りながらこう言う。
「あら、ごめんなさいね。お二人とも美人でいらっしゃるから」

何度もこのようなやり取りが続いていると、
ときには、彼女自身間違いを予測していることもある。
第一声がこういう場合もあるのだ。
「あら、ひとちがい、かしらねぇ、美人だから、ほほ」
(すでに省略形)

そして自転車に乗って去る。
颯爽と去る。
颯爽、ということばがよく似合う。


****************

・ウェブサイトのトップページ更新。
・しかもハーボットを入居させてみた。
・メルマガ販促計画か。


2004年07月08日(木)
≪ ≫ 初日 最新 目次 MAIL HOME

エンピツランキング投票ボタンです。投票ありがとう。

My追加


★『あふりかくじらの自由時間』ブログはこちら。★




Rupurara Moon 〜ルプララ・ムーン〜 ジンバブエのクラフトショップ



『あふりかくじらの自由時間』 を購読しませんか?
めろんぱん E-mail


【あふりかくじら★カフェ】 を購読しませんか?
めろんぱん E-mail


 iTunes Store(Japan)