あふりかくじらノート
あふりかくじら



 あたしスタイルで。

何年ぶりだったろう。
横浜にある母校を訪れた。
ここに通い始めたのは18歳のときだったなぁと。

ひさしぶりに恩師のゼミに出席。
わたしのいたころも、毎週のようにOBの方がきては
重箱の隅をつつくかのようなチェックをして
いたんだけれでも、それはほんとうに良かったと思う。
わたしは、重箱チェックはしなかったけれど、
誰かがやっている研究をじっくりきくのはいいことだ。
わくわくする。
あんなことも、こんなこともある、って未知の分野を想像する。

あれもこれも「わかった」という研究よりも、
あれもこれも「わからない、知りたい」という研究のほうが
深く進められるように思う。
わかった、は自分でリミットを作っているということだから。
社会科学にそういった意味の答えはない。

だからわたしはこのゼミで、「わからない」と思うことを
学んできた。それをすべての原動力とした。
あたらしい未来が開けた。

女の人生は長いんだから、って緒方貞子さんが書いていた。
アフリカは人間の暮らしている大地。
研究一筋でも、足りない。
現場一筋でも、足りない。
これからの三年間をおもいっきり有意義に過ごそう、
という考え方をもって選択を躊躇するのではなくて、
「わからない」ことへ向かって
「やってみたい、知りたい」ことへ向かって
物怖じせずに突き進んでいくことを覚えた。

あと二年で三十路です。早いものだ。


2004年06月16日(水)
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