あふりかくじらノート
あふりかくじら



 言語センス次第。

わたしの言語センスが誰よりも優れているとは
もちろんいえないし、最近は自分の書いたものを
あれこれ評価される機会が多いので
穴があったら入りたくなることもあるけれども、
わたしの感覚が、南アフリカの作家ベッシー・ヘッドに
つながり、アフリカに導かれることになった
というのもまた動かしようもない事実だ。

子どものころアメリカで英語に出会ったとき、
語学としての英語だけではなくて
初めての海外生活の中で、
文化の流れに密着した言葉の成り立ちや、
太平洋の広さなど、つまり日本とはどんな遠いところで
あるのかということを感じ取ったということは、
わたしの「言語センス」を形成する重要な過程で
あったということだ。

翻訳、「文学の研究」(「文学研究」ではない)そして
作家ベッシー・ヘッド研究やアフリカ研究なども、
そいうところにつながってくるのだと思う。
辞書で単語を引いたって、到底わからないような
血の流れた言葉のあり方。センス。

だから思う。
わたしのアフリカ滞在記を読んで
「英語ができないハプニングがあれば面白いのに」
と言うのはまったく見当違いのご意見だ。
英語ができないわたしが、どうしてあんな形で
アフリカに導かれようか。

なんてね。

2004年04月21日(水)
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