あふりかくじらノート
あふりかくじら



 南アフリカの十年。

アパルトヘイトが終焉し、南アフリカの民主化から
十年の月日が流れた。

作家ベッシー・ヘッドがみることのできなかった
南アフリカの十年は、過去の傷跡はぬぐいきれなくとも、
深い意味をもったであろう。
世界で唯一人種隔離政策を施行した国は、
そして気候の良い、うつくしい国でもある。

人種差別の根は、ここ日本でも存在しうるということを
忘れてはならない。
世界のどこかの国でおきた哀しい出来事も、
他人事のように感じている場合ではない。

たくさんの血が流された、二十世紀を。

そしてひとり、お世話になったあの方が
南アフリカに帰国されるのでした。
南アフリカに、帰られるのでした。

わたしは、わたしが生まれたこの国に残るのでした。
わたしとして、書かねばならないことがあるからでも
あるわけなのです。

2004年03月12日(金)
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