あふりかくじらノート
あふりかくじら



 陽が出て、かげって。

ゆうべ、お風呂でたくさん泣いた。
こんなにわんわん泣いたのは
ずいぶん久しぶりだ。

  <深夜のラジオの、遠い気配がする>

ゆうべ泣いたのはたぶん、
お世話になった上司が
会社を辞めてしまうという現実が、
ほんとうにきてしまったことを
実感したからだと思う。

わたしは自分のために、会社を辞めた。
つぎつぎといろんなひとが辞めたけど
彼女が辞める日は、まだ想像の世界でしかなかった。

でも、現実がやってきた。
たくさんのひとが、心の奥底で
ひっそり重苦しさを味わっているだろう。

それをすべて引き受けるかのように、
泣いた。どうしようもなくて。
どんどん、気持ちが溶け出した。

わたしが、辞めたことは
わたしのために正しかった。

そして、ほんとうに申し訳なかった。

2004年02月07日(土)
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