オミズの花道
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『 金を積んでからものを言え! 』
2003年11月25日(火)
いきなり過激なタイトルである。
とは言え別に怒っている訳では無いので、怒りネタがお嫌いな方も今日はご愛読下さいませ。
旅行から帰って来て携帯を見ると、前の店の女の子から何度も電話が入っていた。
仕事も立て込んでいたし、何事なのだろうと気にはなっていたものの、忙しさに紛れ放っておいたら昨日電話があり、お茶でも行こうと言う事になった。
休みの日にわざわざ自宅近くまで来てくれるのだから、仕事中とは言え断る理由は無い。
電話のさわりでは、なんでも相談があるのだという。
新地に移りたいとかそういうことだろうか?あの子だったら欲しいなあ。
・・・・などと思っていたら話を聞いてハナが出そうになった。
『水上さん、Nさんってご存知ですよね?』
『ああ、金融屋だっけ。闇金じゃなくって町金の方のお客さん。知ってる知ってる。』
『私、あの人に最近連日のようにお店に来て頂いてるんですね。』
『へえ〜いいなあ。現金だし気前がいいし、いいお客さんゲットしたじゃん。偉いなぁ。』
喜美ちゃん(勿論仮名)は、背が小さくて色白で華奢で可愛い女の子だ。
例えるなら砂糖菓子のように柔らかい雰囲気を持ち、上品で清楚。
薄い2Hくらいの鉛筆で描き上げたような・・・・女の子を褒めだすとキリが無い水上、うぐぐ。
つまり簡潔に述べると、ニラレバの様相を呈する私とは正反対の、綺麗で繊細な料理・・・・例えるならケーキが喜美ちゃんなのだ。(解って戴けましたでしょうか)←っていうか食べ物から離れろ。
その綺麗な喜美ちゃんの顔がどんどん曇っていく。
『ど、どうしたの?枕営業でもしろって言われた?』
と、問いかける私に、ピンポンと言わんばかりの目を向けて喜美ちゃんは答えた。
『愛人になれって言われてるんです。かなり本気みたいで。どうしていいか。』
童顔にそぐわない煙草を取り、火をつけて喜美ちゃんは続ける。
『私ね、いまその話を断ってNさんを失うと、
あの店でやっていけないくらいになってるんです。
ずっと同伴してくれてたから、他のお客様と疎遠になってしまって・・・・。』
『身体はひとつだもんねぇ・・・・。』
一人のお客様に贔屓に『され過ぎた』ホステスが陥りがちな罠である。
固定客が居て良いじゃないの、と言うのは傍目に過ぎず、いつ誘っても予定が塞がっているホステスは、他のお客様が誘いにくくて、長期的に見ればかえって幅が狭くなってしまうのだ。
彼女は私よりずっと、男をかわすのが上手なホステスのように思う。
その彼女がこんなに曇った顔をするのだから、Nさんも相当上手に彼女の周囲を固めたのだろうな・・・・。
『最近ではもう、いっそその方が良いかなとまで思ってるんですが、
相談したいのは別の事で、男性が本当に囲うつもりがあるのか無いのかを、
どうやって女性が見分けたら良いのかって思いまして。
それを聞きたくて今日はお伺いしたんです。』
つまり喜美ちゃんが言うには、囲う囲うと言いながらヤリ逃げするんじゃないかと。
本気なのかヤリ逃げなのか。
それをちゃんと見極めるには、どうしたらいいかという事だったのだ。
『現金。』
答え早っ・・・・な水上である。
『現金を目の前にドンと積むようなら本気だと思うよ。
そこまでしたら本気だとは思うね〜。支度金とかの名目でさ。』
続ける水上。
『喜美ちゃん、相手の金の使い方を、飲み代を見て判断しないほうがいいよ。
飲み代は経費で落ちるけれど、愛人手当ては経費を使えないからねえ。
ましてや相手は金融屋でしょ?その辺りはタヌキだと思うね。
経費で落ちないもんには、どうしてもケチるのが男ってもんよ。』
喜美ちゃん、呆れたように笑って答える。
『でも、現金積んでくださいなんて・・・・言えないわあ(笑)。』
『その言葉も言えないなら、愛人業なんて覚悟の要る事、この先も出来ないよ。』
少々意地悪だが、突き放して言う。
こういう商売をしながら私自身は愛人業を営んだことは無い。
だが、それくらいのありふれた話はそこらここらに転がっていて、その度に泣かされる女性を、見たくなくても見せられてしまう。
だからこそ思うのだが、・・・・少々の愛情ならお金で買えるだろう。
その少々でも良いから『この女が欲しい』と思うなら、男はやはり現金を積むべきであろうと思う。
まだ言葉だけの段階、もしくは積んでくださいと言われて積む事を躊躇するようであれば、その実その男の気持ちは、金をちらつかせながら本当は愛情を欲しているのだと思った方が良い。
もしくは安上がりに女と遊ぼうと思っている男か、そのどっちかだ。
後はもう女性自身の選択である。
個人的な見解としては、お金だけだと割り切りたいのなら、上記のようなパターンの男性には近づかない方が無難であるとは思うけれども。
積まれたとしたなら、相手が本気であるのだと認識して事に当たる方がいい。
受けるにせよ、断るにせよ、真剣に言葉を返したほうが良いだろう。
この世の全てがお金で買える訳では無い。
が、少なくとも何かを見極める目安にはなるのだ。
それは相手の気持ちだったり、自分の心だったりするのだが。
喜美ちゃんがどういう選択をしようが興味は無いのだが、泣かされる結果になる事は避けて欲しいなと思う。
オンナノコは泣かされちゃ駄目です。
泣かされる子はこのお仕事をしちゃ駄目です。
私がそう言うと、喜美ちゃんは淋しそうに笑って呟いた。
『もう辞めようかなあ。気持ちが絡むお仕事が辛くなって来ちゃった・・・・。』
もう冬ですねぇ。
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