ケイケイの映画日記
目次過去未来


2019年02月12日(火) 「アクアマン」




通常ならパスするヒーロー物を、今回はチョイス。これが大当たり!長時間ですが、時間を忘れるほど楽しく、内容も浅からず深からず、丁度いい塩梅の作品です。監督はジェームズ・ワン。

海底の王国アトランティスの女王アトランナ(ニコール・キッドマン)と燈台守の父(テムエラ・モリソン)との間に生まれたアーサー=アクアマン(ジェイソン・モモア)。愛する夫と息子を追手から守るため、アトランナは深海へ戻ります。それから時を経て、やはり海底の国ゼベルの王女メラ(アンバー・ハード)が、アーサーの異父弟でアトランティスの国王オーム(パトリック・ウィルソン)が、海を傍若無人に汚す地上の人間に怒り、征服を企てていると告げ、辞めさせて欲しいと懇願。当初は断っていたアーサーですが、幼い頃から自分を武人として指南してくれていた、アトランティスの参謀バルコ(ウィレム・デフォー)からの懇願もあり、オームと対峙することになります。

予告編で海底のシーンが綺麗だなぁと思ったこと、ジェイソン・モモアが強面なのに可愛い事、私の好きなデフォーとウィルソンが出ている事、そして監督が私の好きな「インシディアス」「死霊館」シリーズのワンな事、等々で楽しみにしていました。そして期待は全部叶えられました!

深海のアクション映画も数々ありましたが、舞台がアトランティスなんでね、風景が神秘的。古代のようでもありSFチックでもあり、でも現代なのでハイテクの要素も満載です。あれもこれも使えて、これは美味しい設定だなぁと思います。そしてやはり海底の中の描き方が美しい。

アーサーとメラの道行きなのですが、基本宝探し。これも何となく「インディ・ジョーンズ」や「ハムラプトラ」風で、懐かしい。真の王を見つけるためであり、二人が急速に接近する様子を描くためであったりと、要するにね、あれもこれも盛り込んで、過去のヒットした作品をモチーフに、海底アクションと言う新機軸で描いているわけ。でもちゃんと収まっていて楽しいのだから、偉い!

その中で、海の汚染問題、母と息子、父と息子、夫婦や男女の関係も描いていて、作品を格上げしています。それも異父兄弟、人種どころか異人種と人間の愛など、複雑。それを誰にでも理解出来るオーソドックスな「愛」と言う視点で紐解いています。例えると殺戮のあるディズニーみたいな感じ(笑)。

アーサーを「人間と交わった汚い血」と罵るオームに対して、陸と海を結ぶ唯一無二の存在と願うエラやバルコ。これはハーフと呼ばれる混血児や、移民として祖国以外で暮らす人々や、その子孫の例えと捕らえられます。オームがアーサーを憎む根源は、人間の子を産んだアトランナを汚らわしき者として、海獣の生贄に国王の父が差し出した事です。アーサーが生まれたため、母が死んだと言いますが、それって逆恨みだよな。怨むなら慈悲のないお前の父親だよと思いますが、オームは父を尊敬していて、それが出来ない。なので愛のある交わりから生まれた兄を、嫉妬から怨むのですね。

まー、婚約者のエラから参謀のバルコまで、みーんなアーサーに取られちゃうんですから、オームが怨みの権化となるのも、仕方ないなとも思います。その辺の視点の暖かさ、品の良さも素敵です。

期待のモモアは百点満点。長髪髭面の小汚さは、海の水で洗われるのであんまり気にならなかった(笑)。三男が言うには、原作のアーサーはブロンドの優男なんだとか。あんなに不死身じゃ、あれくらいのマッチョな肉体は必要だわね。目が可愛くて愛嬌があり、ピュアな印象まで与えます。知らなかったけど、リサ・ボネットが奥さんなんだって。一回りほど年上のバツイチ妻ですが、何でも子供の頃からリサが好きで、押しの一手で付き合い始めたのだとか。長い事実婚を経て、最近結婚。年齢差を考え、慎重になっていたのでしょうね。多分モモアの地の部分も、アーサーに反映されているのでしょう。

それ以外も文句なく、今回お転婆で気の強いプリンセスを演じたアンバーも好感が持てました。ヒーロー物の大作として私的に百点満点です。私は字幕版が観たかったので、普通のスクリーンで観ましたが、吹き替えならMX3D4Dも上映しています。海底場面を楽しむなら、こちらがいいかも?絶対続編あるよの最後です。次はオームと兄弟仲が良くなっていて欲しいな。次も観ます!



ケイケイ |MAILHomePage