ケイケイの映画日記
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2013年03月21日(木) 「キャビン」




斬新なホラーと言う事で、早速観てきました。う〜ん、面白かったし、私のムカついた部分は、後々回収されたのでまぁ良いのですが、ちょっと期待値は割ったかな?監督はドリュー・ゴダード。

人里離れた山小屋にバカンスに来たディナ(クリステン・コノリー)カート(クリス・ヘムズワース)ジュールス(アンナ・ハッチソン)マーティ(フラン・クランツ)ホールデン(ジェシー・ウィリアムズ)の大学生五人。この小屋で、惨劇が始まります。

スプラッタホラーのセオリー通り事が運ぶのに、確かに観た事がない設定です。早々に彼らはコントロールされているのが画面に出てきます。まずこの謎がだいぶ引っ張る。彼らは選ばれた五人と言う訳。

不気味なガソリンスタンドの店主が死を予言し、不穏な小屋の内部、若者たちのバカ騒ぎの様子から、ブロンドエロエロ嬢から毒牙にかかり・・・と、全くセオリー通りに事が運びます。これが二重の構図となっているのがミソなんですが・・・。

私が違和感があったのは、この若者たちが健全に青春を謳歌している感じの、気持ちの良い子達であった事です。何でこの子達が選ばれたの?男子は誠実で最後まで女子を守ろうとするし、ホールデンなど、黙っていても良さそうなマジックミラーの秘密をディナに伝え、部屋まで代わります。カートの決死の覚悟のダイブだって、自分が捨石になる気で仲間を救いたい気持ちからです。「淫乱」と言われるジュールスだって、仕掛けられた媚薬のせいでしょう?恋人のカート以外とは「やってません」し。マーティの葉っぱなんて、この子達の上を行くバカどもの乱痴気騒ぎに比べれば、大した事ありません。

と、この辺ずっとムカついていました。まぁこのバカどもにも鉄槌が下るので、これは計算済みなんでしょう。ムカついた以外は筋運びも上々、少しずつ捻れてセオリーから外れて行くのも、先行きをわからなくさせています。

中盤徐々に見慣れたスプラッタの光景が出て来て、謎が解明されてからの終盤、クリーチャー大集合で、たっくさんのモンスターが出てくる場面は、大量流血でこの作品のハイライト。しかしモンスターたちも管理されているとは・・・。彼らも住みにく世の中になったんですね。

ラスト解明のために出てきた某有名女優ですが、彼女が出てくる意味があんまりないなぁ。ちょっと興ざめのオチは、若者たちの血が、生贄のように感じたので、あんまり意外性はなかったです。このオチより、途中でマーティが「これは〇〇〇だ!」って叫んだ方にすれば、もっとブラックでリアルな怖さがあったと思います。でもこれ、違うんですよね?でもだったら、客って何?カートは何故「いとこの別荘」なんて嘘ついたのかしら?失敗した日本支部とかロシア支部などどうなったのか?等等、私には不問にはしづらいツッコミが色々有り、手放しとはいかなったのが残念です。

白人のディナとくっつけようとしたのが、黒人のホールデンと言うのは、ちょっと意外。人の良心を表すのも、人種が多数の中、黒人でした。こういう描き方は、今後も増えるのでしょう。視点を変えたホラーとして、まずまずだと思います。


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