ケイケイの映画日記
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2007年12月03日(月) 「エクスクロス 魔境伝説」

面白かった!1日の映画の日に観てきました。この日は鑑賞予定はなかったんですが、急に夕方私一人になったので、映画館へGO。ほんとね、一人にしてくれたら、幾らでも時間潰せんのよ、映画好きは。二作続けて自主上映だったので、思いきり脳みそ空っぽで楽しめるのがいいなぁ〜と、この作品をチョイス。これが大正解で、チープながらパンチの利いたB級おバカホラーで、90分ノンストップで楽しみました。監督は深作健太。良いという話は耳にしたことがなかったけど、なかなかいいじゃん。

恋人圭一(池内博之)に浮気された女子大生しより(松下奈緒)は、親友の愛子(鈴木亜美)に気晴らしにと誘われ、阿鹿里村にやってきました。しかし阿鹿里村はかなり不気味な変わった雰囲気の村で、村民も皆薄気味悪く、二人は不安にかられます。温泉で愛子と口ゲンカしたしよりは、先に部屋に戻りますが、その時忘れ物の携帯が鳴り、物部昭(声・小山力也)と名乗る男性が、すぐそこから逃げろと叫びます。その時愛子は、レイカ(小沢真珠)という女性から、追いかけられていました。

三章に分かれて、しよりパート・愛子パート・二人のパートとなっています。時空が行ったり来たりしますが、先に見せたシーンを再度映す手法なのでわかり易いです。二人は対照的で清純なお嬢様のしより、キュートだけど尻軽の愛子とキャラが立っているのがいいです。衣装も各々それ風だし、この作品で小道具として大活躍する携帯も、真っ赤でデコラティブな愛子のもの、ホワイトで普通の感じのしよりのものと、二人の性格付けにあったものだったし、携帯を持った時のネイルの形状などでも区分けして、この辺主役二人の描き分けにはとても気を配っていました。ワタクシも元女の子なのでね、この辺の繊細さには好感が持てます。

村人に訳も分からず追いかけられて、物部もイマイチ信じられず、愛子も挙動不審。誰が味方が敵がわからずカオス状態のしより。スピード感がとってもあるので、全然怖くはないんですが、必死で逃げる彼女の心臓が止まりそうな心境は充分感じられるので、すごく楽しめます。演じる松下奈緒は、綺麗だけど顔のパーツが大きいので、絶叫顔がなかなか映えます。なんでこんな作品に売り出し中のこの子が?と思っていましたが、なるほど、絶叫クィーンには向いているタイプです。

二章目の愛子パートから、かなりおバカ度が加速します。そして愛子の鈴木亜美なんですが、元トップアイドルの名をかなぐり捨てての大熱演です。ビッチな尻軽なんて役でも十分イメチェンなんですが、彼女の逃亡のキーワードは何と「トイレ」。トイレの床に這いつくばって逃げる鈴木亜美を、アイドル時代に誰が想像したろうか?そして○○○まみれになったりすんのよ!入浴シーンや短パンにブーツで回し蹴りも見せ、下手くそな歌手時代しか知らない私は、かなり彼女を見直しました。

そして美貌なのに変な役や意地悪な役の多い小沢真珠は、ついに今回イカレタ役です。ゴスロリの衣装に眼帯、赤頭巾ちゃんのようなマント姿(黒だけど)の彼女が、どすどす愛子を探す姿は、ちょっと「悪魔のいけにえ」のレザーフェイスが、「ワーーー!」と吠えながら獲物を狙う姿を彷彿させます。レイカVS愛子の対決シーンは、この作品の一番のおバカ場面で、片や全長1メートル以上あろうかというハサミ、片や何故かそこにあったチェーンソーが武器というあり得無さで、すんごい笑えます。でもやってる二人は真剣なのよね。別嬪さん二人が、こんなアホな場面を一生懸命やっているなんて、それだけで感動を呼ぶというものです。

小沢真珠なんてさ、あーた、ターミネーターかゾンビみたいなんですよ。一体この子の所属事務所は何を考えているんでしょうか?(楽しいけど)。これからきっと女優の前に「怪」がつくよなぁ。でも多分この作品で、私も含めてファンは10倍くらい増えたはずなので(当社推定)、事務所の思惑は当たったのかのぉ?あんなに美人に生れて美貌に頼らない生き方をする真珠ちゃんを、これから私は応援するのだ!(ほーら、思惑通り)。

クライマックスの場面は、いくらでもおどろおどろしい土俗的なムードに作り込めるはずなのに、確信犯的にチープでギャグっぽく作っているので、あれごときで逆襲出来るのは、物すごく納得。だってあの村民の様子じゃ、かなりIQ低そうに見えるもん。この辺計算して演出しているなら、監督やるねぇ。携帯・パソコンなど、イマドキの小物も上手く使っていました。

他にしょこタン(中川翔子)も二人の友人役で出演です。私はしょこタンのことが好きで、いつもとってもかわゆすなぁ〜と思っていますが、これはバラエティではなく映画なので、女優さんたちと並ぶと、ちょっとビジュアル面で見劣りします。それを感じさせないよう、彼女だけ足が骨折している設定で、遠隔地からご出演です。パソコンを使うメガネっ子役とは、オタ女の彼女の面目躍如というところでしょうか?曲者・池内博之も、こんな役で終わるはずがないと思っていたら、やっぱり終わらず、私的には満足でした。

ところで今眼帯やギブスフェチの子がたくさんいるんだってさ。この作品でもゴスロリと共に小道具として用いているし、この辺は監督の若さが生かされているんでしょうね。よくよく考えるとツッコミ満載なんですが、(足を引きずっている人間が、走る自動車に何故追いつける?とか、だいたいあんな薄気味悪い村、さっさと帰らんか!とか)、とにかくテンポがいいので、そういう隙を与えません。ツッコム代わりに笑わせてくれます。コレ狙って撮ったなら、頭いいわ監督。取りあえず次の作品も観たいと思います。


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