ケイケイの映画日記
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2007年06月28日(木) 「キサラギ」



大評判のこの作品、ついに観てきました。人気の作品なので「あるスキャンダルの覚え書き」の轍は踏むまいと、ネットでレディースデーの12時55分を予約して、仕事を終えていざ出陣。劇場はこれがお初の「MOVIX八尾」です。「近鉄八尾駅から徒歩3分」なーんてことを、劇場HPには書いておるのですが、私の大事な映画友達のツヤコちゃん(注・うちの患者さんで77歳のおばあちゃん。映画大好きで、梅田のミニシアターでも十三のナナゲイでも、九条のシネ・ヌーヴォでも、どこでも出かけて一人でちゃっちゃと映画を観てくるお人)が先陣を切っており、「八尾の駅からすんごい歩くで」と情報は仕入れておりました。仕入れてはおりましたが・・・・。

めっちゃ遠いやんけ!

嘘も大概にせな、あかんぞ!というくらい遠い。確かに提携の八尾西武百貨店までは三分くらい。そこからMOVIX八尾の入っている「アリオ」というショッピングモールの入り口までもそれほどでもない。しかし!ここからがめっちゃ遠い!私は自慢じゃないけど地図が読めない超方向音痴なので、、わからない時は必ず誰かに道を聞くという素直な人間です。心優しい店員さんにお礼を言いながら一応地図ももらいます。しかしあまりに遠いので不安になり、また別の店員さんに聞きました。東西南北がわからないので、前後左右で教えて下さいとお願いすることも忘れません。都合三人の店員さんに聞き、券売機でチケットと交換すると、すでに12時35分!八尾駅に着いたのは12時20分少し前。駅から3分→実は15分超。。。まぁなんて大きな嘘

映画の方は評判の高さも納得の出来でした。しかし男性と女性では若干温度差がある作品なのですね。大絶賛の男性陣、面白いけどそこまで言うか?の女性陣。鑑賞してみてその理由がわかりました。

今日はD級アイドル如月ミキの自殺から一周忌。彼女のファンサイトの管理人の家元(小栗旬)の主催で、追悼のオフ会が開かれることに。参加はオダ・ユージ(ユースケ・サンタマリア)、安男(塚地武雄)、スネーク(小出恵介)、いちご娘(香川照之)の五人が集まりました。和気あいあいと会を進めようと思っていた家元ですが、オダ・ユージの「ミキは殺されたんじゃない」という言葉を発端に、次々と驚くべき事実が明らかになっていきます。

確かに面白いわ。出だしの初対面ばっかりのオフ会の雰囲気は、ネットの特性が出ていて、上手く演出しています。だいたい本人と一致するんですよね。私は女性からは想像通りと言われますが、男性からは何故か「もっと怖い人かと思っていました」と言われます(そんなに怖いのか?私の感想文)。オダ・ユージのHNの付け方など、まんま私なのです。私も今を去ること6年前、初カキコした後、そうか、HNかと思った時、ふとテレビを観ると、「キョンキョン」様が出ていたのですね。あれが岸田今日子だったら、「オサムチャン」だったかも。

次々と明らかになる参加者の素顔。密室劇である利点を生かしてのセリフの応酬は、舞台のようでおかしくも見応えがあります。彼らの素顔が明らかになるにつれ、如月ミキというタレントも、どういう位置づけにいたのかがわかります。難点は小出恵介が少々鬱陶しいくらいはしゃぐのと、塚地の繰り返しの同じシチュエーションが、多過ぎと思います。

私が注目したのは、ミキにはヘアヌード写真集の話があったことが明らかになったときの、彼らの態度です。「そんなもの観たくない」「田舎の普通のお嫁さんになって欲しかった」にハッとしました。その後のとある人物の「見守っていただけ」という発言は真実です。そしてまたとある人物の「愛していた」という発言には、男としてではなく「育てたい」という意味を強く感じました。これって父性愛じゃないのでしょうか?

これにはミキが「D級アイドル」という点が強く作用しているのでしょう。意外なアイドルを思う男心の純情に、私は少々感激しました。「僕だけのミキちゃん」という想いは、次々小見出しに明らかになるミキの素顔が現れた後、ドカンと叶えられます。この辺は誰にでも経験のある憧れのアイドルを愛した日々を思い出させ、胸がキュンとなります。何気ない伏線が皆繋がる脚本も、お見事でした。

ユースケが不評みたいですが、確かに彼は映画ではテレビほど面白くありませんが、私はそれなりに良かったと思います。しかしダントツで好演は「いちご娘」さんでしょう!何でも出来るんだぁと、改めて感心しました。年齢も42歳ですし、これから10年くらいは地味に彼の時代だと思います。他の三人も良かったですが、個人的には小栗旬がラストの踊りも入れて一番好きです。プラネタリウムは余計でしたね。エンディングで踊り狂う男五人にご注目下さい。香川照之だけ、明らかについていけてません。もう年齢丸出しではぁはぁ頑張っていますから、生温かく「見守りましょう」。

ちなみに私が「この人がアイドルでした」と言い切れるのは、意外や映画俳優ではなく、クィーンのブライアン・メイです。中高6年間透明のファイルに「ミュージック・ライフ」で切り抜いたポートレートを挟み(時々「音楽専科」も使用)、下敷き代わりにしたり、手作りで「ブライアン人形」を作ったり、彼のお手製のギターの形を真似て、やっぱり手作りのトートバックにアップリケしたり、もちろん部屋はブライアンのポスターでいっぱい。本名ブライアン・ハロルド・メイ。イングランドのハンプトン出身。1947年7月19日生まれ。インぺリアルカレッジにて赤外線天文学を専攻、高校の非常勤講師を経験。今度生まれ変われるなら、ペンギンになりたい・・・。これくらいは今だってそらでいえるんだぜい!そんな熱かった当時の気持ちを思い出させてくれる作品でした。明日はクィーンのCD聞こうっと。


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