ケイケイの映画日記
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2007年06月25日(月) 「舞妓Haaaan!!!」




予告編を何度も観て、まぁそこそこ面白そうだとは思いましたが、脚本クドカン・主演阿部サダヲって、いくらなんでもしんどいでしょう、と言う感じがしたのでパスの予定でした。しかし公開後結構な評判に心が傾いた頃、「観ようかと思うねん」と23歳&21歳の長男次男コンビに何気なく話したら、


「止めとき」
「阿部サダヲのハイテンションが二時間やで」
「お母さん年やのに、ついていかれへん。」

!!!!!!!!!!!!噴火!!!
おい!誰が年やねん、誰が!この前はよそのお母さんより若すぎて可愛げがないとゆーたんはお前らやろが???そんなこと言うねんやったら、意地でも観てきたらぁ!と、意地で観てきました。まぁね、面白くなかったら黙っておこうと思ってたんですが、これがめっちゃ面白かった!!ざまぁみろ、息子ども!

東京の食品メーカーに努める鬼塚公三(阿部サダヲ)は、高校の修学旅行で出会った舞妓さんに魅せられ、以降の人生を舞妓フリークとして過ごし、HPも開いています。しかし本当は一度もお茶屋遊びをしたことがない公三は、サイトの掲示板で「ナイキ」と名乗る男から見破られます。むかつきまくる公三ですが、折しも京都工場へ転勤の辞令が。泣いてすがる恋人の富士子(柴咲コウ)を振り、勇んで京都に転勤。これで念願のお茶屋遊びをして、舞妓さんと野球拳が出来ると喜ぶ公三ですが、そこにはいけずなお茶屋の掟と、宿命のライバル内藤喜一郎(堤真一)が公三を待っていました。

えーと、色々なエピソードがありますが、みんな面白かったです。
終わり
いやもうね、ただそれだけなんです。特別に書くこと無いし。本当にくらだらない、アホらしい、おバカギャグの羅列で、観なくても人生に何ら損はないんですが、とにかく笑ってしまうのです。こういう脚本なんかあってないようなコメディは、ノリとテンポが命ですが、後半やや息切れするものの、何とか休まず完走しています。クドカンは出身地は知りませんが、ツッコミの絶妙なタイミングも、関西人の私には笑えました。

抜群に良かったは、舞妓さん・駒子役の小出早織。おちょぼ口に丸顔は舞妓さんの「特殊メイク」がよく映え、はんなりと愛らしい物腰に、舞妓修行で培った芯の強さを伺わせ、その辺の若い娘と舞妓の格の違いをみせて出色でした。柴咲コウも舞妓姿を見せてくれますが、軍配は早織ちゃんに。コウちゃんは舞妓姿より、前半のいけてないOLの時の方が、田舎から東京に出てきて数年経過、でもまだちょっと垢ぬけていないOLの雰囲気が出ていて、その時の方が良かったです。堤真一は、私は本格派の演技派俳優だと思っていたんで、こんなハイテンションで濃いコメディ演技が出来るなんてびっくり。意外性があって楽しかったです。

で、問題の阿部サダヲ。「おっさん坊や」と呼ばれる出だしから、それ「とっちゃん坊や」やんけ、とニタニタしながら、疲れもせず飽きもせず彼のハイテンションに付き合いました。世は満足じゃ、というくらいスピード感のあるコテコテの彼の魅力が堪能出来ました。ファンにはなりませんが。

ただ後半はちょびっとハートフルに持って行きたかったようで、ちょっと無理がありました。はちゃめちゃで最後まで突っ走っても良かったかも。京都京都と連呼する割には、観光名所の映りが少なかったのも、もったいなかったかな?そしてそして、京都名物「いけず」の描写もありません。もっとうわ〜、いやらしい〜という世界観があっても良かったですが、この手の作品にそういうリアリティを求めるのは、「007」にリアリティを求めるようなもんなので、まぁいいのかな?

公三VS喜一郎の姿は、さながら星飛馬VS花形満みたいな感じです。永遠のライバルの存在は、お互いのスケールアップに役立つみたい。他にも伊東四朗、生瀬勝久、吉行和子、真矢みきなど、実力派が脇がかためているのが、勝因の一つでしょう。しかし一番の勝因は、クドカンは脚本だけで監督は別の人(水田伸生)だということでしょうか?お茶屋遊びのいろはがわかり、舞妓さんの修行姿、舞妓から芸妓への転換の説明もあります。今は舞妓のなり手が少なく、富士子のように本当に地方からやってくる子も多いとか。内容がないんで励まされもしないけど、気分転換にはちょうど良い作品でした。


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