ケイケイの映画日記
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2006年05月09日(火) 「プロデューサーズ」


GW最後の日に友人と観ました。実はこの日は、神奈川に住む義妹の子が結婚式でした。私も行きたかったのですが、術後日が浅いので、横浜まで日帰りは向こうも気を使うだろうと、涙を呑んで夫だけに行ってもらいました。花嫁さん見たかったなー。この作品は4/8から公開だったので、観るのは諦めていましたが、ヒットしたみたいですね。この日も2回上映に変更でしたが、お客さんの入りはまだ上々でした。

1959年のアメリカはニューヨーク。かつては隆盛を極めたミュージカル・プロデューサーのマックス(ネイサン・レイン)は、今やすっかり落ち目に。資金繰りに四苦八苦している彼の元へ、会計士のレオ(マシュー・ブロデリックがやってきて、話のついでにミュージカルが大コケすると、大儲けが出来る仕組みをふと漏らします。しかしそれを実現しようとしたマックスは、レオを相棒に、史上最低の脚本、史上最低の演出家によるミュージカルの実現に奔走するのですが・・・。

面白かったです。いっぱい笑いました。とにかくウォー!というくらいセットも衣装も仕掛けもゴージャス。ネイサン&マシューのコンビは、ブロードウェイキャストだそうで、息の合ったツッコミ&ボケを面白おかしく見せて、楽しませてくれます。この二人以外の全てのキャストも、コテコテハイテンションの演技がず〜〜〜〜〜〜〜〜っと(はぁはぁ)続くのですが、関西風味に鍛えられている私の目には、ぎりぎりゲップは出ません。キャストもハイテンション持続型の人ばっかりだったのが、功を奏したかも。でも観ていてちょっと疲れる人もいるでしょうね。

ゲイ、熟年女性の性、ヒットラー、サラリーマンの悲哀など、結構盛り込んでいるのに、風刺は軽めの印象で、あんまり毒は感じられませんでした。なんちゅうか、完成度の高い、いっぱいお金がかかった吉本新喜劇というか(怒られるかな?)。衣装やダンスに往年のハリウッド・ミュージカルを彷彿させるモノがあり、楽しかったです。でも楽曲の方は、観た後リフレインする曲がなく、その辺は「シカゴ」や「オペラ座の怪人」に比べて、物足りませんでした。

キャストはみんな良かったです。特に私が注目したのが、ゲイの演出家ロジャーの恋人カルメン。はいはい、ステップフォード・ワイフでも、ゲイの演技が大変面白く気に入った、ロジャー・バートじゃ、あ〜りませんか!舞台ではマシューが降板した後のレオ役をやっているそうで、芸(ゲイ)達者なんですね。またまたお気に入りに。

でもでも私がイチバ〜〜〜〜ン!印象に残ったのは、イーサン・ホークとユマ・サーマンの離婚の理由を垣間見た気がしたこと。これですがな、これ!全編完璧なゴージャさと美とプロポーション(おまけにブロンドだい!)を誇るユマを見て、これは夫としてしんどかったやろうなぁと。最初イーサンの浮気を聞いた時は、あんな綺麗なヨメがいながら、ほんま男っちゅうもんは!と思っていましたが、毎日お値段の張るフランス料理フルコースだと、中性脂肪もコレステロールも上がり、もしかした若年性糖尿病や高血圧も引き起こすかも?そらお茶漬けや精進料理も食べたいわなぁと、長〜〜いユマのあんよを見ながら、初めてイーサンに同情しました。

この作品では可愛さ満開のユマですが、そこはほれ、「キル・ビル」のブライドの気の強さが、シャープな美貌に見え隠れしております。鋭角的なんですね、彼女。マリリン・モンローが時代を経てなお愛されるのは、彼女の肢体のせいではなく、あの愛嬌のある可愛い顔だとか。パーツが全て丸く、これは赤ちゃんもそうで、人を和ませたり愛をかけようとする気にさせるものがあるのだとか。確かにユマは、和み系ではないですね。嫁をめとらば分相応ってか?

しかし同じくドラマで大ブレイクし、一躍ファッションリーダー&セレブとなったサラ・ジェシカ・パーカーを妻に持つマシュー・ブロデリックの方は、妻の尻に敷かれてる風は歴然ですが、とっちゃん坊やの風貌と同じく、飄々と自分の立場を受け止め、でもしっかりこの作品のように、お仕事でも存在感を示しています。そうよね、イーサンの前じゃ、ゲップやおならをしたら、眉間にしわ寄せて疎んじられそうですが、マシューなら「そうさ、ここはおうちなんだよ、ハニー。さぁくつろいで。」とか言いそうですよね。常に完璧でゴージャスに振舞うのもしんどいですから、「まぁ〜〜やっぱり私のダーリンね!愛してるわ!」となりそう(?)。ゴージャス妻には癒し系和み系の、とっちゃん坊や夫がよろしいようで。

というように、私には映画+αで、とても楽しめた作品でした。


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