ケイケイの映画日記
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2005年08月16日(火) 「妖怪大戦争」


ただいま山中温泉のホテルの夜中。いつも夜遅くまでネットに向かっているので、眠れません・・・。それでホテルのネットでこれを書いている訳。重症患者だ・・・。しかし何ですね、自分のIDとパスワードさえ覚えていれば、どこででも書き込み出来るんですね。便利っちゃ便利ですが、ネットに支配されている気分もちとします。

離婚した母(南果歩)と一緒に、母の郷里・鳥取で、少しボケ始めた祖父とともに暮らし始めた正(神木隆之介)。少々気弱でイマイチ新しい環境に馴染めませんが、繊細で優しい子です。そんな正が、村の神社の祭りで、世界の平和を守る「麒麟送子」に選ばれます。魔人・加藤保憲(豊川悦史)が蘇り、世界を暗黒の世に染めようとするのを懸念する妖怪・猩々(近藤正臣)は、救世主として、正に白羽の矢を立てるのでした。

監督はホラーからやくざ映画、ファンタジーまで何でもござれの三池嵩史。ちょっと出来上がりに懸念も持ったのですが、とんでもなく楽しいです。大昔の大映の同名作品は、日本に殴り込みをかけた西洋の妖怪を、一致団結して蹴散らしましたが、今回の敵・加藤に、妖怪たちは及び腰。正や猩々、川太郎に誰も協力しませんが、妖怪祭りと勘違いし、全国から妖怪たちの大群が集まるさまは圧巻でした。面倒なことはいやだけど、楽しいことなら集まるなんて、妖怪も世相を反映してライトになったもんです。

その妖怪たちですが、役者さんたちはメイクとかぶりもので頑張ってくれています。ちょっと安物くさいのがまた昔懐かしく、CGでないところが、作り手の愛情を感じてしまいます。近藤正臣、竹中直人など、人目でわかる人もいますが、私は誰が何をやるのか調べずに観たので、エンドロールで名前を観てびっくり!変身ぶりに感激してしまいました。

妖怪なのに加藤の手下となる鳥刺し女に栗山千明。一人だけ何故か宇宙人のようなコスチュームとメイクですが、健康的なお色気と相変わらずの存在感たっぷりな様は、大物感を漂わせています。彼女に負けず劣らずだったのが川姫役の高橋真唯。悪のヒロインが千明ちゃんなら、こちらは妖怪ながら善のヒロイン。長くて綺麗な足を思い切りだし、いつもぬらぬら艶光した肌をむき出しにしています。どう考えても、お父さん方へのサービスシーンですが、若くて有望な子たちの健康的なお色気は、お祭り気分の作品に華を添えこそすれ、いやみはなかったです。

気弱な男の子の、ひと夏の成長物語になったストーリーも後味が良いです。ラストは脱力感たっぷりなんですが、一向に気になりません。童心に返ったわくわく楽しい気分が、そう思わせているのだと思います。一見子供向きに作られていますが、その実大人がわいわい楽しく作ったものを、これまた大人が楽しめるように作られた作品。たまには子供をだしにして、大人も楽しまなくっちゃね。


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