ケイケイの映画日記
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2005年04月19日(火) 「インファナル・アフェア掘―極無間」


今日観てきました。友人情報ではラインシネマは、初日4人、次の日6人だったそうで、平日の今日は私一人かと思いきや、お客さんは10人ほど。まっ、寂しい入りなことに変わりはないですが。私は1は劇場で鑑賞、2は未見です。ですから疑問点は2を鑑賞していないためかも知れませんので、どうぞお含み下さいませ。今回役名と俳優の名前がいっしょだったりするので、全て役名ではなく俳優名で書きます。

1から10ヵ月後、アンディ・ラウはトニー・レオン殺害の一件で一時的に庶務課に移ります。その間、潜入マフィアを突き止め始末していくラウ。内部調査科へ移動になったラウは、保安部の警視レオン・ライもマフィアの手先ではないかと疑い調査します。そんな折、追い詰められ張り詰めていたラウは、次第にレオンの幻影を見るようになるます。

悪くはないです。しかし傑作だと言い切ってよい1から観ると、少々脚本がぬるいです。時空が入り乱れて、主に1の回想シーンが多いので、これは観ている私にはわかりましたが、あっちこっち飛ぶ間に整理するのに忙しいです。わかりにくくはないのですがなまじ1を観ているため、今回のマフィアのボス・エリック・ツァンのトニーいじめに、え〜、1では寵愛してたがなと腑に落ちず。「お前だけは俺を裏切ってくれるな。」って言ってたよなぁ?2を観ればわかるんでしょうか?

精神科医ケリー・チャンとトニーのロマンス場面に時間をさいているのですが、息づまる心理戦に一服の清涼剤というより水をさす感じで、どこにも心の持って行き場がないトニーの拠りどころと言うより、ただの男女の愛の芽生え風で、返って緊張感を間延びさせた感じがしました。

トニーの幻影に自分を観るラウですが、これがどうも私には安手のサイコもの風の演出に感じます。クローネンバーグのような不条理っぽい幻影にとは言いませんが、トニーとケリーの恋愛模様をばっさり切って、ラウの心理をもっと掘り下げてくれていたら、印象は違ったかも知れません。

一番私がダメを出したのは、ケリーがラウの心の治療をしようとして、本心を話さない彼に、過去の自分の万引きの経験を話す箇所です。ストーリーに絡んだものではないので、以下セリフを書きます。「子供の頃スーパーでチョコを万引きしたの。店長に見つかって泣いてばかりいたわ。そうしたら店長は警察に言わず家に帰してくれたの。そのスーパーに母と行った時、店長を見てドキドキしたわ。母は万引きを知らなかったから。私の様子を不審がって母からどうしたのかって聞かれたわ。だから『あの店長にいたずらされたの。』と言ったら、母は警察に通報したの。その日から店長はスーパーからいなくなった。私はこのことをずっと黙っていたけど、学生の時友人に話したらすっとしたの。人間は生まれ変われるのよ。」・・・・・・・・・。

ちょっとケリーさん、あんたアホやろ?人に話してあんたはすっとしたって、その店長はどーなるねん!すっとして「なかったこと」にするくらいやったら、ず〜と罪の意識抱えて生きてたほうがましってもんさ。だいたいケリー・チャンは顔の表情が乏しく、以前から整っているけど味気ない女優と思っていたので、それが相乗効果を伴って、ここは非常に怒ってしまいました。そしてずっと観ながら抱えていた違和感はここで発覚。1は登場人物全てに繊細な心の描写があり、善悪両方に感情移入出来るような心理描写が本当に上手く、こんな無神経な表現の仕方はありませんでした。

出演者で出色はレオン・ライ。優しげな雰囲気の彼ですが、銀ブチメガネをかけ、切れ者で冷徹な謎めいた警視を好演。私はこんなライは初めて観ました。彼の本心は最後まで読めず、それは映画全体をひっぱったと思います。これ単体として謎解きサスペンスと思ってみれば、それなりの面白さだったと思います。



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