日々記
もくじかこみらい


2002年11月24日(日) お持ち帰りで。*小話*

「いらっしゃいま、せ」
 びっくりしたけれど最後まで言い切ったのは商売魂で。
 同じように向こうもびっくりしていて、でもお客さまの立場の分、圧倒的にあちらが有利だった。
 思いがけず、面白いものを見つけてしまった。
 と言う感じで、ニッコリと満面の笑みを浮かべられた。
 同じクラスの飯島くん。
 回れ右して逃げたくなったけれど、しょうがなく、ひるまずに立ち向かう。
 だってお仕事だから。

「・・・こちらでお召し上がりですか?」
「いやお持ち帰りで」
 と、手を、中指含めた三本を握られた。
「澤田さんを」
 って真面目な顔して言われても。
 普段、クラスでおちゃらけしてる姿しか知らないから、冗談以外に聞こえない。

「・・・こちらは商品ではありませんので」
 やんわりと手をほどく。笑顔つきで。
「えー残念だなぁ」
「申し訳ございません」
「入荷したら売れるよ、どう店長」
 まっすぐ視線が背後に向かったので不自然に感じたら。
 いつのまにかそこに店長が立っていた。
 困ったような呆れ顔で、飯島、お前相変わらずだなって。
 知り合い、なんだ。

「オレ一ヶ月ぐらい前までここで働いてたんよ。澤田さん入ってくるって知ってたらもう少し頑張ったのに」
「お断りだよ。客とトラブル起こす奴はいらん」
 店長の言うトラブルの内容、想像できる気がして胃が重たくなった。

「もうすぐ休憩入るよね?ぷちデートしよう」
「・・・ご注文は?」
「10分付き合ってくれたら全メニュー注文する、どう?」
 どうって。
 ぽん、と肩を叩かれた。振り向いたら店長がこくこくと頷いていた。
 なに。
「許可下りたし」
 だからなに。
 これぐらいで足りるのかな、と福沢諭吉を2枚差し出す。
 おつりいらないからって。

「だから澤田さん、お持ち帰りで」
 今度は手首を掴まれて。
 でも今はお客さまだから、邪険にはできない。
 学校みたいに無視もできない。
 逃げられない。
 ぽん、とまた肩を叩かれた。
 怖くて振り向けなかった。


  * * *


流行なのですか。こういう日記代わりに小話、みたいなのは。
私、そのおかげで日参サイトさまが増え続けておるのですが(汗)
触発されてやってみました。えへ。
ワンシーン切り取り、みたいなやつは結構ストックがあったりするのですが。
お披露目しようがなくて眠ってるんですが、ご要望があれば小出しにしようかななんて。
調子に乗ってみたり。・・・
日記じゃなくてそれ用のページを作ろうかな。
でもきっとサボりがちになるだろうしな。
・・・
最近私飢えてるんですわ、きっと。
こういうのしか書けないなんて、きっと。
いけないいけない。
ウラのページの新作も、エロイって嬉しいこと言われてしまいました(爆笑)
私もそう思ってました!よかった感覚は間違ってないのね!
おとなしく、反省します(汗)


金田・藍 |MAILHomePage

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