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5月だというのに。おそらく10度以下だったと思われる。冬と夏だけのカナダ。
朝からあいにくの雨。昨日からの体調不良がさらに悪化し、已む無く学校は欠席。それでもブラントフォードに戻る約束はやはり果たさねばという思いがありお昼前には重い体を無理に起こす。栄養食品を一口だけ口にしてから、アンドレアへのプレゼントを買うため近距離ながらバスを使ってGift of Artへ。昨日と同じ人がいた。デザイナーか。珍しく感じのよい男性。ピアノモチーフのメモパッドを購入。いったん部屋に戻ってから、すぐにバスターミナルへ。
途中でトランペットを演奏している老人を見かけた。一度目は、雨に濡れるであろうに、信号のすぐ下で「雨に唄えば」他、ミュージカル作品を軽快に演奏していた。二度目は場所を変えたようでマーケットプレイスの入り口のした。音色と、響きそのものが、このロンドンの町並みと驚くほどに馴染んでいたうえ、道行く人の表情も、演奏の前ではまた違ったものに見えた。私も真似したくなった。そう思っただけ。
音楽はいい。たとえ空気の汚れた街でも、たとえ天気が悪くても、気持ちを軽やかにしてくれる。
バスは苦手。たいていは眠ってしまうまでに時間がかかる。それまで、遠くを見る目で(本当に遠くを見ているのだが)窓の外を眺める。とくにこれといって珍しい景色でもない。こういう状況は考え事をせずにはいられないのだ。普段あえて考えないようなことを、無意識か意識的か、記憶から持ち出し、それを辿り、物語化したりしている。脳内で悲劇なり演じるのは、想像の自由は許されるとしても、かといって創造力の強化には決してならないのだから。単に、夢の続きだろう。
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