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2016年01月11日(月) シンポジウムのお知らせ(ハリーダニエルズ教授招聘企画)

2月末にオックスフォード大学のハリーダニエルズ先生をお招きして以下のようなシンポジウムを開催します。ハリー先生はレフ・ヴィゴツキーや、教育学者であるバジル・バーンステインの思想、社会歴史文化的アプローチを基盤として、教育現場を主たるフィールドとした研究をいくつも行ってこられています。大変興味深い研究会になることと思います。

みなさま是非ご参集ください。


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「子ども/若者の良質な学びの経験をデザインする:状況論からの挑戦」

日時:2月29日(月) 12:30-17:30 (12時開場)
場所:青山学院大学青山キャンパス17号館 17603教室
会費:2000円(予定)事前申し込みは不要です。

プログラム( 司会:保坂裕子)
1)オープニング(12:30-12:50)
・企画説明:松嶋秀明
・講師紹介:杉山晋平

2)第1部:講演(12:50-15:00)
講演者: Harry Daniels “A Vygotskian imagination: studying the hidden effects of the everyday world”
コメント:有元典文

3)休憩(15:00-15:20)
4)第2部 (15:20-17:30)

話題提供者
・茂呂雄二・香川秀太・広瀬拓海「交換形態の多重レイヤリングと活動の転換」
・伊藤 崇「ビジネス顕微鏡による授業のインタラクション分析を通して教師の見たもの」
・川俣智路「学習環境における「ユニバーサルデザイン」とは?」
・松嶋秀明「不良行為生徒の学校とのつながりの対話的構築」
・コメント Harry Daniels

企画趣旨
 子ども/若者の学びについて、これまで主に注目されてきたのは「学校」内、とりわけ「授業」の吟味であった。他方で、子ども/若者には、こうした枠組みにうまくのれない存在も少なくない。例えば、学校教育におけるユニバーサルデザイン、「学級」制度自体への疑問などは、発達障害やいじめ問題などによって学びから排除されやすい生徒の存在をうかびあがらせている。学校外に目をむければ、学業不振の生徒、「不良」生徒の背景に、貧困の問題や、虐待的な養育環境、あるいは、文化的資本からの隔絶といった問題があることが明らかにされている。外国籍児童・生徒の不適応の問題の背景にも、学校という枠組み自体に内在する問題があるだろう。
 こうした子ども/若者は社会的に排除されやすい。いかに学びの機会を提供し、社会に居場所を提供するのかが重要な問いとなる。こうした問題に「状況論」はどのように応えられるだろう?。「状況的学習論」は学習のとらえ方を、学習者個人の知識獲得から、物的・心的な道具を媒介としつつ行われる教師との相互作用をとおした活動にシフトさせたが、それらをとりまく環境や、学校外のネットワークとの結びつきについてはまだまだ検討されるべき余地がある。学校建築をふくめた環境の問題、あるいは学校外の学びの機会の提供、あるいは学校と学校外の学びの場との結びつきといったような問題についても考えていくことが不可欠であろう。
 ハリー・ダニエルズ教授はこれまでヴィゴツキーを思想的背景とした研究を展開してきた。子どもの社会的排除の問題、あるいは、学校建築と教育理論との接点をさぐる研究など、大規模で挑戦的なプロジェクトをいくつも手がけてこられている。本研究会ではダニエルズ教授のこうしたご研究についてご紹介いただくとともに、わが国の状況的学習論者との対話をおこなっていくことで上記の問題について考えていきたいと考えている。多数のご来場と、活発な議論を期待しています。

・企画責任・連絡先: 松嶋秀明(matsushiman@gmail.com)
・主催:日本認知科学会教育環境のデザイン分科会(DEE)、共催:福井大学教職大学院


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