心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年11月20日(火) サプリメント

ドラッグストアに行き、「アミノ酸のサプリメントはどこですか?」と聞いてみたものの、パートのおばちゃんにはよく分からないらしく、結局自分で探す羽目になりました。

必須アミノ酸トリプトファンは、精神を安定させ、睡眠を促すといいます。脳内物質セロトニンの原料であり、逆に言えばトリプトファンが不足すれば、セロトニン不足になってうつになるとも言えます。最近人気のゴマのサプリに入っているのだそうです。

同じく必須アミノ酸のフェニルアラニンはノルアドレナリンとドパミンの原料です。これを補うのもうつ病に効果があり、例によってうつ病に効果のあるものはADHDにも効果があるというわけです(ただし摂りすぎればセロトニンの合成を阻害するそうです)。

見つけたアミノ酸のサプリメント剤は、「アミノダイエット」という名前でした。これを飲めば痩せられるなどとは一言も書いてありませんが、妻は痩せられるかもと期待を持っていましたが、単に名前にだまされやすいだけの話です。減量時に不足しがちな栄養素を補うサプリメントという名称でしょうね。

あと、カルシウムとマグネシウムの入った「マルチミネラル」と、ビタミンB群の安い錠剤を買って、しめて4千円でした。二人で飲んだら半月も持たないでしょう。本来であれば、栄養のバランスの取れた食事で補うべきなのでしょう。とはいえ、理想は理想、現実は現実と区別するのがAAメンバーとしての生き方であります。
いろいろ教えていただいてありがとうございます。

ジョー・マキューの本を読むと、ビッグブックは cover to cover、表紙から裏表紙まですべて読めと書いてあります。僕のホームグループのビッグブックミーティングは、隅から隅までよむことで知られていますが、さすがに表紙とか、目次とか、奥付は輪読しませんな。この場合でもやっぱり「中途半端は何の役にも立たない」のか、それとも「理想は理想、現実は現実」なのか・・・。
悩むところです(いや、悩まなくていいか)。


2007年11月19日(月) なぜか熱く語る

医者に行き、「一週間」という注文で診断書を書いてもらい、それをそのまま郵便局で会社宛に差し出しておきました。ともかく今週はお休みです。銀行によって帰ろうと思ったら、近くで火事があったらしく、規制がかかっていて大渋滞でした。

妻が優しい。精神的にも肉体的にも調子が悪そうですが、旦那が一週間で元気になって欲しいという気迫を感じますし、またそのがんばりも一週間続けるのが限度だろうということも感じられます。

ユニクロでハイネックのTシャツを買いました。首筋が暖まると、これほど暖かく感じるとは思いませんでした。体温のセンサーは、後頭部の下の方、首の上あたりにあって、それで体表の血流量を制御しているんだとか。入浴中もその部分までお湯に浸かると、全身がぽかぽか温まります。それと同じ原理でしょうね。
食欲が落ちているものの、体重も減りすぎているので、頑張って食べています。

さて、

親との関係が改善していないと「回復していない」と見なされてしまう、日本のAAの奇妙な文化はどうにか変えられないものか、と強く思います。ミーティングで親への恨み言をしゃべったりすると、「親には感謝しなくてはならん」というツッコミが各方面から入って可哀想なことになっている人を見かけたりします。

「私は親に感謝している」と言い、お前も感謝しろという「提案という名前の非難」をする人に限って、じゃああんたは定期的に帰省して親孝行しているのかよ、と聞くと、答えがごにょごにょだったりします。

僕は親には感謝していますが、正直24時間以上一緒にいると、ストレスのほうが大きくなります。だから帰省しても夜はAAミーティングに逃げ出したりしていますし、自分の能力以上のことをする必要もないと思っています。距離があるからこそ安定する人間関係ってのもあります。

「ミーティングで親への恨みを言うと、回復していないとみなされて、あなたのAA内での評判が落ちるから、言わない方が良いよ」

という類は、僕に言わせれば最低のアドバイスです。それを言わねば回復できない時期あるんですから。ましてや、同居していて現に親との関係にストレスがあるのに、「それは言うな」と言ってしまえば、回復の手足を縛ることにしかなりません。言いたいことを言えない縛りから、自分を解放することが必要なのに。

「親には感謝しなくてはならん」という縛りを与えたのは、おそらくはその人の親でしょう。ミーティングで夫や妻に対する恨み言は笑って聞いていても、親への恨み言となるとシーンと会場が押し黙るのも変な話です。
それと、「AAの中での自分の評判」なんてものを気にかけたら、AAが、AA以外の世界と変わらなくなってしまいます。僕は良い評判よりも、回復のチャンスの方が欲しいですよ。

それから、信用できるAAメンバーと、信用できないAAメンバーがいるわけではありません。自分が相手を信用するかしないかです。そして、信用できる人が多いほど、感情は安定し、孤独からも解放されます。つまりそこも自己決定です。


2007年11月18日(日) 寒い寒い

一気に寒くなりましたね。
山には雪雲がかかり、北風で里まで飛ばされてきた雪が、にわか雨になって降る一日でした。

易怒性という言葉があります。病的に怒りっぽいという意味です。

怒りっぽいのに似て、病的に疲れやすいというのは、なんて表現するのでしょう。易疲性? いや易疲労性か。起きた瞬間は、けっこう調子よく感じて、今日はいろいろ出来るかもしれないと思うのですが、3時間も活動すると疲れてきます。

ホームセンターに、エアコンを外した後の穴に被せるキャップを買いに行きました。それだけなら何のことはないのですが、「パパと一緒に行くヤツはいるか?」と家族に声をかけたのがいけませんでした。なぜか、ユニクロに寄る羽目になってしまいました。日曜日のユニクロが、こんなに殺人的に混んでいるところとは知りませんでした。おかげで途中で3時間タイマーが切れてしまいました。

さて、生まれてくる赤ちゃんの性別は、男51に対して女49ぐらいになるといいます。これは男の赤ちゃんが病気にかかりやすかったり、男の方が好戦的であるために、寿命全体を平均したときに、ちょうど50:50になるという自然の摂理であるようです。
しかし今は文明の時代、医学も進歩し、戦争も職業化してきました。結果的に、成人した後の人口比も51:49という偏りを残ったままとなりました。

これだけなら、男性の約2%がパートナーにあぶれるだけで済むはずです。しかし、今の日本社会に、結婚できない男性がもっと目立つのはなぜでしょうか。

その背景には、人口減少の影響があるようです。もう30年以上、生まれる赤ん坊の数は毎年減り続けてきました。ところが、男は結婚相手として、自分より年下の女性を選ぶ傾向は変わっていません。自分の世代より若い世代は人口が少ないということは、つまり女性の絶対数も少ないのです。

現在、女性の生涯非婚率が6%程度なのに対し、男性は12%とほぼ倍になるのは、実は人口減少の影響だそうです。さらに、男性は進学や就職で都市部へ移動する率が高いため、都市部ではさらに危機的な状態になのだとか。農村部の嫁不足よりも、都市部の男あまりの方が深刻なのだとか。

若者諸君(この場合は男性のみ)! 酒なんかに溺れている場合じゃないぞ。


2007年11月16日(金) 研修会メモ書き(体験的真実)

うつがぶり返すのは、栄養面で不足があるのでは、というご指摘をいただきました。ありがたいことであります。サプリメントも試してみようと思います。

我が家の栄養面を取り仕切っている主婦も、僕と同じようにうつ病持ちで、「ツルヤで買ってきたコロッケを温めて出すのも辛くてやってられない」という状態もしばしばで、あまり頼りになりません。「だいたい、何の料理を作っていいのか分からない」と言われます。

うつの症状で判断できない面もあるのでしょうが、他にも原因はありそうです。見合いの釣書には「調理師免許」と書いてありました。それは嘘ではなくて、ちゃんとその系統の学校へも行っているのですが、そもそも母親からちゃんとした料理を食べさせられた経験がないのがハンディキャップです。義母も料理が下手ではないのでしょうが、「塩分は毒」とかイロイロ変なこだわりがあって、塩味のしない塩鯖とか、塩味のしない野沢菜漬けとか・・・。

とはいえ、僕が男の料理ってワケにもいきません。そこで今夜は「まいどおおきに食堂」へと食べに行ってきました。明日はドラッグストアに行く予定です。

僕のうつの方は、今日診察の日でしたが、薬より休養が必要だろうと、薬は減りました。社長肝いりのプロジェクトからは外された格好で、週末の休出はキャンセルです。

さて、科学的真実がそれほど大事か・・というお話。

ビル・Wは、酒を飲んでの入院中に霊的な体験をしたことになっています。第一章ビルの物語にもそれは書かれていますし、『AA成年に達する』にも詳しくあります。伝記映画 "My Name Is Bill W." にも、ベッドで寝ている彼が白い光に包まれるシーンがあります。

ビルが入院した1930年代の精神病院で使われていた薬は、現在の精神科治療に使われる薬ほど洗練されていませんでした。つまり、副作用が激しかったのです。それは例えば幻聴や幻覚です。重症アル中患者であるビルの、離脱症状を抑えるためにそうした薬が投与されていたのは当然でした。

だから、ビルの「神々しい白い光に包まれ、すがすがしい風を浴びた」体験も、客観的に見れば、薬の副作用で幻覚を見ただけの話です。

その体験に驚いたビルが「自分は気が狂ったのではないか」と相談した相手、シルクワース医師が、もし「ああ、それは薬の副作用の幻覚ですから、気にしないで下さい」と言ったら、おそらく今日のAAは存在しなかったでしょう。先生はその代わり「あなたの中の何かが変わったのだから、それを大事にしなさい」と、霊的体験を真実として認めたのです。

回復に必要なのは「体験的な真実」であって、客観的にそれがどういう現象なのか、そこにこだわってみても役に立たないと言うことです。


2007年11月14日(水) これも病気の症状か

自分のバースディミーティングは、自分のホームグループでだけやることにしています。

一度だけですが、ちょうど自分のバースディの日の近くに、AAの泊まりのイベントがあって、そこで「ついでだから」という理由でお祝いしてもらいました。沢山の人に「おめでとう」と言ってもらえて、なんだか舞い上がってしまいました。
そして、自分のグループで本番のバースディミーティングをしたときに、イベントで祝ってもらって舞い上がった話をしたら、他のメンバーに「なんだこいつ」みたいな顔をされてしまいました。
これは逆の立場に立ってみないと理解できませんでしたね。せっかくお祝いしてやろうと集まったのに、本人は他で浮かれてきた話をしている・・・。しらけて当然であります。

それ以降、ホームグループでしか、自分のバースディは祝っていません。あっちこっちでやる人もいて、それはその人の自由でありますが、単に「僕はそういうのは感心しない」と言うだけの話です。

ちょうど5年になるころは、仕事が忙しく、出張続きで、ろくにミーティングに出ていませんでした。グループに人もいなかったし。なので、バースディもやらず、メダルもなしでした。もらったソブラエティに感謝を表明する機会を失ったわけで、それは残念なことでしたが、一生の記憶に残るギフトでもありました。

普段の生活や、普段のミーティングが「ケ」であるならば、バースディミーティングという「ハレ」があって良いと思います。けれど、ついつい「ハレ」という非日常を求めすぎてしまうのも、アルコホリックの病気の部分だと思います。

AAのイベントとかで、異常にテンション高く盛り上がっちゃっている人を見ると、「ああ病気の人だ」とついつい思ってしまうのであります。


2007年11月13日(火) 最初が肝心

久しぶりに仕事をしたような気がします。
目標がおよそ半分にカットされ、さらにその半分をほかの人にお願いすることになりました。一週間以上病気で無駄にしてしまったことを考えると、妥当なところかも。

最近ぼつぼつ "A Program For You"
http://kokoiede.exblog.jp/7116218/
を読んでいます。ビッグブックによる生き方のガイドという副題が付いています。
確証はないのですが、おそらく『ビッグブックのスポンサーシップ』(キャリメ)を書いた人を含んだ複数の著者によるものです。
キャリメの本が、スポンサーをやるためのガイドブックとすれば、こちらはダイレクトにメッセージを伝える本となっています。

最近つくづく思うのは、第5章に達するまでが長いのは十分意味があるんだということです。「医師の意見」から始まって、第1章「ビルの物語」、第2章「解決はある」、第3章「さらにアルコホリズムについて」、第4章「私たち不可知論者は」、ここまででおよそ100ページはあるでしょうか。

アルコホリズムが、飲み始めると止まらない渇望現象(身体の病気)と、せっかくやめているのにまた飲んでしまう精神的な囚われ(精神の狂気)の組み合わせであること。そして自力では助からないよ、ということを延々と説いていきます。

スポンシーとビッグブックの読み合わせをしていても、なかなか先へ進まなくて正直うんざりするところもあります。でもそこが「なぜステップが必要なのか」理解するのに必要な段なのでしょう。

よく言われるように、いきなり第5章を読んで、さああなたは無力ですよ、キチガイですよ、そしてこれが12ステップという解決法ですよ、さあ取り組みましょう・・・と言われてやる気になる人は、滅多にいるわけがないのです。

おそらく、3年とか5年とかミーティングに出続けていれば、本なんか読まなくても病気の本質は肌で感じられるのでしょう。でもミーティングに出続けることで、何年か酒が止まっているなら、あえてステップに取り組む理由はその人にはないわけです(だってこの先もミーティングに出続ければ酒は止まるでしょうから)。
でも3年とか5年ぐらいでミーティングを離れていく人は沢山います。

やはり鉄は熱いうちに打たねばなりません。「どうやって」ステップを実行するかも大切ですが、それ以前に「なぜステップが必要なのか」が伝わらなくてはどうにもなりません。

というわけで、僕はいつもビッグブックを一緒に読み合わせる仲間を求めているのであります。自分のためにも。


2007年11月11日(日) ああ、イライラする。

うつも底をついて、回復へと向かいつつあるようです。

だんだんうつが酷くなっていくときもイライラするのですが、良くなってくるときは輪をかけてイライラします。これはこの病気の症状の一つだそうです。

良くなってきたというのは自分でも分かります。だから早く活動を開始したい・・・とは思うのですが、まだ完全には良くなっていないので、いろいろ思い通りに自分が動けません。体もしんどいし、頭も考えがまとまりません。けれど、遅れた仕事のことなど考えると、気持ちばかりが焦ります。焦った結果がイライラです。

このイライラは要注意で、事実うつ病の人の自殺も、悪化していくときや、最も症状の酷いときではなく、良くなってくるときが一番多いのです。気持ちの辛さも、実はこの段階が一番辛いのかも知れません。
ここで無理をするとぶり返すので、明日は多分仕事は休みにします。社長肝いりのプロジェクトで、メインのユーザーインタフェースができてないと、立場がなくなりそうな感じですが・・。そんなことは心配しても仕方ありません。御身お大事であります。

仕事や経済の点ではちっとも僕は安定しません。感情もいつもふらふらしてばかりです。とてもトラブルの多いソブラエティで、周囲から見て「立派なソブラエティ」とは言えたもんじゃないと、自分でも思います。
けれど、「立派なソブラエティ」を送ることが目的なのではなく、ふらふらよろめきながらでも、次から次へとやってくる問題を、ひとつひとつ乗り越えていくことが、ソブラエティの目的とか価値ではないかと思います。

ともかく今は、焦らない、焦らない。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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