NY州在住 <旧『東京在住』・旧旧『NY在住』>
kiyo



 ダブリンの石畳【その1】

 ダブリンの話を。
 課題を終え、また、私自身が行う講義やレポートの採点を手早く片づけ、ダブリンに出発。イサカ空港から、まずはフィラデルフィア空港へ。フィラデルフィアは、多くの近代的改装を経た空港と異なり、明るく開放的な雰囲気だけではなく、シックなイメージをもった空港でもあります。明かりを落とした待合いロビーなんかあったりして、特徴的なところが好きですね。ただ、外国から英語が全く理解できない人には、改築を重ねているため、多少複雑で、特に小型便の発着エリアへはバスで移動をしなければらないため複雑か?トランジットのために4時間ここで時間をつぶすことに。学期末の忙しさで全てを忘れていたが、もう世の中はクリスマスセールのまっただ中。ショッピングモールのエリアを歩いていると、70%引きなど、結構な値引き価格で客を誘っている。年末なのね、と思う。
 
 空港のショッピングエリアを散策した後は、ピザをたべつつ、ノートを広げメールをチェック。なんか、オフィスのPCからデータが消えたらしく、私のバックアップデータを送るために四苦八苦する。この規模の空港にしては非常にワイヤレスがキャッチできなかったために、開いたノートと、荷物を抱えインフォメーションに聞いてみたりした。

 そして、ダブリン行きの飛行機に搭乗して約七時間弱のフライト。大西洋を渡るのは今年の一月にインドにいって以来か?NY発着便と違い、空いている。つかれているため爆睡して過ごすが、太平洋を渡るのと違いあっという間だった。アイルランド上空に入ると、一面草原が広がり、ところどこに森が見える、まさにUKといった感じだった。着陸後、まだ古い空港なことに気付く。エアリンガスなど、アイルランド特有の飛行機やヨーロッパのローカル飛行機会社の飛行機がうごめいていて非常に楽しい。


 非常に古くさい空港のイミグレーションでは、日本語を話す係官に遭遇。UKの入国は大変と聞いていたがなんなく通過。バゲージクレームを過ぎ、友達を待つ。案の定大遅刻をしてくれる。ベンチで過ぎゆく人の大半は西洋人だが、ちらとみた東洋系の人が私の友達の兄貴だった。ワシントンからNY経由で到着したらしい。
 
 友人と合流後、荷物を彼の家に置き、街に出る。(いつものごとく24時間営業な私は時差ぼけは一切ない)古い町並みの中、近代的な路面電車などが走っていてその風景にまず最初に感動を覚える。


 土曜日ということもあって目抜き通りには人が一杯。イサカよりははるかに暖かいがやはり寒い。ずっと風が吹いて、曇天が空を覆っている。まさにアイルランドだなと思う。レンガや石でできた街並みは、一見すると、うっそうとした感じが覚えないでもないが、道ばたで広がっている花の露天や過ぎゆく人の幸せそうな笑顔が、全体の雰囲気に親しみを持たせてくれている。


 お昼は、アイルランドビーフのローストビーフを食べることに。非常においしい。つけあわせのポテトやにんじんもなかなか良い。グレービーソースがないと多少、野趣が強い感じがしないでもないが、赤身の味がとても際だっていて、またジューシーだった。


 その後、街を散歩しながら夕方に。ジェイムソンの工場に行くことに。2006年の前半、一時期アイリッシュバーでバーテンダーをしていた私にとってジェイムソンはギネスビールと並んで思い出深い。何本あけたことだろう・・・。あのときのお客さんはどれも素敵な人だったな、などなど思い返すことは一杯だ。古い工場跡を近代的に見学コースにしたもので、ウィスキーの製造過程を細かに説明してくれる。勝手にみてまわるのではなく、ツアーが20分おきくらいに開催されていてその人について回る。質問もできるので楽しい。なにより、クイーンズイングリッシュが非常に新鮮で良い。なるほどね、こんなふうにできていたのね、と納得する。


 その後、ツアーの最後の部屋はバーになっている。入場券についている一杯お試し券で、ジェイムソンをもらう。そのほか聞き酒にも挑戦できる。


 一杯だけだが、20歳の私の友人に勧められるままにのんだおかげで、非常に酔っぱらってしまう。顔を真っ赤にして欧州特有のオレンジ色に照らされたぬれた石畳の上を歩くと非常に気分がよかった。つづく。

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追伸:昨日は誕生日でした。メールやはがきありがとうございます。でも、こうしてお便りはいただくことはうれしいのですが、誕生日自体は私はちっとも楽しくないので、何事もなく一人で過ごしました。正月も、日本にいようといまいと、むしろマックに行きたくなるようなへそ曲がりですから、お許しください。


2007年12月17日(月)



 私の教室へようこそ

 みなさんいろんな商売に就いていらっしゃると思います。そして商売柄の視点というものがみについてしまったりすると思います。

 レストランで働いているとどうしても、カトラリーの磨き具合が気になってしまったり。
 研究職(特に、文系)をしていると、小説を読んでいても出典とか、作者のプロフィールが気になってしまったり。
 研究職(理系)をしていると、フランケンシュタイを作る研究室で、緑色の液体がぽこぽこしていたりするのが、「ありえない」とかつっこんでしまったり。
 メーカーにつとめているとどうしても、原価が気になってしまったり。
 金融業界に勤めていると、のどかな牧場をみていても、「乳牛って減価償却するわけ?」とか気になってしまったり。
 広告業界に勤めていると、CMをみていても、監督当てごっこをしてみたり。
 SEをしていると、きたメールのヘッダーまで確認して発信元のサーバー名とかみてほくそえんでみたり。(友人の実話w)
 キャバ嬢のスカウトをする商売をしてると道を歩く女の子全てに値段を付けてしまったり(友人の実話w)


 とまあ、いろいろあるかと思います。私がいままで携わった仕事で一番多いのが講師なんですが、この大学でも秋学期は週に三回ほど講義を持つことになったわけです。この商売をしていて、身に付いた癖は、何でも知ってるふりをすることでしょうか?(笑)他には、普段友達と話していても、たまに、客いじりをする司会者の気分にたまたまなることでしょうか?  ま、商売柄癖というのはあるものです。

 教壇にたつということは、ある種エンタテインメントで、いろいろキャラを演じるわけですよ。適切に演じられればコンテンツは関係ないともいっていい。するとプライベートな私と違う場合も往々にしてあるわけです。普段、ひきこもりだし、人見知りするし、にこにこしたくないし、英語しゃべりたくないし・・・。ところがイサカではそうもいかず。この商売の困ったことは、すべて一対多という関係なために、多勢に無勢。あの人たち(客であり、生徒たち)は、私に説明する機会も与えず色々決めつけるわけですよ。


 ちょっと、漫画の話をすれば、あいつはヲタクだとか。同僚の先生の話をすれば、その人しか友達がいない、とか。スポーツジムでみかけただけで、私はダイエット中だとか。タイ人の女の子たちへの質問が異様に簡単で、にこにこしていて、日々の成績が常に10点満点中9以上しか与えられていないことを持って絶対東南アジア系女の子には、成績プレミアがついているとか。(ま、それは本当なんだけどね)


 1対多の関係というのはひどいものです。みんなでどんどん決めつけて、私には説明する機会も与えられない。因果な商売だなと思いました。最近、もっとひどいことが・・・。フェイスブック(アメリカ版mixi)に私のファンクラブコミュニティが作られていた。そこで延々と談義を。今日の授業のスライド使い回しだよね?とか、今日はあいつジャケットきていたけど、就職面接なんかな?ところであいつ何歳だっけ?とか・・・。聞き捨てならないのが、「今度kiyoの部屋でパーティするんだが、いつがいいかな?」ってみんなでスケジュール調整している。まったく聞いていない。アメリカのティーンエイジャーたちはずるい。

 でも、考えてみれば私も同じことをしている。


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2007年12月03日(月)



 それぞれの感謝祭

 もうしないと言いましたが、再び航空業界ネタを。

 今週は、半ばからサンクスギビングの連休にアメリカは入っています。人の移動はクリスマス以上、なんてニュース番組では言っておりました。しかし、残念なことに、私のいる東部は、季節はずれの暖かい日がやってきたらしく(イサカ以外ね。イサカはいつも通り寒いよ)霧が大規模に発生し、普段から遅れまくっている航空路線の遅延はさらに拍車がかかっています。その上、地上を走ればガソリンが高いと。ふんだりけったりですね。

 まるでバスのように、飛行機を乗り継いで、乗り継いで目的地にたどり着かなければならないアメリカ大陸で、飛行機会社の運用というのは本当に大変だな、と思います。フィラデルフィア、ワシントンDC、ニューヨークなどハブが集中しているこの地域は、どこかで混雑があると、東部全体の飛行機のスケジュールが狂う訳です。(私の経験からいえば、シラキュースからニューヨークにいくのに飛行機が遅れなかったことは5回に1度割合でしかない。)

 遅れが生じるたびに、ゲート前のベンチは人であふれかえり、ノートを開くためにコンセントは奪い合い。大しておいしくもないサンドイッチで食事をとる羽目になり、バーにはいつも以上の酔っぱらいが増えるわけですよ。こんな感じ。


 航空会社の負担も相当なものだと思いますよ。乗り継ぎ客がほとんどなわけだから、一人一人目的地・経由地を探し出し、せめて当日にたどりつけるようにルートを探し出す。その結果、座席数以上の客を乗せることになり、「誰か、席を譲ってくださる人はいませんか?」と延々とボランティアを募り、その上、ボーナスマイレージや、無料クーポンを配りまくる羽目になる。(ところで、マイレージって財務諸表上にどうやって記載されるんでしょうね?買い掛け債権的な扱いになっているんでしょうか?気になります)


 とまあ、まさに、クモの巣のように張り巡らされたシステムをまわすのは不可能なんじゃないかと思いますよ。そんな中で競争を強いられるアメリカの航空会社は苦労が絶えないなーと思います。ま、乗客もなれたもので、ディレイがでたところでカウンターに食ってかかる光景はないわけですが・・・。

 そこいくと、より単純なシステムをまわせばよくて、さらに競争すらさらされずに生きてるくせに、死に体の日本の航空会社たちは、怠け者のゾンビ以外何者でもない。


追伸;ラストの写真は、サンクスギビングあけの金曜日の休日はアメリカでは投げ売り状態でセールが行われる。そのために徹夜で電気屋の前でまつ中国人たち。彼らの限界生産性はゼロに近いのか?あそこで列を作ったり、金曜日に店に殺到するイナゴのような集団の中に、移民しかいないのも、この国の状況を物語っている。

2007年11月24日(土)



 孤独のグルメ

 同じタイトルの漫画が昔あったなーって思います。昼食も夕食もほぼ一人で食事を取っている私にとって、結構食事は孤独に完結しているが、一人で食べてるからこそ色々細分にまで気づいてしまいますよね。このカレーの具の煮込み具合とか、店の質とか。(といっても夕食に至っては毎回自分の勉強机の上でパソコンのモニターをみながら食べているが・・・)


 一人で食べていることがわびしいなーと思う人は、このような状況が結婚へのインセンティブになったりするのでしょうか?一方利点もいっぱいある。自分で100%コントロールしているおかげで、あまり日本で食べているものが恋しいと思ったことはない。食べたければ自分で作ってみればいいのだから。


 それでも困ることはある。

 例えば、「にんきや」のあんみつが食べたい!とかそういう、具体的な店だとやはり、無理がありますよね。(といっても私の母くらいしかどの店だから分からないと思うが)でも、それは日本にいても同じ事だし、あんみつだって自作できるんですよ。

 食材もたいして困らない。個人的には、それほど、日本でしか買えないものを必要としたことがないのですが、ボトルネックになることもあるかもしれません。調味料系はふつうのスーパーでもあるからね・・・。手に入れないものの中には、何があるだろう。ひじき、とか見たこと無いな・・・。あわび?さざえ?アジ。海産物系は確かに珍しいかもしれない。野菜だと、大根も珍しいと思う。


 ま、話は元に戻りますが、誕生日が近づいて、多少なりとも世間の移ろいを考えてみると、いろいろなものが集団から個人へ移っているご時世なように思います。大勢でしかできなかったものが、個人で楽しめるようになった。音楽を聴いたり、映画を観たり、スポーツを観たり。全部自分一人だけで楽しめるようになったわけですよ。

 その反動からか、一方でマイミク集めに必死になっている人がいるのは群れることへの回帰でしょうか。また、そうした人が痛くみえるのもやっぱり現代の世相かもしれません。(「親友」なんて言葉が寒々しく聞こえるのはそのため?)やはり、コントロールする範囲が多ければ多いほど安心できるし、心地いいのでしょうね。そう考えると、現在の状況はかなり成功している。今更、大人から、友達とか、家族とか、仲間とか、いわれても、君たちがそんなことを煩わしく思い、解放される社会を作ったのでは?と思う。晩婚化もその結果?

【追伸】写真は上から、スーパーで見つけて買ってみた梨。コリアンペアーって書いてあった。笑った。水っぽすぎてあんまりおいしくなかった。二つめは、私のお昼ご飯。


2007年11月19日(月)



 赤福の気持ち

 こんなに更新を滞ったことはここ10年ないんじゃないかと思う。ごめんなさい。忙しさにかまけて更新をしないと全てが延期されてしまいますね。思い切ってえいって時間を取らなければ何も始まらない。なにかを暗示しているような、ないような。

 一週間の睡眠時間を数えてみると合計20時間足らず、という生活が5週間も続けば色々すさんできますよね。ゴルフシーズンだって終わってしまうし・・・。今日なんて雪降ったし。思い切りなにかを割り込ませないとだめだ。


 実は、忙しい99%の理由はお勉強なんですがね、1%は就活なんですよ。明後日面接をたくさんしてくる。正直、仕事になんてなんの希望も持っていないので、エントリーできるところは全部したんですよ。そしてあたったところが縁があるところ、という訳です。そういえば大学院もそんなノリで選んだ。(おかげでこんな苦行のような院生生活となるわけだ。)そんなわけで、ひたすら自分の写真を印刷して履歴書にはっていると気分が悪くなってきたのです。


 んで、偶にに「面接きていいよ」っていう連絡がくる。(大体15%くらいの確率で面接までいくと観察される。)ところが、私なんて雇うつもりが全くないだろう、という会社から偶に面接連絡がくる。日本語だと「書類選考に通過しましたので、今後面接を希望される方は・・・」と書いてあるが、英語だと「We were impressed with your application, and would like to invite you. 」と書いてある。直訳すれば、あなたの「応募書類に感銘を受けましたので」ということになるので、恐縮してしまう。あなたみたいな花形会社が私なんて縁もゆかりもないのは明白で、書類なんてろくに見ていないことが分かる。


 もう面接行くの本当に嫌です。そんなことを考えていると赤福の気持ちがよく分かるようになった。

 コーネルなんていっていますが、元をたどれば、G大学ですよ。太郎と同レベル。(もっといえば、この大学院だって書類ミスで入学したと思われる。)
 「中国産原料を使用」「再利用は1%じゃなく90%」

 面接がそのまんま謝罪会見になるんでしょう?

 ほら、赤福だ。嫌だな・・・。


2007年11月08日(木)



 食事観察

 いろんなことについて書いているつもりでいても、ずらーっと今まで書いた目次を見てみると、結構食事ネタとか、何かに挑戦してみたネタ、航空機ネタとかがメジャーな潮流みたいですね。それもそのはず、毎日食事はするし、しょっちゅう飛行機にのるし、なんか挑戦してみたくなるのも人間の性というものですから。

 さて、今日は食事の観察がキーワード。食事は毎日必ずしていることですね。そんな食事に対する態度って彼や彼女の人生に対する態度と共通しているかもしれません。


 適当に食事を済ませても、体は一回満足します。人生も、豊かな国にいる限り、適当に済まそうと思えば結構どうとでもなる。ところが、嫌でも、向き合わなければいけない。避けて通れない。(何もしないというのもアクションとしましょう)以下のように考えられないでしょうか。


・超忙しくても、ご飯を炊いたり、薬味のネギを切るのを忘れない人は、少しの手間で人生が豊かになるなら、その手間を惜しまない人。
・ご飯は栄養をとる手段として割り切る人は、自分の目的に向かってリソースを究極的に集中できる人。
・失恋したり、上司とケンカした後のご飯がまずくなる人は、気分転換が苦手な人。
・俺は口に入れるなら高級品しかいれないぜ。金がないなら、食わん!という人は、自分のポリシーをどこまでも貫徹している人。
・ご飯?ああ、もうなんでもいいよ。という人は、人生についても適当にごまかし続ける人。
・一人で食べるご飯は味気ない〜!という人はとっても寂しがり屋で誰かと幸せを共有しないと、自分が幸せになれない人。
・和食以外は受け付けない、という人は、好奇心が薄く、未知の分野への探求をしない人。
・ハンバーグが好きなんだ、毎日ハンバーグで良いよ!という人は、一度はまると、どっぷりはまる人。
・酒がないと夕食は始まらない、っていうか酒とつまみで夕食はOKという人は・・・アル中だよ。
・外食は好かんなー、という人は、味以外に、雰囲気やサービス、道中のドライブなど、目的外の目的を楽しむ心がない人。
・嫁(彼女)のご飯が超最高!という人は浮気の心配がないかも。
・今日は、和食、明日はフレンチ、明後日は中華、と毎日違ったものを食べたい人は移り気が多い人。


 とまあ、その人の食事に対する態度の観察やそこからの推測は色々できるのがその人の食事態度じゃないかな、と思うわけです。どうでしょう?将来の伴侶になる人を選ぶときはその人の食事態度から自分との相性を推測してみれば?


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2007年10月22日(月)



 空気を読み違える人・読まない人

 数年ぶりに、何日も寝込んでいる。困ったことだ。頭はクリアなのに体が言うことを聞かない。

 ま、それはそれとして、このイサカにも若干「痛い」人が観察できるわけですよ。

 痛いってどういうことだろう?見ていて痛々しい人?いうなれば、見聞きするに堪えない、と定義したら良い感じじゃないだろうか。例を考えてみよう。


(1)コンビニバイトに臨んで「日本経済を支えているんだ」と意気込んで雑誌を並べている人
(2)三日間徹夜して、具合を悪くしてまでセーターを編み、彼氏でもない一目惚れ人に「こうすれば私のこと好きになってくれるよね?」つぶやく女
(3)教養科目でしかも必修で仕方なくとらされている学生に対して、生徒の習熟度合いが云々と悩み続けている講師
(4)祖国のためにノーベル賞を、と意気込んだ挙げ句、業績をねつ造し出す研究者

 等々。いずれも、痛い。何故だろう?
 コンビニバイトでマクロ経済云々することがナンセンスだし、そもそも日本経済が悪ければ、どうなんだ、という話だ。尽くせば良い、信じ込めば良いと思って周りをみないバカなのに、捨てらたら、すわ被害者意識だけは天下一品。君の授業をとりにこの学校に来たわけでもないのに、プライドだけは名誉教授。妄想でしかないナショナリズムをリアリスティックな科学に持ち込むアホさ加減。


 とまあ、そんな「痛さ」が以上の例には散見される。そしてその痛さを観察すると、その原因は、空気を読み違えているからに他ならないことが分かる。言い換えれば、相手や周りの期待を勘違いしてるからだ。

 黙ってレジを売っていれば良いものを・・・。電話やメール程度で良いものを・・・。教科書通り教えていれば良いものを・・・。普通に研究していればいいものを・・・。

 と、周りの期待を大きく読み違えている。

 そこで、思ったのですが、むしろ空気を読まない人のほうがましじゃないですか?痛くない。

「レジ打ち楽しいなー、最高だぜ。」
「あの人超好きだから、セーター編んでるだけで幸せ。それだけでお腹一杯♪」
「自分の予定平均点以内に実際の平均点の結果が出たときは快感を感じます」
「牛の体細胞をいじってると、それだけで給料は要りません」


 ほら。なんぼか「まし」じゃありませんか?なぜなら、他者はこの場合関係ないから。自分で好きにやってるだけ、で完結している。「おいおい、俺らの事誤解するなよ。君のことなんて眼中にないからさ・・・」と相手に思わせてると、その「痛さ」は倍増するように思えます。

 空気を読み違えるくらいだったら、むしろ読まない方がいいのかも。

【追伸】写真は、上から、東京でみつけたデモパレードと、ソウルで見つけたデモパレード。いずれも、こうすることで周りの支持を失っている事に気がつかない空気を読み違えた連中。


2007年10月14日(日)



 この街に馴染みすぎる私。

 目の回るような忙しさが続いていますが決して、本当に目が回ったりしないのは、キャンパスが広いから動き回っても結局円運動にならないからでしょうか。勉強することや講義をすることで忙しいはずなのに(要は事務職的なこと)、何故か足が太くなり、運動後のようなお腹の好き方をするのは、面白いことです。(スロープを何度も往復するからね)
 
 これまで何度か、イサカの生活を紹介してきましたが、今度こそ、「お前はどんだけイサカになじんでいるんだ」ということを紹介しましょう。イサカの街は、カユガ湖という大きな湖の湖畔の猫の額ほどの小さな平地に街の中心が作られています。(実際に猫の額を観察したこともないし、そんだけ小さいはずもない)
 他は山々に囲まれ、ある山の上には私の大学があり、他の山の上には、イサカカレッジという大学があり、他の山の上には住宅街があったり、畑があったり、ゴルフ場があったりするわけです。そしてその山々を私や鹿が行き交うと。(鹿とすれ違うことは滅多にない)

 何を思ったのか、体育の授業でスキューバダイビングを取った私は、一体何処で実地訓練(プールや教室以外)をするんだろうか、と思っていたんですが、やっぱりカユガ湖。イサカにすむ誰もが知っている湖ですが、まさか潜ってみるとは・・・。週末の二日間、朝8時に集合した私たちは、重い道具を積み込み(タンクとかもね)、車で移動すること5分。(そうよたった五分)湖畔に到着、ダイビング専用ボートに乗り込み潜ってきましたよ。

 ま、湖なので湖底に水草がいっぱいあったのが印象的で・・・。魚なんて、ほんの一瞬みかけた程度でしたが、海とは違った感慨深さです。私は、環境保護の取り組みについて勉強をしていますが、今まで、中国で環境がやばいとかきいても「あ、そぉ・・・」と勉強は勉強とクールな態度を決め込んでおりました。しかし、今は立ちションしている人を見つけようものなら背中から押しかねないくらい環境は大切よ、と思ってきました。なんせ潜ってるんだから。

 週明け。くたくたの体をひきずってキャンパスにいくと、いつものように挨拶されます。
“How was your weekend?”
 こう答えたくて、このコースを受講したのかもしれない。実際答えた訳だが・・・
“well,,, I was UNDER the lake, Cayuga lake.”


 追伸:この記事はシラキュース空港の待合室で書いているが、今のところ飛行機の出発時間が三回延長された。私は今日飛ぶことができるのだろうか・・・。


2007年10月06日(土)



 業界の匂い

 以前、ちょっとの間だけ東京駅近くの地下のバーでバーテンダーをしていたことがありますが、もう始めてから一週間くらいで、客の姿を見るとどの業界の人か分かるんですよ。
 客の大半は、金融・外資・商社・建設・メーカーでしたが、もう一目見てどこから来たか分かるのね。先日そんなことを思い出しました。
 
 私のいる大学は、方針としてどの学部の授業でも好きなだけとっていいよ、ということにしているので、基本的に所属学科はあまり関係ない。ビジネススクール・ロースクール・文学部・農学部・・・で展開されている講義の内、自分の研究分野に関係すれば取ることにするわけです。


 それでね、教室にはいると空気が違うわけですよ。もうね。ロースクールとか、ここは会議室ですか?っていう感じな訳ですよ。みんなスラックスにシャツきてるし。文学部とか、ケンカの弱そうな奴ばかりだ・・・。(私はいつもすり切れた短パンにポロシャツだ。
 んで、一応自分のホームベースの農業・環境系の分野の講義にいくとね、ほっとするわけです。その日、ラボの時間に熱帯性植物の見学会があり、先生のお供をしたら楽しかったよ。
 いつも人類の未来を考え続けてる先生とか、化粧っけの薄い女の子とか、洗いざらしのシャツの男の子とか。何よりみんなニコニコしながらディスカッションをしている。


 イギリス人のその先生は、土埃と暑さに苦しむ学生を見て必死にジョークを言うわけです。
「これから穀物類から、今度はマメ科植物に移ります。色々あると思うんだけど、鹿とリスたちがどれが好きで、どれが嫌いかちゃ〜んと分かるのですよ・・・」

 ま、滑るわけですよ。
 学生(特に学部生)はあつぃ・・・って思ってるのに、体して面白くもないジョークを連発する。さすがイギリス人。あぜ道を移動している最中に、隣にいる私に

「みんなに笑顔で観察して欲しかったんだけどな・・・」

 ってつぶやくんですね。いいひとだー(゚∀゚)「覚えていらっしゃいますか?一緒に行ったインドのICRISAT(半乾燥地域研究所)の敷地で鳥の観察に三時間も散歩した時を思い出します。あのときは楽しかったです」となんとか元気づけてみたら、喜んでもらえた。


 居心地の良い業界だな・・・。なんでだろう?やってることは他の業界と変わらないんですよ。最先端はやっぱり複雑で、漠然としていて、つかみ所がない。そもそも先端まで立つのにも非常に苦労が必要だ。それでも、なんとなく農業だったり、開発だったり、環境保護だったりすると居心地が良い。

 自分に居心地のいい業界のにおいの立ちこめる場所の方が、あなたの生産性も上がるのかもしれません。明日、オフィスに出勤したら嗅いでみて下さい。

2007年09月23日(日)



 描いて分かる自分の脳内。

 最近聴いている音楽はなんですか?
 もう今世紀に入ってからオリコンチャートなんて見もしなくなりましたよね。前世紀から見てはいないといえばいないけど、それでもランキン王国のあのパジャマッ子からちらちらと教えてはもらっていました。
 そして、80年代ロックを聴いていたと思えば、ビートルズになり、今はフランクシナトラに夢中です。意味不明ですね。逆行というか退行というか。
 とまあ、いつの頃からか世相とは離れて好きなものに興じるようになり、今になって「脳年齢」を測ってみたんですよ。

 一番面白かったのが、お絵かきコーナー。なんか題材が与えられて描いてみる企画。3問中2問が動物で、1問が地図を書く問題でしたよね。象を描いてみようとか、北海道を描いてみようとか。地理大好きっ子だった私は、地図を書くのは得意よ。

 面白いのは動物編。いろいろ自分の脳内でねじ曲がっていることがよく分かる。あんなに笑い転げたのはここ一年ないんじゃないかと思うくらい笑い転げた。

 いってみよう。

「リス」


 意外といけてるでしょ?ま、ほら、毎日みてるし。ちょっと困った顔をしているのが、私の脳内変換でしょうか。「秋は冬に備えて木の実を集めるのが忙しくてねー」と言っている感じです。

 爆笑だったのが次。「蜂」!!


 ・・・・。


 うん。だね。蚊。

 自分でやって笑い転げた。刺す辺りが一緒なんでしょうか。一人でやって抱腹絶倒する遊びも珍しい。自分の脳内って素敵なワールドが繰り広げられていることが分かる一端でした。


 ん?脳年齢は何歳だったかって?ほほほ。


 
 若い者には負けません。


2007年09月10日(月)
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