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2006年03月29日(水) 私の出会ったヘンな本 その3

 今回の本、未読。それどころか実物も未見。新聞広告で出会って眼が釘付けなのだ。

 このタイトルが故に。

 新聞一面の最下段、書籍の発行広告が大好きだ。画像なし、ほとんどキャッチもなし、ただただ本のタイトルのみが大きな活字で並んでいる。なぜかこのスペースに載る本は妙に専門的であったり一風変わっていたり。定期刊行物でコンスタントにここに広告を出すのは「現代農業」だったりする。Viva農文協。ベストセラーの文芸書などの広告は、もっと中の方のページに掲載されているように思う。職業上の必要も少々あって、一面の下段はチェックする習慣である。ちなみにこの本の広告が載った朝、職場の6人中3人がこの本に心を奪われていたことが判明した。

 しかしこれ、面白そうだ。特に第3章の「さらなる高みを目指して」との文言が期待を持たせる。どこかで見つけたら買おう。どの棚に置いてあるのかも気になる。NDC分類では基礎医学になっているのだが。


2006年03月25日(土) 転石

 昨夜は、15年ぶりに東京ドームで下記のようなことを叫んできたのであった。

  like it, like it, yes, I do
  I'm Jumpin' Jack Flash, It's a gas! Gas! Gas!
  call me the tumblin' dice
  honky tonk,honky tonk women
  yeah, yeah, yeah, woo!

 始まった瞬間はやっぱり涙ぐんでしまった。さすがに15年前のような、吐きそうになるほどの号泣ではなかったけれども。あの時は生きているキースを見られたってだけで泣けて泣けて。キースをはじめ、みんななんだか15年前よりもパワーアップしてた気がした。チャーリーも元気でよかった。

 だいぶ遅くなってから予約して、しかもスタンド席だから期待していなかったのだが、予想外に良かった。スタンドのかなり上の方だから遠いことは遠いんだけど、「ど正面」だったのだ。ホームベースの真上あたり。セットの中央に巨大ビジョンがあって、それが高さも合って目線の正面にくる。そしてアリーナ中央にステージが移動してきた時は、もうほんとに「ストーンズがこっちに向かってやってくる」感覚を味わえた。オペラグラス無しで、裸眼でメンバーがはっきりと見えた。15年前は何度か行ったけれど全てアリーナで、全然見えなかったので今回の方が嬉しかった。

 ステージ上では相変わらず、フロントの3人が隙さえあればチャーリーのところに寄り集まっていた。ほんっとに好きなのね。ロニーは両手を上げてぐにゃぐにゃさせるのがブームみたいだった。曲の最中でもやってた。関西弁で言うところの「いちびり」な感じは変わっていないが、この人ももうすぐ60である。あと巨大ビジョンで、ステージの映像と30年以上前のビデオクリップの映像がクロスしてて倒れそうだった。私がストーンズを聴き始めた頃の映像かぁ。今回は、もう最後かもしれないと思って30年のファン歴を回顧する意味で見に行ったのだけれど、見たら見たで「また来ないかなあ」などと思ったりする。やっぱりかっこいいもん。2時間立ちっぱなし歌いっぱなしはさすがにぐったりしたけどね。


2006年03月22日(水) もしかしてコレだったのか

 花粉症の人には辛い季節であるようだ。今年は楽だとの噂も聞くが、どうなんだろうか。私はといえば今年もめでたく症状は皆無。子供の頃から20代まで、毎年毎年苦しめられた春先のアレルギーが嘘のようだ。いくらなんでも花粉症が治るというのは考えにくいので、花粉じゃなかったのだろうとは思うのだが、そうするとあれは何だったのか、そしてけろりと治ってしまったのは何故なのかという謎が残る。この季節にはアレルギーの遠い記憶がふと頭をよぎり、子供の頃に春先に身近にあって、今はないものって何だろうと考えることがある。たぶんそれが私のアレルゲンなのだ。

 そんな折り、紀伊国屋書店のサイトを見ていたらこんな本にであった。

 黄砂―その謎を追う

 この本を見た瞬間、仕事中だったのだけれど思わず「あっ」と声が出た。黄砂かぁ。あったなそういえば。東京では見ないので忘れていたよ。育ったのが近畿地方、しかも日本海側となれば、空が黄砂で薄黄色く煙るのは春先の風物詩であった。しかもだ。気象庁の観測によれば、1977年の前後数年、日本への黄砂飛来がひとつのピークをなしている。ああ、私のアレルギーもその頃から全盛期を迎えていたよ。学術的に正しいのかどうかはわからないが、限りなく怪しい。なんてこったい。もしかしたら私はタクラマカン砂漠やゴビ砂漠のおかげで涙と鼻水を垂れ流し、くしゃみ連発していたのか。何という地球規模なアレルギーだ。


2006年03月20日(月) 特異日

 前にもちょっと書いたけれど、私は毎日食べたものと買ったものの記録をつけ続けている。以前はノートに書いていて、2000年頃からはMacで。武田百合子さんの「富士日記」のまねをして始めた。箇条書きで書いてあるだけなので、日記ではなくてあくまでも記録である。Macで書くようになってから6年分のログが溜め込まれているわけで、そうするとなんとなく統計的に有意かと思われることが時々発生する。2年続けて同じ日に同じ店で食事をしていたり。

 さて、去年と一昨年の3月20日、私が食べたもの。

 2004年3月20日
 昼:イカリングフライ、大根煮、納豆、ご飯、しじみの赤だし
 夜:カレー、ビフカツ、スパイシーポテト、ビール @新橋自由軒

 2005年3月20日
 昼:大根葉のピリ辛炒め、納豆、ご飯
 夜:カレー、ビール

 私にとって3月20日とは、納豆とカレーを食べる特異日であることが判明した。せっかくなので今日も昼にカレーを食べてみた。これから晩ご飯なので、納豆を食べようと思う。特異日ではあるけれども旬とか全く関係ないのが少し悲しい。


2006年03月17日(金) 今日でお別れ

 寝台特急「出雲」が今日の便をもって廃止されるそうだ。

 最初に乗ったのは10代の頃で、何かの用で母と東京に行った時の帰りだったと思う。素直に新幹線に乗ればよさそうなものだが、母が鉄道好きだったので。社会人になってから東京に住むようになり、体力と予算に余裕のある時は時々これで帰省した。去年の5月にも、東京に戻って来る時に乗った。あれが最後になったのだなあ。乗っておいてよかった。

 特に豪華でもなく、狭い寝台が蚕棚式に並んでいて、カーテンで仕切ってプライベートスペースを確保する。ほんとうの「寝台車」。最近のサンライズなんとかシリーズは、寝台車というよりはホテル列車だ。出雲の、「人間一人分ぴったりの寝台に横になって運ばれてゆく感じ」が好きだった。移動している実感があって。車両も古かったし、時代遅れなのは確かだからしょうがないとは思うけれど、唯一の心残りは東京から出雲まで、全線乗車をしてみたかったのが叶わなかったこと。

 実家のあたりでは、本数が少ないので「列車の通過」で時間を計る習慣がある。「特急が通ったからお昼にしよう」なんて。明日からは「出雲が通ったからそろそろ寝よう」って言わなくなるのだね。ちょっと不思議な気分。


2006年03月15日(水) オオエさん

 ノーベル賞ではなくて、ルースターズの方。

 週末、たまたまついていたTVにいきなり大江慎也氏が登場して、椅子から落ちそうになった。ソロアルバムを出したとのこと。あたりまえだけれど年を取って、ふくよかになって、おじさんになって。去年か一昨年に、新しいバンドで活動を始めたというのは小耳にはさんでいた。でも、ずいぶん昔、復活したんだって!と見に行ったライブが痛々しくて見ていられないもので、その後15年以上にわたって不在。そんな経緯を見てしまったので、「大江氏の復活」に関しては疑り深くなっていた。TVの画面でインタビューに答える姿を見て、なんだか今回は大丈夫かもと思えて。復活したんだ。ほんとに帰ってきたのか。しみじみする。


2006年03月14日(火) かわいいかわいい魚屋さん

 お弁当のおにぎり用に、ちょっとだけ鮭が欲しいなと思って魚屋さんをのぞいた。いいタイミングで、キングサーモンのアラがあった。150円也。一人分のお弁当くらいだったら、アラのすき身で十分でしょ、と買って帰って塩焼きにしてほぐしたところが、このような山盛りになってしまい困惑している。この器は小鉢ではなくて、直径15センチほどの中浅鉢である。




 そもそも、パックの表面は骨の部分だったのだが、あけてみたら下からハラスがどんどん出てきて驚いた。売り方としては逆ではないのか。いやそれよりもハラスはハラスとして、もっといい値段をつけて売るものなのではないのか? そういえばこの間ブリのアラを買ったら、アラでもカマでもなくて「身」だったなあ。もしやこの魚屋さん、「アラ」の定義がゆるいのか。切り身にして売る以外は全部アラなのか。いやこちらとしては有難いばかりなのではあるが、大丈夫なのか。そしてこの予想外に大量のほぐし身、どうしたもんか。昨日おにぎり、今日まぜご飯にしたらもう飽きたよ。あとはお茶漬けかチャーハンか……うぅむ、ご飯との組み合わせしか思い浮かばない。


2006年03月12日(日) カラオケナポリタン

 発表会が終わってやれやれと思う間もなく、3月の下旬には検定が控えているので相変わらず二胡の日々である。検定は別に受けなくてもよいのだけれど、何かないと練習しなくなるからねえ。休日で時間に余裕のある時はカラオケボックスに2時間こもる。途中に一度休憩を入れて、ちょっと小腹がすいている時にはナポリタンを食べるならわしとなっている。

 私はあちこちの喫茶店でついナポリタンを食べてしまう習性を持っているが、カラオケボックスでは食べたことがなかった。ある時ふとメニューを見て「へえ、ナポリタンがあるのか」と気づいて、なんとなく食べてみたらハマった。冷凍の業務用をチンしてちょっと炒め直したようなシロモノなのだが、なんともいえず麻薬的な味がする。ケチャップだけじゃない、なんだかスナック菓子的なフレーバーが。値段もスナック菓子的に250円だし。そして即効でお腹をこわすのだ。これでこそナポリタン。



2006年03月11日(土) 私の出会ったヘンな本 その2

 さてヘンな本であるが、今日のは一身上の都合により書名を正しく表記したくないので、リンク先を参照されたい。ここでは便宜上「アレ大全」としておこう。

 アレ大全

 職場で出会った本である。半泣きになりながら目録作成した。抄録を書かなきゃならないので、仕方なく目次を斜めに大急ぎでちら見した。目次だけでもアレの文字がぎっしりで目眩がした。しかも「ヒトとアレの出会い」だの、「ペット及びコレクションとしてのアレ」だの、とんでもない文脈である。自分の職業を恨んだのはこの時が二度目であった。一度目は動物図鑑を登録していて、たまたま開いたページが「クジラの胃にぎっしりと詰まった大量の寄生虫、鮮やかなカラー写真」だった時で、思わず本を投げた。

 それはともかく、「アレ大全」は非常に面白そうではあるので読んでみたい気持ちもなくはないのだが、まだちょっと決心がつかない。


2006年03月07日(火) 感動巨編

 映画のチケットを扱っているサイトに、こんなことが書いてあった。

   〜その他上映間近作品のチケットも取り扱っております〜
   ☆ウォレストグルミット 全国共通券(3/18(土)〜)

 感動巨編だ、きっと。人間ドラマなのだ。涙なしには観られないのだ。…なぜ一文字カタカナになっただけでこうなるのか。いやそれはフォレストガンプのせいなんだろうけど。

 音読してみると、イントネーションまで変わるようだ。

  ウォレスとグルミット 
  ーー___ー____

  ウォレストグルミット
  ーーーーーー____

 うん、音読してみてもやっぱりあれだ、ある貴族の没落の物語とか、老夫婦の愛の物語とか、そういうのだ。ヴィスコンティかベルトルッチかアンゲロプロスで、3時間半くらいあるの。邦題には絶対「愛の」ってつく。まさか粘土だとはなあ。


2006年03月06日(月) 私の出会ったヘンな本

 ものごころついてからずうっと本を読んで暮らしているわけだし、図書館では借りもしないようなジャンルの棚のあいだをうろつくのを趣味とし、そのあげくに司書なんて職についている。世の中の平均よりは、いろんな本に巡り会う機会は多いのだろうと思う。ほんとうに、世の中にはいろんな本があるものだ。という話をどこかで書いたような気もするのだがどうしても思い出せないのでよしとして、2006年の新企画、私の出会ったヘンな本。時々このテーマで書く。かも。いわゆる「トンデモ本」ではない。ちゃんとした、真面目な、おもしろい、役に立つ本である。でもなんかヘンなのだ。主題の選択そのものに驚いてしまうような本。

 まずこれ。
 楊枝から世界が見える 楊枝文化と産業史 (稲葉修著,冬青社,1998)

 楊枝ですよ、楊枝。爪楊枝。全287ページ、楊枝のことしか書いてない。たしか図書館でたまたま新刊コーナーにあって、あまりのことに借りて帰って熟読してしまった。おかげで楊枝に関して妙に詳しくなった。日本の楊枝は大阪の河内長野が本場だ、とかね。この本の著者は河内長野の老舗楊枝メーカーの社長さんで、世界を旅して楊枝を蒐集し、爪楊枝の博物館まで作ってしまったのだそうだ。是非立ち寄ってみたいと思いながら、大阪に行く機会がなくて果たせないでいる。

 しかしほんとうに世の中にはいろんな本があるものだ。そしてそれを書いたいろんな人がいるものだ。


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