びっと日記


びっと日記

		びっと

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■　パーソナリティーズ②／天羅ＷＡＲ

睦木弥七　各務軍情報参謀
　　　　　主なクラス：忍者　　　／レベル４
　　　　　主な因縁　：主家の復興／レベル２
　「さて、彼らはどう動くか…油断、できないわね」
　各務郡の草を束ね、情報の要となっている女性。兄、六郎太の死と同時に、元の名である「弥生」を捨て、主家に仕えるためシノビとなった。
　彼女が統括する忍者部隊は、情報収集、操作、撹乱に長けた北軍に対抗しうる数少ない戦力である。強力極まりない代わりに制御もできない「天狼」と異なり、各務の直轄部隊である。
　弥七自身は、几帳面で誠実だが自分を追いつめてしまうタイプ。その意味では、どちらかといえば鷹揚な各務正親との相性はいいのかもしれない。

鷹峰成美
　　　　　主なクラス：神宮家　　　　／レベル２
　　　　　主な因縁　：神宮家への忠誠／レベル１
　「ひ、ひぃぃ！　よきに計らえ、後は任せる！」
　各務軍、鶴来軍を合わせた天羅軍蔵天州方面部隊全体を統括する監督官。神宮家から監視役として送り込まれた人物である。つまり、今回の派兵に際しては、鶴来・各務両国の成立に一枚噛んでいる策士、のはずなのだが…。
　誰がどう見ても凡庸。戦場では「あ、後は任せる！」と言って持ち場を放り出してしまうことがしばしばである。そのため両軍の将兵からは完全に馬鹿にされている。天羅軍が平気で仲違いできるのも、彼の監視が甘いせいであるとも言える。

アル・ティーア　「モルガン・ル・フェイ」の見習いウェイトレス
　　　　　主なクラス：サルーンガール／３
　　　　　主な因縁　：おいしい料理を作る／２
　「約束だから、私、がんばるっ！」
　プロミストランド・セントラルエリアの酒場「モルガン・ル・フェイ」で見習いウェイトレスをするル・ティラエの少女。「おいしい料理の修行のために」、酒場で働いている。
　テラ語を片言しか話せないため、客は彼女の前で平気で秘密の会談を持ったりするが、実はその内容はほぼ完璧に理解している。ただ、上手く喋れないだけなのだ。ただ、性格は生真面目なので、聞いた内容を口外することは滅多にない。

ジャニス・Ｂ　アリステアの秘書
　　　　　主なクラス：オートマータ／３
　　　　　主な因縁　：子守唄／３
　「何故、私はこんな詩を覚えているのでしょうか…？」
　Ｔ・Ａ・エジソンから「罪滅ぼしとして」アリステアに贈られたオートマータ。とはいえ、とある子守唄を記憶していること以外は取り立てて変わったところはない、ただのオートマータである。
　机の前でじっとしているのが苦手なアリステアの代わりに、事務をこなしたり、連絡役に走り回らされる毎日を送っている。
　

2007年04月30日(月)

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■　パーソナリティーズ①／天羅ＷＡＲ

“十一番目のテン・チルドレン”アリステア・ＸＩＩＩｅｄ・Ｃ・グレナディア
　　　　　クラス　　：ル・ティラエ・レベル６
　　　　　主な因縁：師匠との約束を守る・レベル３
　「私の命令が聞けないというなら、今すぐ出ていって頂戴」
　テラ合衆国プロミストランド方面軍司令官。グレナディア一族の後継者を自称する。
　ロケットレンジャーズを率い、ロステクエンジニアとともにプロミストランドの危機を救った才媛である。しかし、彼女の経歴は謎だらけであり、自身はロステクエンジニアでもなければバトルスーツも着ない。
　自分はオウガとの混血であると公言しており、その言葉どおり、オウガ独特の超感覚によってテラ軍のピンチを幾度も切り抜けているが…。
　傍に「ルイーズ」と「キャロル」という二体のオートマータを連れている。

各務正親　天羅軍プロミストランド方面部隊南軍司令官
　　　　　クラス　　：軍師・レベル５
　　　　　主な因縁：鼎の再興・レベル３
　「やれやれ…前門の虎、後門の狼、か」
　蔵天州、各務の国の名代。かつての鼎御三家（鶴来、各務、御珠）の一つである各務家の後継者。
　２００年の時を経て今だ最強と名高い「天狼」(*1)を擁し、各務、睦木、羽道、蓮葉、阿瑠という大領預を束ねる鼎南朝の総大将。
　彼自身はどちらかと言えば文人肌の人物であるが、戦場で剣を執ることに躊躇するタイプではない。いつもにこやかに笑みを浮かべているが、裏では抜け目なく策を弄し、事を成し遂げる。とはいえ、元来陰性の人物ではないので、敵に回すことがなければ基本的には友好的な人物である。
　情報収集は副心である睦木弥七が統括し、戦闘部隊の指揮は睦木六郎太に任せていた。しかし、六郎太は不慮の死を遂げ、彼は後任の人事に悩んでいる。

(*1)現在の天狼は個々の戦闘力は極めて高いが（むしろそれゆえに）組織としての運用は不可能である。各務家もまた、天狼の指揮官として認められているわけではない。この辺りの複雑な構造が、鼎南朝が鼎を統一できなかった理由の一つである。

鶴来美鳳　天羅軍プロミストランド方面部隊北軍司令官
　　　　　クラス　　：陰陽師・レベル７
　　　　　主な因縁：鼎の統一・レベル４
　「甘く見られたものね…私も」
　蔵天州、鶴来の国の名代。鶴来家の当主であるが、代々養子が後を継ぐ一族であり、血縁関係はない。
　２００年に渡って鼎の支配権を争いつづけた鼎北朝の総大将。鶴来、織部、深山、清河、樹という大領預を束ねている。
　機面ヨロイや機人といった、神宮家北朝の技術を駆使した兵器群を効果的に運用する天性の勘を持つ天才。天幻・緋の弟子であるが今は門下を外れている。鼎統一にかける情熱は余人には図りがたいものがあるが、身体が病弱で時々吐血する。病身を押して戦場に出るため症状は一向に良くならない。
　善悪以前の問題として、極度の合理主義者である。双方にメリットがあれば手を組むこともできるだろう。

2007年04月29日(日)

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■　「Ｖａｍｐｉｒｅ　Ｐｒｉｎｃｅｓｓ　ｃｏｍｅｓ　ｔｏ　ｔｏｗｎ」／天羅ＷＡＲ

　あとひとり、殺せば、私はきっと人間になれる。

　あとひとりの命を浴びれば、私はきっと人間になれる。

　…陽の光は嫌いだ。あの子を思い出すから。

　私がこうして闇の中をのたうち回っているというのに、あの子は光を謳歌している。

　私はあの子が嫌いだ。何も知らずに光の中でのうのうと生きているあの子が。

　そうだ。最後はあの子にしよう。

　あの子の暖かい血潮を浴びれば、私は、きっと…。

ＰＣ①　推奨クイックスタート：無垢なる探求者　推奨クラス：スチームメイジ
　　　　　因縁：ノーヴィアへの義務感
　　　　　既存キャスト：エミリー
　久しぶりに、プロミストランドに住む旧友から手紙をもらった。
　「頼みたいことがある」旧知のスチームメイジはそう言って切り出した。
　差し出されたのは、今街を騒がせる殺人鬼、ヴァンパイア・マーダーからの殺人予告。
　「私の孫を護ってくれないか。孫は私の生きがいなんだ」
　出会った孫娘は、キミを見ると花のように微笑む。
　「初めまして。ちょっと変わったナイトさんね」

　※「無垢なる探求者」は、ルールブックに記載されていないオリジナルクイックスタートのキャラクターです。

ＰＣ②　推奨クイックスタート：荒野のガンマン　推奨クラス：アウトロー
　　　　　因縁：メイへの連帯感
　久しぶりに立ち寄ったプロミストランドの酒場で、見覚えのある顔が話しかけてきた。
　「よぉ、久しぶり。しけた顔してるねぇ」彼女はメイ。
　自称ライターだが、どうひいき目に見てもゴシップまがいのウソ記事を書き散らす詐欺師の類だ。
　「いいネタがあんのよ、どう、一枚噛まない？」
　彼女の依頼は、街を騒がせる殺人鬼、ヴァンパイア・マーダーからの護衛だ。
　なぜ、そんなにこのネタにこだわるのだろう…キミは疑問に思いつつ、しぶしぶ首を縦に振った。

ＰＣ③　推奨クイックスタート：疾風の迅雷　推奨クラス：忍者
　　　　　因縁：殺人事件を解決する
　　　　　既存キャスト：朝霧／地主＝波流
　「よく来てくれたわ」
　各務軍の情報参謀、睦木弥七はそう言ってキミを出迎えた。
　「耳の早いあなたのこと、もう聞き及んでいるでしょうけど…今、街は連続殺人事件の噂で持ちきりよ。
　人の血を吸う鬼…妖魔の名前をつけてテラ人は呼んでるわ。既に我が軍の兵が十数名、殺されている。
　これはテラ軍の陰謀、今すぐ休戦を破棄するべき、なんて言い出す輩まで出る始末。
　この街を再び戦火に巻き込まないため、真相を探って頂戴」

　※「疾風の迅雷」は、ルールブックに記載されていないオリジナルクイックスタートのキャラクターです。

ＰＣ④　推奨クイックスタート：戦場の狼　推奨クラス：ロケットレンジャー
　　　　　因縁：殺人事件を解決する
　プロミストランド軍の作戦本部に呼びだされたキミ。本部は久しぶりにピリピリとした空気に包まれていた。
　「連続殺人事件だ」そういうと、アリステアはばさっとキミの前に事件のファイルを放り出した。
　「犯人の手がかりは今のところなし。天羅人も何人も殺されて、お互いピリピリしてる。
　一触即発…このまま行くと、また戦争になりかねない。そこで…」
　アリステアはぐっと身を乗り出す。
　「あなたの出番というわけ」

　

レギュレーション

・ＰＣが３人の場合、③、もしくは④をなくすこと。因縁は①＞②＞③＞④＞①の順番で取ること。
・ＰＣが５人の場合、５人目の推奨は「紅蓮の傾奇者」となる。
・追加ルールの使用はなし（「マリアッチ」「流派：クンフー」「流派：不動明王拳」は使用できません）。
・経験点はＳＲＳのものが使用可能（アルシャードガイアなど）。
・クラス習得数制限は「３」とします。
・時代は「破滅のクリスマス」の２年後、２０７６年（テラ暦）。舞台はテラ合衆国。
・ＰＣが「重圧」状態であっても、「烈迫の気合」は使用できるものとします。
・ゲーマーズフィールド誌に掲載された最新のエラッタを全て適用します。

2007年04月27日(金)

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■　天羅ＷＡＲ／追加クイックスタート

“疾風の迅雷”

　　「我が剣、我が姿、見切れるか！」

　キミは、天羅の名代に仕えていたシノビ、戦のプロフェッショナルだ。
　敵の後方撹乱、情報収集、そして要人暗殺。戦場では、キミの果たすべき役割は無数にあった。
　やがて戦場は天羅からテラへと移ったが、キミにとっては大した違いはなかった。
　所詮、相手は人間であり、やることは何も変わらない。
　キミの腕はいつでもどこでも必要とされた。
　次なる敵は、天使だという。
　キミは戸惑ったが…しかし、やはり戦場はなくなりはしない。
　そして、キミの力が必要とされる機会もまた、減ることはないだろう。

クラス：キャラクターレベル／７レベル
　シューター／１レベル
　忍者／４レベル
　機甲猟兵／２レベル

種族：人間
宿業：４０

体力：１４（＋４）
反射：１５（＋５）
知覚：１４（＋４）
理知：９（＋３）
意志：１０（＋３）
天下：１１（＋３）

命中：１１
回避：９
魔導：６
抗魔：７
行動：１６
耐久：２８
精神：２２
攻撃：６

珠式銃槍（銃槍刃）
珠手榴弾
足軽具足
薬湯

鷹の目／魔弾の射手
憑鬼の術・丙／封術・乙／威吹の術・丙／忍法・蟲草／威吹の術・乙
機甲猟兵装備／超力／ブルクラッシュ

“無垢なる探求者”

　　「ソレハ、大変、興味深イ、デスネ」

　キミは、とあるスチームメイジに造られたオートマータ、自動人形だ。
　肉の身体の代わりに鋼の体を持ち、心臓の代わりに心魂機関がキミを動かす。
　キミが目覚めて初めに興味を持ったのは…キミ自身を形作るスチームマジックだった。
　キミは、どうやって生まれたのか？　何でできているのか？　キミの疑問は尽きることがなかった。
　やがてキミは、創造主からスチームマジックを学び、主に次ぐほどの研鑚を積んだ。
　しかし、キミの疑問はまだなくならない。
　主が死に、キミは主の後を継いだが…それでも疑問はなくならない。
　天羅との間に巻き起こった戦乱、そして天使との戦い。
　そこでなら、真実にたどりつけるのだろうか？

クラス：キャラクターレベル／７レベル
　マジシャン／１レベル
　スチームメイジ／４レベル
　オートマータ／２レベル

種族：オートマータ（種別：機械）
宿業：４５

体力：１０（＋３）
反射：６（＋２）
知覚：１３（＋４）
理知：１５（＋５）
意志：１５（＋５）
天下：１４（＋４）

命中：６
回避：４
魔導：１０
抗魔：９
行動：１４
耐久：２５
精神：３０
攻撃：３

レミントンデリンジャー
装甲エプロン
ホバースカート
メディカルバッグ
術具
エリキシル剤
薬湯

呪文詠唱／轟魔の印
差分機関／コンバージョン／ケミストリー／エナジーブリッド／トライ＆エラー／カルノーサイクル／セパレート／ディヴァイド
アイアンメイデン／オートマータ専用武装／パーフェクトサービス

2007年04月26日(木)

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■　鳥の詩／天羅ＷＡＲ

アクトトレーラー

　
　生まれて初めて、海を見た。

　海ってどこまでも広くて青くて大きいものだったんだ。

　そう言ったら、姉さんは笑った。

　また、ここに来れるかな？　姉さんにそう聞いてみた。

　ええ、もちろんよ。姉さんはそう言った。

　なら、きっとそうなのだ。姉さんが言うことはいつも正しいから。

　そして、僕たちは戦場に戻った。

ハンドアウト

ＰＣ①　推奨クイックスタート：戦場の狼　推奨クラス：ロケットレンジャー
　　　　　因縁：ヨロイへの嫌悪感
　「キミにはヨロイを護衛してもらう」
　そう言われた時、キミの心には何とも言えぬ苦いものが漂った。
　天羅のヨロイは、テラ軍の宿敵だ。銃弾を跳ね返し、おもちゃを弄ぶように、兵士の手足をもぐ。
　事情はわかる。一時的とはいえ和平を結んだ相手に、戦場に遺棄された超兵器を返却する。
　恩を売るにはこの上ない。だが…。釈然としないのは、何故だろう。

ＰＣ②　推奨クイックスタート：巨神の姫　推奨クラス：ヨロイ乗り
　　　　　因縁：明日奈／恭平姉弟への連帯感
　かつて、キミが英雄といわれていた頃。
　キミと同じヨロイ乗りとして、肩を並べて戦った姉弟がいた。
　キミたちはまさに巻け知らず。戦場にキミたちにかなう敵はいなかった。
　時は過ぎ、キミは敗北を経験し、戦の相手も変わった。
　そして…あの姉弟とは、キミはあれから一度も会っていない。

ＰＣ③　推奨クイックスタート：悠久の聖女　推奨クラス：イモータル
　　　　　因縁：プロミストランドを守る
　皮肉なものだ。今まであれほどテラ軍を苦しめた天羅軍の超兵器を「護衛」とは。
　だが、仕方がない。天羅とテラの共存のためには…天使に対抗するためには「儀式」が必要だ。
　それに。
　何かキミの心に引っかかるものがある。何か…嫌な予感がする。
　この街に、危機が迫る予感が…。

ＰＣ④　推奨クイックスタート：紅蓮の傾奇者　推奨クラス：サムライ
　　　　　因縁：各務正親との腐れ縁
　「我が軍のヨロイを敵軍から返してもらう、というのも妙な話だが」
　各務はそういっていつものように微笑んだ。相変わらず食えない男だ。
　「正確には、鶴来軍のヨロイなんだがね。我々が預かっても問題ないだろう。
　ヨロイ乗りも、ＰＣ②とは親しくしていたようだしな」
　その子供は、どうしたのか？　聞くまでもなく、各務は呟いた。
　「もちろん、もう生きてはいないだろうがね」

レギュレーション

・ＰＣが３人の場合、④をなくすこと。因縁は①＞②＞③＞④＞①の順番で取ること。
・ＰＣが５人の場合、５人目の推奨クラスは「荒野のガンマン」となる。
・追加ルールの使用はなし（「マリアッチ」「流派：クンフー」「流派：不動明王拳」は使用できません）。
・経験点はＳＲＳのものが使用可能（アルシャードガイアなど）。
・クラス習得数制限は「５」とします。ただし、戦闘修正値が加算できるのは４つまで。
　（要は、キャラクターシートに書ける分まで、という意味）
・時代は「破滅のクリスマス」の２年後、２０７６年（テラ暦）。舞台はテラ合衆国。
・ＰＣが「重圧」状態であっても、「烈迫の気合」は使用できるものとする。
・ルールブックに記載された「武器の重量」は、「必要体力」であるとする。
・ＨＰ及び達成値は、０未満になることはない、とする。これによって、羅刹状態から羅刹状態に移行することは不可能になる。

2007年04月19日(木)

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■　サマー・ドリーム／天羅ＷＡＲ

　何が違うというんだ…？

　その女はそう言った。

　大勢を救うために、誰かが犠牲になる。当然のことだ。

　軍隊だって、似たようなものだ。

　だから。

　その娘が、街一つを救うために犠牲になることも、

　何の不思議もないことだ。

　だから、これは最後の旅。

　彼女が望んだ、最後の旅だ。

ＰＣ①　推奨クイックスタート：戦場の狼　推奨クラス：ロケットレンジャー
　　　　　因縁：ジャニスへの反感
　あの日。破滅のクリスマスの日。キミは天使を目撃して生き延びた、数少ないロケットレンジャーだ。
　あの戦いでキミは九死に一生を得、それ以来天使を求めて戦場をさまよう。
　キミがプロミストランドと呼ばれる街にやってきたのも、そこに天使がいると聞いたからだ。
　そこで引きうけた護衛任務で、キミは彼女に再会した。
　同じロケットレンジャーの生き残り、ジャニス。彼女の冷たい瞳を見て、キミはまたあの惨劇を思い出す。

ＰＣ②　推奨クイックスタート：紅蓮の傾奇者　推奨クラス：サムライ
　　　　　因縁：アル・ティーアへの憐憫
　「彼女を護衛してほしい」プロミストランドに駐屯中の各務軍の総大将、各務正親はそう言った。
　彼女、とは。まだ年端もいかぬ、オニの子供。
　「ロストヘヴン市長、Ｔ・Ａ・エジソンじきじきの依頼だ。ロストヘブン防衛の要、巨大メーザー砲“マナナン・マリクル”が天使に破壊されたのだそうだ。
　修理には…彼女の協力が必要なのだよ」
　きょろきょろと周りを見回す彼女を見て、キミは暗い気分になった。

ＰＣ③　推奨クイックスタート：悠久の聖女　推奨クラス：イモータル
　　　　　因縁：ロストヘブンを守る
　“マナナン・マリクル”が天使によって破壊された。
　その恐ろしい事実は、さらに恐ろしい事実によって増幅された。
　天使の大群がロストヘブンに向かっている。もはや一刻の猶予もない。
　キミは政府の密命を受け、メーザー砲を直すための鍵を握る人物…アル・ティーアに接触した…。

ＰＣ④　推奨クイックスタート：巨神の姫　推奨クラス：ヨロイ乗り
　　　　　因縁：アル・ティーアへの友情
　「すごいなぁ！　これ、キミが動かしてるの？！」
　そう言って、その少女は目を丸くし、キミに賛嘆の目を向けた。
　味方からも敵からも恐れられ、近づく者もいないキミに、物怖じせず話しかけたのは彼女が初めてだ。
　彼女を守れ。それが、主家からキミへの命令だった。
　一も二もない。友達を守るのにヨロイの力が使えるなら。キミは喜んで従うつもりだった。
　キミはまだ知らない。ヨロイの力の源がなんなのか、そして、彼女を待つ運命を…。

レギュレーション

・ＰＣが３人の場合、③をなくすこと。因縁は①＞②＞③＞④＞①の順番で取ること。
・ＰＣが５人の場合、５人目の推奨クラスは「ボーイズ＆ガールズ」です。
・追加ルールの使用はなし（「マリアッチ」「流派：クンフー」「流派：不動明王拳」は使用できません）。
・経験点はＳＲＳのものが使用できます（アルシャードガイアなど）。
・クラス習得数制限は「５」とします。ただし、戦闘修正値が加算できるのは４つまで。
　（要は、キャラクターシートに書ける分まで、という意味です）
・時代は「破滅のクリスマス」の２年後、２０７６年（テラ暦）。舞台はテラ合衆国です。
・ＰＣが「重圧」状態であっても、「烈迫の気合」は使用できるものとします。
・ルールブックに記載された「武器の重量」は、「必要体力」であるとします。
・ＨＰ及び達成値は、０未満になることはない、とします。これによって、羅刹状態から羅刹状態に移行することは不可能になります。

2007年04月13日(金)

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■　かくて、時は流れたり②／天羅ＷＡＲ

４．反攻

　そして、大きな転換点が訪れる。
　プロミストランドの郊外で、オリハルコンの発掘を行っている富豪がいることは、人々もかねてより噂していた。だが、彼らはドル札が乱れ飛ぶ街の統治には興味を示さず、ただ黙々と発掘作業に携わっていた。
　彼ら…つまり「十一番目のテン・チルドレン」こと、グレナディア一族。その当主を名乗る女性が、プロミストランドに帰ってきた。
　その名を、アリステアＸＩＩＩｒｄ・Ｃ・グレナディア。彼女は東部から、プロミストランド軍の指揮権と、一つの土産を持って帰還したのである。
　ダブル・トラックス上の“セイバーヘーゲン”…すなわち、新生ロケットレンジャーズ。
　アリステアが投入したＲＲ部隊は、油断していた鶴来軍の目を覚まさせるに相応しいものだった。無抵抗の羊と思っていた獲物が突如牙を剥き、鶴来軍は初めての敗走を味わう。
　しかも、アリステアは何故か天羅の事情に精通しており、天羅軍の戦略の欠陥や超兵器群の弱点を知り尽くしていた。彼女に味方するグレナディア一族のロステクエンジニアの助力もあり、鶴来軍は街の北西部に追いやられる。

　その時、天羅軍の第二陣がプロミストランドに到着した。
　長駆して運用が可能な飛空サムライを中心とする、各務軍である。

５．膠着

　各務軍は降下と同時にＲＲ部隊に対し戦端を開き、激しい戦闘を繰り広げた。不意をつかれ、防戦に回っていた鶴来軍もこれに加わる。プロミストランド軍は侵略される側でありながら数が少なく、実質アリステアの率いる一部しか機能していない。彼我の戦力差がじわじわとテラ軍を苦しめた。
　逆に、天羅軍にも悩みがあった。言うまでもなく、友軍の裏切りだ。
　長年に渡る鶴来軍と各務軍の戦いによって生じた不信感と憎悪。それは容易には拭いがたい。テラ軍を目の前にして斬り合いを始めることさえしばしばだった。
　戦闘は膠着し、天羅軍にとっては本国のそれと同様、終わりのない泥沼の戦いになるかと思われた。

６．そして

　コロンビヤードによる神来山への砲撃。
　それは、プロミストランドで戦う両軍の誰もが目にした。空に走る一条の白い光。突如起こった爆発。
　３軍の長たちは、通信機からの連絡を待っていた。
　ある者は、砲撃の成功を願い、ある者は砲撃の失敗を信じた。
　だが通信機は不気味な沈黙を続け、物音一つ流すことはなかった。

　そして、通信機に代わり、別のものが砲撃の結果を告げた。
　コロンビヤードの防衛隊を壊滅させたセラフィム級より下、パワーズと呼ばれる天使たちの来訪だ。
　その点では、彼らはコロンビヤード守備隊よりは、運がよかった。

　しかし…。

　鶴来軍１８万、各務軍１２万、テラ軍１０万。４０万の軍勢が、一斉に攻撃をやめた。
　戦場の真ん中に降り立った一体の天使が、銃火を交える相手より遥かに危険な相手であることを、
　彼らは本能的に察知したのだ。
　３軍は上層部の命令を待たず、猛攻撃を開始した。
　だが、銃も剣も、天使に毛一つほどの傷さえつけられなかった。
　天使が羽根を羽ばたかせるたびに無数の刃が舞い、ヨロイや金剛機でさえずたずたに切り裂かれた。
　一睨みするだけで、精鋭のロケットレンジャーは塩の柱と化し、サムライは硫黄に焼かれて死んだ。
　戦闘開始からわずか１０分ほどで、万の単位で人が死んでいった。
　まさに絶望的な戦いだった。

　だが、奇跡は起こった。
　天幻・緋の最高傑作と呼ばれる金剛機、岳斬の巨大な刃がついに天使の足を止めさせた。
　次の瞬間、ロケットレンジャーの英雄、ウィレムが体を半ば塩に変えられつつも、天使にしがみついて動きを封じる。
　各務軍のサムライ、羽道閃斎が天使に斬りかかり、その体を貫いた。
　その時、三人が互いに肯きあうのを確かに見た、と生き延びた兵が後に語っている。
　金剛機の心珠が暴走を始め、レンジャーの心魂機関（２世代後の差分機関）がそれに呼応した。
　サムライの式が暴走を増幅し、膨大なエーテルがその場に流れ込む。
　次の瞬間、三人の体と共に天使は爆発し、街の一街区を火の玉に変える。
　それを目撃した３軍の長たちはそれぞれの思いにふけり、そして…期せずして同時に息を飲んだ。
　３軍の英雄がその身を犠牲にしたにも関わらず、天使はまだ生きていた。体の３分の２が吹き飛んだ無残な姿ではあったが、まだ動けたのである。
　我に返った天羅、テラ両軍の精鋭部隊によって猛烈な射撃を浴びせられ、ようやく天使は倒れた…。

７．現在

　プロミストランド軍、鶴来軍、各務軍は街の東側、北西部、南西部に陣取り、互いを牽制しているが、攻勢に出る気配はない。天使への恐怖が、奇妙な共存状態を生んだのである。
　プロミストランド軍にしてみると、天羅軍が占領しているのは元々未発掘だった、未踏の場所。取られたところでそれほど痛くはない場所だ。もちろん天羅軍の存在は腹立たしいが、正面切って喧嘩を売るほどではない、というところか。
　鶴来軍は、３軍の中では最大の兵力を持ち、また最も戦闘意欲が旺盛だ。しかし、天使による被害を最も多く受けたのも彼らだった。参謀役の天幻・緋が今のところ遺跡発掘に興味を奪われていることもあり、今のところ積極的に戦闘に出てはいない。しかし、シノビは情報収集に飛び回っており、いつまでもこの沈黙は続くまい、というのが大方の予想である。
　各務軍は、最も遅れてテラにやってきた。しかも、テラ軍と交戦していた時間が短かった上に、友軍の危機を救いにきたというのが（敵軍だが）テラ人の琴線に触れたらしく、（あくまでも鶴来軍に比べてだが）好意的に見られている。また各務側も、かつて遠い先祖が鉄甲船を作ってテラに渡ったという言い伝えがあり、水面下でテラ人との平和的な接触を試みている。

　天使が倒れた場所は閉鎖区域として、双方の立ち入りが厳重に禁じられた。
　３軍の勢力範囲の境界線である「中央街区／セントラルエリア」では、テラ人と天羅人の奇妙な共存が始まっていた。

　そして…破滅のクリスマスから２年。
　時は再び動き出す。

2007年04月12日(木)

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■　かくて、時は流れたり①／天羅ＷＡＲ

　テラと天羅の戦争、いわゆる「第二次契約戦争」。

　テラ東部と西部の境に存在する、ここ“Ｐｒｏｍｉｓｅｄ　Ｌａｎｄ（約束の地）”にも、戦火は過たず飛び火した。

　広大な“貴族”の遺跡を擁するこの街に、牙を剥いて襲いかかったのは、天羅は蔵天の地の名代二人。

　彼らが同じ親から生まれた兄弟であることを知る者は、まだ誰もいない。

１．天羅にて

　一般に、鼎中興の祖として知られる名君、竹中伊織。
　彼の失踪から始まった鼎の名代の座を巡る争い…鼎南北朝時代は、実に２００年以上の長きに渡って続いた。

　南北朝の開戦当初、最強の戦闘集団「天狼」を擁する鼎南朝が有利に戦いを進め、北朝勢力を清河の城一つ残すまでに追いつめた。
　しかし、ここで異変が起こる。中央大陸で間空仁堂による乱が起き、神来山が爆発したのだ。世に言う南北朝争乱である。
　括島と呼ばれるシノビの里、いわば情報機関を抱えていた鼎北朝の鶴来麗華は、この事実をいち早く察知。神宮家北朝から、機面鏡と機面ヨロイ、そして機人の技術を手に入れることに成功した。厚い忠誠心と並外れた戦闘力を持つ“天狼”の攻勢を、鼎北朝は高い技術力で補い、戦線を南に押し戻して領地を奪還する。
　鼎南朝は竹中伊織の教えから、金剛機やヨロイといった不自然な超兵器群に嫌悪感を抱いており、それが南朝の技術刷新を遅らせてしまう。
　これには、南北朝それぞれについた、二人の「天幻」の性格の違いも現れている。北朝天幻、天幻・緋は目的のために手段を選ばない性格であり、南朝の天幻・月は美学や精神性を重んじる性格であった。
　高い技術を持ちながら、臣下である大領預たちの疑心暗鬼によって決め手を欠く北朝。
　変わることない忠誠心によって領地を守りながら、技術力の差による不利を埋めきれない南朝。　
　決着は、２００年経っても着かなかった。
　
　中央大陸の南北争乱と、蔵天州の鼎南北朝時代。
　二つの図式は奇妙に似ている。二つの争乱はほぼ同じ時期に始まり、そしてその終わりもほぼ同時だった。

　エンタープライズ号の漂着と神宮家の統合。そして、それに続く南蛮討伐の勅命。

　始めのうちは、鼎南北朝とも、この勅命に乗り気ではなかった。お互い、自分の喉首を掻き切ろうとする隣人への対処で精一杯であり、他に出かけて戦争をする余裕などなかった。
　しかし、２００年の間に鼎の大地は荒れ果て、民草は疲れ果てていた。

　名城と呼ばれた石動城は、２機の大ヨロイと共に吹き飛んで巨大な湖となった。
　交易都市として栄えた西岐の街は、式の暴走によって樹海に飲み込まれた。
　失われて戻らないモノは、他にも数えきれないほどあった。

　言い替えるなら、彼らは、終わりのない戦乱に飽きていたのだ。
　そして、テラ討伐のための戦力が欲しかった神宮家は、最後の切り札を切る。すなわち、南北朝それぞれの領主を名代と認め、名鏡を与え、領土を安堵しよう、というのだ。
　南北朝は、名代の座を巡って争っていた。その最大の理由の一つが、ここに消えた。

　鼎はそれぞれ“鶴来”と“各務”という、二つの国となり、そして。
　遥かテラの地を目指したのである。

２．テラにて

　“Ｐｒｏｍｉｓｅｄ　Ｌａｎｄ”…約束の地。
　“貴族”の遺跡に築かれた、かつてウエストエンドと呼ばれたことのある街。この巨大な街が築かれたのもまた、２００年ほど前のことである。
　エドワード・Ｄ・グレナディアと名乗る男がマーシャル（司法官）となり、遺跡に集う無法者を取りまとめて街を作った。法と秩序を作った。しかし、このエドワードという男の経歴は謎に包まれており、その真の目的が何だったのかも、今もって明らかではない。
　彼が没した後、プロミストランドは富豪たちの集団合議制による統治へと切り替わった。
　そして２００年。
　企業は腐敗し、人々は終わらない遺跡の探索を半ば諦めていた。
　倦怠と停滞が街を覆っていた。

３．開戦

　２０７１年８月。テラ東部の進攻に約１年遅れ、鶴来軍の航空ヨロイを中心とする航空兵団が、プロミストランドの上空に突如飛来した。
　彼らが何故、大軍団の投入しやすい東部でなく、西部を狙ったのかはわからない。神宮家の干渉を嫌ったとも、既に上陸している名代たちとのいさかいを嫌ったためともいう。
　星蓮級空母から飛び立った、エンタープライズもかくやという飛空艇の数々、そしてそこから放たれる何機ものヨロイ。
　東部での戦争については聞き知っていたテラ人にとっても、この攻勢は晴天の霹靂だった。
　天幻・緋の率いる陰陽師団による爆裂型式による爆撃と、続くヨロイによる降下作戦で、開戦からわずか１時間の間に、プロミストランドの兵力は９９．７％が壊滅した。
　プロミストランドの運命は風前の灯だった。

　しかし、鶴来軍の侵略は、思わぬ敵の前に頓挫する。
　市庁舎、教会などの重要施設をまたたく間に制圧した鶴来軍だったが、この街の構造、つまり「遺跡」そのものに手を焼く羽目になった。テラ側には２００年の地の利があり、ヨロイの砲撃でもびくともしない建造物の内部には、ヨロイでは入れない。サムライや金剛機は投入できるが、数に限界がある。
　遺跡の奥に逃げ込んで息を潜めるテラ人への特効薬は、天羅側にはなかった。

2007年04月11日(水)

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■　パラダイス・ロスト／天羅ＷＡＲ

　もう、戦うのは、嫌だ。

　最初にそう言いだしたのは一人のテラ人だった。
　天羅もテラもなく、サムライもオートマタもなく。

　それは、戦いに倦み疲れた者の楽園。
　天羅の脅迫も、テラの懐柔も、寄せ付けない。
　それは、地上に蘇った、ただ一つのパラダイス。

　しかし…。

　天羅ＷＡＲ、「パラダイス・ロスト」。
　白き翼の舞う大地で、あなたは何を思うのか？

ＰＣ①　クイックスタート：戦場の狼　　推奨クラス：ロケットレンジャー、あるいはテラ系戦闘クラス
　　　　　因縁：シオン・バクスターへの感銘
　「戦場の天使」。彼女はそう呼ばれていた。
　休む間もなく戦場を飛び回り、かいがいしく負傷兵の世話を焼く。
　彼女に助けられた者は少なくない。キミもその一人だったかもしれない。
　だからこそ、キミは驚いた。
　キミの赴任先、プロミストランド守備軍司令、アリステアがキミに命じたのは…。
　第一級反逆罪容疑者、シオン・バクスターの調査だった。

ＰＣ②　クイックスタート：紅蓮の傾奇者　　推奨クラス：サムライ、あるいは天羅系戦闘クラス
　　　　　因縁：睦木六郎太への好敵手
　六郎太とは同郷だ。
　遥か海を越え、蔵天州各務の国を出てテラにたどり着いてから、ずっと同じ戦場で戦ってきた。
　彼は強力なサムライだ。彼が敵でなくてよかったと、キミは何度思っただろう。
　しかし、彼は突然失踪した。天羅軍は彼の行方を全力で捜索したが、行方はわからなかった。
　そんな時、キミに突如命令が下る。　
　奇妙な村を調査せよと。

ＰＣ③　クイックスタート：式をえがきし者　推奨クラス：陰陽師、軍師
　　　　　因縁：天羅軍への忠誠
　困り果てた顔の指揮官が、キミを呼び出したのはつい先日のこと。
　「テラの村を調べてほしい」
　なんでもその村には、天羅とテラの逃亡兵たちが集っているのだそうだ。
　長い戦に疲れた兵たちが次々とその村に逃げ込んで、士気はがた落ち、進軍にも支障を来す有様。
　そう聞いては黙ってはおれない。キミは調査を開始した。

ＰＣ④　クイックスタート：開化の使徒　　推奨クラス：ライター、あるいはテラ系非戦闘クラス
　　　　　因縁：セラフィーナへの恐怖
　「また会いましょう」
　それに、そう言われた時の恐怖を、今もまざまざと思い出す。
　無数の死者が横たわる戦場で。天羅もテラもなく。サムライもオウガもなく。
　全ては等しく殺された。ただ一人、彼女の手によって。
　キミが生き延びたのは、幸運か不運か。キミはそいつの噂を追い、この町にやってきた。

　ＰＣが３人の場合、④をなくすこと。また、その場合はＰＣ③をテラ系のキャストにすることも可能です。依頼主はアリステアになります。

　レギュレーションは以下のとおり。

・追加ルールの使用はなし（「マリアッチ」「流派：クンフー」「流派：不動明王拳」は使用できません）。
・経験点はＳＲＳのものが使用できます（アルシャードガイアなど）。
・クラス習得数制限は「３」とします。
・時代は「破滅のクリスマス」の２年後、２０７６年（テラ暦）。舞台はテラ合衆国です。

※このシナリオは、元々天羅を舞台とするシナリオを翻案したものです。そのため、プレイヤー全員が合意すれば、天羅を舞台とする元のシナリオでプレイすることもできます。
　ただしその場合、テラ出身者及びテラ系クラスは原則として使用不可、ハンドアウトなしになります。

2007年04月06日(金)

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初日