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不通は快適な速読コート。
ひい、ふう、みい、よお・・・。 寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。 可笑しな可笑しなお話だよ。 世にも滑稽なお人のお話だ。 御代は要らない。 さあ、さあ、さあ、さあ。 寄ってらっしゃい、見てらっしゃい。 なあんて必死に騒いでも、 必死に作り笑顔で誤魔化しても、 必死になんでもない風を装っても、 誰もあんたを見ちゃいない。 必死なあんたは誰に取り繕ってるのか。 結局あんた自身にさ。 最初から最期まで、何から何まで、 あんたはあんたと手に手をとって踊ってるのさ。 まるきり絵に描いたようだ。 皮肉めかして笑っても一人なんだ。 やめときなよ。 何かをするのをやめてしまいなよ。 何もしなけりゃいいじゃない。 無意識に? 嘘を吐くことも意味を持たないだろうに。 期待してるその心を潰してしまいなよ。 希望を持ってるその胸ごとさ。 そんなもの、存在しないんだから。 数えるのもやめたらいい。 往復四捨五入エントリー。 何度も何度も何度も何度も手紙を書きました。 ってパクリはいいから。 何度も何度も何度も何度もその場所へ行きました。 いつもいつもいつもいつも待っていました。 ずっとずっとずっとずっと待っていました。 あなたに逢えると信じていました。 それにそこはあなたに逢える唯一の場所でしたから。 そこへ行って待つ以外にありませんでしたから。 稀に残されていた言葉はそれはそれは綺麗でした。 どこからどう見ても硝子でできた水晶でした。 あなたの姿を見かけて声をかけたこともありました。 あなたはしばらくじっと動かなくなってから姿を消しました。 そしてあなたは悠々自適な旅をしていました。 もういいんですよ。 誤魔化さなくていいんですよ。 嘘吐かなくていいんですよ。 馬鹿なあたしも気付きましたから。 もう手紙は書きません。 もうその場所へ行きません。 もう待ちません。 そしてあなたは悠々自適な旅を続けます。 さようなら。 |
零と壱の綴れ織。 | ||
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