別大陸マイン。
よく、
「好きなものだから手に入れたい。」
だとか、
「好きな人だから付き合いたい。」
だとか聞く。

どうしてそう考えるのだろうか。
欲しい全ては手元に置いてしかるべきだというエゴイズムを
正しいものだと擦り込まれてしまっているのか。

好きならば、遠くから眺めていれば良いのだし、
むしろそっと見ているだけのほうが長持ちするというものだ。
触れれば磨耗し、手元が狂って破損する確率が増すだけである。
本当に大切ならば、触れようとは思えないはずであろう。

遥か彼方のそれをいつまでもただ眺めていよう。

パブリック猫被り。
前向いて前向いて前向いて前向いて進め?
そんなことして足下すくわれませんか?

やっぱり下向いて進めたらそれが何よりなんです。
あたしは下向いて立ち尽くしてるだけなんですけどね。
進むなんていつからしていないんでしょう。
まあ忘れるくらい長い間していないわけです。

それでも止まってるわけでもないんですよ。
ここの地面は動くから。
この足を載せたまま上下に動くから。
もちろん上より下に動きやすいんですけどね。

手を伸ばせば?乗り越えれば?強くなれる?
偶然の結果を正論にすりかえていませんか?

背伸びしたって逆効果なんです。
伸ばした手は空を掴んでバランスを崩すだけです。
そのまま自由落下。
見慣れた低地が優しく迎えてくれます。

暗い泥の中浸かりながらたたずむのもいいものでしょう。

零と壱の綴れ織。
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