海津ほろよい日記
湖畔の酒蔵 ほろよい社長の日常

2009年10月15日(木) 土俵際

朝からアレルギー性鼻炎の症状がでて、水っ洟がとまりません。

顔や手の皮膚がかゆくなり、倦怠感もあって半病人状態。

しかるに来週は「地酒の祭典」やらハートコンピュータさんの酒税ソフト指導があって、再来週は税務署さんが帳面の検査に御来訪。ほろよいは徳俵に足がかかっています(笑)。

リーチがかかっている、ほろよいを尻目に世の中は動いているようで、大関さんの協力を得てJT(日本たばこ)から、こんな「清涼飲料水」がでたようです。

吟醸酒を製造するため大量に出る米ヌカに、液化酵素と糖化酵素を作用させて甘酒(業界では米ヌカ糖化液と呼んでおります)をつくり、炭酸ガスを吹き込んで「シュワシュワ感のある甘酒」を開発されたようです。期間限定だそうで、コンビニに並んでいたら速攻でお求めください。

上品な甘みが持ち味なのでしょうから、季節柄「スダチ」の果汁を少量しぼりこんでもいいかもしれません。オーソドックスにショウガのしぼり汁もいいかもね。

(日経ネット→「米づくり」)

(JT日本たばこ→「米づくり」)



2009年10月11日(日) オクトーバー・ステップス

午前3時起床。冷涼に澄みわたった東の空にはもうオリオンが輝いていました。

台風の後のしぐれ雨で延び延びになっていた山田錦の収穫もはじまり、休み明けには「玉栄」の栽培農家、清水さんが収穫と米穀検査の結果(全量1等とのこと)を伝えに蔵にやってこられます。

メインバンクとの酒造資金調達交渉もなんとかよい返事をいただくことができました(こんな厳しい経営状態でありがたい話です)。

西尾杜氏がこられるまでに、蔵の掃除や貯蔵タンクの端桶(手を付けたものの半端な在庫が残っている状態)の処理をしてしまわなければなりません。

月末には税務署の方が帳面の調査においでになり、できるだけ記帳とお酒の在庫を合わせておかねばなりません。

ほろよいが代表取締役に就任してはじめての酒造。一日一日緊張が高まってきています。



2009年10月10日(土) 彦左は健在なり

10日の集金で隣町の酒屋さんへ。

父の友人でもあり、酒販店が元気だったころのよもやま話を聞かせていただくことが、ほろよいの楽しみです。

数年前体調をくずされ、店頭売りと近所の配達だけを行われていますが、お元気なころは小売酒販組合の理事長を何期も勤められ、税務署のお酒担当の方にも歯に衣をきせず、理路整然と意見をのべられる優秀な方でした。

その方いわく「昔は(酒税の保全のために)安売りを一切させないよう税務署は指導をし、組合もそれに協力してきた。組合で決めた缶ビールの『冷やし代』10円加算でさえ、サービスでタダにしている小売店があれば、組合員から違反の通報があったし、自分も『これくらいは仕方ないじゃないか』と思いながらも、理事長の立場として是正するようお願いにいったものだ」と。

ビールの冷やし代サービスに対する反発は、ほろよいもいかがかと思いますが、当時は酒販店が安売りをし経営状態が悪化すると酒類製造業者の売掛金の回収が難しくなり、ひいては酒税納付に影響するという考え方が当局に強くありました。

ご興味のある方は酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律(酒団法)1条と84条をご参照。メーカーから酒販店まで、お酒の業界はこの法律と酒税法の2つで規定されています。

当然といえば当然なのですが、法律の目的が「品質保全」より「酒税の保全」を優先しているところが、日本の酒類市場の現況を作り出したのだと思うのです。

話を戻します。バブルの崩壊とデフレの進行、そして規制緩和の流れの中で、昭和の末年から酒の安売り店がつぎつぎと出現し、当初は官組一体となって安売是正の指導をしていたものの、いつのころからか、なしくずし的に当局の指導が弱まっていきました。

そして酒類の不当廉売の指導は、酒団法に基づいた税務当局の手から、独占禁止法に基づく公正取引委員会の手にゆだねられていったのです。

結果的に税務当局から見放された酒販組合は孤立し、消費者さんから見れば規制緩和にタテつく時代錯誤の集団になってしまったわけです。

「こういう時代なのだから定価販売がすたれていくのはしかたないけれども、当局の指導にしたがって協力してきた組合に対し『今後は当局として価格指導は行いません、長い間ご協力ありがとうございました』くらいの挨拶が欲しかった」と憤然とおっしゃるのです。

組合費をわざわざ払って組織に所属するメリットもなく、現在、今津小売酒販組合の組織率は50%をはるかに割り込んでいます。もはや酒団法第3条以下で規定された官製組合の体を成してはいないのが現状なのですが、これから税務当局は組合組織とどうお付き合いされていくのでしょうか。それなりの意思表示が必要なところだと思うのです。








2009年10月09日(金) ヤマダ ブジ アス カリイレ

台風18号は微妙にそれてくれました(ラッキー!)。







台風の東側が当地を通ると目も当てられない状況だったでしょうが、名古屋に上陸したため、台風の西側が通り被害はほとんどありませんでした。

理由はこのサイトを御参照(可航半円ココ→)

やれやれひと安心です。明日から6枚の田んぼを3〜4日かけて収穫いたします。



2009年10月06日(火) 鉄人28号

サソリ座のA型、寅年の愛妻が、商工会の視察研修で神戸市の長田地区にいってきました。

お台場ガンダムにつづき、いま話題の実物大、鉄人28号(高さ18m)が数日前に完成とのことで写真をとってきてくれました。




現場では、観光客がたくさんおられ、海外の方もチラホラおられたようです。



これはほろよいが小学生のころリアルタイムで見た鉄人28号のオープニング。シルエットをうまく利用した冒頭の演出は出色だと思うのです。

ここ数年で「アニメ」や「オタク」、「萌え」やら「ジャパンクール」なんてえ言葉が市民権を得てしまい、いまや「サブカルチャーが日本を救う」勢いです。

ほろよいは、こんな「子供向け」の仕事にも、マジメに全力をつくす職人さんがおられることが日本にとって幸運なのだと思います。





2009年10月05日(月) 台風ゴーホーム!

台風18号が向ってきています。

中心気圧920hp!台風の眼もしっかりあって、これはひさびさの大物(脅)になりそうです。

コシヒカリなどはもうすっかり収穫が終わっていますが、日本全国の「山田錦」はこれからが収穫のピーク。重そうに稲穂が垂れ下がっている状態です。

マキノの山田錦も今週末から収穫しかけようかといっていた矢先で、この猛烈な台風は大脅威です。

晴天が数日つづき稲穂が乾燥し、田んぼの泥がかたくなったところにコンバインがはいるのが一番理想的な収穫なのですが、強風でべったり倒伏してしまい、大雨で稲穂が濡れ、地面がぬかるんでしまうと、ある程度乾燥するまで待たねばならなくなります。

さらにダラダラ雨が続くと発芽がはじまってしまい品質低下をまぬがれません。

とってもイヤなタイミングで台風がきてしまいそうです。

台風ゴーホーム!



2009年10月01日(木) こだわりではなく必然

テレビのグルメ番組で定番のセリフ「・・・・にこだわっています。」

年に数回、ほろよいの蔵に取材にこられるマスコミの方もよく「こだわりは何ですか?」とおっしゃいます。

でも、自分の蔵の存在意義や理念、自分の思う酒質をつきつめていった先の答えは、「こだわり」ではなく「必然」という言葉こそふさわしいと思います。

こんなこと他人に自慢することではありません。「自分が自分であるために必要なことをキチンとこなす」あたりまえのことなのだと、ほろよいは思うのです。

ほろよいが毎日愛読している浜松の料理屋さんのブログでもいいことを言っておられます。(弁いちさんのブログ/ココ→)

某巨大掲示板(2ちゃんねる)では「禿同」(はげしく同意)というようです(笑)。



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