日々の泡

2001年04月13日(金) 箱は空にかえってゆく

4月13日に堀内正和が90歳で亡くなった。
このひとの彫刻が好きで、一度書きたいと思っていたので…。

はじめて買った『美術手帖』のふろく?のエッチな(笑)紙工作の作者がこのひとだった。
どんなおじさんだろうと思ったけれど、立方体や円柱をあっという形に切り抜いたり裏返したりして見せる業はまさに快刀乱麻。子供たちにも見せたくなる。
形はもとより言葉のセンスも小粋でお色気があって見るたびニヤニヤした。
今、手許にあるのは86年松涛美術館での目録だけで寂しいけれど、
「さいころの骨抜き」「のどちんこと鼻のあな」「半分おちそう」など
名前を聞いて楽しく実物を見て微笑んでしまう作品がいっぱい。
骨盤みたいなリンゴを主役にした、コミカルでエロチックな
「エヴァからもらった大きなリンゴ」「お尻があつい」「アップルカップル(おりんごっこ)」
などは私のお気に入りだ。
なつかしい一篇の詩のような「箱は空にかえってゆく」も、細部まで楽しめる作品だったなぁ。
するどくて、たのしくて、喜びを与えてくれるカタチとコトバをありがとう、堀内のおじいさん。


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