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2004年01月31日(土)

実家を映画美学校の学生さんの課題用に貸し出した。今日は10人以上の若者がきて、サツエイをしていった。(私は今日も明日も出勤ですが。見たいのに)

最近お金の心配をよくする。ひとり暮らしになるからだ。私はけっこう浪費家なんじゃないか、など。平凡な対策としては以下。CDは焼いてもらい、本は古本と文庫。服は買わない。ご飯だけは我慢しない。

いそいそと文章を書いてすぐに眠っていたら、誤字やおかしい文章が続出していた。同じ言葉が重複したり、言い換えがおかしかったり。書いたあとにちまちま直す作業が本当は大好きな人だったのに残念。いつも気をつけて書きたい。



2004年01月28日(水) まわりにアル中が多い。

■みんなありがとう みつお

火曜日は終電にまた乗り遅れ、とうごうちゃんに泊めてもらった。夜中に喜多方ラーメンみそ味(会社でもらった)を食べた。お湯を沸かして。私はしあわせものだ。

今日は学校に行き、帰りにちえこに会う。大宮の田むら(甘味処)でカレーきしめんときなこクリームあんみつを食べた。私はしあわせものだ。

年賀状の返事を長々と手紙で書いたら、「ありがとう」という電話をもらう。心を込めて書いたものにお礼を言われると嬉しい。同じように、きっと心を込めて作った本に感想をもらえたら嬉しいのだろうな。読者アンケートを見ていていつも思う。私はしあわせものだ。

takagi氏がCDを焼いてくれた。本当にしあわせもの。ポリス、ラプチャー、クラフトワークしか知らないや。でもおそらくヘビーローテーションになります。

1. Roxanne / The Police
2. House of Jealous Lovers / The Rapture
3. Uptown Rockers Dub / Djinji Brown
4. Santa Maria (Del Buen Ayre) / Gotan Project
5. Even White Horizons / Akufen
6. Tour de France Etape 2 / Kraftwerk
7. Jaguar (Dance of the Global Tribe) / The Aztec Mystic
8. Dancing in Outer Space (Francois K Remix) / Atmosfear
9. Elements of Life / Louie Vega feat. Blaze
10. Don't Leave Me This Way / Harold Melvin & The Blue Notes
11. The Onion Song / Marvin Gaye & Tammi Terrell
12. Les Fleur / Minnie Riperton

数日前に書いたが、『イギリス「族」物語』を読んでから音楽の歴史がますます面白くなった。洋服と音楽、映画、それらをとりかこむ時代背景が全て繋がっていた頃の話である。この本は1990年に『流行通信』で連載されていた記事を1999年に単行本にまとめたもの。何故、9年も経って出版されたのか。毎日新聞の編集者が、どこかでこの文章を見つけたのだろうか。だとしたら凄いな。いい話だな、と思って気になった。



■メルマガ

気付いたら結構な数のメルマガを購読している。以下は特におすすめ。

本のメルマガ
『編集会議』が好きなひとは絶対に気に入るはず。出版界の裏話や、売れる売れない、どうしたこうしたの論文やコラムが満載。最近だと、池袋の芳林堂がつぶれたことを取り上げた記事が印象に残りました。「新しい」情報への「深い」考察が読めます。

ユトレヒト
クリスマスまでのカウントダウン、という企画で毎日小物を紹介してくれたマメさには感動した。こじゃれた絵本情報に乗り遅れたくない私のような小心者におすすめ。

講談社メールマガジンの、メールマガジンファウスト

『ファウスト』を買うか迷いながら、メルマガだけ試してみることにした。編集者のよた話(新人編集者と編集長太田さんの対談など)に、作家に対する愛情があふれていて好感が持てます。雑誌の「編集後記」を読んじゃうんだよね〜と言う人はファウストに興味が無くてもまあ楽しめると思う。メフィストもやればいいのに。

BEA-MAIL〜ビートリーな情報いっぱい〜

ビートルズな毎日を送れるよう指南してくれる、ライフスタイル提案型メルマガ。あまり提案には従っていない。

[クウネル]友の会
リピーターを増やすやり方が非常にうまいよ、マガジンハウス。とか文句を言いながらも、やはりこの会社のお商売にまんまとはまりました。雑誌は隔月刊だけれど、1ヶ月ごとに丁寧な「つくってます」という状況報告が来ます。発売しました、ってメールが来たらさあ、その日のお昼休みに本屋さん行っちゃうよねえ。もうさあ。



2004年01月26日(月)

雑誌が忙しい時期に入って、最近終電をよく逃す。

大学の先輩からメールが長くて温かいメールが届いた。いつも心の隅に、お互いをとどめておける関係というのはなんとすてきなことだろうか。

読んだ本の題名ばかり羅列しても面白くないな。小中学校の頃、クラスの子全員の「夏休みに読んだ本」というしおりがあって、楽しみにしていたのを思い出す。意外な子が、意外な本を読んでいたりするから。これからは簡単でも愚鈍でも感想を書こうと思う。

友達のイベントの帰りに大戸屋で、豚肉しょうが焼き定食を食べながら話す。気になったことがひとつ、三大欲求についての話だ。「俺は食べ物がなくなったり寝られなくなったら騒ぐけど、騒いだからどうだっていうことじゃないよ。べつにそれ(欲)はそういうものなんだし、一時のものなんだからどうでもいい、食べ物にも興味ない」と友達は言う。

本を読んだり音楽を聴いたり、妄想したり王子さまに恋をしたり、色々な世渡りを覚えて面倒くさいことの避け方を知っても、たった一つ制御できないのが自分を突き動かす激しい欲である。こんな私には、そうして押さえがたい存在からも距離をとっていられる人が不思議で仕方なかった。

本のメルマガによると、gap出版に会社更生法だそうです。むむ。

会社の人に『ベルセルク』を借りた。



2004年01月24日(土)

ジョン・サベージ『イギリス「族」物語』(毎日新聞社)はとても面白い本だった。



2004年01月23日(金) モス

学校に行ったら、半年ぶりにとうごうちゃんに会えた。数少ない大学のクラス友達である。1、2年の頃は毎日授業があったので、いつも一緒にぐだぐだしていた。クリスマスイヴには、一緒に目録を書いた。「来年はぜったい彼氏を作る、5キロやせる」。そう言っているそばからこたつでぐでぐでと鍋を食べた。大学3年のとうごうちゃんの誕生日は、ふたりで個室居酒屋で祝った。

骨折したと聞いて心配していたが、だいぶ回復して元気そうだった。ちょうどお昼時だったのでモスバーガーに入り、なんてことない話や、すこし将来の話をした。これから卒業しても離れても、連絡をとらなくてもメールに絵文字がなくても、きっとずっと友達でいるのだろうという気がした。そういう関係が素晴らしいとも思った。知り合ってまる4年が経つのだ。



2004年01月21日(水) 嫌になるほど誰かを知ることはもう二度とない気がしてる

■その向こうのずっと向こうへ

高野文子の『黄色い本』は松本大洋の届かなかった地平に1発で、無意識に到達している。すごい。本当にすごい。『ピンポン』において、松本大洋はドラゴンだ。ペコとの試合中、ドラゴンが見た彼方を飛ぶ鳥。そこにたどり着きたい、でもたどり着けない、と描き続け、手を伸ばし続けるのが彼である。『黄色い本』はすごい。いつかふっと分かるよ、きっと読んでいれば。私は幸せだよ、楽しいよ、毎日毎日『黄色い本』が読めるから。

という話を聞いた。1年前くらいからこの人は同じことを言っている。余程の事だ。ユリイカの高野文子特集を読み返してみることに決めた。



■もっさい人ばかり(含私)

学校の日だったので帰りに早稲田松竹『パンチドランク・ラブ』。映画館で坪内祐三先生を見た。

「あなたがどんな人でも、さっきキスして欲しかったわ」

--とてもいい映画。ダメ男好きの私の心をわしづかみだったよ。映画好きの友達が、いつも「早稲田松竹はなってない」と言うけれど、(実際工夫がないんだと思うけど)私は2番館の雰囲気って好きだ。映画館には映画館の雰囲気があって、そこに集まる人を見るのが幸せだったりして、だから最近ビデオレンタルよりも劇場派なのでした。



■淳久堂

安野光雅『絵のある人生』読了。この本の中で筆者が推していた『ゴッホの手紙』(岩波文庫)が気になったので帰りに池袋により、また例のビルへ。ああ。

9階の美術・工芸コーナーに上がってだいぶ長居する。あるかなあるかな、と心配していたのが、さすが「安野光雅書店」のジュンク堂さん、上中下すべて平積みしてあった。こういうところで貫禄が違うと思う。

ku:nel
ずっと探していた図書館特集のrecoreco
『高村光太郎詩集』(新潮文庫)
綿谷りさ『蹴りたい背中』(河出書房新社)


9階では、美術本の棚→デザイン本の棚→ファッション本の棚→書道本の棚→写真集の棚と見て回ったあとに、ねばり強くまた美術本の棚に戻り『合格デッサンの基礎 芸大・美大進学コース』(学習研究社)を立ち読み。「勉強すれば誰だって受かるよ」とは本当かねえ、と疑いのまなざしでページをめくりつつも、様々な”受験のためのテクニック”があることを学ぶ。そういう意味では受験勉強というものは、どの科目でも同じなのね、ふむふむ。しかし勉強にはどうやら、石膏像が必要なようだ。(受験ネタでもう一つ言うと、センター試験の世界史Bを少し見たが、全く忘れている。ライプツィヒの戦いって何だっけ?)

ちなみにku:nelにまたまたまたまた松浦弥太郎が出ていて、ついつい文句が出そうだったので「何か言うなら読んでからになさい」との自戒を込めて光太郎を買いました。



■雑感

長谷川理恵、悪い人じゃないかも、しかも頭いいのかも、とテレビを見ていて好きになった。



2004年01月18日(日) おおきなもじでてがみをかくよおやすみ

10ミニッツ・オールダー イデアの森など。

日比谷のシャンテシネにて友達と映画鑑賞。帰りに松屋でケーキとウバ茶を買って帰り、食べる。伊集院光のラジオに内山くんが出演している番組を聞きながら試食。さすがに銀座、美味。

映画は、予想通り眠ってしまった部分もあったが、トリを飾ったゴダールの作品はとても良かった。友達も興奮して褒めていた。ゴダールの映画を寝ないで見られたのは初めてだった。あの、意味深い単語と詩の羅列に慣れてきたのだろうか。

その後はひとりジュンク堂で、至福の時間を過ごす。川上弘美のトークショーに申し込もうとしたがもう満席だった。

今日購入の4冊は

『美術手帖』<バックナンバー 「森山大道 中平卓馬」特集
安野光雅『絵のある人生』(岩波文庫)
堀江敏幸『魔法の石板 ジョルジュ・ペロスの彼方へ』(青土社)
ロラン・バルト『明るい部屋』(みすず書房)


本当はダイアン・アーバスのUntitledをめくっていたら無性に欲しくなったのだが、8000円を一冊ではきついわ、それでなくてもみすず書房あるし、とかなんとかけちけちしてやめた。

時間が無くてアキちゃんの芝居には行けず。(ごめん、また誘ってください。)



ためてしまっていたメール、手紙の返事を書く。キーボードをたたく方が数倍早いのだが、便せんにペンを走らせるのは何故だか気持ちがいい。私は自分の字が結構好きだ。

舞城王太郎『山ん中の獅見朋成雄』(講談社)読了。それほど新しい!とは思えなかった。しかし、この人の文体がウェブ日記の人たちのようであるのは、きっとわざとなのだろうと思わせる頭の良さ、貫禄を感じる。

センター試験が新聞に載っていた。高橋源一郎が江國香織を書評していた。3時に眠る。



2004年01月17日(土) 私は元気です。

友達の優しさに助けられた数日。やっぱり私は優しい人が好きだ。それから、どんなに落ち込んでいる時でも仕事をしていれば私は平気なのだということが分かって嬉しかった。



■ラムしゃぶ

取材のお手伝いで平塚の主婦の家まで行く。高崎線と同じ色の電車に乗り、(快速アクティー熱海行き!)揺られること1時間。窓の外に流れる見知らぬ景色に興奮する。おそらくそれほど私の通勤通学風景と変わらないのだが、未知というだけでこれほど魅力的に映るのはなぜだろうか。

終了後はカメラマンさんと、ラムしゃぶの食べ放題のお店に行った。ラム肉は初めて食べました、おいしいんですね。うちは母親が肉嫌い(激痩せ)のため、家族ではしゃぶしゃぶなんて滅多なことでは行かない。新鮮な体験でした。



■電話

電話で「取り憑かれたようにしゃべりつづけてるね」と言われた。興奮すると次から次へと話さずにはいられないのかな。本当は「私のこと聞いて欲しい」だとかはあまり無く、ずうっと黙っていられる人なのだけれど。

こと電話だと、話の端から別の話題がこぼれてきてそちらが本題に変化してしまう、ということが多い。そうすると切った後に、「ああ、あれ話してないよ!」ということになる。

今日はフランス映画で眠ってしまう話から『息子のまなざし』の話題、さらにボーダーTシャツ、愛すべきだめ男の順に、フレンチな感じ(Olive風味)の話題が展開した。

もともと話そうと思っていたのは、BRUTUSの会社見学特集についてとCIがどうこうということ。提案するべき話題にも辿り着かなかったよ……と活字にしてみたら、どこを切ってもいやらしいタームばかり。もっと花くまゆうさくとか永六輔の話でもしようかね、あれ?このタームもいやらしい!?


■で、BRUTUS

最近メンノン、編集会議と並んで大好きな雑誌。500円なのも偉い。私は男スピリッツに溢れているのだろうか。新年あけて最初の2号は、「大人の会社見学。」特集ですって。私は来号の、国内バージョンでどこが取り上げられるのかが気になります。



■よくある話





どうでもいい会話の中では気が利いていると思うのが「○○(有名人)に似てますよねー」という話題。言われると悪い気はしないので。

私が今まで言われたのが、SWEETのモデル小林明実さん(写真:ファンの方いたらすいません…というか誰も認めてくれません……たまには贅沢させてよ)、京歌子の若い頃、鳥、などです。とりあえずマニアックな感じは分かっていただけるでしょうか。みなさんは、誰に似ていると言われますか?

私の好きになった男性の似ていた芸能人は、かいかぶりぎみに布施明(博じゃないよ)、吉田栄作、堂本光一君、アンドリューw.k、BECKです。ちなみに全て日本人の方です。



2004年01月15日(木) やれやれ

■色々ごめん。

昨日の夜、色恋沙汰やら人間関係やら自分の気持ち悪さの限界やらでてんやわんやな電波を発していた私に、ものすごく久しぶりに、偶然、rinちゃんからメールが届いていた。この人は霊能力があるのか。



”「これは運命だ」というとそれが必然であったような気がするのに、「これは運命的だ」というとものすごく偶然のように聞こえるのはなぜだろう。調査してくれ。”



rinちゃんは私が大学時代に出合った3大賢人の一人なのだが、こんなことをいつも考えているから彼女ができないんじゃないだろうか、とふと感じた。けれどもその疑問については私も非常に興味があるので、運命と運命的について調査していきたいと思う。



■芥川賞

http://www.asahi.com/culture/update/0115/010.html

書いても書かなくてもどこかで誰かが書いているだろうけれど、しかしやはり悔しいので書きます。芥川賞が、ぞろめの私より年下の二人に決定したそう。いいなあ、羨ましいなあ。



2004年01月11日(日) 近況

家を見に行く
HMVのセールでCDを大量購入
友達とけんか
映画『息子のまなざし』『フル・フロンタル』
『シンセミア』がまだ終わらない
が、『知の編集術』読了



芳林堂で凄いものに遭遇した。

仮面ライダー555(GO!)出演中の、泉政行さんのサイン会。客層はモーオタ女性版といった感じの様相を呈し(もちろん私も含めていいです)、おどろおどろしい会場ではあったが、普通に格好良かったので立ち止まって拍手しながら見ていた。至近距離でこんなに小さくて端正なお顔を拝めるなんてすごい土曜日。

何故キメポーズする時には左手をあげるのか、など役者魂を語ってくれたうえ、「変身!」のかけ声も見せてくれる。最後には「こんなに集まってくれるなんて・・・」と声を詰まらせて。ああ。

最近ジャニーズやアイドルが本当に素晴らしいと思うし、好きでいるのが楽。絶対に失望しないからだと思う。



2004年01月07日(水) あの曲は、『さよならなんていえないよ(美しさ)』。

メモ

■この男と契りたい(でも子持ち)

デザイナーの友達が「デザインていう言葉恥ずかしい」と言っていたけれど、編集会議を買う時にいつも同じようなことを思う。でも面白い。この雑誌の面白さについては後日。今日は内容から名言を抜粋します。



よくミュージシャンが、一番好きな人に聞かせたいから曲を作っているといいますけど、僕は愛している人間に向けてメディア活動している気は一切ないですから。そういう人にはもっと他のものをあげられるし、他のものをもらうつもりで生きてますんで。(『編集会議』)



ああ。誰の言葉かと言えば、私の契りたい男ランキングのかなり上位にいる、あの鹿野淳、ROジャパン編集長の言葉。渋谷洋一は好きな人の為にメディア活動して、家庭を壊していそうだな。時代は、私の憧れの会社でも変わっているのかな、という気がした。



■新宿

10時頃に上がれたので、昨日も今日も新宿のタワレコへ。青ブックもそうだが、11時までやってくれる店は本当に偉いと思う。

昨日は仕事帰りの友達と合流できたので、joy divisionやらCAN、それからソニックユースを買い込むのを見ていた。人と行くCD屋や本屋はひとりで行く何倍も楽しい。



■『羊をめぐる冒険』に、2回目にしてはまってしまった。春樹の本には一度つかってしまうと出てこられなくなる。座れない電車で読むのに最適だ。



■繊研新聞に無料試読サービスがあったので頼んでみた(と、照れもなく言ってみる)。




2004年01月04日(日) 深緑

冬休み最後の日、友達2人と二人でぶらぶら買い物をしましたー。原宿のune nana cool(ウンナナクール)という下着屋さんを教えてもらったんだけど、ここのお店すっごく気に入っちゃった☆

3000円くらいなのに、ラブリーすぎず(苺柄!とか、チェックとか好きだけど、もう22だしね!)、お水っぽく(フリル過剰とか、紫のドット柄とか、どうなの〜??キャラ的に)なりすぎずのブラがたくさんで本当に可愛いの。しかもワコールなんだよー、それでこのお値段!?ってうれしくなっちゃう。

……une nana coolの良さを伝えるにはこのような文体が適切かと思いましたが、少し疲れたので元に戻します……。可愛いのはほんと。私は深緑の上下を買いました。

ようやく上巻が終わりそうな阿部和重の『シンセミア』に女子高生のweb日記が出てくるのですが、これが本当に表面をなでるような、まさに内面の欠如した文体で、ぺらぺらっと明るい。



■happy few(=幸せな少数派)

帰りの電車では、『羊をめぐる冒険』を読んでいた。ちびちび味わいたいのに面白くて止まらなくなってしまう。2回目に読むの今のほうが、この作品の良さがよく分かる。

体に文章--雨の匂いやジェーズバーの雰囲気、「僕」のいう退屈さ--がしみこんでくる。私はやっぱりこのひとが好きだ。好きだけれど、こうして初期の作品を読んでみると村上春樹がベストセラー作家だということがなんだか信じられない気持ちになった。



浜崎あゆみのポスターを見るたびに、ああ、こういう売り方、消費のされ方しか方法がないというのはきっと可哀相なんだろうな、と思うのだが、正反対の例で、この間見つけたいい言葉に「ハッピーフュー」というのがある。大多数でなくとも、きちんとした好きなものをきちんと愛する幸せな人に私はなりたいなあ。

村上春樹初期作品の、退屈でどこまでも続く日々をちょっと諦めながら「やれやれ」と言って美味しいビールを飲む世界は、あっちの本屋にもこっちの本屋にも平積みされるような、そんな消費のされ方をされるべきなのかな?



余計なお世話だけれど、少し考えてしまった。



それから、『ノルウェーの森』あたりからの彼が嫌いだという人の気持ちも少し分かった。『羊〜』の主人公も多くを失っているし、彼の退屈さは万人に共通のそりゃあひどいものだけれど、彼は(ノルウェイ〜のワタナベくんのように)「喪失感」だなんて口にしたりはしない。



地下鉄サリン事件と阪神大震災の後、村上春樹は自身の創作の姿勢を「デタッチメント」から「コミットメント」へと変化させた、とエッセイでのべている(『約束された場所で』や『アンダーグランウンド』)。しかし本当に、社会にコミットしていくことが、文章を書ける人の義務なのだろうか。色々な批評家が目の色を変えて文句を言ったり褒めたり。あるいは「ノーベル文学賞に一番近い作家だ」と言われたり、長者番付に名前が載ったり。春樹さんの作品には、そんな大それたなんだかんだと、まったく無縁の幸せがたくさん溢れていると思うのです。



喪失感やニヒリズム、気取ったシティライフだけじゃない。素敵な比喩や冗談を言える、孤独で、それをやり過ごす知恵も持った大人の、小さな小さな街の中の世界がいい。だから改めて言います。私の好きな作家はそれでもそれでも村上春樹なのです。



■靴磨きという美学、節約という哲学



一年以上もはいているローファーの手入れの仕方が分からなくてずっと困っていたのが、今日たまたま立ち寄ったアルフレッド・バニスターにクリームがあったのを「これいいよ、使ってみ」と友達が教えてくれる。今年は革ジャンと財布を買ったけれどもなめす布さえなく、知らないふりをしていた状況からようやく一歩脱せた。

こだわりだすと何でもきりがない世界で、下着も靴下も、革製品のお手入れもやろうとしたらどこまでだっておたくになれるんだわ。

もう22だから、そういうところにお金をかける人になろうかな、と思った。

だから、だから、

西武のmovita館で見つけたMARNIは知らないふりをした!知らない!!あんな16万もするすっごい柔らかくていい革の、緑のバッグなんて知らないぞ、俺は。絶対買わないぞ!!



■ジョン・レノン・スーパーライブ

を見ている。なんだかすごく満足げなカラオケを見ているようで、あまり面白くなかったのが、奥田民生のステージは素敵だった。ああ、あんなに鬱で、いつも失恋を気に病んで、「君とは袋小路だよ」とか言って人を傷つける私の前の彼は、民生が好きで、実は心の底から優しい人で、そういうところがすごく私はいいなと思っていたことを思い出して、ちょっぴりセンチメンタルになったのでした。まあいいや。

『刹那』を買った。「喜びを他の誰かと分かり合う それだけがこの世の中を熱くする!」



2004年01月03日(土)

また、ぐだぐだと眠っていたら午後3時半に母に起こされ、家族で東松山の西友に行く。無印良品で一人暮らしに持っていく冷蔵庫を見る。母は、ナショナルや東芝の家電でないことが心配のようだ。こういう田舎の大型スーパーは、なんだかむなしくなるからあまり好きではない。

コージーコーナーでモンブランを買って、帰ってから三人で食べた。



■ふむふむ

リンク先をたどっていたら、ある人の日記に気になる言葉があった。(勝手に引用)



読み応えのある個人日記サイトを探す。内的世界を詩情豊かに綴るものが多く、悪いけどそういう感慨は、本人にしかわからないもので、自己満足なので読む側に伝わらない。その感慨を生んだ、現実世界の因果関係の背景が読みたいのに、そういう具体的な、日中だれと会って何を話してどんな仕事をして何を見てきたのかということを書いている人たちは、少ない。




ふむふむ、と思う。辛い辛いと書いている日記も、何が辛いのかよく分からないものが多いなあと思う。具体的に辛いことがないのにただ、ひたすら生きるのが辛い、とか、そういう人っているのかな?私は叙情詩ではなく、叙事詩を書いていこうと感じました。なんて偉そうですが。ほげほげむふふ。







2004年01月02日(金) "nothing to fear, nothing to doubt"

■ヴィンテージっつっても一万円以下

家でごろごろも飽きたのでセールに行く。

national standardの靴下(ぴよぴよ小鳥さんがいます)と、そしてワンピースを買う。後者はVIA BUS STOP VINTAGEに可愛いプリントものが沢山あったのを見つけ、試着を重ねて、結局シャツ型のものに。

「田中はスミス・アンティークみたいな、60年代風女の子古着(?)が似合いそう」と、前に先輩に言われて以来、あ、私ってそういうの着ていいんだ!と目から鱗が落ちた。ならば今年はこういう感じで行こう、と決めた。決めましたよ。

背が大きいので、ずっとクールな格好が自分の本来の十八番だと思っていた。ドレステリアの服や古着のプリーツスカートなんかをはく時にもああ、こんなの着ちゃってます・・・と、なんとなく罪悪感があった。ばっきばきのヴィンテージスタイル(プッチが憧れ!)は正直言って好みなので、似合うんだったら買っちゃいますよ、と肩の荷がおりた思いです。人から見ると、LIMIやらマルジェラやらよりしっくりくるらしい。本当に嬉しい。



それから友達の買い物を眺めていた。色違いのスエットを迷いながら交互に試着するのを見ながら、「こっちは可愛い感じ」「ああ、黒はあなたらしいね」とだらだらコメントしてみる。

洋服なんて本当は、まあ省けるものだしどうでもいいし、趣味が合わないからってなんてこともないんだけれど、こうやってうんちくたれて話せる機会はなかなか貴重で、やっぱり楽しいものなんだなあと知る。グレーのフード付きパーカ、その色違い(黒)、グレーの丸首スエットと3枚を何度も何度もあわせている人が鏡に映って、「ああ、美しいって才能だ」と密かに思った。美しさに何の意味があるんだろう?と、ずっと思っていた私としたことが……。



■正月

浦沢直樹『20世紀少年』、阿部和重『シンセミア』、村上春樹『羊をめぐる冒険』(再読)を並行して進めている。

『羊〜』に関しては”影響を受けた作家”といいながらまったくもって忘れている箇所が多く、読み返すたびに新しい発見があるという本の力を痛感させられるばかり。



「あるものは忘れ去られ、あるものは姿を消し、あるものは死ぬ。そこに悲劇的な要素はほとんどない」。



一度目に読んだ時に印を付けてあった箇所。椎名林檎など聞きながら悲劇的に生きようとしていた私は、なぜここのページを折ったのだろう。



■テレビ

元旦の深夜に、養老孟子と犬養道子の対談を見た。

「知行合一」「文武両道」という言葉が出ていた。精神伝達と筋肉伝達は別ものでは決してなく、考えたことは体を通さないとなにひとつ伝わらないしあったことにならないという。

また、自分の目の前の生活と、遠くにある危機感とが遠く離れて結びつかない感覚に襲われる。こういったことを考えまいとしてきたのではない、ひたすら目の前の雑事をやってみるところからはじめようとしたのだった。しかし、現に私は行動していないし、その代償も、どこにも払っていない。

不安になるといつも浮かぶのは昨年の9月11日にやっていたNHKのドキュメンタリー番組。



「yesterdayという歌が好きです。昨日がいとおしい。あの日から何もかもが変わってしまった。もう戻ってきません」。



テロの日にたまたまNYに旅行に行き、その決定的瞬間を偶然カメラに収めることとなったおばあさんの言葉である。--田舎住まいの彼女には無縁のはずだった、大都会の悲劇。彼女はそれが自分と繋がっていることを、実感として知った貴重な人だ。

おばあさんが話し終わると、余韻なくぷつっと、その映像は切れた。番組は視聴者を突き放すように終わった。


こういうことを日記書かないことと、考えないことは違う。書くことで考えるのならば、書かないと忘れてしまうのなら、書くべきなのかもしれない。あーあ、私はかっこつけたかったのかな。

テレビには考えさせられる。



■ビデオを借りてきて見る。ハル・ベリーの『チョコレート』。







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