西方見聞録...マルコ

 

 

クリスマスから嫁仮面まで、2010 - 2010年12月30日(木)

 あ〜過去日記参ります。現在2011年に突入してますが、ちょっと昨年末(つうても2週間ほど前の話ですが)を記録しておくのでした。

*クリスマス編

 さて師走の中ほど。午後から研究会なので、有休とった12月17日。午前中の隙間時間を利用してこの日自宅研究日のあめでおさんとデートして梅田のヨドバシカメラで、おKさんのサンタにリクエスト中のラジコンカーを購入しました。今年に限ってサンタさんに何を期待しているか口を割らなかったおKさん、そろそろサンタの存在への疑念がわいているのか。親には絶対秘密を貫いてましたが、姉が尋問すると「らじこんほしい」と結構簡単に口を割ったようです。ほしいものは黙っていないで口に出したほうが叶うじょ。

 そんでこの日はマルコの10月のお誕生日を祝う日でもあったので(お互い忙しかったので二人で出かけられる日がここしかなかったんですな)、何でもいいから変わったものが食べたいというマルコの良く分からんリクエストに応えてペルー料理クスコをたべました。

 隣のテーブルのペルー女性のグループが突然パワポを持ち出してなんか研究発表のようなことをスペイン語ではじめ、その後、記念写真をとるようだったのでのシャッターを押してあげました。どういうグループだったのだろ〜興味あるな〜。

 姉娘1号@サンタの真実をすでに知っている中学生はクリスマスプレゼントとして「長財布がほしい。自分で買って、ラッピングするから、お金頂戴。そしてサンタからってことで24日枕元においといて」という超現実的なご提案をいただきました。はあ、そうですか、、。大きくなったね、、。

 で、24日当日、海水くらいの塩分の塩水に2日間漬けといた丸鳥をオーブンで焼いて


(この丸鳥塩水につけるのは私がやったんですが、焼くのは当日食事当番だったあめでおさんがやりました。まあまあ上手にやけてました。塩水漬け&オーブン焼き鳥は丸鳥より手羽先とかのほうがおいしいかも)




 んで恒例のケーキ鍋でケーキを食べました。
 今年のケーキは、某PTA友達のパパが脱サラして(もともとホテルのレストランのパティシエさんだったんで脱サラでなくて独立開業?)開店したラスピラションで購入。すごいおいしかったです。ラスピラションの商いの継続を願って今後もここで買うぞ>ケーキ。

 で、今年度サンタミッションもつつがなく終了し、おKさんのサンタ信心は来年まで継続することとなりました。

*正月準備編

 えーっと12月26日、注連縄つくり講習会が子ども会主催で行われました。この講習会の講師の注連縄つくりの名人は近所の農家のおじさんで保育園やうちの地区の子ども会で毎年講師をしてくれてます。今年もおじさんの家のビニールハウスに子どもと親が集って粛々と注連縄つくり。縄をなうとき反時計回りにわらをよりながら時計回りに3本のよりを寄り合わせると縄になる、という真理を習得いたしました。
 大掃除はあめでおさんが電気のかさとか、空気清浄機のフィルター取替えとか目に見えない部分を、私が押入れとか文房具を何でも入れるカオス引き出しとか、食器置き場とかを片付けました。あと1号さんが家庭科の宿題で「大掃除レポート」を書くというので何年もやってなかった窓掃除を依頼したら、その汚さをレポートで暴露されてしまいました。ただより高いものはない。

*そんで29日から東への新幹線に乗り、まずは娘仮面つけて、三保の松原で1泊して、私の両親と遊びました。



松原に至る道。



老人と(娘と)海。

 んで、30日夫実家へと移動します。さ〜今週のサザエさんは!って言うか今年のマルコさんは!という盛り上がりもなく、特に嫁もせず、30日から1月1日の2泊3日の期間、夫兄がネットで購入してくれた焼肉を食べたり、夫母がやっぱりネットで購入したお節セットを食べたりして、そんで食洗機をひたすら回すというのが私の業務でしたな。夫は「掃除が甘い!」と毎年、掃除機を分解してたまっているごみを排除した後、家中大掃除をしてました。まったくご苦労様です。

 私は31日恒例の吉祥寺の茶店で東京地方在住の板友のみなさまと大晦日(嫁)仮面(脱ぎ捨て)お茶会を開催して、2時間ほど息抜きしました。

 う〜ん書いてみるとまったく楽なお嫁様ですな。今年の夫実家滞在中のイベントとしては夫兄@独身貴族への結婚せよ圧力が例年になく高まっていました。

 まあ、結婚なんて本人に任せなよ、と言いたいのをぐっと抑えて、至近距離で親子の攻防を見学しました。どちらもご苦労様でした。

 そんで1月1日の夕方新幹線で大雪の関が原を越えて、帰還しました。そういえば隣の車両のグリーン車に前原外務大臣夫妻が乗ってました。超よろしい体のSPさんが居たので誰かいる!とすごく分かりました。前原さんは普通の人なので本人だけなら分からなかったと思うのですが、奥さんが美人過ぎるのと、SPの体つきのかっこよさで有名人バレしてました。酔拳の使い手とかSPにするとばれなくていいかも。あと奥さんを美人禁止にするとか。

 まあそういうわけで本年もよろしくお願いします。


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ベーシックインカムをちょっとかじってみた - 2010年12月21日(火)

 前の日の日記に書いたベーシックインカムについて、ちょっとだけわかったことを書いておきます。 

 最初にノロさんがご紹介くださってから、なんとなく気になってたベーシックインカム。
社納葉子さんのブログで『私たち(シングルマザー)が求める社会のカタチ ベーシック・インカムについて知ろう』を紹介してたので、取り寄せて読んでみました。(500円で安い!)

 屋嘉比ふみ子さんの講演のまとめがすごく具体的で良く分かりました。

 その中で児童扶養手当や生活保護を受けるときに生活をチェックされる話が出てくるのですが、、うううこれはきつい。

 でで、ベーシックインカムって、なんかこう最低収入を保証するような話のような気がしたのですが、ちょっとちがってました。下記の例は屋敷さんの講演を参考にしています。この辺は論者によって違うのかな?

例えば20万円の収入のある単身者の場合、10万円を税として払って、7〜8万円をベーシックインカムとしてもらう。現在の税金払ってるのとあまり変わりませんね。

 20万円の収入のあるシングルマザーと子ども2人の世帯の場合、10万円を税として払って、7〜8万円のベーシックインカムを3人分もらう総収入30万〜34万?

 つまり収入の50%を税金として払い、世帯人数分のベーシックインカムをもらうわけですね。月100万円の月収のある人だと50万円プラスベーシックインカムX本人と扶養人数分ってかんじ?

 累進課税を強化したみたいなシステムですね。そんで事務手続きがいろいろと簡素化されて、生活保護や児童扶養手当をもらうときの差別的チェックがなくなる。

 富裕層のもらいすぎの是正に有効な施策で、そんで少子化問題がすごく解決しそうな制度だと思うんですが、いかがっすかね?やってみない?

 

 








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労働と対価 - 2010年12月20日(月)

 いろいろと書きたいことも多い毎日ですがうまく言語化しないまま雑務に追われ、来るべき締め切りに震え、いまいちな求人情報(大学教員就職戦線はこの時期結構山場なのよ!)に疲れてすごしております。

 みなさまお元気ですか?

 さてわたしの思考のネタ振りお姐さんことどらちゃんがツイッタ上でこんなふうにこんなふうに怒り、嘆いておられたので、おお、どうしたのだと怒りのもとを見てみると、どうもこの事件(陰口が表口になっちゃった話)の収束後のこのコメントとかコメントに原因がある模様。

 事件本体に関しては問題はレストラン側にあり、その後の店の改善にかかわるところまで勝間氏の行いは立派で、忙しいのにえらいな〜、と思ってみていたのですが、最後でこの程度の収入ではこの程度の仕事しかしない(できない)という労働の対価に関するコメントにザラっときちゃうんですな。

 お金がすべてじゃないのよ。

 といってもあんまり心を打たないでしょうし、どうやったらこの労働の対価という問題に拝金、、というか経済指標を重視する方にもご理解いただけるように説明できるかちょっと考えてみました。

 富永健一の「経済と組織の社会学理論」(1997、東京大学出版)なんて引っ張り出してまいります。富永は「社会参加、あるいは労働」を「資源投入」と「報酬」の交換という概念で説明しています。富永によるとこの労働によってえられる報酬には「外的報酬」と「内的報酬」があり、経済財の交換、つまり賃金の外的報酬だけでなく、キャリア形成報酬、情緒的報酬、自己効力感、組織のメンバーシップや社会的威信いった内的報酬というのも世の中には存在しているということです。

 件の飲食店などの場合は「キャリア形成報酬」が織り込まれた報酬額でしょうし、私がもといた国際NGO業界なんかも博士号持っててもコロンビア大学の修士号持ってても月額15万円から25万円の給料なんてものすごいことになっていましたが、それもキャリア形成報酬(実務経験が必要な業界なので)や社会変革にかかわるという自己効力感という報酬がやり取りされた世界でした。どらちゃんがツイッタで介護士の夫さんの例を挙げ、「介護の人が『これだけしかもらってないんだからこれでいいや』っていい加減なことしたらどーなるんだ」と語っています。介護士さんの場合も利用者さんとの情緒的交流、やりがい、使命感、将来にわたる確実な求人数という安定感などの内的報酬の介在した業界なのかもしれません。

 で、「お金がすべてじゃないのよ」で話を終わらせようかと思ったんですが、内的報酬が搾取の手段となりつつある現代について、もう一言付け加えておきます。

 格差社会の問題点は格差上層があくなき強欲で自分達に有利なようにルールを作り変え続ける点にあると指摘したのはドーアの『働くとういうこと』(2005年中央公論社)ですが、外的報酬のみを人の能力の判断基準とする人々が企業経営やポリシーメイクの中央にあり、内的報酬を形骸化させ、安い賃金で人を買い叩く搾取の手段となりつつあることに深い憂慮を覚えます。

 誰でも努力すれば社会移動ができた高度成長期を終え、低成長時代をむかえ、限られたパイの中で搾取する側に回ることを勝ちとするのではなく、いかに富裕層の強欲を抑え、社会全体の福祉を向上させるかが社会の課題になると私は考えています。

 処方箋として累進課税の強化やベイシックインカム論なんてのが出てくるわけですがまあこれはまた項を改めて書きたいものでございます。 

  


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僥倖の有休 - 2010年12月03日(金)

 忘れていましたが当日記は育児日記でしたな。

 さて、育児ネタ。

 本日は神戸で研究会があるので、前から有休とってました。でも研究会の日程変更があったので、純粋な有休になっちゃいました。

 わ〜い。何して遊ぼう。

 それでマンション時代の友人数名と半年に1回くらいお茶会してるので、お茶会日程を本日にしてもらいました。会場は友人宅で。

 ところがところが、期末試験の3日目(最終日)の1号さんが朝から発熱です。37度7分。保育園児なら休ませるけど中学生なら目えつぶっていかせるべきか?学校に相談すると「別室受験、保健室受験できますから、とにかく連れてきてください」とのこと。ほおお、少子化日本、サービスが手厚いですな。そんでタクシーで1号さんを中学校まで送ります。期末試験後、帰りは12時ころに本日自宅研究日のあめでおさんがやっぱりタクシーで1号さんを引き取りに行く手筈を整えました。

 さて、11時から私はマンション時代の友人とお茶でございます。持ち寄りで食べ物も持ってきたので、お茶会ってかランチ会?

 そんで15分ほどお茶したところで携帯がなりました。おKさん滑り台から落下したそうで、これから顔面縫いに皮膚科に行くので、保護者も11時30分から12時の間には保険証もって病院に来てくださいってさ。

 あめでおさんは1号さんの迎えに中学校行く係りだから、ここはマルコが出動ですな。ってことで11時30分ぎりぎりまで友人宅でしゃべって食べてのち、病院に向かいました。

 まあ、お茶会は残念だったけど、両親ともに自宅にいるなんてそんな日は4月からこっち1日もなかったので、その日に限って熱を出したり怪我をしたり、なんてタイミングのいい子ども達、とここはこの僥倖を寿ぐべきでございましょうか。

 おKさんはあごを6針ほど縫いました。しかし2009年2月11日に4針縫ったところとまったく同じ場所だったので、前の傷が見えなくなりそうで良かったです。おKちゃん、おでこも確か縫ってるから、8歳女児にして顔面に10針以上の傷のある女(何針だか正確には忘れた)。でもおでこもあごも皮膚科できれいに縫って貰ったので痕には残らないだろうな。今回も大丈夫でしょう。

 しかしすごい精密な作業なのよ、縫合って。ああいう外科的手術って医療従事者以外間近で見る機会ってあんまりないだろうから、普通の人なのにこんなに間近で白い巨塔な縫合現場を見せてもらって得した気分の金曜の午後でした。

 3時ころすべてが終わって帰宅すると、1号さんの期末試験終了のタイミングを狙って発注してたハリーポッターのDVD(6巻)が到着してて、家族みんなでまったりハリーポッターを見て「週末みたいだねえ」と安寧な気分を楽しみました。


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修羅降臨、あるいは暴力発動の条件(DVD「鬼が来た」鑑賞記 ネタばれ注意) - 2010年12月02日(木)

 さて、ディスカスで借りてて研究会終わったら観ようと思ってたDVDを見ました。ちなみに研究会は終わってませんが、ちょっと日程が延期されたので、観ちゃった。<だめじゃん!じぶん!!

 しかし早朝これを観ちゃうと、1日もうこれのことばっかり考えちゃってなんかすごい囚われてしまう映画でした。

 とにかくあの、すごい作品ですので、まだの方で、今後観る意思のある人はぜひこの先は読まずに、別のページにれっつごう。



=====以下ネタばれ注意===========











 この映画の「鬼」って、なんだろう。とかんがえました。もちろん『日本鬼子』と呼ばれた日本兵のことなんですが、メタファーとしてもっと普遍的な、「人が人を殺せる心理的な物理的な状態」のことをさしてるように思いました。

 前半、というか物語の大半は日本占領下で生殺与奪権を明示的に日本兵や暗喩的に八路軍に握られながら、結構したたかに、たくましく生きる村人の物語です。その村人は主人公もその恋人も恋人の義理の父(恋人は未亡人なのかな?)も賢老もおしゃべりなおばさんとその息子もものすごく個性的で、ちょっとそりゃどうよ?と思う言動も含めてなんか観ているうちに愛着がわいてきて、そのコミュニティの一員のような気分になってきます。
 そこに突然暴力的に(おそらく共産党勢力?)預けられた麻袋の中の日本兵とその通訳をどうするかということを軸に話は進んでいきます。

 修羅を降臨させた状態の日本兵と殺人を実行するのとは程遠い心理状態の村人の対比がコミュニケーションギャップを延々と演じながら浮き上がります。恋人に愛されてたり、コミュニティで居場所のある人(主人公の馬大三)は顔をわかってそれなりに世話した相手を『殺す』ということはとても難しい。対して、自分の故郷から遠く切り離されて、自分自身の命も投げ出すことを刷り込まれて、周りの中国人も個人として識別できない差別的なカテゴライズを徹底的にするように訓練された人(花屋小三郎)は修羅を降臨させた状態で叫び続けている。その叫びを通訳がごんごん意(違)訳するので、映画館で見たら場内爆笑だったんではないかと思います。

 しかし、花屋は徐々に村人との交流をもち、そしてあるショックを受けて修羅が落ちた状態に戻ります。
 
 そして隊に戻してもらう。そこから物語はものすごい展開をして、最後は呆然のラストになるのですが、とにかく、日本兵の営舎の場面、とその後の宴会の後の場面、すごすぎます。「故郷では人だった存在」を「暴力装置」に変換するシステムの一端を描くのですが、きっと軍隊ってそうだったんだろうな、と思いながら怖かったです。その地域の暴力発動の熱源を演じた隊長役、ものすごい怖いです。誰ですか?あの俳優。もちろん隊長も中央からの「人を兵器に変える熱」をシステム的にうけとって発熱しちゃってるわけですが。(しかし、中央からの熱が途切れるタイミングを観客は後で知るのです。このタイミングにも呆然です。)

 村での宴会とその後の場面は前半の村の場面を楽しんだ人ほどきつかったのではないかと思いました。

 そして、ラスト。主人公、馬が修羅を降臨させて、修羅がおちた状態の花屋を襲う場面。国民党軍の描き方も含めて普遍的に「暴力」の発動とソレを受ける普通の人の痛みが理解できるようになっていました。言葉では言い尽くせない事情や一人ひとりの人生、ソレから目をそむけたところで、暴力は発動されるのだな、と感じました。

 で、この作品の監督脚本主演の姜文(チアン・ウェン)。ちょっと追っかけてみたいです。え?あの芙蓉鎮のインテリ役?むーん。上映禁止処分をうけながら2007年からまたメガホンを取っているようですね。要チェックです。




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