西方見聞録...マルコ

 

 

秋の休日 - 2007年10月31日(水)

 掲示板でいろいろと騒いでおりましたがつつがなく学会が終了しました〜(次回からはそそっと粛々と学会を終わらせたいわ。こんなに大騒ぎせず)そんで部屋の片づけしたり実家などに柿を宅急便で送ったりしながら過ごしてたんですが、この日午前中、免許証の更新にいったところで、溜め込んでた雑用も大体終了したので、ちょっくらあそびにいくべ、と京都方面に出かけました。

 大和路を散々家族で遊び狂ってますが、京都に一人で行くのは実は、ワタクシ初めて。いつも掲示板重鎮の京都在住在勤SさまとかDさまに手を引かれて右も左もわからんままに行く町だったんですが、今日は主体的にるるぶ京都を片手に正しい観光客を目指します。(あ〜そういや同志社大と立命館大にいったことがあるか、でも京都の町は歩かなかったな、あのときも)

 まず京都駅からバスで京博を目指します。京博で狩野永徳展をやっててそれがすごくいいってウチダくんがいうからさ、それを目当てに出かけます。

 しかし激混みです。「入場制限をしているので、入場券買ったところから、入り口まで50分待ちです」とかいわれます。ディズニーランドかUSJかって感じがします。屏風テーマパーク。そんでひとまず、お向かいの三十三軒堂にいって、少し混雑が緩和されるのを待ちます。うお〜高校の修学旅行以来だわ>三十三軒堂。



 三十三軒堂はものすごい数の千手観音さんがいるので有名ですがその最前列アリーナには「二十八部衆」の塑像があります。なんつうのかさすが時代が法隆寺にある仏さんたちより新しい感じで表現が斬新でした。しかしこちらも混んでます。うーん京都に来るなら春や秋の季節のいいときは避けて、極寒とか酷暑のときがいいのかも。だって人多すぎ。奈良なら正倉院展さえ避ければあとはいつでもゆったり広々ですわ。



 で、そろそろすいたかな〜とお向かいの京博にもどります。お?なんかすいてる感じ?

 




 が〜だめでした。でも待ち時間は「40分」まで短縮してます。でもすでに時刻は3時半。




 京博が貸してくれるおそろの傘差して待ちます。



 で、やっと入場。ポスターまでがきらきらしてる狩野永徳展です。
中はさすがに写真取れないんですが、まあ詳しくは
こんな感じ

 なんか生き物の目がすごく表情があるんですわ。獅子とか龍とか、鶴とか、もちろん人間も。それから木の幹がにょきにょきと生きてるみたいですごい肉感的なんですわ。なんか日本画ってこういう表現が出来るジャンルだって知りませんでした。面白いです。まだいってない方はぜひ!朝一番に!





で、コレが出てきたところ。中はやっぱり混んでるので国宝とか大作の前はあんまりゆっくり鑑賞できない雰囲気でした。こんど聚光院に襖が戻ったら、それを見に行こうかな。今回の展示では宮内庁からもいっぱい借りてました。そっちは見に行けないけどさ。




てくてく鴨川まで歩いて京阪にのって、東福寺でJRに乗り換えました。この乗換えで30分ほど時間があったので東福寺近くの喫茶店1000でコーヒーのみました。



京都タワーの夕日。


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地味力 - 2007年10月30日(火)

 1号さん、深慮遠謀の女。

 授業参観なんか見てるとなんつうの?ワタシにとっては異文化を生きる女です>1号さん。授業参観で各都道府県の名前とその県庁所在地を挙げていくと言うアクティビティをしていました。みんなすごく元気に手を挙げています。しかし1号さん手を挙げません。授業に参加してないわけじゃないけど、手を挙げずにじっとセンセイと他の生徒のやりとりを見ています。そして神奈川のところでするするっとその細い手を挙げます。センセイは「お?1号チャン」と指します。1号は自分の故郷の県名とその県庁所在地を言います。あとで聞いたら「神奈川は私が言うべきだと思ったの。他の県は他の子が言えばいいし。手を挙げないでいて、そのあと手を挙げると本当に答えたいところで指して貰えるのよ」むーん。いつでもなんでもサル山の猿のようにはいはい手を挙げてた私には信じられない熟慮性。

 そういえば1号さんは運動会のクラス対抗リレーの座もそうやって手に入れたんでしたね。2年3年とリレー選手選考会には出ないでいて、4年で立候補してタイムトライアルして補欠ポジションの5位(4位までが正選手)だったけど万年リレー選手のAちゃんに出場権譲ってもらったんだったよね。

 そしてこの秋、郡の音楽会に1号の学年が学校を代表して出るのだけど、1号さんは楽器や指揮なんかはできないので「リコーダー」を熱烈志望。「だって鉄琴とかじゃおうちで練習できなくて詰まんないもん」とおうちでリコーダーをぴっぴこぴっぴこかき鳴らしてます。

 で、演奏前に学校紹介を語る役が選ばれることになり、立候補が募られ、オーディションが行われることになりました。時は遠足時、場所は奈良公園の飛火野で。そんな場所そんなときにオーディションをすれば集まるのはそういうことだいすきな子ばかりです。案の定、1号さん以外は指揮者の子、鉄琴の子、ティンパニーの子と学年オールスター勢ぞろいです。そのなかで1リコーダー担当で一番地味な1号がオーディションなしで、まんまと学校紹介役をゲットしました。

 なんつうの、人生の緩急のつけ方ってのを私は娘から学んだよ。そうだよね。いつでもがんばんなくたっていいんだ。いつもがんばってないからやる気を見せると思わず先生は指名しちゃうんだ。は〜私には見えなかったな「地味」のもつ力。


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その人はそこにはいない - 2007年10月21日(日)



 ちょっと過去日記。
この日はあめでおさんが長期過酷出張から戻ってへろへろになってて使い物にならないので娘2人とマルコとで女の子デートに行きました。

女の子デートとはあめでおさんが来るとしないようなことをし倒すという楽しい1日です。

まず奈良県立美術館にシャガール展を見に行きました。
まる子ちゃんに出てくる花輪君の家にも飾ってあるんだよ〜というと2児とも割りと興味を持ってついてきました。でもおKさんは途中でいまいち飽きてました。コンピューターで所蔵資料を検索するコーナーにおはまりになったのでそこにおいておいて1号さんと2人でゆっくり見ました。1号さんは「なんで男の人と女の人ととんでるの?」とか「お胸がおっきく描かれ過ぎ」とか「これかな花輪君の家にあったのは」とかまあまあな反応をしてました。

その後「子供用のシャガール絵本」とマルコ用の図録を買って近鉄なら駅前のフルーツパーラーもんちっちで昼食。フルーツパーラーで食事を取るというのもあめでおさんはしません。餅は餅屋フルーツパーラーではパフェ、食べ物やで食べ物な人生なのです。でも3人でおいしくサンドイッチとパフェの軟弱な昼食を食べました。

そんでJRで王寺に移動してそこの手芸屋メルシーで1号さんが家庭科クラブで使う毛糸と編み棒を購入して帰路に着きました。

さてその王寺ー法隆寺間の大和路快速に割りとパッチリ衣装を着けたお坊さんが乗ってました。1号が気づいて「あ、おぼうさん」とマルコに小声で言いました。マルコも小声で「そりゃお坊さんも電車乗るよ。変に注目したら悪いよ」と1号を平常心に戻しました。

そんで降りるときにおKさんがお坊さんに気づきました。
おKさんは結構大きい声で言いました。
なぜかそのとき車内は静まってました。

「あ、お釈迦さま〜!」
、、その人はそこにいません。
お坊さんと車内に乗り合わせた人が数人「ぶほっ」と噴きました。




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斑鳩のサバト - 2007年10月13日(土)


















































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花さき山 - 2007年10月12日(金)

花さき山と言う絵本がある。貧しい農村の少女あやが山で出会った山姥に「その山に咲く一面の花は人が自分の我を抑えて<いいこと>をすると咲く花だ」と教えられる。そして、「そこに咲く赤い花は昨日祭りの赤いべべを作る権利を妹に譲ってやったお前の切ない我慢が咲かせた花だ」と言われると言う話。

 まあ誰かのためを思って我慢すること、の尊さを語ったちょっぴり説教臭のする絵本である。しかし10歳児と5歳児のマジ譲らないガチンコ勝負のさなかにこの物語を突然語りだしてどっちかに我慢を強いると言う特殊な状況下においてなかなか有用な物語ではある。

 たとえば今日の朝、トイレの使用をめぐっての1号さんとおKさんのガチンコバトルはトイレの中でのもみ合いにまで発展した。仕方がないので行動の遅いおKさんを抱いて引き離し1号さんに「最速で済まし!」と指示し「おKちゃんの方が先だったのに、1号もおかあちゃんもずるい!」と絶叫するおKに「おKちゃん、いまお姉ちゃんのためにがまんしたおKちゃんの花が花さき山で咲いてるよ。おKちゃんはほんとにえらいね〜」と心にもない褒め言葉であばれるおKを取り押さえつつ、しゃがんで、抱きしめる。泣きながらおKは「その花さき山のおKの花は何色なの?」と問うので「露を含んだ黄色だよ。きれいな花だね〜」と夢見るように語っているとさっさと用を済ませた1号が「ねえ、もう出たけど」とあきれた顔で見下ろしていた。

 ごめんなさい、名作絵本さん。


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10年前の - 2007年10月10日(水)

 10年前の本日、我が家の長女の1号さんがこの世に生まれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん、と出てきた。2日ほど10分おき陣痛でころげまわって、3日目、いよいよ心音低下して助産院から市立病院に救急車で転送されてもうじき日付が11日に変わろうかってころにさっくり帝王切開で彼女が出てきたあの日から10年ですか。

 いや〜あの三日がかりの出産からなんだかすごい非日常が始まって、今もって非日常の中にいる感じで10年が過ぎた。

 私はできるだけ日常を取り戻したくって、子供に冷静でいよう、「子供の母親」として存在するようにならないように、「自分の自分」でいられるようにと呪文を唱えて生きてるような気がする。

 ところで昨夜遅く、9月に大騒ぎして修正してた論文が受理されたという報が届く。それでさっきまで子供の10歳の誕生日なんかより自分の仕事の達成のほうが10倍うれしいワイ!と強がってたのだが10年前の思い出なんて書いてたら、あっという間に非日常の興奮に飲み込まれ、まだまだ私は非日常の中を生きてるのだなということを思い知らされる。

 出産とそれに続く幼子の母の時間というのはカーニバルだ。でもやがて必ず終わっていくカーニバルだ。終わったときすっくりと立てるように日常を取り戻す作業にも熱心でいたい。時々カーニバルの興奮にさらわれるけど。


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奈良公園の金魚 - 2007年10月07日(日)




1号さんがお通いになってた喘息医者のすぐ近くに「上海み〜つけた」というチャイナドレスのお店がありました。お洋服は子供用は1律2500円。大人用はもう少し値が張るようでした。そんで1号さんはずいぶん前から誕生日のお祝いに「チャイナドレスを買ってほしい」とお願いしてたので、誕生日の3日前のお休みの日、皆で1号さんのチャイナドレスを買いに行きました。




で、買いました。おKさんも試着してみるとぴったりなのでまあいっか、と二人分買いました。おそろいをこよなく嫌う1号さんに「いい?」ときくと「いい」というので買ったのですが、店を出ると「色を変えて欲しかった」というのです。買う前にいってくれ。

とにかくチャイナ服着た子ども2人を連れて奈良公園を歩きます。みんなものめずらしげに振り向きます。「にいはお」と声をかけてくれる人もいます。
あめでおさんに「こういうのなんていうの?」と聞くと

「仮装?」とのお答え。

そうか、仮装か。

神苑(旧万葉植物園)にいくと庭の整備係の人がだまって身振り手振りで鯉のえさをくれました。みんな外国の人に優しいね。いや私たちは外国の人ではないんですが、民族衣装を着るとそう思われるんでしょうな。



春日大社の前で流鏑馬練習中の皆さんがいたので見学。


若宮おんまつりで披露なさるそうな



そのあと高畑サロンへ行ってお茶しました。高畑サロン、志賀直哉旧邸のすぐお隣。なかなか雰囲気がようございました。





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懸案事項2特訓中(完結) - 2007年10月02日(火)

 このごろ可能な限り保育園に早めにおKさんを迎えに行って帰りに公園の鉄棒で逆上がりの練習してます。勝率6割まで上がってきました。スカートを巻きつけてぐるっと回るという昔の技を思い出してやってみてスカート破いちゃいました(っていうかスカートで逆上がりする三十路の女ってどうよ?もうすぐ三十路ともおさらばだけどさ)。

 今日はGパンです。勝率7割にあげるまで家には帰りませんっ!

追記 今日の勝率は2割5分でした。たくさんやればやるほど勝率が落ちるので適当に辞めて帰ってきました。目が回りました。低い鉄棒でやると勝率0、高さのある鉄棒だとほぼ成功します。でも本番は低い鉄棒らしいです。ごーん。

追記10月4日 今日は勝率5割
高い鉄棒なら100%できるようになったんですが本番使用されると目される低目の鉄棒だと0%ですわ。今日は背中の筋肉傷めました。このままでは今季絶望ですわ。ジョーブ博士に連絡しなくては、、

追記10月5日 今日は、、、
 朝一から遠方通勤先に2時間半かけて出馬して3コマしゃべりっぱなしにしゃべって、帰宅したのは夜8時でと言う一日でした。そんなわけで電車かバスに乗ってるか、教壇でしゃべってるかしかしてなかったのですが、それでも昼休み、勤め先のグランドに鉄棒があると聞いていってみました。、、、大車輪が出来そうな鉄棒でした。これでは練習にならないわ!私が必要なのはこう、ちっこい保育園児がくるくるまわるような鉄棒なのよ!とシャウトしても野球部の皆さんの練習のお邪魔にしかならないようでしたのですごすご帰ってきました。

、、、本番明日じゃん!ヤマトはイスカンダルから放射能除去装置を持って帰るのに間に合わなかったって気分ですが、まあ明日気合入れて逆上がりに挑みたいと思います。

追記10月7日(完結編)
さて逆上がり報告「だめでした〜!」

 鉄棒の高さ的には大丈夫な鉄棒でトライしたんですが、下にマットがひかれていて、それで微妙に高さが駄目な高さになっちゃってたのですね!出来るはずの高さなのに出来ないのであせって2度もトライして2度ともダメでした!!そんで前回りで許してもらいました(1度トライしてダメだと前回りで許してもらえる)

 でも救いは運動場の真ん中で逆上がりをするんじゃなくて運動場の隅っこのほうに走って行って逆上がりをするのであんまり失敗しても目立たないってことかな?えへ。
 走り終わってショックを隠しつつ観戦してたママともに「ま、懸案の逆上がりも終わったし」と言ったら「あんたは前回りやろ」と秒殺で突っ込まれ、「くそ〜来年こそは!!」と叫ぶと周囲の人々に「ナイナイ来年はナイ」と皆に顔の前で手を振られてしまいました!!!

 そういうわけで逆上がり甲子園児マルコの夏はおわりました。でもこれで無駄な筋肉痛とはおさらばだ!楽しい夏をありがとう!保育園の先生たち!!!(なかば自棄)

 しかし運動会大変疲れましたが、感動しました。ラスト年長児と年中児のリズムダンスがものすごく手が込んでいてその準備がドレくらい大変だったのかとか、年長児の高度な技とかに「先生も親も良くここまで育てたよ」とまじでちょっくら涙が出てしまったり、5年前、年中児の1号が運動会の1週間前にこの保育園に転入して準備不足を理由にこのリズムダンスへの参加を拒まれたりしたことを思い出して、あめでおさん以外の誰と話すこともなく、生後5ヶ月のおKサンを抱えて運動会を黙って観戦したアノころの孤立無援度が思い出されたり、まあいろいろ走馬灯しちゃったのでした。

 フィナーレで風船を子どもと一緒に皆で青い空に放ったのですが、鳥が食べたら環境問題とかはあえて思わずに青い空に吸い込まれていく色とりどりの風船の美しさと子どもの成長と過ぎていく日々のいとしさに心の震えるような運動会でした(ワタシってばいつの間にこんなに体育会系に!子育てって体育会系のイトナミだよな。てか体育会系の人がマジョリティに営まれてるよな。ワタシ文化系だけど異文化理解、がんばります)。


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