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指輪物語関連ファイル

YUKI


2002年01月11日(金)
 SEE 北米版(まとめ)


■ 02年11月13日(水) SEE 北米版

☆アルゴナス像付きDVD到着

amazon.comに注文しておいた、アルゴナス像付きDVDの
発送通知が来たのが先週土曜日。到着は今週火曜日。4日でつきました。
最初から最後まで通して見た感想は、「必見!」でした。
まだ特典映像6時間は見てないけれど、本編を見ただけで、
けっこうすごく満足な仕上がりです。

30分の追加映像というのは、長いエピソードを加えたわけではなくて
ところどころ、話を端折った所に入れてあります。
わずかなことだけれど、話の流れがとてもスムーズになりました。
原作ファンに評判の悪かった、展開が早すぎるというクレームも
ある程度緩和される感じ。
そして詳しく比べてみたわけではないけれど、同じシーンでも、
違う映像を採用してる箇所がたくさんありました。
微妙に違う表情。微妙に違うアングルから撮った映像に差し替えてあります。

細かい映像が加わるだけで、公開版で出来上がっていたイメージはかなり変わってしまいます。
ものすごくこの映画が好きで、何回も見た人は最初違和感を感じるかもしれません。
私は、劇場公開版のスピード感も好きだし、今回のロングバージョンも好きです。

アラゴルンへたれてます。歌は数秒でした。(←賢明な判断)
アラゴルンとボロミアのツーショットあります。
レゴラスもギムリも長いセリフあります。なかよしです!
ガン爺、かんしゃくおこして、ピピンをどなりつけてます。(ピピンはちょっとむっとしてます)
ガラ様、やさしくなりました。ケレボルンとハルディアのセリフが増えました。

コメンタリーのトラックは4つあって、監督や脚本家やスタッフがずーっと語っています。
PJ、ずーっとしゃべりっぱなしです。聞き取りができたらすごくおもしろそう。
やっぱり日本語版も買っちゃうだろうな。


☆特典映像 について

SEE(スペシャル・エクステンディッド・エディション)のDVDには
6時間の特典映像がついています。あまりに盛りだくさんで全部は見ていないけれど、
俳優が語る部分だけざっとみました。
素で語るショーン・ビーンを見るのはこれが初めてかも。
ヴィゴの撮った写真がふんだんに使ってあります。
多分未公開の写真もちらほら写っている。そして、楽屋の壁に
ところせましと貼られた写真のコラージュ。
一枚づつ見てみたいくらい楽しそうな写真でした。

☆ボーナストラック

指輪の情報サイトを回っていたら、US版SEEのDVDには
ボーナストラックが二つあるという。見方もちゃんと解説してある。

http://www.theonering.net/perl/newsview/8/1037212175

一枚目の場面選択画面で、エルロンドの御前会議を出し
セレクトボタンのdownを押すと指輪のアイコンが現われる
そこでenterを押すと、MTVの御前会議のパロディが始まる。
(これ、ちょっと趣味がいまいちのパロディだったけど)

二枚目の場面選択画面で、ファンクラブのクレジットを出して、
右側の番号選択の48番を押すと、画面下に二つの塔の影が現われる。
そこでenterキーを押すと、二つの塔の予告編が始まる。

この予告編は、劇場で見ることができたやつ。ネットにもアップしてある。

両方ともPJが出てきて、やあ、よく見つけたね、とかなんとか
言ってくれるところがご愛嬌。

★SEE 日本語版について
(特典映像とコメンタリーについてはこちら) 

(過去ログを少し編集しました。)



2002年01月10日(木)
 ヴィゴ・クエスト(まとめ)


これまでみたビデオの評価をまとめてみました。
(数が多いほど評価は高い。最高三個)
ネタバレの配慮はほとんどしていませんので、
知りたくない人は要注意!
  
  ★映画として見ておもしろい。
  ☆ヴィゴクエスト的には美味しい。
  ○ヴィゴファンなら見てもいいかも。
  △見なくてもいい


1984 ジョージ・ワトソン 
1985 刑事ジョン・ブック/目撃者 ★★○
1987 TVサルベーション!  
1988 プリズン ★☆☆☆  
    想い出のジュエル ☆☆
1990 悪魔のいけにえ3/レザーフェイス逆襲 ☆
   ヤング・ガン2
    柔らかい殻 ★★☆☆
    ガン・ヒート/野獣の標的 △
1991 インディアン・ランナー ★☆☆
1993 ボイリング・ポイント ☆☆
    ルビー・カイロ ☆☆
    プレイデッド ★△
    カリートの道  ★★○
1994 カッティング・エッジ
   ヤクザVSマフィア ★☆☆☆
    ゴッド・アーミー/悪の天使 ★★☆☆☆
1995 クリムゾン・タイド ★☆☆
    聖なる狂気
1996 バニシング・ポイント リメイク版 ☆☆
    アルビノ・アリゲーター ○
    ある貴婦人の肖像 ★○  
    デイライト ○
1997 G.I ジェーン ★★☆☆☆
1998 ダイヤルM ★★☆☆  
    サイコ
1999 オーバー・ザ・ムーン ★★☆☆☆
2000 28DAYS ★☆
2001 ロード・オブ・ザ・リング〜旅の仲間 ★★★☆☆☆
2002 ロード・オブ・ザ・リング〜二つの塔 ★★★☆☆☆


■ 2002年06月20日(木) ヴィゴクエスト中間報告

今日までに、ヴィゴの出演した映画を指輪を含めて14本見ました。
まだ見ていない映画が14本。ちょうど折り返し地点です。
見た映画は現在から過去にさかのぼっているので、最近作ばかり。
チョイ役から脇役になり、準主役を得て、ようやく主役級になってきたのが
よくわかります。しかし主演作というのはものすごく少ない。
見た中では『ヤクザvsマフィア』だけかな?

演じる役柄は本当にいろいろです。
かっこいい役もあれば情けない役もあり、ださい兄ちゃんのこともあれば
色っぽい悪魔のこともあります。
軟派な女たらしかと思えば硬派な軍人を演じたり。
本数は少ないですが、同時期にショーン・ビーンの映画を見て
ずいぶん対照的なふたりだと思いました。
私はショーンは、どんな役を演じてもショーン・ビーンにしか見えないのです。
だから映画の中の役が悪役でも、「本当はいいやつ」オーラが
でているような気がする。
体とか頭の骨格がしっかりしていて、中身も同様にゆるぎない感じ。
人懐っこい笑顔を見ているだけでOKみたいな感じ。

反対にヴィゴは、映画の中でヴィゴ・モーテンセンを感じさせないような気がします。
アラゴルンを演じている時に、映画の中にいるのはアラゴルンです。
ルシファーの時はルシファー。女の人をだましているときは、そこにいるのは女たらしです。
昔の映画を見ると、ただの脇役で終わってしまう可能性もヴィゴの中に見えます。
いろんな役を演じて、いろんな監督や俳優や女優と仕事をして
(リストアップするとすごいよ。メンツが)
自分の中に何かを育ててきたヴィゴをおもしろいと思います。

さて、ヴィゴの映画のおすすめは、この三本です。
『ヤクザvsマフィア』主役だし。かたことの日本語がかわいいし。ハンサムです。
『オーバーザムーン』不倫ものですが、気持ちの描写が濃やかで、心地よいです。
『G.I.ジェーン』フェミニズムという点では問題あるかもしれませんが、映画としておもしろい。
番外『ゴッド・アーミー』の悪魔。色っぽくて好きなんです。ヴィゴのルシファー

ヴィゴ・クエストはつづく・・・・




2002年01月05日(土)
 <映画>『LOTR二つの塔』感想(まとめ)その2


1,2回目の感想を読む

■2003年02月24日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(三回目)

『二つの塔』三回目を見てきました。・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おもしろかったです。

すいません、さんざん悪口言ったあげくですが、すごくおもしろかったです。
今日は三時間があっという間でした。
今日は吹き替えを見るつもりが、時間をまちがえてまた字幕だったんですが
簡単なセリフは字幕から目を離しても聞こえるようになってきたので
画面に集中して見る事ができました。
そしたら、画面のすみずみがきちんと作ってあったんですよ。
空の色、月の形、森の木々の影、エルフの鎧は艶々していてかっこいい。
エオウィンのなびく髪で風の向きが変わるのがわかる。
エントの攻撃の場面では、櫓に乗ったオークが右往左往する様までがきっちりと作られていました。
自分のこだわりから離れて見れば十分おもしろい映画だったんですね。
そしてヘルム峡谷の場面は、決めセリフ、決めのポーズ、緩急のバランス、
みんな計算して配分してあるんですね、まるで日本の時代劇を見るように
パターンどおりに展開する気持ちよさを感じました。
翼竜に乗ったナズグルの動きが、ほれぼれするほどかっこいいです。
それだけでも見ていて幸せ!

TTTのアラゴルンはちょっとギムリにイジワルなんですけれど
よーく見ると、肩をポンと叩いてフォローはしてるのよね。でも、

Gimli: Toss me. (私を投げてくれ)
Aragorn: What? (何だって?)
Gimli: I cannot jump the distance so you have to toss me.
Ehh.. Don’t tell the elf.
(この距離はとべないからあんたは私を投げるんだ。ああ、あのエルフには言うなよ)
Aragorn: Not a word. (一言たりとも言わないさ)


このシーンのヴィゴときたら、アラゴルンじゃなくて素のヴィゴになってて、大好き。
ほんとはこういうヤツなんです。まじめに王様やってるのはさぞ大変でしょう。
号令かけるヴィゴには、思わず「イエスサー!マスターチーフ!!」って言いたくなるわ〜
剣を構えて「とつげき〜!」の場面でも思わず、「死ぬぞ、おい」とつっこんでいました。
・・・近いうちにも一回いきます。いえ、今度はそんなにはまっていません、私。ほんと。

☆最後の戦い
今日三回目を見ながら、「最後の戦い」というセリフを
誰も彼もが口にすることに気がつきました。
なんだろう、これはキーワードかな?とひっかかったのですが、
まだ考えがまとまりません。

■2003年02月27日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(四回目)吹替え

今日はレディスデーだというのに、日中は忙しくて映画に行けなかったので
8時半からやってるレイトの吹き替えに行きました。
なんか家族の視線が冷たいんですけれど・・・・
ちゃんとごはんを作って、後片付けもしたでしょ。
いつものことなのになぜ今日はみんな「えー?」とか言うんだ。でも行く。
おねえちゃん、明日は期末だが、今回は自分で全部やんなさい。

さてさて、吹き替え版の方が、わかりやすかったと思う。
今回は字幕も特に問題は無いのに、この差は何だろう。
情報量の多さに加えて、話がスムーズに流れるように
原文を意訳してあるところがけっこうあった。

Faramir: I think at last we understand one another Frodo Baggins.

このセリフは字幕では「やっと我々はお互いに理解し合えた」だったが、
吹き替えでは「やっと君のことが理解できた」になっていたようだ。
(正確な引用ではありませんが)
この文章は原作にもあるが、映画は途中端折ってるのにそのまま使っているので唐突な印象を与える。
この場合字幕の方が忠実で、吹き替えは原文から少し離れている。
でもこの場面では吹き替えの方がしっくりくる。
さて、どっちがいいか?というのは難しい問題だ。

吹き替えのギムリは、「お笑い担当」の前に「愛すべき」がついてるような気がする。
これもセリフを少しいじった結果、イメージが柔らかくなっているようだ。
私はショーンアスティンの声に違和感を持っているので、ラストのセリフは素直に
聞けなかったんだけれど、吹き替えの声だとちゃんと内容が自分の中に入ってきた。
いいセリフだわ。映画のしめくくりとしては、文句なしです。
受けるフロドもわざとらしくなくてよかった。

今日の上映は途中で音声が調子が悪く、サラウンド効果が消えてしまったので
どうしても我慢できなくて、係りの人に文句を言った。そうしたら直った。
でも、私の映画鑑賞はそれで中断されてしまった。これが初見だったら許せないミスだわ。

ヘルム峡谷の戦いは見れば見るほど、日本の時代劇の合戦シーンを下敷きにしているように思える。
エントのシーンはその合戦シーンの緩急の緩の部分なので、ああいう構成になってるんだろうなあ。
それにしても、映画の文法にのっとった戦いのシーンの見事さに比べると
ラブシーンはいかにもとってつけたようで、SWのEP2と並べてもひけをとらないかも・・・・

☆ファラミア像について

原作のファラミアから離れてみると、映画のファラミアもとても魅力的だ。
デヴィッド・ウェンハムのほとんど表情の変わらない演技を不思議に思ったが、
吹き替えでみていて彼が目でいろいろな演技をしていることに気がついた。
いつもはどんな演技をしているんだろう。『ダスト』を見てごらん、
と友達にいわれているんだけれど、彼を見るのはTTTが初めて。
『ムーラン・ルージュ』に出ていたっけ?どれが彼か覚えていない。
押さえて押さえて、それでもほんの少し動く目線でなにかを語っている。
彼は何を語っているのか?何を考えているのか?

映画のファラミアは、初登場のフードの陰からちらりとみえるカットから印象的だ。
優しい物憂げな顔立ちで、冷たく暗いものも同時に表現している。
ショーン演じるボロミアと、いろんな意味で正反対で、しかも同じ血が流れていると
言われても違和感がない。このキャスティングは控え目に言っても素晴らしい!

四回見ても、演出の意図がまだよくわからないのだが、
深い深い意味があったほうが、見るほうとしては楽しい。
ゴンドールの兵士達が、どいつもこいつも人相が悪いのはなぜ?
演出の意図がわかるのはROTKまで待たなければいけないかしら。

■2003年03月01日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(五回目)

今日は映画の日でした。
うちの小学五年生に、「SEEを見て予習したら映画に連れて行ってあげる」
と言いましたら昨日ちゃんと全部見たようなので、一緒に行きました。
中一は部活。同居人氏は特撮目当てについてきました。
さすがに三時間は長くて疲れたようですが、「おもしろかった」と言ってくれて母はうれしい。
中学生か高校生くらいになったら、原作を読んで、それから私のコレクションにひたってくれ。
(同人誌は高校生になってからー)

さて小5が言うには、ナズグルはハリポタのアズカバンの看守に
イメージそっくりだそうです。言われてみればなるほど。
これから映画化する方は、PJに影響されないようにするのが大変だ。
反対にPJのシュロブが秘密の部屋をなぞらないようにスケールアップすることを期待。
そして吹き替えのフロドの声って、アナキンの吹き替えと同じですよね?
フロドとゴラムのやりとりを見ていて、うーん、アナキンは向こう側に陥ちちゃったという設定だし
ルーカスもまたPJ映画をしのぐダースベーダーへの道を探らなくちゃいけなくて大変ね。
と思いました。もちろん、全ての根っこにトールキンの指輪があるわけですけれど。

他の映画のからみでいうと、鉄の足ダインさんのTTT感想に、
エントは下手すると「にこにこぷん」の樫の木おじさん、ディズニーの短編アニメ「花と木」、
というコメントがあるのですが、火の付いたエントが水の中に頭をつっこむカットを見て、
そういえば「花と木」にそういうシーンがあったかもしれない・・・と思いました。
うちのお子様ビデオのどこかに入っていて、昔何度も見たんだけれど、記憶はあやしい。
ディズニーの短編アニメって好きでした。アメリカナイズされてはいるけれど、
「小さなおうち」とか「ロンドン橋」の話とか、もとの話のエッセンスを上手に伝える佳作が多いです。
PJやスタッフはそれを見て育ってきたに違いない。
黒澤の映画や「宮本武蔵」の映画もそうですけれど、他の映画へのオマージュが
いろいろなところにあるのかも。誰かそういうのの解説してくれないかしらん。

☆映画にひたる
今日は最初から映画にひたって見ることができました。
同じ映画をこんなに何回も見るのは前作『旅の仲間』が初めて。
そして今度の『二つの塔』も同じように楽しんでいます。
この楽しみ方は、昔、好きな漫画をくり返し読んでいた感覚に近い。
中学生や高校生の頃、何回も何回も読んだ本がたくさんありました。
それができる作品とできない作品はどう違うのか・・・というのは口で言うのは難しい。
作品の世界や、お話の流れに身を任せる感覚は
同じようにひたった人にしかわからないかもしれません。
そうやってひたりながらも、頭の隅っこの冷静な部分はいろいろ考えてはいるんです。
前後のつじつまが合わない部分。流れにそぐわない部分。
ごくまれに、そういう部分を用意周到に補正しつくした作品があったりすると
手放しでほめちぎることができて、熱狂的なファンになったりするんでしょうね。
PJの『ロードオブザリング』は、かなりいいところまで来ているみたい。
でも最後の『王の帰還』でたくさんの人が納得できる大団円を迎えることができるかどうか
最終的な判断はそれを見てから。

それでも今日もとても楽しく三時間を過ごす事ができました。
何回も同じことを書いていますが、背景の自然がすばらしい。
CGで多少いじってあるにしても、それを割り引いても自然の景観にほれぼれしてしまいます。
でてくる俳優達も、これまでの出演作、今演じている指輪の役、これから演じる役(笑)を
もっと知りたくなるような魅力を備えています。
場所と人がこんなに素晴らしいのはほとんど奇跡のようです。
CGクリーチャーは最初の頃、全然目に入らなかったんですが、
回を重ねて見るにしたがって、CGの物足らない部分よりも、よくこれだけ作ったなあという部分が
見えてきました。今日はバルログの落下シーンの手足の動かし方と翼にみとれてました。
翼に乗ったナズグルの目線から見たオスギリアスの廃墟も大好き。
アラン・リーとジョン・ハウはどんなに夢中で絵を描きセットを作った事でしょう。
そして、オークやウルクハイの一人一人にも個性があり、きちんとした甲冑をつけている。
多少のマイナスポイントはチャラになるくらい、好きな映画になりそうです。



2002年01月04日(金)
 <映画>『LOTR二つの塔』感想(まとめ)


■2003年02月15日(水)<映画>『LOTR二つの塔』(一回目)

先行上映を見てきました。以下、ネタバレですので、未見の方は要注意!

☆最初の感想

さてさて、海外でこの映画を見た人の感想文が、
どれを読んでも歯切れが悪かった理由がわかりました。
うーん・・・・三時間が長かったですね。
私は原作からの改変があっても、さほど気にならない方です。
その改変が映画を作るために必要であり、あらすじをなぞるよりも、
何を言いたいか、ということがはっきりさせることの方が大事。
第一作はそういう意味で、かなり上手に作ってあったし、
ボロミアとアラゴルンの対比でアラゴルンが決意にいたるまでが納得できるものでした。
『二つの塔』はストーリーがニつに分かれるので、一本の映画にまとめるのは難しい。
それにしても、この映画は何を言いたいのかわからない。
3部作の真中というのは難しいということはわかるけれど。
キャスティングは最高なのに、生かしきっていないよね・・・
ギムリの使い方とかねえ。
グリマはあんなに良いキャラなのに、どうしてあんな簡単に去っちゃうの。
リー様、うろたえるのは早すぎるぞ。ファラミアもはまってるのにね・・・
エオウィンは写し方によって、きれいに見えたり見えなかったりするから、
もっと撮影に気をつかってあげればいいのになあ。
アルウェンに馬がかぶるのは、ちょっとどうかと思う・・・
オスギリアスのシーンはそんなこんなで、まじめに語る気にもなれない。

素材はそろっているのに、料理の仕方が下手。
一作目にあった(と私は思っている)原作のスピリットは消えてしまった。
どうしてこんなことになるんだろう。一作目が売れたのでプレッシャーがかかった?
それとも、誰か重要なスタッフが今作からは外れてしまったとか?
実はSEEのDVDの追加シーンに、ちょっとちがうものが混ざっていたので
あれ?と思っていたんだけれど、そっちの路線にいっちゃったかな。

☆良かったところも書こう・・・

導入部分とか、アルウェンとアラゴルンのエピソードの入れ方はおもしろかった。
このふたりの将来を原作既読者は知っているわけで、そのへんを押さえた
上手な演出だと思った。アルウェンが赤い服を着て、横たわっているシーンはなかったので、
これは『王の帰還』のラストになるのかな。ヴィゴが川に流されていたけれど、
ボロミアのシーンは無いのか!?と思ったのは私だけではあるまい。
思えばショーン・ビーンの熱演があったからこそ『旅の仲間』は一本の映画として、
力をもつ事ができたのかもしれないなあ。

『二つの塔』では誰かの感情に同化するのは、エピソードが短すぎて難しかった。
フロドが支配されていくのはイライジャの演技が素晴らしいし、
エオウィンも押さえた演技で、檻の中の絶望を(アラゴルンを見て芽生えた希望もすぐに消える)
とても上手に表現していたのに。
ファラミアは立っているだけで、ボロミアに姿は似ているのに
内面は違うということを感じさせる絶妙な配役なのに〜〜〜ああ、もったいない。
ゴクリは、ちょっと不思議な感じ。意外とかわいい顔をしている。(イライジャに似せてあるような)
ゴクリの中の二人の対比がおもしろかったが、CGの心もとなさも少しあった。
ショーンアスティンのサムは、原作のサムの一番大事な何かが欠けているかも知れない。
大地の中からしか生まれないダイヤモンドのような、固くて強固な意志のようなものを
感じることができない。時々目つきが良くないんだなあ。
エントもアイゼンガルドの洪水も、原作のイメージを壊さないものだけれど何かが足りないのが残念。
戦闘シーンも、その戦いの激しさと、攻防のラインがどこなのかわかりにくいまま
援軍が来たら、あっさり勝ってしまってもの足りないかも。
ああ、良かったところを書くつもりが、愚痴ばかり。

☆アラゴルンとレゴラス

最初の感想には何も書かなかったけれど、このふたりの場面がやけに多かったような・・・
うーん、あんたたち何?(何と聞かれても困るだろうが)
レゴラスはアラゴルンのことをとても大事に思っているんだね・・・
第一作でアラゴルンとボロミアで描かれた「王となる決意」のラインを
引き継いで、「私も民とともに死ぬ」というセリフがでてくるのかな。
でも、あの状況で死ぬのは全く無駄だから、もうちょっと大局に立って
発言した方が王様らしいと思うけどな。
一晩たってつらつら思い返してみると、良いところもあるんだけれど
それを引き立てるような、お話の輪郭がはっきりしないのがいけないのかな、と思った。
第一作にも欠点は多々あったけれど、それを補ってさらにいろいろ想像させる力があった。
今回はそれが欠けている。ほんのわずかの違いでありながらそれは大きい。
製作者達の中で、意見のバランスが変わったんじゃないか、と思うのはそこだな。
同時撮影だから、三つとも同じだったろうか。編集段階でどうこうできるレベルじゃないかしら。
そのへんを確かめに、もう一回見に行くんだろうなあ。
皮肉なことに、字幕にトラブルがなくなった本作では内容を吟味しなければ
ならないようなセリフはあまり出てこないのでした。
(qualityの訳で、吹き替え版では問題があるようですが。
 ファラミア理解は字幕の方が良いそうだ。)
そのへんにも、密度の差が出ているかも。

☆死者の沼

原作を読んだ時に、とても印象深かった死者の沼のシーンは
とてもよく映像化されていたと思う。確かこういう感じのイラストを
アラン・リーの絵で見た記憶がある。
水の中に浮かぶ死者は、不気味だけれどきれい。
だけれど、あの水の中に引き込まれるのは怖いかも。
人が死ぬたびに蝋燭が一本灯るというのは、
なにかそういう言い伝えがあるんだろうか。
日本では蝋燭が消えると人が死ぬという話がありましたね。
私が見たのは『ひょっこりひょうたん島』のエピソードだったけれど、
もとは落語だったかしらん。

そうそう、PJの子供や、ヴィゴの子供がちらっと出ていたりするのですが、
ヘンリー君、もうちょっとやせたら、ヴィゴのようにハンサムになると思うよ〜

■2003年02月22日(土)<映画>『LOTR二つの塔』(ニ回目)

いやー、二回目はおもしろかったです。
一回目は、自分の中の原作に対する思い入れとか、
『旅の仲間』を何回も見てふくらんだイメージとか
他の人のファンフィクションでできあがった妄想が
ブレーキになっていたんだと思います。
それが無くなってみると、とても楽しい。
その上でやっぱり足りないところもあるけれど良いところも見えてきました。

文章と映像というのは質が全然違うものなんだ、と改めて思いました。
小説を読むということは、言葉の持つイメージをやりとりすることかもしれない。
書いた人のイメージ、読む人のイメージ、一般的なイメージはそれぞれ違う。
読者のひとりひとりが、自分の持っている直接的な体験や間接的な体験をもとに
読んだお話を自分の中に再構築する。
それは他の人のイメージとは違うし、作者自身のイメージとも違う。

絵や音や映像はダイレクトにできあがったイメージを提示する。
PJの映画のビジュアルは、私の持っているイメージをはるかに超えて
いろいろな情報を与えてくれる。それは、なかなか楽しい体験だと思いました。
背景となっているすばらしい自然や、それぞれの個性的な俳優さんたちは、
この映画を越えて、違う世界への入り口でもあります。

目に見えるイメージとは違って、抽象的なイメージというのは
人と共有しやすいでしょうか。もっと人それぞれでしょうか。
人間に対する信頼や、何が真で善で美なのかは、共通のものを共有しやすいでしょうか。
小説を読んでいる時に、映像的な表現が華やかな文章もあるし、
内面を深く追求していく作品もあります。文章はどちらに重点をおくのも自由自在ですね。
映画は、どうしてもビジュアルが先にたってしまうけれど。

指輪物語を読んで、私が一番心を惹かれたのは、何だったのでしょう。
なかなか一言で言うのは難しいです。PJや他の脚本家たちや製作者たちは
同じところを見ているでしょうか?国籍や文化が違ういろいろな読者が
多少の幅はあっても、指輪の中に共通のものを見ているかどうか・・・
様々な要素がからんでいるとしたら、どこに一番惹かれているのか、
その判断はやっぱり第三部を見てからということになりそうです。

個々の登場人物の解釈は違っていても、最後にたどりついたところが
同じなら、それはそれでいいかもしれないと、今日は思いました。

☆今日の感想

セオデン王のお話を追っかけていたら、いい話でした。
現実から目をつぶっていた彼が目覚め、絶望的な状況に打ち負かされそうになりながらも
周囲に励まされて、「エオルの子よ!」と出陣していくシーンはいいなあ。
シンベルミネのことを入れたのも原作ファンにはうれしいところ。
ハマとギャムリングはなかなかよいキャスティングでした。
ハマの息子(脚本のフィリッパ・ボーエンの息子)はけっこうよく映っていたなあ。
PJとフランウォルシュの子供達は洞窟に隠れる親子として、カツラを換えて再登場。
PJは二度でてくるそうですが、まあ、見つけられなくてもいいや。
アランリーもDVDになってから確認しよう。
やっぱり蛇の舌が私は好きなんですわ。
なーんか薄ら汚れたハンカチをかみ締めつつ、エオウィンに懸想しているところが
昔のお話にはこういうキャラがつきものだったわよねえ、という既視感があります。
完全に目がいっちゃってるフロド演ずるイライジャはすごかったです。
ゴラムとの関係も含めて、けっこう評価してもいいかも。
ファラミアは親の愛に飢えた次男坊として見ればいいかもしれない。無表情がすてき。
ゴンドールの紋章の入った鎧を身に付けてるんですよね。ヴィゴもあれを着るのか。
「我々は理解できた」という場面で、やっぱり「何を理解したんだよ!」とつっこみたくなりますが。

オスギリアスの廃墟に現われる翼竜に乗ったナズグルと、フロドの出会うあのシーンは、
もう全然原作とかファンの思惑とか切り離して映像として好きです。
あの場面はフロドのファンの方々には評判が悪いのですが、あそこでナズグルに近づいた事で
サウロン側が指輪がゴンドール領内にあると思い込むという伏線かもしれません。
(アラゴルンのパランティアのかわり)
アルウェンは、出来る限り控え目にしたという作り。それでもラブシーンはいらないとか
王様二度も回想してんじゃないよ。と評判は悪い。リブでさえなければ、よかったんだが。
もうちょっと、エルフっぽい女優さんはいなかったのか。ヴィゴ・アラゴルンがへたれて見えるのは
選んだ恋人がリブだからというのもあると思う。女を見る目がないのかこいつ、とか思われそう・・・

三回目以降の感想を読む?

(過去ログを少し編集してあります。)


2002年01月03日(木)
 <映画>『LOTR旅の仲間』感想(まとめ)


■2002年03月27日(水)<映画>『LOTR旅の仲間』(一回目)吹替え版

大昔に『ホビットの冒険』を読んだきり、結局原作を読む時間がなくて、
予備知識なしに映画を見ることになりました。ネットの感想は読まないように避けつつ、
それでも吹き替え版を見るべしというご忠告に従って、レイトショーで見てきました。

おもしろかったです。でもちょっと変な面白がり方かもしれない。
映画の冒頭から、自分のバランス感覚を崩すような映像でした。
それは、ホビット族と他の種族の大きさの違いのせいかもしれない。
居心地の良さそうなビルボの家の中で、窮屈そうなガンダルフ。
整っているのにアンバランスなフロドの顔。
とても美しいはずなのに、私の趣味から外れているエルフ達。
全編を彩る邪悪な意志と闇と暴力。
じゃあ、一体、自分は何に軸足をおいて、この映画を見ればいいんだろう
と自問自答しつつ見るうちに、それはだんだん、ひとつの言葉に収束していきました。
「悲しみ」もしくは「哀しみ」みたいなもの。

フロド演じるイライジャ・ウッドの顔を写真で見て、映画を見る前から、
『残酷な神が支配する』のジェルミに似ていると思っていました。
映画見てる最中も思ってました。アンバランスで、妙にきれいな所が似てる。
あんまりあの作品と結びつけるつもりはないけれど、指輪をはめた時に見える幻影は
ジェルミの悪夢の感触によく似ている。
理由のない悪意の支配からどうやって逃げるのか?どうやって戦うのか?
仲間を助けることができるのか?

物語の結末は知らないけれど、この映画だけでもお話としてはまとまっていると思います。
クライマックスのボロミアの戦いは『シャイニング』のお父さんのようだわ。
絶望的な戦いの中で最後に光る物・・・というのは、キングが指輪の影響を受けたのかしら。

ちなみに一番かっこいいと思ったのは、アラゴルンでした。ミーハー?
原作を読むべきか?それとも映画を全部見てから手をつけるべきか?
盛り上がっているいろんなサイトを楽しむためには、読んだほうがいいかしら。

■2002年03月27日(水)<映画>『LOTR旅の仲間』(ニ回目)字幕版

二回目を見に行きました。
吹き替え版を最初に見て、原作を全部読んで、関連サイトを熟読して
満を持しての二回目。・・・・おもしろかったです。

最初のホビット庄の風景で、涙がでそうになりました。
この風景のためにフロドは旅をしたんだなと。
そして画面の隅々に目をこらして映画を見ました。
ガンダルフは二度ウィンクをします。どことどこでしょう。
ロリエンの森を出たところでエルフのマントとエルフのブローチを確認。
旅の仲間全員が同じ葉っぱの形のブローチをつけていてかわいい。
レゴラスの弓が変わっているところ。
サムが鍋で敵の頭をなぐっているところ。
アラゴルンがボロミアの篭手を身につけているところ。
レゴラスは雪の上をするすると歩いているところ。
ボロミアの角笛がもう少しなんとかならないかというところ。

できるだけ原作に忠実にしようとするあまり、それぞれのカットに
情報量が多すぎて、最初に見たときはずいぶん見落としていたようです。
裂け谷に各種族が集まる時に、それぞれワンカット割り当ててあるとか、
ギムリが最初はエルフに対して敵意を剥き出しにしているところとか。
そして、物語は後半ほとんど、ボロミアの物語を描くことに集中しています。
ボロミアに注目して見ると、いろいろと伏線がはってある。
字幕がそれを考慮していないのが残念。

今回、アラゴルンとボロミアの見分けはばっちりでした。
メリーとピピンはまだわからなかった・・・・
ゴラム(ゴクリ)の「マイ、プレシャ〜〜ス」が哀れをさそいました。
ゴラムが「シャイア」「バギンズ」と言ったことで、黒の騎士達が
出発する・・・なんて一回目じゃ気がつきもしなかった。
指輪は常に、誘惑の言葉を低い言葉でつぶやいているようでした。
刻まれた文字の言葉のこともあれば、誘惑しようとする相手の名前の時もありました。
心の声、実際の声、マンガのネームのようにフキダシ部分と地の文が
使い分けされているのを、もう少しなんとか伝えてくれたらよかったな。

戸田奈津子氏の字幕について。
いろいろなサイトで話題になっているように、
字幕は後半部分のアラゴルンとボロミアのセリフについて不備があるようです。
それでも、普通の映画の字幕並みの役割は果たしているかも。
普通の映画だったら、字幕にそんなに多くのものは求めない。
適宜自分で補って、画面の情報を中心に見ていくので。
指輪の用語や世界観を理解した上でなんて言わないから
ボロミアの人物造形だけしっかりやってほしかったなあ・・・

エルフ族のキャスティングがレゴラス以外はまるで私の趣味でないのを再確認し、
オークやウルクハイはちょっと切り離して見てしまったんですが
9人の旅の仲間はみんな好きだなあと思いました。
実は一回目の時、ガンダルフとサルマンに、一番違和感を感じていたのだけれど、
ガンダルフはよく見ると適役かもと思いました。
原作ではもう少し気難しいイメージでしたが。
クリストファーリー御大は本当はガンダルフを希望されていたそうだけど
ちょっとちがうかなと思う。

監督は女の人があまり好きではないのかしら。
美人の基準がどうも普通とは違うみたい。
私は、フロドにイライジャ・ウッドを起用したことがすごいと思いました。
フロドは何もできないし、力もないし、本当に小さい人なんだけど、
そういう人物に全ての運命を託すというお話に
イライジャの大きな青い目は説得力を与えています。
あれは悲劇のヒロインの目だと思いました。
だからアラゴルンはいつもフロドを助けているし
ガンダルフは彼を守り、サムはひたすらついて行く。
そしてフロドはにっこり笑ってこう言うの。
「君がいてくれてうれしいよ。」

もう一回くらい見てもいいかも。

■2002年03月27日(水)<映画>『LOTR旅の仲間』(字幕)+予告(三回目)


またしてもレイトショーで見てきました。来年の『二つの塔』予告付き。
今回は、ひたすらガンダルフの顔のシワを鑑賞してきました。
なんだかだんだん本筋を離れた見方になってきてますな。
ガンダルフに違和感を感じたと以前書きましたけれど、もうそんなことは言いません。
くるくると表情が変わって、お茶目だったり、悲しそうだったり、威厳があったり。素敵。
サルマンも、クリストファー・リーの声はいいなあと、
塔の上で呪文を唱えるサルマンに見惚れてしまいました。

三回目にして、やっとボロミアの話と、アラゴルンの話が
ストーリーの要になっているということがはっきりわかりました。
ボロミアは人間的な弱さに負けて、アラゴルンはご先祖の弱さに勝った。
裂け谷でのふたりの出会いから、周到に伏線がはってありました。
「・・・then you did what I could not・・・」
だからボロミアのこのセリフは「恥ずかしい」なんて訳しちゃだめなのよね。
「それではあなたは、私のできなかったことをした。」と、ボロミアがアラゴルンを認めて
「my brother, my captain, my king」と続くわけですね。
うーん。ボロミアとアラゴルンも好きだ。ヴィゴの目って、少しあぶないところがいいわね。

次回作の予告編はネットでダウンロードしたものより、画面が鮮明で
木のひげとゴラムの姿がちらっと映りました。
アラゴルンに切りかかっている金髪の女の子はエオウィン姫だろうか。
ファラミアはちゃんとボロミアに似ているわ。
セオデン王はやっぱり渋いおじさんでした。
白い人がむちゃくちゃかっこよかったです。
ひょっとすると、この映画のストーリーの柱は
アラゴルンの王としての物語かもしれません。
ちょっと気になるナレーションが入っていたので。

あとは小ネタですが、ブリー村で村人演じるPJを発見。
踊る子馬亭に4人が入る直前にちらっと映ります。
アラン・リーはどういう顔をしているか知らないのでわからなかった。
石化したトロルがいるという噂ですが、それも未確認。
メリーとピピンはなんとなく区別がつくようになりました。

ホビットたちは本当の危機に出会うと、最後の最後に
ものすごく勇敢になるのですが、そのへんもしっかり描かれていて
今後の彼らの活躍が楽しみになりました。

■2002年03月27日(水)<映画>『LOTR旅の仲間』(四回目)

奈落の底へまっしぐら 。
いったい何をやっているんでしょう。また映画を見てきました。
何度見ても飽きないのは、おじさん達の顔と声。本当にすばらしい。
ガンダルフのサー・イアン・マッケラン
サルマンのクリストファー・リー
ビルボのサー・イアン・ホルム
中堅どころのアラゴルンもボロミアもギムリも素敵。
主人公のフロドはあの目で見つめられるとそれだけでOKだし。
若い人たちは第二作以降でどんなふうに変わるかが楽しみ。
サムもメリーもピピンも、これからが本当の演じどころ。
そんななかでレゴラスが不思議なポジションだった。
素顔のモヒカンのにーちゃん姿を見たのがいけなかったのだろうか。
それでも楽々と歩くあの姿や、すらっとした手足とか
画面に出てくるだけで華やかになる。
それこそがエルフというものを表しているのかもね。

二つの塔の予告編も、二度見たけれど、いろいろと興味深い。
一度見ただけでは把握しきれないほど、情報量が多い。
またしても字幕が重大な誤訳を含んでいるそうだ。何とかならないだろうか。

■2002年03月27日(水)<映画>『LOTR旅の仲間』(五回目)

映画の日にまた・・・・
今日は映画の日。10連休中の同居人と一緒に映画を見に行きました。
吹き替え版。終わってから聞いてみました。

「おもしろかった?」
「おもしろかったよ。あの後ろからついてきた変なのはどうなった?」
「ゴクリはね、ずーっとついていくの。」
「あれは味方?悪者?」
「うーん。その質問は難しい。」

「あの大きいバケモノって、ハリポタに出ていたのと似てる。」
「だって同じトロルだもの。」
「なんか悪の冥王とかでてくるの、ハリポタみたいだね。」
「だから指輪が本家本元なの。」

やっとメリーとピピンの見分けがつきました。メリーはしっかりした発言をしていました。
石化したトロルを発見!フロドが剣でさされて、アルウェンが登場する直前の
シーンで、トロルの石像の真中にみんなが立っています。
(『ホビットの冒険』に出てくるエピソード。パーティーでビルボが子供達に話をしている石になったトロルです)
ガンダルフのパイプの煙が船の形になって夕日にむかって行くのは、
ちょっとしたサービスなのかもしれません。
水中に伸びる手が二箇所ででてきますが、ひとつは指輪をつかみ
もうひとつは違うものをつかみます。一応、呼応してるのかな?なんて。
ついでに言うと、手のひらに大事なものを載せて包み込む動作も
注意深く使われているように思います。
小ネタ。船から上がったレゴラスの髪型は、編み込みの三つ編みでした。
いったい誰が編んだんだ。ギムリか?
しかしついに、映画から得られる情報より、原作から得た情報が
私の中で多くなりました。映画を見に行くのはもうおしまい。
DVDの発売を待つことにします。

(過去ログを少し編集しました。)


2002年01月02日(水)
 トールキン『指輪物語』の感想(まとめ)


■2002年03月31日(日) <本>『指輪物語 旅の仲間』

『ロード・オブ・ザ・リング』の映画を見て、それから原作を読んだ。
映画は『二つの塔』の一部を含んでいるようだが、まだそこまでは読んでいない。

読んで思ったのは、映画はかなり上手に原作のエッセンスを拾っているということだった。
ガンダルフの知恵、アラゴルンの気品、ボロミアの苦悩、レゴラスとギムリの友情、
ホビット達の誠実さ、そしてフロドの勇気。
重い荷物は自分で背負わなければいけないこと。
誰にもそれは、肩代わりできないこと。
それでも、孤独ではないこと。
代わってあげることはできないけれど、
互いの思いやりが、荷物を少し軽くする。
そんな仲間達の気持ちが、読んでいる私の心を
悲しいようなほっとするような場所へ連れて行く。
それは、映画を見ているときにも感じたことだった。

では、映画で拾いきれなかったものは何だろう。
満天の星や、草原をわたる風や、エルフの歌が響き消えていく空間や
おいしい食事をたっぷり食べて、仲間と語らい歌い踊る楽しさや
葉陰の涼やかさ、森の静けさ、水の冷たさ、火の暖かさ、
そういったものかもしれない。
それから、風のように軽々と歩くエルフの姿に象徴される
美へのあこがれとか、そういったもの。
恐怖と戦いさえ、原作ではもう少し穏やかに語られている。
こればっかりは、今の映画だからしょうがないかしら。

もう少し早く原作を読んでおけばよかった。心のやわらかい10代の頃に。
そうしたら、もっと、指輪の世界に入り込めたと思う。
それはものすごく楽しい時間だっただろう。

ところで、文庫二冊目の翻訳者の解説によれば、
指輪は容易に時代への警鐘とか象徴として語られやすいけれども、
それは原作者の本意ではないだろうとのこと。私もそう思う。
でも、それぞれの時代に通じる何かがあるからこそ
読んで勇気付けられるのかもしれない。

■2002年年04月01日(月)<本>『指輪物語 二つの塔』

『旅の仲間』がそもそもの話の始まりと、仲間達の友情の始まりだとしたら、
『二つの塔』は試練の時を描いているのかもしれない。
ばらばらになった彼らは、それぞれが最善を尽くす。
足元にはたくさんの誘惑の罠がある。
誰もが、ぎりぎりのところで選択し、進んでいく。
再会、おもいがけない出会い。ゴクリさえも、善悪の狭間で
与えられた役割を果たしていく。

そして様々なイメージの奔流に押し流されるようにして本を読み終えた。
ストーリーは暗いけれども、その中で光る物がある。
あのシーンもこのシーンも映像になったらさぞ、すごいだろう。
でもまず自分の想像力の中で組み立てることができてよかった。

サム!どうしてこの純朴な庭師にたくさんのファンがいるのか
よーくわかりました。メリーとピピンもね。

■2002年年04月14日(日)<本>『指輪物語 王の帰還』

冥王サウロンとは何者だったのか?
それは生身の人物なのか?
ということは明らかにはされないまま、クライマックスに至るまでの
戦いの激しさと旅の仲間達にふりかかる危機の大きさが
フロドとサムの背負った重荷の大きさを読者に思い知らせます。
暗くて重い空気の中、時に絶望にとりつかれながら
それでもなすべきことをなす彼らに
物語を越えてこころを寄せる人達がたくさんいる理由が
読んでいてわかりました。
暗闇の中に光るものはいっそう明るく、美しいものはさらに美しく、
平凡な日常はかけがえのない貴重なものとして、心に迫ってくるようでした。
最終巻の半ばで物語りはクライマックスを迎え、そのあとは
戦いの後の、旅の仲間のそれぞれについて、おだやかなエピローグが続きます。
激しい戦いの最中死んでいった人々も、丁重に弔われ、追悼の歌に歌われることによって
彼らの死は無駄ではなく、永遠の命を与えられる・・・ということが
疲れた読者の心にも染み透っていくようでした。
荒らされた故郷もやがて緑に包まれて、子供達の笑い声が響くようになる。
しかし、もうそこには住めない人もいる。
この長い物語も、作品の世界の歴史の中ではほんの一場面で、
物語に先立つ物語があり、物語のあとにも世界は続く。
そういう世界に遊ぶことができるということは
なんて幸せなことでしょう!

■2002年年04月27日(土)<本>『指輪物語 追補編』

岩波少年文庫の『ホビットの冒険』を再読しつつ、
立ち寄った本屋で『指輪物語7』追補編を買い
アラゴルンと旅の仲間についての記述を拾い読みした。
ホビットもそうだが、この本の内容も映画の中に反映されている。
読めば読むほど情報量が増えていくので、また見に行きたくなって困る。


(ややネタバレ)
アラゴルンの生い立ちから死まで。
王冠と王錫を身につけることの意味について知ると
王の帰還の大団円の描写の場面をまた違った意味でながめることになる。
旅の仲間達はみな一人になることなく、アラゴルンの横には二人の友が眠り、
西の国にあとから行く友もいる。
アルウェン姫の話が一番哀しいのだけれど、
もしや映画にリブ・タイラーを起用したのは、あんまりはかなげな姫にすると
見るだけで涙してしまうからかしらん。
地図とかCDとかDVDとかシルマリルとかイラスト集とかカレンダーとか
いくらでも時間をつぎこめるものに、はまってしまったのは
幸せなのか不幸せなのか?

そして、ネットでいろんなサイトをあさり、ダウンロードした次回作予告編を
何回もリロードし、おまけのCD−ROMを再生して時間をつぶしているのである。
ガンダルフを演じたサー・イアン・マッケランの公式HPに
映画を撮っている時の日記が載っている。これがとてもおもしろい。

The Grey Book
http://209.240.152.182/mckellen/cinema/lotr/journal.htm
The White Book
http://209.240.152.182/mckellen/cinema/lotr/wb/index.htm


クリストファーリーの公式HPにそういう撮影日誌みたいなものはないようだが
トールキンファンの署名運動の話が載っていて笑った。
PJは、リーに敬意を表したのか、サルマンの最後を派手に演出しようとしているらしいのだが、
ファンの皆さまは、「お願いだから原作どおりに作って下さい。撮りなおしてください」
と言って署名を集めているらしい。

The Lord of the Rings A Better End to Saruman Petition
http://www.petitiononline.com/lotrfans/petition.html


■2002年年04月29日(月)<本>『ホビットの冒険』岩波少年文庫

中学生の頃に確か一度読んだはずだけれど、すっかり中身は忘れていた。
トロルのところと、ゴクリの存在はおぼろげながら覚えている。
これを読んで、指輪物語の第一巻を図書館から借りて
1ヶ月も抱えていたのに、ついに最初の50ページほとが読めずに
あの世界に入れなかった。そして今ごろはまっている。

『ホビットの冒険』はとてもよくできた物語だけれど、
串団子のように冒険が続く部分と、叙事詩的な五軍の戦の部分が
ずいぶん趣きが違うように思った。
それは執筆当時の世界大戦という世相や、後に書かれた『指輪物語』への
構想が広がったということの影響だろうか。
子供向けのお話として終わるならば、ビルボが最後に調停役を果たして
めでたしめでたしとした方がまとまりは良いように思う。
そこへゴブリンとの戦いと死人占い師という要素が入ってくる。
戦いが終わりめでたしめでたしとなっても、死んでしまった人たちは帰らない。
お話を聞いた子供達は、そのほうが、共感できたのだろうか?

ビルボもドワーフ族もエルフ族も、どこか頑固で、簡単に良い人に
なったりしないところがおもしろかった。
だからこそ、最後の最後で本当に正しいことは何か本能的に
理解して行動するビルボの良さが際立ってくる。
ビルボ自身もものすごく立派というわけではないんだけど
大事なところははずさない。

ガンダルフは助けてくれるんだかなんだかわからない妙なポジションにいる。
肝心な時にいなくて、必要な時には戻ってきている。
そして、ちょっと用事があってな、とか言いながら、中つ国のどこかで
大事な仕事をしているらしい。
指輪の登場人物はほかはエルロンドが出てくるが、エージェントスミスのイメージが
ちらついて笑ってしまった。ドワーフのバーリンに涙。

『ロード・オブ・ザ・リング』の冒頭部分と呼応しているところがたくさんあるので
今度映画を見るときにはまた違った味わい方ができるだろう。
ドラゴンの花火はどう考えても、竜のスマウグだし。
楽しかった。

■2002年05月02日(木) <本>『指輪物語』再読中

9冊の文庫本と追補編をあちこちひっくり返して読み返す日々。好きな場面とセリフを何度も見て、その周辺を読むと新しい発見があり、また関連部分を探す。そうやって頭の中に自分のインデックスができあがっていく。ファンのたくさんいる作品だから、いろいろな辞典や索引や地図が既にできあがっているけれど、自分で作るほうが楽しい。その作業が一段落したら、他の人のを見てみよう。読んでいて思ったのだが、翻訳の瀬田訳が既にひとつの解釈ではないかしら。もう最近ではあまり見かけなくなった美しい日本語であまり表に立つことなく、適切にはみ出すことなく外すことなく仕事をされている。読み込んでいくうちに、日本語のフィルターの部分も区別がつくようになっていく。ここにもガンダルフのように、経験を積んだおじさんがいるようだ。(かんしゃく持ちかどうかは知らないが)映画のキャラがかぶることはほとんどない。ギムリのビジュアルだけは三つ編みつきで、参考にしているけれど。最初読んだ時はほとんどわからなかったけれど、人の名前、地名、伝説、木々や宝石それぞれに、エピソードがあるような。読んだ範囲の(追補編に出ている範囲)ものには多少反応できるようになった。アラゴルンやガンダルフが思わせぶりなことを言ってるところには、必ず背後にもうひとつの物語があるようだ。かっこいいセリフにじーんとしつつ、その前後の風景描写もすごい、と思ったり。淡々とすすんでいくように見えて、時々はっとするような展開が織り込まれているなあと思ったり。パランティアがらみのところを再読し、「あーばかなことをするんじゃないよー」とはらはらし、そのあとの夢心地の馬上の描写に感動したり。こんなふうにお話にひたるのはずいぶん久しぶりのことだなあ。

(過去ログの文章を少し編集してあります。)



2002年01月01日(火)
 はじめに





このページについて

ようこそいらっしゃいませ。
このページは指輪物語とPJの映画について
わたしが思ったことを書き連ねたものです。
日記のように書いていますので、きちんと裏づけをとっていないこともあります。
思い違い、記憶違い、その他ありましたらご指摘いただければ幸いです。
文中に紹介したリンクについては、特にご連絡はさしあげていませんが
もし問題があるようでしたら、おっしゃっていただければすぐに対応いたします。
更新は不定期ですが、PJの『王の帰還』を見るまで続くと思われます。
一緒に楽しんでいただければ幸いです。

リンクについて

リンクフリーです。

連絡先

harunatuakifuyu★gmail.com
★を@に変えて送信してください。

プロフィール

高校生の頃、ナルニアのシリーズを読んだ勢いで
『ホビットの冒険』は読んだものの、『指輪物語』は最初の20ページでザセツ。
そのまま20数年経過したあげく、PJの映画『LOTR旅の仲間』を見て
原作を読み、そのおもしろさに圧倒されました。
映画については、原作との共通点を探したり、別物と考えたり
比較対照をくりかえしつつ、映画そのものも十分に評価し楽しんでいます。
映画関連の書籍やビデオを見て、新しい楽しみを発見する毎日。
出演者の中では、ヴィゴ・モーテンセンが好きです。
どうぞよろしくお願いします。


                         YUKI



GIFアニメは1-pageさん(管理人/yungoさん)からいただきました。