ふんふん〜♪と書き終わって、タイトルをつける。 つけてから。 GIGでのトグ・オンステージの回のタイトルに似ていることに気づいた(笑) でもまぁ、これもアリだろうと、そのまま使用の方向。
このお話は、通販詳細メルでの私の微妙な文面のせいでご迷惑をお掛けした、Tもつさんへの謝罪文だったり。 「釦」という、なんともム腐フな(笑)お題をいただいたので、お色気方面で書けたらいいなぁーなんて、意気込んでみました訳ですが。
不発・・・・orz ←リキムカラダヨ・・・・・
グフォ・・・(゜死゜;) でも、なんだかんだと自分では気に入っていたりします。 楽しんで書けたので^^
Tもつさん、こんなカンジの文ですが、お納め下さいーーー((orz ペコペコ お気に召して頂けるか、わかりませんが(笑)
ロッカールーム。 半裸の男が、ベンチに座っている。
どっかりと腰を下ろし、動こうとしない。
それを横目に、着替えを済ませてしまう。 濃いグレーのスーツ。白いシャツに、黒いネクタイをきっちり締めた。 「おい、旦那。何やってんだよ」 ロッカーの扉の内側にある鏡で、ネクタイの位置を確認しながら、背後の気配に眉を顰める。 これから、荒巻に同行し、総理の護衛任務に就かなくてはならない。 急に決まったことだったが、いつ何があっても良いように、ロッカーに詰め込まれた衣服のおかげで、問題なく任務に就ける状況だ。 相棒である、この義眼の男もまた然り。 しかし、上半身裸のまま、動こうとしない。 その手には、淡いグレーのシャツが握られたままだ。 「さっさと着替えろよ」 「メンドクセェ」 その返答に、溜息が漏れる。 どうやら、この任務がお気に召さないらしい。 これだから、荒事好きのマッチョは……。 上着をはおり、きっちり着込んでから、男に向き直る。 「それは、スーツを着るのが?それとも、この任務が?」 「どっちも」 思った通りの答えが返ってきた。 ワザとらしく肩を竦め、いつもは見下ろされている男の頭のてっぺんを逆に見下ろす。 「ったく。子供かよ、あんたは?面倒くさいとか言ってる場合じゃないの」 「───────」 「これは、お仕事。おわかり?」 腕を組んで、男の反応を待つ。 すると、義眼がこちらを向く。
「じゃあ、お前が着せて」
聴き取った言葉に、納得できないものを感じて、自分の中で反芻する。 着せて? 着せてと、言ったのか? 男の厚い唇が、何やら、変な笑みを浮かべている。
呆れてモノが言えない。
───と思ったら、大間違いだ。 「ハァ?何言ってんの。自分で着ろよ」 「なら、着ねえ」 電脳汚染か何かか。 この反応は。 愚図る子供のような反応に、口が引き攣る。 「お前が着せてくんねえなら着ねえ」 男はニヤニヤと口許を歪ませ、見上げてくるだけで。 動く気配はない。 どうやら、本気で、自分では着替えないつもりのようである。 「・・・・あんたが甘えても可愛くない」 苛立ちを押さえ、男の手からシャツを剥ぎ取った。 この男に、このまま付き合っていたら、任務に支障をきたす。 だから、仕方なく、言う通りにしてやるんだ。
「───立てよ、バトー」
男の笑みが深くなった。
出発時刻まで、あと15分。 視界の端に表示されているウィンドウがそれを告げる。
立ち上がると、目の前の男は小さく舌打ちした。 苛立ちながら、それでも、シャツを着せ掛けてくる。 普段は穏やかで、声を荒げることも、滅多にしない男が苛立つ様は。 見ていて、愉しい。
「──────」
無言でシャツに手を伸ばすと、釦を留めていく。 男の細くも無いが太くも無い、節くれだった指が、器用に動く様を見下ろした。 茶色い頭が動きに合わせて、小刻みに動いている。
「ったく・・・何で、俺が。あんたの着替えを手伝わなきゃなんないんだよ」
釦を留め終わった男が、ぶつぶつ言い出した。 しかし、文句を言いながらも、今度は袖口の釦を留め始める。 それに、口許が勝手にニヤつく。 なんだかんだと、甘えを許す男に、笑わずにおれようか。
「この位の愉しみがねえと、こんな任務、就きたくねえ」
これは、かなり本音だ。 ツマラナイ仕事には、何がしかの見返りが必要だろう。 それをこの男に求めて、なんの障りがある? 相棒なのだから、当然だ。
「────その思考回路は、オカシイ」
男が嫌そうな表情をした。 顔を顰めて、ネクタイを寄越せと鼻息も荒く命令してくる。 ベンチに投げ出していた、ネクタイを掬い取り、渡す。 男は、ぶつぶつ文句を言いながら、受け取ったネクタイを首に回してきた。 シャツの襟を立て、慣れた手つきで結んでいく。
「従順なお前と違って、俺は任務にも常に楽しみが必要な人間なのよ」
見下ろすと間近に、男の不機嫌な眉間が見えた。 結び終えたのか、襟を元に戻し、ネクタイの位置を調節し始める。
「……阿呆か」
男は、一言そう言うとネクタイと同じ様にベンチに放られていた、ダークグレイの上着を掴み、胸元に突きつけてきた。 甘えを許すのは、ここまでらしい。 込み上げてくる笑いを口の端だけに止めるのに、苦労した。
出発時刻まで、あと5分。 キスをする時間くらいはある。
バトーは上着をはおると、ロッカールームを出て行こうとするトグサの腕を掴まえる。 それから、掠めるように、触れるだけの口付けをした。
END
久々の絵茶で捧げちゃっ隊になりますな。 この短文。
何日前になるのか・・・Aよしさん主催の素敵絵茶に混ぜて頂けまして。 YコさんとS山さんの華麗なる競演、お色気絵にモエモエーでした。 (楽しいお話にもモエモエーでしたよ!ウ腐腐)
お色気文、書きますよー!! とか言ってみたりするぐらいにモエ。 ←自分の首を絞めるアサハカサ
で、絵茶後。 こっそり書いてみました。 SACイメージで書いたつもりが、なんだか、原作っぽいカンジに・・・。 あれ? さらには、微妙に羞恥プレイな仕上がりに。 あらあら? なので、放置してました(ヲイ)
だって。 短文なのに。 この破壊力。
どうしたもんか、と思いつつ、載せてみる試みです。 読んだ皆さんの、その後が心配ですが。 ←そんなブツを載せるのか
(´∀`;)
ちなみに。 このタイトルは、歌の一節から拝借。 いつもは自分で考えて、脳からモロッと出てきたタイトルを使うんですが。 どうしても、この言葉を使いたかった・・・。
素敵な響きですよね、コレ・・・(妄想)
こんなブツですが、Yコさん、S山さん、Aよしさんにひっそりと捧げます。
空気は見えず、触れていることも感じないはずなのに。 今。 それは透明な色を持ち、感触までもがあるように感じられた。 ぼんやりしていく頭で、トグサは唐突にそんなことを思う。
纏わりつく空気。
透明だが、濃度のある薄布のようなものがねっとりと肌に張り付いているかのようだ。 それは部屋中に満ち、拭っても、拭っても、取れない。 自分を拘束するように充満し、皮膚から浸透し、奥へ奥へと溶けて。 抗う心を奪っていく。
そして濃度を増していくそれは、苦痛から快楽へと姿を変えて。
背後からトグサを捕らえ、組み敷き貫く男の獣欲を満たしていくことになる。
「─────ッ、ァ・・・」
声を殺し、男の責めに耐える。
「声、出せよ、トグサ?」
「い、やなこった」
トグサは、嬌声を上げてしまいそうになるのを飲み込み、拒絶の言葉を口にした。
総てをこの男に差し出すのは、いつだって、癪なのだ。 どれほど、自分の中に、この男を求める心があっても。
交わり、熱が生まれ。 形を持たない何かが、迸る。
それが。 透明な濃度で身体の内側を満たしていく。
END
2006年03月06日(月) |
BT30題「12) ロッカールーム」 |
BT30題。 犬ベース。 短文。
「4)ツーマンセル」と対になる話だったり。
微妙に恥ずかしいのは、何故でしょうか(笑) まぁ、こんな話もありでいいよねーと。 ←開き直り?
男はスーツの上着を脱ぎ捨て、ネクタイを緩める。 その動きを義眼で追う。 ロッカールームに設えられた簡素なベンチに腰を下ろした男は、膝の上で手を組み、大きく溜息を吐いた。
「時には犯罪者の命も救わなきゃならない。全く、因果な商売だな」
穏やかな低音が、人工鼓膜を振るわせる。 拭いきれない疲労が、そこに含まれていた。 ロッカーの電子ロックを外し、ジャケットを脱ぎながら振り向くと。 男が俯いて、少し長い髪が、肩から零れ落ちているのが見えた。 表情は解らない。
「”人命は等しく尊い”」
男の頭に向かって、他人が語った言葉を告げた。 確かに、その通りではある。 ヒトは生まれながらに尊く、平等だろう。 しかし、それは嘘だ。 誰もが尊い命を持ち、等しく平等であるならば。 被害者などという哀しい存在は生まれない。 加害者という忌むべき者も。 人は生まれ、生き、死ぬまで。 平等と不平等の間を揺れる振り子のように彷徨うのだ。 時に大きく、時に微かに。 己の意思と係わりなく、何者かの手によって、尊いはずの命を揺らされながら生きる。 これは誰もが、知っている事実だろう。
「解ってるさ」
ちっとも解ってない音が、男の言葉には含まれている。 青いな。 口許に、笑みが浮かんだ。
そういえば、この男は感情の起伏の激しい男だった。
ふいに甦る記憶。 自分が捨てようとした、過去。 あの男はまだ新米で、無知で。 けれど、どんな困難にも退くことをせず。 ただ真っ直ぐに、甘さと青さを内に留めたまま、世の暗部に挑み続けていた。 生身という、脆い器のまま。
「奴をE国に引き渡せば、この国はノドから手が出るほど欲しいモノを手に入れることが出来る」
男は淡々と話す。
こんな話し方を何時からする様になったのか。 それは、あの女が電子の海に消えてからか。 この男は、いつの間にか、多くを語らなくなった。 まるで自分に同調するように。 甘さや青さを内に秘め、皮肉のように、他人の言葉で返してきた。
「それが、この国に多大な益を生み出す、か」
溜息のように吐き出された言葉に、静かに答えを返してやる。
「────金の卵を逃す手はない」
返事は、重い吐息。 男の肩が微かに上下する。 それを見下ろしながら、
「しかし、罪が消えた訳でも、許された訳でもない。奴は、E国に戻ればそれなりのメに遭うだろう。あの国でも、犯罪者だからな」
言葉を続ける。
「全ての情報を引き出された後の末路は、お前にも解るはずだ」
男は、俯いた顔を少しだけ上げて、微かに頷いた。
「其処に在るのは、きっと死だろう」
それが罪に与えられる最上の罰なのだ。 そうだな、と小さく呟いた男は、また俯いてしまった。 動作に合わせ、髪が、また。
はらりと、散る。
瞬間。 理由は解らない。 ただ、それに触れてみたくなった。
全てを拒もうとした自分を。 最後まで、見続けた男。 生身の内に燻る熱を抱いて。 ただ黙って見つめ続け、後を追ってきた。 不思議な男。
あいつが、拾い上げた、生身の男。
そっと触れてみると男の身体が、一瞬、緊張を孕んだ。 しかし、すぐにそれは解けた。 大人しく、そのまま、じっとされるがままになっている。 生身の温かさが、掌から沁み込む。 しなやかな強さ、そのままの熱。 造り物でない、生身の感触がした。
「バトー?」
掠れた声が、不安げに名を呼ぶ。 突然の触れ合いに、戸惑っているのかもしれない。 けれど、そのまま。 髪を撫でる。
「お前は、変わってないな」 「え?」
弾かれたように、男の顔が上がった。 その目が、真っ直ぐに自分に向かう。
少しこけた頬。 意思の宿る、目。 手入れされず、伸び放題の髪。
表層は変化する。 義体とは違い、生身は一瞬ごとに変化していく。 青さは研ぎ澄まされ、老練し。 甘さは時を経て、強かさに。 けれど、深層は。
この男の本質は、一つも変わっていない。
「変わらない強さもある、か」
戸惑いを映しながら、真っ直ぐに、義眼を見返す。 生身の瞳。 生きる力強さを見せ付ける。 その視線を。 何故だろう。
心地好く、思った。
END
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