蹴文修記

2006年06月30日(金) サッカーで話そう、その23

「明日のドイツ対アルゼンチン戦」

例によって、W杯開催地にいるのにW杯情報に疎い僕です。
(だってテレビで全試合観れる日本の方が絶対情報は多いから、
 おまけに宿泊先では日本語のネット環境がないもので。。。)
が、現地の状況をお知らせしたいと思います。

予想外?のドイツの好調ぶりで、ラジオやテレビ、街もW杯一色となってます。
飲食、衣料を問わず店先にはW杯メニューやグッズが並び、道行く車の多くには
ドイツの国旗が飾りつけられています。街角のカフェやドネル(ケバブの店)
にはテレビが置かれ、みんなビールを飲みながら試合を楽しむ。
やはり開催国が好調だと盛り上がりが違いますね。

明日のドイツ対アルゼンチン、こちらではかなりの盛り上がりを見せそうです。
各地のファンフェスタでは無料で大画面観戦ができるため、数十万人(金曜夜
だからひょっとしたら百万人単位?)が集結し声援を送ることでしょう。
僕は現地夜の試合、イタリア対ウクライナを観にハンブルグに行くんですけどね。。。

先日、R16の第一試合、ドイツ対スウェーデンをケルンのファンフェスタまで
観に行ってきました。写真はそのファンフェスタの様子ですが、これでもケルンから
ライン川を挟んだ対岸にある第二会場。後に見えるのは有名なケルン大聖堂です。
大聖堂の裏手にある第一会場は早々に満員。移動を強いられたのですが、
ここだけでも数千〜数万人が集まり、ドイツに声援を送っていました。



でもちょっと、日本人としては居づらい雰囲気だったし、日本代表敗退のショック
も引きずっていたので、ハーフタイムには会場を離れました。いいなぁ、盛り上がり……。

そして次の写真は、フランクフルトのライン川両岸に設置されているファンフェスタ。
なんと川のど真ん中に大きなスクリーンが設置され、両岸から観ることができるのだ。
近隣国のオランダ戦では、数万人のオレンジ色のサポーターで埋め尽くされたらしい。
もちろんドイツ戦中継の際には、入りきらない人で付近は溢れるんだけどね。
ホストファミリー一行は、明日は4時間前にここに来て席を取るつもりらしい。



ところが心配事がひとつ。

朝のラジオを聴いて教えてくれたんだけど、昨夜この巨大スクリーンにコンテナ船が
ぶつかって、一部破損したらしい。。。試合中継中にも遊覧船やコンテナ船が行き来
していたから、大丈夫かなとは思っていたんだけど。。。

明日までには修復、ファンフェスタも開催される見込みのようです。



2006年06月29日(木) サッカーで話そう、その22


「国際交流?酒と草サッカー」

昨日、ホストファミリーの奥さん、エディータの両親を訪ね、
ウクライナ料理を堪能してきました。はい、美味しかったですよ。
ロシア料理に近い感じだけど、日本人にはきっと合う味です。
チキンのクリームシチューを蒸しパンと一緒に食べる料理は絶品!

そこでエディータの父親、ヨハン(ウクライナでは最も多い名前らしい)が
ウオッカを勧めてくれた。料理の合い間にショットグラスで一気飲みをする
のが流儀らしい。中国や台湾にもよくある乾杯の儀式だね。

勧められた酒は断らないのも僕の国際交流の流儀。
グラスに注がれたウオッカをそのまま喉に流し込む。

効くーーーっ。
喉から火が出そう。

でも本場のウオッカ。日本で飲んだどれよりも美味!
1杯でほろ酔い。2杯目で気持ちよくなり、3杯目ではもう。。。
いやでももう今夜は寝ればいいや、とビールをウオッカと料理を次々に
胃袋に流し込む。。。う〜、もう満杯。。。



この時期、ドイツの陽は長く、午後7時でもまだまだ明るい。
陽が落ちるのは午後9時半くらい。

そこでホストファミリーのレネ、これからサッカーやりに行くから
一緒に来るかい?とのお誘い。
いや、酒飲んでなかったら……、満腹でやるのも……。

でもやりたい。

そこで、ちょっと落ち着いてから合流することに決定。
食事が済んでしばらくして、エディータに自宅から車で数分のサッカー場に
送ってもらった。サッカー場と言ってもそこはただの原っぱ。
でも余裕でサッカーコートが2面取れるくらいの広さ。
いいな、近所にこんなグラウンドがあるなんて。ドイツらしい深い緑の中。

着いたころにはもう試合を始めていて、5対5?5対6?のゲームをしていた。
人数にもこだわらない、どこがラインなのかわからない、オフサイドなんて
関係ない、すごく楽しそうなボールの蹴りあい。

う〜、参加したい。
でもまだウオッカが効いててフラフラ〜

そんな感じで眺めている僕を見て、レネが声をかけてくれた。
「一緒にやろうよ」
よし、とりあえず入ってみよう。
下は芝生、僕はアップシューズ、当然滑る、でもそんなことは関係ない。
上手いも下手も関係ない。もちろん年齢も。。。

久しぶりに蹴ったサッカーボール。
すごく気持ちよかった。



草サッカーにも、当たり前だけど、国民性が出る。
ドイツ人はボールを持つとガンガン自分で攻めて行き、相手ボールは正面に
立ち向かって止める。ボールを散らすとか追い込むとかあまり考えない。
だから最初はボールも回ってこなかっし、守備の役にもたたなかった。

外国に出た日本人選手、最初はこんな感覚なんだろうな。
慣れる、慣れてもらうまで時間がかかる。

でもボールを蹴ることには変わらない。
普段フットサルをしているので、最初はトラップも満足にできなかったけど、
だんだん慣れてくる。酒も次第に抜けてきた。。。
日本人らしく?、良いパスも通せるようになってきた。

でも僕(日本人)にはやはり決定力がないようで……。
フリーでシュートを外してしまうと、ハンブルガーサポーターのレネ君に、

「シュウジ、フランクフルトに移籍だ!」

と言われてしまいました。。。ああ。。。




2006年06月24日(土) サッカーで話そう、その21


「遅くなりましたが、クロアチア戦前の心境」

日本対クロアチア戦。

僕らにツキはあったけれど、
勝ちをたぐり寄せる何かが足りなかったのか。
明らかに今日の試合で、勝ちを逃したのはクロアチア。
2、3点は入ってもおかしくない展開だったのに、
川口が守るゴールをこじ開けることはできなかった。

冷静に考えてみれば、W杯出場国で常時グループリーグを
勝ち抜けるチームは、ほんの一握りの国だけだ。
日本がその域に達していないことはわかるけれども、
目の前の試合には絶対に勝つつもりでキックオフを迎える。

先日、現地ホストファミリーのつてでラジオの取材を受けた。
きっとネットを通じて知り合った東洋人が、ドイツ人宅に
寝泊りさせてもらっているのが格好のW杯ネタなのだろう。
オーストラリア戦の前に放送されたインタビューで僕はこう言った。

「今回のW杯でどこが優勝すると思いますか?」

「日本!」

「……(驚いた表情)」

「だって誰も負けることを前提にスタジアムに行かないでしょ?
 だからどんなタフな試合でも勝つことを信じている」

3時試合開始が2度もある奇妙なスケジュール。
日本でのテレビ観戦にはいいかもしれないけど、選手には過酷な日程。
開幕からの気候を見ても、3時の試合が消耗戦になることは明白だった。
僕はフランスに行っていないけど、98年のクロアチア戦も暑かったと聞く。

その経験を生かさなければ、日本代表の進歩はない。
オーストラリア戦では最後の十数分、選手は気持ちで負けてしまった
のかもしれないけれど、今日は負けていなかった。
選択肢や結果は別として、ジーコ監督も打てる手を早く打った。
それでも1点が奪えなかった。

何が足りなかったのか、ブラジル戦を前に考えなければいけない。
4年間で対応できることはたくさんあるけれど、
中3日でできることは数少ないと思う。

2勝してトーナメント進出を決めた相手にどういう戦い方がいいのか。
累積で出場停止の選手の穴を誰が埋めるのか。
怪我をかかえている選手、疲労が蓄積している選手をどう扱うのか。

難しい選択が待ち構えている。
でも僕たちのドイツでの戦いはまだ終わったわけではない。
ブラジル戦は現地夜の9時キックオフ。
ちょうどこの時間、日が傾き気温が下がり始める。

しっかり準備をして、次はジーコジャパンの集大成を見せてほしい。



2006年06月23日(金) サッカーで話そう、その20

「ブラジル戦を終えて」

日本代表の2006年W杯は終わりました。
結果は1分2敗。前回大会と比べると
不本意だったといえるのかもしれません。

しかしブラジル戦、選手たちはよく戦いました。
ブラジル相手に引きこもるのではなく、
正々堂々と打ちあいを挑み、あえなく負かされて
しまいました。これは世界トップとの差なのです。

2002年はホームの利もあり好結果を残せましたが、
今回は様々な条件が前大会とは違いました。
これが本当のW杯なのです。
韓国は健闘していますが、日本よりもW杯経験は
豊富なのです。僕たちももっと経験を積むことが必要。

代表も、協会も、サポーターも。。。
経験の継承が必要です。

長い時間が必要かもしれません。
でも大丈夫。
サッカーは終わりませんから。

さて、これからは、変な気苦労なくドイツを楽しみたいと思います!



2006年06月17日(土) サッカーで話そう、その19

「すみません!」

現地レポートを送ると豪語しながら、世話になっている
家でパソコンがまったくつながらず、駅や空港ならば
公衆LANでネット可能なのはわかっていたものの、
あまりにも慌しい毎日で、更新が途絶えておりました!

すみません!

現地ホストファミリーの熱烈歓迎。
開幕戦、停電騒動。
初の観戦はライプチヒ。
灼熱のカイザースラウテルン。
ホストファミリーの実家で家庭の味を堪能。
日本代表の練習見学、巻がいいぞ!

☆現地ラジオの取材を受けて、僕の声が放送された☆
☆こんどは新聞の取材が来るかも☆

なんてバタバタしつつ、本当に充実した日々を送っています。

お世話になっている家のネット環境がドイツ語でしか対応できないため、
こんなに更新が遅れてしまいました。。。
が、独自にWLAN契約を行なったので、これからはだいたいの駅でネットが可能に
なると思われます。これからはしっかりとレポートしていきたいと思います!




2006年06月01日(木) サッカーで話そう、その18

サッカーで話そう、5月31日掲載分

「タカハラ!どうしてなんだ!」

ドイツ戦の後、W杯期間中に泊めてもらう
予定のレネ君からメールが届きました。

「今日、タカハラはドイツDF相手になにしたんだ? 見たかい?
 なぜ彼はクラブでこんな得点ができなかったんだ!?
 。。。ごめん、ドイツがあまりにふがいなかったもんで」

ちなみにレネ君は熱心なハンブルガーSVサポーターです。

いや、確かに、僕もそう思う。
なぜハンブルガーで活躍できなかったのか?
カーンの無失点記録を止めるゴールなどはあったものの、
外国人助っ人FWとしては決して及第点とはいえない成績。

2002年、アルゼンチンのボカ・ジュニオールズからジュビロ磐田に
戻り、エコノミー症候群で日韓W杯を棒に振ったものの、同年の
Jリーグでとても日本人とは思えない活躍を続けるタカハラに、
僕はこう言ってました。

「あなた外国人枠なんだから日本で試合出ちゃだめ、早くどこか行きなさい」

まあ、それほど対戦相手としては本当に嫌な存在だったわけですよ。
そして僕の思惑通り?彼はドイツに渡る。

昨日の試合を観る限りでは、この選択は大正解。
コンディションや集中力は、ピッチ上の選手のなかでベストではなかっただろうか。
幸い、ドイツ選手のように、シーズンの疲れはあまり蓄積されてないようだし。。。

そして何よりも、タカハラを信じて動く、パスを出す仲間がいる。
本番でもゴールをガンガン決めて、
放出を決めたハンブルガーSVを後悔させて欲しい。

移籍によって急に活躍しだす選手がいたり、
チームではゴールを量産していても代表ではさっぱり……、
なんてことはサッカー界ではよくあること。
こんな点に注目してみるのも面白いかもしれませんね。



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