椰子の実日記【JOYWOW】
2003年11月30日(日)
日本の正しい温泉バス旅行
学問所オープニングパーティ・プロジェクト 実行委員会お疲れ様の打ち上げをした。 話題は新年会になり、普通の会では面白くなか ろう、というので、温泉バス旅行と決まった。 みんな忙しい人たちばかりなのだが、だから こそ、遊びにも熱心なのである。
こうなると日本の正しい温泉バス旅行をしなけれ ばならない。
・旅行のしおり(おやつの上限金額が明記され、 持ち物リストもある) ・バスの中でマイクをまわし、しりとり歌合戦 ・入浴後18時大宴会場集合で無礼講の宴会 ・全員、浴衣 ・かくし芸大会 ・食後は卓球あるいはカラオケ大会 ・幹事部屋で三次会 ・朝、宿のおばちゃんが「冷蔵庫は何を?」と 聞きに部屋へずかずか入ってくる ・玄関前で記念写真
2003年11月29日(土)
つきあいたくないイカ
カリフォルニア湾に巨大イカがいるという。テレビで 観た。どれくらい巨大かというと、本体2メートル、 手脚が2メートル、足して全長4メートル。やな感じ である(笑)。それだけでもあまりつきあいたくない やつだが、人間を襲う。人間がいると怒るのである。 怒って手脚で威嚇する。脚には硬い歯みたようなもの がついていて、触れるだけで痛いらしい。ますます やな感じである。メールアドレスなど、 絶対交換したくない。携帯メールとか、速そうであるが。 鰤(ブリ)を頭からがりがり丸呑みして、齧って食べる。 やなやつでしょ? 食べるえさとなるめぼしい魚がいないと、オキアミでも 構わん、膳に出せ、という。やなおやじである。 カリフォルニア湾で泳ぐときには注意しよう。
2003年11月28日(金)
紅の豚
昨日発想した内容をきちんとした紙にイラストし、 ほかもリライトして版元編集者O氏に送る。 O氏、賛成してくれる。 ひと安心である。 イメージを高めるため、ジブリ映画『紅の豚』 を観る。これで四度目。何度観ても、素晴らしい。 せりふが気がきいている。 絵がいい。 登場人物が皆、魅力的だ。 やるべきこと、やらねばならぬことが山積みの ときの、こういう道草は、何と気持ちいいのだ ろう(笑)。
2003年11月27日(木)
美しいものは、おそらく合っている
名古屋に向かう新幹線車中でそれまでずっと悩んで いたあるテーマがすっきり美しいビジュアルとなって 浮かんだ。あわてて手持ちの紙にイラストを描く。
やった。で・き・た。
数学の問題で、単純な数字になったらそれは正解だ。
でてきたビジュアルは、すっきりしている。 美しい。
普遍性があるかどうかチェックしようと、前の席 にいるアメリカ人たちに聞こうとしたが、熱心に 議論していたので遠慮した。 彼らはTOYOTAに行くらしい。
その後、ランチで入ったイタリアン・レストランでも 発想が止まらず、フロアスタッフからペンを借り、 テーブルに常備してあるナプキンへ走り書きした。
着想の不思議な世界だ。
2003年11月26日(水)
NYの家
マンハッタンの家は42stにあり、家の前を右にずーーと 歩いていくとネオンチカチカのタイムズスクエア。 そばにNY名物騎馬警察の馬舎があって、パカパカと 歩いていた。 住んでいる下の階にあるスポーツクラブに行くのが 日課、楽しみだった。走っていると、この季節は ハドソン川の向こうにニュージャージーの紅葉が 見えた。 川の岸壁で発声練習をしたものだ。 近所のAmy's Bread のToy's Organic Wheat Baguetteを齧りながら 家路に着くのは結構幸せだった。
2003年11月25日(火)
遅遅として
「こういう時には、『お近くにお越しの折には、是非 お立ち寄りください』と言うのでしょうが、私は違い ます。『近くに来ても、寄らないでください』(笑) 勉強していたり、考え事をしている最中にピンポン されると邪魔です。来ないでください(再び、笑)」 学問所オープニングパーティにてのぼくの挨拶だ。 パーティに参集してくださった80人、みんなぼく のことをよく知る人たちなので、すぐに意図を理解 してくれたようで、だからこその笑いだ・・・と思 っていたら、質問コーナーでだれかが 「いつ行ってもいいんですかあ?」と発言し、 さらに笑いが巻き起こった。
さて、学問所、机がまだ来ない、というか、職人から 何の連絡もないので、準備が遅遅としている。 遅遅としているのを楽しんでいる。 昨日は本を運んだが、これも手運びである。宅配便で どん、と送れば早いのだろうが、ぼくは引越しなどに つきもののあの、段ボールが部屋に残るのが嫌いなの である。よって、スーツケースに入れて、ちまちま 運ぶ。スローに、学問所ができていく、その過程も また、楽しみなのだ。
2003年11月24日(月)
after
「あなた私があんな家の出身だからって、腹の底 ではバカにしてるんでしょ」彼女は鼻から長い煙 を吐いた。 「結局あれから買ってくれた靴はガラスの例のやつ だけじゃない」 「何を言ってるんだシンデレラ」
「本当にお前、小人とは何もなかったのか?」 「何を言ってるの、あんたってよくよくしつこい 性格ね。疑りぶかくって、サイテー」 白雪姫は、ドアをけたてて、出て行った。
「アフター」の物語である。そしてこっちのほうが 子供たちに重要な気がするが。
2003年11月23日(日)
「走れば間に合う」は許しません
JR大阪駅みどりの窓口、人のいる窓口が右に、機械 が左に並んでいる。JRは機械が早いから機械を使え、 とポスターで勧めている。行ってみたが自分が買い たい切符をどうやったら買えるのかわからないのと 座席指定が要領を得ないので、結局人の後ろに並んだ。 人のいる窓口には27人並んでいた。 機械には2人並んでいた。 明らかである。 人は人に接客してもらいたいのである。 機械を使え、は、JR側の都合でしかない。 名古屋駅でも時間がなく、仕方がないから機械で 新幹線座席指定をしようとしたら、発車時刻10分前 なのに買えなかった。「走れば間に合う」という プログラムを機械のソフトウェアに組み込めず、 詳しくはわからないが、「15分前で情報削除」と でもなっているのだろう。大きなお世話である。 サービスについて考えるとき、いつもぼくはこの、 JRの行列を事例として挙げる。 そしてその後窓口に行き、ぽんこつな対応をされて 大声出すことになるのだが、またいずれそれについて 話す機会もあるだろう。今日はこのへんで。
2003年11月22日(土)
しつけの悪い親
大阪へ。空港駐車場連絡橋を渡りメインビル に入ってエスカレーターから出発ロビーを見下ろし 驚いた。なんでこんなに人が多いの。 そうか、世の中三連休なんだ。 思えば駐車場も一杯だった。 商売柄、電光掲示板に目を走らせる。 長崎行が満席。札幌行きも満席。 やはりみんな、遊びに行くのだ。 行楽最後のシーズンだし、海外はややこしい時期 だからなあ、と妙に納得したが、自分の乗る飛行機 も窓側はすべてふさがっており、あたふたとシート マップで予約した。 帰りも満席で、後ろの席のしつけの悪い母親(子供 にあらず)がテーブルをがったんごっとんするので 寝るに寝られず閉口。あまつさえうるさいところへ 息子(2歳くらいか)を通路で散歩させ始めた。 ここでタイミング良くエアポケットに入って 子供が宙に浮きあがり、天井に頭ぶつけるなど すれば親子の将来のための学びになったのだが、 そうはならなかった。子供くらい、手荷物で預けて ほしい。檻も用意してくれるはずだ。飛行時間一時間、 えさは要らんだろう。
2003年11月21日(金)
決断した背中
雨の福井。仕事で急にペンが必要になったので、 ホテル近くのファミリーマートに寄った。風はない。 土地により同じファミマでも品揃えが違うのが興味深い。
子供の声。視線を飛ばすと五歳位の男児だ。 時刻は夜8時半。何かと話しかける母親は香水ぷんぷんの 二十代前半とおぼしき若さ。かかとの高いブーツと毛皮 だ。どう見てもお水。乾き物とソフトドリンクなどを選び、 レジへ。
ぼくは後ろに並んだ。ト、子供が、レジに置いてあった サンプルのケーキにかぶせてある透明のケースを上げ、 指に取ってなめた。昭和の子供ならともかく、平成のこども がそんなことするかあ? と驚いた。驚くと同時に彼の一帳羅 の服装に気がついた。そうか今日は七五三だったんだ。 母のキメ服も、それか。レジの声。「20,017円になります」 ナニ、二万円? コンビニで二万円? 母は茶封筒から一万円札を三枚出した。 「3万円からでよろしいでしょうか」 しげしげと見た。決断した女の背中だった。 さっき息子が指でケーキをなめた理由もこの封筒でわかった。
2003年11月20日(木)
VRで紫禁城を探検する
凸版印刷 I氏の粋なはからいにより、印刷博物館内 VRシアター http://www.printing-museum.org/jp/information/floorplan/vr/index.html にて、同社が中国故宮博物院と共同で進めているデジタルアーカイブ・ プロジェクトの一端を見ることができた。 紫禁城太和殿を自在に、なめるように観る。 VRの面白さは、リアルならまず行くことができない場所 まで手に取るように観ることができる点だ。 天井とか、屋根の上の飾り物など、実際に紫禁城に行った ところで、クレーンにでも乗らない限り、無理だ。 VRの出来の素晴らしさには、感動した。cliche、ありきたりな 言葉だが、まるでほんものである。しかも、太陽の日差しも、 時刻によって変わるという。これによって、リアルでは閉館して しまってまず観ることのできない夜の紫禁城を散歩することも 可能なのだ。 また、VRは画像だけを提供するわけで、映画ではない。 だから、画像に合わせて物語るストーリテラーによって、スクリーン の絵がいかようにも姿を変えるという。まさに弁士の復活である。 人間とVRとの合体が、新しい知を生んでくれる、そんな予感がした。
*ちなみに故宮博物院のVRはまだ一般公開されていません。
2003年11月19日(水)
便秘の治し方
便秘がいっぺんに治る方法を教えます。 ゴルフボールを用意してください。 ツーピースでも糸巻きでも構いません。 中古でも可。 椅子に座って裸足になってください。 そして、足裏をゴロゴロしながら、本でも 読んでいてください。 10分もやっていると、あちこち痛いはずです。 指の付け根あたりは、特にひえーーーと なるくらい痛い。でもがまん。 3時間後には、ぐるぐるぐると来るのを 請け合いましょう。
2003年11月18日(火)
豆を齧るというが実か
韓国在住の某氏から、昨日の日記で 「珈琲豆を齧りながら」と書いてあるがあれは 比喩かそれとも実(まこと)か、との打診メール。 実です。工業製品珈琲豆は齧ったことがないので わからないが、昨日の豆は職人さんが手塩にかけ 自分で焙煎した豆なので、やわらかく、塩でも ふりかけたらそれだけでビールのつまみにでも なりそうな香ばしい味だ。 ブラジルで有機栽培された珈琲直送だから旨い のである。その珈琲は、人間も食べられる大豆を 肥料にするという、贅沢な育ちかたをしている。 珈琲を淹れる際には、豆を自分でガリガリとミル で粉にするのを楽しみにしている。その指先に 来る感触も、工業製品とは違って、柔らかい。 昔、ゴルフボールで糸巻きのパットの柔らかさを 愛していたが、そのイメージだ。 豆をいちいち遠いところに買いに行く。 そして、それが、いいのである。
2003年11月17日(月)
「昔」の真似
鎌倉の谷は秋の真下にある。十一月の日が、眼に入る 野と林を暖かい色に染めた中に、人は寝たり起きたり している。十一月の日は静かな谷の空気を空の半途で 包(くる)んで、じかには落ちて来ぬ。と云って、山 向(やまむこう)へ逃げても行かぬ。風のない村の上 に、いつでも落附いて、凝(じつ)と動かずに霞んで いる。その間に野と林の色が次第に変わって来る。
と、漱石の一節をパロディしたくなるような秋の鎌倉。 珈琲豆を齧りながら、歩いた。 ちなみに真似した文章は「永日小品」内「昔」冒頭部分。 若き芥川龍之介はこの作品を全部諳んじて朗読していた という。
2003年11月16日(日)
ハッピー!
学問所オープニングパーティの日である。 朝からいい天気で、暖かい。気持ち良い。 祝福されている気分で、ハッピーだ。 メールを開けるとMさんからお祝いの 電子カードが届いている。ありがたい。
今夜、パーティから帰るゲストが、みんな 笑顔をたたえていますように。
2003年11月15日(土)
書き下ろし着手
学問所オープニングパーティを明日に控え、気持ち が落ち着かないが、こういうときこそ、仕事である。 書き下ろしにいよいよ今日から着手だ。ここでいう 着手とは、実際に原稿を書き始めたことを指す。 構想はここ数ヶ月、暖めてきた。文献を読み、考え、 実践してきた。そもそも自分の考えを本に著わすのに 人の本を読むことは正しい行いではないのではないか とずっと気になっていたが、こういう時は不思議な シンクロを起こすもので、たまたま昨日読んでいた 下村湖人『論語物語』で孔子が答を出してくれて いた。
吾かつて終日食わず、終夜寝ねず、以って思う。 益なし。学ぶに如かざるなりと。(衛霊公篇)
学びつつ考え、考えつつ学ぶ。これが学問の要諦だ。 (『論語物語』p.91より引用)
書き始めると一気呵成、あっという間に終わるので、 ちびちび楽しみながら、書くとしよう。
2003年11月14日(金)
「いい気」を持ったリーダーたちとの午後
携帯に出てみると何と、LAの込山さんからだ。 LAはトーランスからかと思いきや、現在日本に いるという。込山氏は ライトハウスhttp://www.US-Lighthouse.com を創業し(今年で15年)日本語情報誌発行部数 全米NO.1に育て上げた立志伝中の人物である。 彼の新しい事業に協力することになっている。 その中間報告だった。 早速、学問所オープニングパーティに声を かける。氏、二つ返事で、参加とのこと。 再会が楽しみである。 一方、パーティで使う封筒と便箋が スローなビジネスを実践している ウィングド・ウィールhttp://www.winged-wheel.co.jp/index.html から届いた。素晴らしい出来である。大人が使う に足るペーパーアイテムのもつ、「いい気」に 満ちている。ここも、杉浦さんという、熱いハートと キメ細かい気配りの素晴らしいリーダーがいる。
二人の「いい気」を持ったリーダーの謦咳と仕事 に接触し、とても気持ちの良い午後となった。 ありがとう。
2003年11月13日(木)
コミュニティバスすまいる
福井で出会った面白いものに、 コミュニティバスすまいるhttp://www.ftmo.co.jp/bus/com-bus.htm がある。詳細はサイトをご覧戴きたいが、市内を ぐるぐる回る巡回バスである。あくまで地域の生活者 のお役に立ちたい、という思いから提供されている サービスであり、よくある、企業巡回バスのような 卑しさが感じられないのがいい。 サイトでは「現在バスがどこを走っているのか」を チェックできる「いまどこ」サービスもあり、 あの小さいバスがちょこちょこいまもあの街を 走っているんだなあ、と思い出すのも楽しい。 どこまで乗っても、大人もこどもも一律100円。 運営しているのはまちづくり福井株式会社。 この会社もまた、面白いのだが、別の機会に。
2003年11月12日(水)
『雪松図屏風』円山応挙
福井県立美術館で最初にゴン、と胸に衝撃を受けた のは、応挙『雪松図屏風』だ。 これは三井家あと取りの誕生を祝って応挙に発注さ れた屏風絵で、たしかに、慶びの空気が全体から 沸き起こってくる。応挙がのりにのっている時期の 作品らしく、筆の冴えはいま手元にある印刷された パンフレットからさえ、伝わってくる。 まして、実物の持つ力はとんでもない。 江戸時代から時を経てこれだから、新作の時の オーラはすごいものがあっただろうと推察される。 応挙は写実に技を持った人で、昆虫や鳥などを 丹念に写生することを通じ力を磨いた由。 ここでぼくの好きな方向に教訓へまとめるのを お許し願いたいが、やはり、努力、なのである。 努力することなくして、芸術もないのだ。 『雪松図屏風』、あまりの力強さに、椅子に かけて、ため息つきながら、鑑賞した。 普段は東京の三井文庫で観ることができる のだろうか。確認し、また、会いに行こう。
2003年11月11日(火)
昭和のこども
福井県立歴史博物館の「昭和のくらし」には数々魅力 があるが、その一つに、こどもたちのスナップがある。 なぜ昭和のこどもたちはこんなにかわいいのだろう (大人になると今やダンカイとなり、かわいくない のだが(笑))。彼らは携帯など、持っていない。 連絡する必要があったら走った。走って家まで行き、 玄関に入り込んだ。大人は叱ってくれた。幸せである。 話は飛ぶが、ブータン国王が大切にしている指標は Gross National Happiness(国民総幸福量)という。 「あいのり」などで見るブータンのこどもたちは 日本の昭和のこどもに似た顔をしている。幸せなの である。NHK朝の連ドラも昭和が舞台だ。幸せそうだ。 だからといって、最早ぼくたちは戻れない。 戻れないが、しかし、選ぶことはできる。 昨日、福井商工会議所で行った講演でも、ここを 強調して話した。
2003年11月10日(月)
歴史を「売り」にする
福井県立歴史博物館を歩いていると床に時計の 影がある。さかさまで、とても幻想的だ。 鏡でできている壁には「正しい」時計の像が 浮かんでいる。非常に面白い。 「歴史」という館のコンセプトが床と壁に映る イマージュで表現されており、粋なアイデアだ。
このように、福井は全市を挙げて歴史を大切に している。地方都市によくありがちな、「いつか は東京」という、「大都市へのはしご」を昇る 無意味な発想をしていない。素晴らしい。
2003年11月09日(日)
福井県立歴史博物館
福井に来ている。81年に社内旅行で東尋坊へ行って以来 だが、福井市内を歩くのは初めて。かわいい、というのが 第一印象だ。県立美術館、歴史博物館をはしご。 いずれもとびきりの時を過ごせた。今日は、博物館について 話そう。常設で、「昭和のくらし」展がある。昔よく あった駄菓子屋(じいちゃんばあちゃん、と呼んでいた)、 食堂、本屋がある。駄菓子屋を覗くと、「コラッ!」と おばちゃんの声に怒られる。年輩のご婦人が喜んで、 何度もなんども怒られていた。「怒られるのが、嬉しい」 とのこと。よくわかる。怒られるってコンビニでは体験でき ない。駄菓子屋の軒先には猫がねそべっていて、気が向くと にゃあと鳴く。 農家の玄関に入ると犬のジョンが怒ってわんわん吠える。 その台所のタイルを見て、触って、思わずじわーーー、 と来てしまった。育った尼崎の文化住宅の台所と母を 思い出してしまったのだ。音、感触、空気、見栄え・・・ こんなところで、五感商品に出会えるとは。 他にも勉強になる展示が一杯。スタッフの女性も丁寧 で、「愛」を感じる。 これだけ体験して楽しんで、入館料たったの100円。 ありがとう。
2003年11月08日(土)
五感商品「ドライブ」
またも西日本ツアーである。 今日は大阪産業創造館、 明日は福井へ移動。月曜は福井商工会議所で 講演。テーマは五感商品だ。 ここにきてようやく五感商品についての 講演や原稿を依頼されることが増えてきた。 また、身近な製品・サービスでも、 「五感商品」のコンセプトで開発された ものが商品化されてきている。 ポッカのヒット商品ドライブは、開発 テーマ根底に「五感」があった由。 嬉しい。ドライブを愛飲しよう。
2003年11月07日(金)
Surfin'韓国語版発売!
人様の本の翻訳が終わったと思ったら、入れ違いに 自分の本の翻訳が届いた。『マーケティング・サー フィン』の韓国語版だ。翻訳されるのは『スロビ』 に続いて二冊目である。いつも思うが、幸せである。 原書より厚い(174頁。原書は166頁)のは『スロビ』 と同じだ。そういえば英語から日本語への翻訳も、 翻訳のほうが厚くなる。それは日本語の特性故と 考えていたが、必ずしもそうではないようだ。 かわいい装丁で、気に入った。韓国語版オリジナル の本のロゴを作っていて、本のマインドに合っている。 用語解説も丁寧になされており、しっかりした 造りの本で、原著者冥利に尽きる。 翻訳者にはまだ会うチャンスがないが、心から 感謝と、ねぎらいの言葉を捧げたい。 ありがとうございます。カンサムニダ!
2003年11月06日(木)
翻訳完成。バンザイ!
やった。やったぜ。遂にやった。翻訳が完成したの である。念のために、これは推敲前の、ヨコを タテに直した日本文が完成したことを指す。 とはいえ、ぼくは文章の一気書きが得意技であり、 例えばこの日記もいつも一発録りで推敲要らず。 書き下ろし『語ろう』もここだけの話推敲していない。 ライブアルバムみたいなものだ。
Harry Beckwith新作は前作(『インビジブル・ マーケティング』)と比較して50ページも厚い。 長い道のりであった。思えばHarrryの新作が出ている ことを発見したのが一年前。版権交渉を経て、版元 から原書を手にしたのが6月2日。版元からの帰りに 歩いた渋谷の公園には蚊が舞っていた。 Harryの文体は、「するめ型」である。軽く読んだ だけではわからない。それだけ人生を経てきている ので、読みこまないと本当の意味を汲み取ることが できないのだ。しかも、おっさん、時々記憶違いが ある。その都度あちこちでfactsチェックをしなければ ならないのである。 「やるなら徹底的に」を信条とするぼくは、Harry本人 朗読のCDも入手し、どこへ行くにも聞き込んだ。 おっといけねえ、苦労話はヤボになる。 とにかく来年1月発売の新作をくれぐれもご贔屓にと お願いするにとどめましょう。 毎回翻訳する時は先人の宝を参考にするが今回は 福田恒存『オセロー』であった。記録として 書いておこう。
2003年11月05日(水)
ウェブサイトのない店
ここのところ贔屓にしている店に共通している点を 発見した。それは、ウェブサイトがない、ということ だ。ウェブサイトなんちゅうもんに手間と労力を かけるエネルギーがあったら、商品と顧客対応に 注ぐ。
人間サイズの五感商品、五感マーケティングには それで充分なのである。 というか、現在の日本を支えている大人たちは ウェブサイトなんかない会社、店でここまで 大きくしてもらったのだ。別になくても構わん のである。ビジネスによってはウェブサイトが 必須なことは否定しない。しかし、「すべての ビジネスがウェブサイトを必要とする」という のはウソである。大きな誤解である。
二日前も、今度行く福井で泊まるホテルから 電子メールで挨拶が来た。「今度泊まるので よろしく」と返したがなしのつぶてである。 だったら最初から電子メールなど送らないほう がいい。意味がない。bitの無駄である。
へたなサイトなら、ないほうがいい。
うーん。これは大きなテーマなので、いずれ何か で発表しよう。
2003年11月04日(火)
人は靴で判断される
靴のお手入れ方法のお時間です。 雨が靴に悪い、という「常識」がありますね。 でも正しくは「雨が悪い」のではなく、 「濡れたまま放っておくことが悪い」のです。 革は、もとを辿れば動物の表皮なわけで、濡れた くらいでどうこうなるものではなく、むしろ、 濡れることなど当たり前です。 よって、雨の外出の後は、どんなに疲れて いても、玄関でティッシュにて水気をぬぐい 去ってください。それだけで、カビを防ぎ、 伸縮をとめることができます。 営業マンで、しょっちゅう雨の中を出たり 入ったりの人は、車に乗り込む、ビルに 入る、といった節目で、軽くティッシュで ぬぐうといいです。 実は、靴磨きの秘訣は、「濡らす」こと なのです。靴墨は月に一回程度でも、軽く 濡らして拭いてやるだけで、新品同様に なります。仕上げは乾いたティッシュで 乾拭きをすることもお忘れなく。
2003年11月03日(月)
抜け感
学問所オープニングパーティの音楽プロデュースを 全面的にバンド仲間のZONOへ依頼した。 快諾してくれたので安心である。彼とは長くバンド を一緒にやり、音については全幅の信頼を置いてい る。その打ち合わせで彼の自宅に行った。世田谷某所。 何度行っても、独特の、澄んだ空気の流れる、いい 街だ。約束より早めに着いたので、少し周辺を 散歩して気づいた。街路がまっすぐ、ストーンと 「抜け」ている。世田谷のあのあたりは戦後に 街づくりがなされたのかしらん。あの「抜け感」は 日本の街では珍しい。マンハッタンの好きなところ は遥かハドソンリバー、イーストリバーまで東西が スッコーン、と抜けて見えるところだったが まさにこの街も、そうだ。 近所のD&DEPARTMENT PROJECTでランチ。 ここのオーナーの逸話も面白く、別途取材に 行こうかと考えた。店二階の家具店で、昭和の モノをいろいろ物色して楽しむ。
2003年11月02日(日)
Manhattan(1979)
NHK衛星をビデオ録画して久しぶりに観た。 マンハッタンに住んでいた頃も観たかったのだが ブロックバスターは日本のビデオ店と同じく新作 は熱心だが、この映画のように「中途半端な古典」 を置いてない。コズモ(オンライン・コンビニ)に もなかった。マンハッタンでマンハッタン を観ることができない、というジレンマだった。
七年ぶりくらいで観ると、やはり自分の経験を鏡と するので、また違った味がある。 ふと気づいたのだが、NHK、今回の放映のため、字幕を やりかえている。昔ビデオで観た記憶と違う。 気づいただけで三箇所。 "old faces are nice" 新 時を刻んだ顔は美しい 旧 年寄りの顔はいいものだ "Gee, I can't feel so good" 新 ムカつくわ 旧 (忘れたが、『ムカつく』ではなかった) "(聞き取れず)" 新 少しは人を信じて 旧 少しは人を信じなきゃ
2003年11月01日(土)
不在者投票
11/9は北陸にいるので不在者投票をした。生まれて 初めてである。折よく町役場に用事が重なって いたので、ひょいひょい、と済ませる。簡単だ。 それにしても、いつも思うのだが、投票所に 控えているおばさんたちはなぜあんなに怖い のだろう。おっかない雰囲気を持っているが 気のせいなのだろうなあ。投票率を上げるため には、もっとウェルカムな空気が欲しいものだ。 何かの拍子に叱られるのかもしれない、という 雰囲気は、いけねえなあ。
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