SS‐DIARY

2004年06月30日(水) (SS)おれ今日のこと絶対忘れない6/30トリ●ア

ゆっくりと根元まで埋めると、あいつは耐えかねたように熱い息を吐いた。

「…っ」

はあっと微かに眉ねを寄せる、その顔が愛しくて、ちゅとキスをすると、潤んだ目が切なくおれを見つめた。

「…しんど…もう」

もう駄目と、もう耐えきれないと切れ切れの声が懇願するのがたまらない。

「もう少し、塔矢」

汗が体中を伝わる。


久しぶりの行為はいつも我を忘れさせ、もうどれくらい時間がたったのか、一体どれくらいの間、互いを確かめ合っているのかもわからなくなった。

ただわかるのは、あいつがたまらなく愛しくてかわいいと言うこと。


普段のあの冷静な顔が、おれの下で崩れ、淫らになる。

おれだけしか知らない。

おれだけにしか見せない。


あげる声も、切ない表情も。

裏も表も何も無く、皮膚の下までをも知っているような気にさせる。


「って…も…ぼくは」


立ち上がり高まるあいつ自身が、おれの腹をこすりびくりと震える。


もう随分と前から耐えかねた液が先端を濡らし、ちょっと触れただけで、爆発寸前なのだということが余裕の無い顔からわかる。


「進藤…」

しんどう、しんどう、しんどうっ。

おれを呼ぶ声はもう悲鳴のようで、でもおれが動かないので到達することが出来ずにいる。


「たす…」

―けて。

「ゆる…」

―して。

「耐えられな…もう」

切ない涙を流しながら、自分のものに触れようとした両手をしっかりと握り、押さえ込む。

「あ…や…」


見開いた目を覗きながら深く口づけて、そのまま腰をゆっくりと引いた。


ひと、塞いだ口の中で悲鳴が上がるのを舌で絡め取り、ずるりと抜いたものを勢いよく打ち付ける。


「!」

逃げたくても両手はおれが。

あげたくても悲鳴はキスが。


身動きすら出来ない中、体中のうねりに声にならない悲鳴を上げて、あいつは何度も何度も体を波打たせた。


「あっ……」


何度目か、深く中に押し入った時、あいつは大きく背を反らせ、おれの腹に温かい液を放った。


ああ、ああっとぼろぼろと涙をこぼす、恍惚と苦痛のない交ぜになったその顔が、気が狂うほどに愛しいと思った。



間を開けず、おれもあいつの中に放ち、おれたちは手を繋ぎ合ったまま果てたのだった。


愛してる

愛してる


愛してるいると繰り返しながら。











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つーことで、今日のトリ●ア「ザリガニは交尾の時、雌をひっくり返して両方のはさみで相手のはさみをしっかりと押さえつけてする」

しかも一時間以上かかるんですって!

激萌え!この間のしおまねきよりもっと萌えて、テレビを見ながら「ぎゃー誰か描いてーザリガニヒカアキ」と叫んだのですが、きっと誰も描いてはくださらないだろうと思い、自分で書いてみました。

めずらしく正○位の二人です。←おい。

そのうち裏行きかもかも。



2004年06月22日(火) (SS)愛しさと切なさと心強さと(2)

終わった後に眠らずに

いつまでもじっとおれの顔を見ていることがある。


「眠れない?」と聞くとゆるりと首を横に振り「違うよ」と薄く微笑む。

眠れないんじゃなくて、眠りたくないだけだと。


なんでと尋ねたら、あいつは少しためらってから俯いて言った。


「本当にぼくがキミをもらってしまって良かったのかなと思うから」


その幸運を噛みしめているんだよと、ふざけているわけではなく真面目な口調で言う。


「だってぼくはキミに値しないような人間だから」

どうしてキミを得られたのかわからないと。




そんなことを正気でどうして言えるのか。


だってそれならおれの方が、どうしておまえを得られたのかわからない。


こんなにキレイで
こんなにいじらしい。


どうしてこんなに美しい人間が、おれのようないい加減な人間を好きになってくれたのだろうかと、毎日その幸運を噛みしめていると言うのに。



でもそれは

言葉で言っても伝わらないような気がしたので


ただ愛してると繰り返したら、あいつはおれを抱きしめて「ありがとう」とつぶやいた。



2004年06月21日(月) (SS)愛しさと切なさと心強さと(1)


ぼくは狡い人間で

彼を好きだと思いながら一言も言うことはしなかった。


自分のいる場所、自分のいる位置


何一つ失いたくはなくて


彼がぼくを好きだと言ってくれた時にも

決して自分からは彼を好きだとは言わなかった。



言ってしまったら全てが終わると思っていたから。




キミが好きです。

キミが誰よりも好きです。



言えた時、初めて本当にキミを好きになったのだとそう思った。




ぼくはぼくよりもキミのことが好きで

ぼくはキミ以外の誰もいらない。




キミがいてくれたらもうそれだけでいいのだと


そう気が付いた時ぼくは、声をあげて泣いた。



2004年06月19日(土) (SS)夏の月

夜、寝苦しくて目を覚ましたら目の前にあいつの白い背中があった。

いつもなら、ちゃんとシャワーを浴びて着替えるのが常なのに、そうするのを忘れるほど激しかった名残が肌の表に赤く散っている。

数時間前、取り憑かれたように舌を這わせ、印を残したなめらかな背中は、流れるほどの汗を浮かべていたというのに、今は静かに冷えている。


(きれいだな)


目を覚まして最初にこんなきれいなものを見ることができるのは、なんて幸せなんだろうかと、そう思いながらしばらく眺める。


そのうちなんとなくまた触れたくなって、指でそっと背骨のくぼみをなぜて見る。

ぴくりと震える肌が愛しくて、思わず今度は唇を押し当てる。

眺めるだけ。そう思ったのに、一旦触れてしまうと押さえが聞かなくなるものなんだなと、変なことに感心しながら、むさぼるように背中一面に舌を這わせる。

さすがにあいつも気が付いて、身をよじるようにして「なに?」と聞いてきた。

とろりとした眠そうな声に、起こしてしまってかわいそうだったかなと思う。

「あのさあ…これおれの?」
「え?」
「これ、全部おれのかな?」

きゅと、赤い印をキツく吸いながら言うと、あいつは喉の奥で笑ったようだった。

「全部キミのものだよ。骨も皮も肉も」

中に入っている心まで全てキミのものだからと、言われて痺れるほどに幸せになった。

「ありがと」

他になんとも言えなくて、でも胸一杯でそう返す。



愛してる。


この白い背中を。

なめらかな肌を。

眠くてたまらないだろうに、おれを愛していると示してくれる

おまえのことがたまらなく好き。



そっと腕をまわし抱きしめると、甘えん坊だなあと今度ははっきりと声を出して笑った。


「でも、そんな所も好きだよ」と優しい声で言う。


愛しさで死ぬ。


いつかおれが死ぬことがあれば、それはこいつを愛し過ぎて死ぬんだと。

冷えた背中に頬をすり寄せながら、まるで確信のように、そう―思った。


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懐かしい曲シリーズ。

ANRIの「夏の月」これ、別れの曲ですが(^^;すごく綺麗な曲なんですよ。

「優しさも 我が儘も 弱さも 全部わかって 私はあなたを愛し 何一つ怖くない」

そんな自分怖くてと続くわけなのですが(汗)

夜の闇の中にぼんやりと見える、アキラの白い背中はお月様みたいにヒカルには見えるんだろうなあと、そんなことを考えながら書きました。

あ、タイトル通り、夏の夜のエピソードです。冷房をつけていて、でもそれがタイマーで切れてしまって目が覚めた感じかなあ。
で、普段ならどんなに疲れていてもきっちり着替えるアキラが、そのまま腰から下だけ布団をかけて眠っていると、そんな感じだと思ってください。






2004年06月14日(月) 今までありがとうございました

15日と決めた時はまだ結構先のような気がしたのですが、もう前日になってしまいました。

「One」は今日でおしまいで、明日からは新サイトの「わんこの館」に移ります。

最後の日の今日は何かそれっぽいことをしようかなと思っていたのですが、元来の計画性の無さが祟って実現しませんでした(^^;


短いようで長い一年と四ヶ月、文章だけのこの地味なサイトに足を運んでいただきありがとうございました。


この日記も明日以降、日記では無く、衝動書きSS専用日記(笑)に変わります。

直接リンクされている方、わんこの方に張り直しいただけると嬉しいです。


日記に限らず、今現在のURLは引っ越し後削除していきますので、どうかそちらにブックマークを張っている方も新URLに張り直し願います。


今現在「One」で使っているURLは、サービスの廃止で八月には無くなってしまいますので〜(^^;


ああ、それにしても感無量。


色々書きたいこともあったのだけど。


この一年ちょっとで、色々な人と知り合ったり、別れたり、もうサイト閉めちゃおうかと思うようなことも何度かありました。

でも大切な人にも出会えたし、たくさんの方の思いやりにも恵まれました。
webやメールや掲示板での書き込みにどれだけ支えられたかわかりません。
皆さんのおかげでここまで続けることができました。本当にありがとうございました。


北斗杯OVA化希望運動もちょうど一年前くらいに始めたんですよね。
通常の私なら絶対やらないこともした。それくらいヒカ碁を愛していたし、今も愛しているわけです。


お嫁ちゃんと二人の新サイトもどうかよろしくお願いします。


ああ、ヒカルもアキラも大好きだ〜っ!(TT)


それから、この期に及んですみません。キリリク小説、間に合いませんでした。
本当に本当にごめんなさい。「One」でいただいたキリリクなので「One」のうちにと思ったのですが、宿題ということで新居に持って行かせていただきます。

なるべく早くアップできるようがんばりますので、どうかお許しください。

リクエスト、シンプルだけど私はとても好きで、大切に書きたいなと思いました。
実は頂いてから二、三本書いたんですけど、なんかリクからはずれてしまっているような(^^;ということでどれも没にしたんです。

なのでもう少し、リクにぴったりな話になるまでどうか後少しだけお待ちください。



2004年06月07日(月) (SS)キスをして+

するなするなと言っているのに、進藤はふいをついて街中でもキスをしてくる。

その日、棋院の階段をゆるく降りかけていた時も、ふいに呼ばれ、振り向いたらキスをされていた。

「―だからこういう所でするなって」

睨んでも進藤は全くひるむ様子も無い。

「エレベーターを使わずに、わざわざ階段なんか使うってことは、されてもOKってことだっておれは思ってるけど」

悔しいかな、それは事実でもあったので反論ができない。
してもいいというよりも、される確率が高いから、されて困らない所を選んで歩くようになったという、それだけなのだが。

それでも、されること自体、悔しいかな嫌いでは無いので、なんとなく負けたような気持ちになってしまう。

むっつりと降りる、その背中に進藤が再び声をかけてきた。

「なに?怒った?」
「…いや」

沈黙のまま一階分降りきった所でまた進藤が声をかけてくる。

「なあ、キスの反対ってなに?」
「え?」
「なぞなぞだよ。なあ、キスの反対ってなんだ?」
「…スキ、だろう?」

そ、と嬉しそうに進藤が言った。

「好きだからついキスしちゃうんだよなあ」
「だからって、人に見られるような所でしていいってことにはならないだろう?」
「んー、それはそうだけどさ」

なんとなく足が止まった所でねえねえ、そんじゃさと、進藤がまた口を開いた。

「それじゃ、好きの反対はなんだ?」
「…キ…ス?」

そ、と言って、言いながら身を乗り出してくる。ああと思うまもなく唇が重なり、嘗めるようにして離れた。

「なにす―」
「だからさあ、好きだからキスをするし、キスをするともっと好きになっちゃって、またキスをしたくなるんだよなあ」

そーゆーことなんだから諦めろよと勝手なことを言うと、進藤はまだ何も言い返せないでいるぼくの頬に、今度はかすめるようにちゅと軽いキスをして、笑いながら階段を駆け下りて行ったのだった。


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けものヒカルです。何を言ってもアキラは屁理屈ではヒカルに勝てません。かわいそうです。

でもいいか、幸せだから。



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夜になって、ちょっと調べ物をしていてヒカ碁の一巻から最終巻まで全部に目を通しました。
読みはじめたら大変なことになるのであくまでめくっていただけですが、それでも途中、止まる止まる。

やっぱりヒカルにとって佐為はとても大切な存在なんだなあと改めて再確認したり。アキラとヒカルは本当にお互いに引き合ってるんだなあとこれまた再確認したり。

佐為ちゃんが消える辺りではやっぱり切なくてちょっと泣いてしまいました。


もう何度も書いているからいい加減しつこいよと言われそうですが、私、ヒカ碁は本当に原作のファンなんですよ。

今まで色々なものに転んできましたが、ヒカ碁に関しては本当に原作にノックアウトされて、好きで好きでたまらなくなってしまったんです。

読んで手が震える程感動した漫画は、今までの人生で「ヒカルの碁」だけです。

大げさなと言われるかもしれないけれど、フツーに読み始めて、(友達から二回に分けてまとめ借りした)十三巻を過ぎる辺りから、次の巻を手に取る時にアル中の人のように手が震えて止まらなかったんですよね。

うわ、なんだこれと自分で自分の手を見ちゃいましたもん。

な、なんで震えてるんだー?(^^;
で、どんどん巻が進むにつれて読む速度も速くなってきて、十七巻まで一気に読んだのでした。

そう、貸してくれた友達は親切な人だったので、「ここでキリがいいから」と十七巻までを貸してくれたんですよ。

ぎゃああああああ、続きぃぃぃぃぃぃぃぃ!

そのまま発狂したように続きの巻を買いに行ったのは説明するまでもありません。当時十九巻まで出てたのかな?探して探して買いましたともさ。


それくらいの「好き」。
もう何度も読んだけど、何度読んでもおもしろいと思います。



2004年06月06日(日) 天使の歌声

メロキュアの岡崎律子さんの訃報を以前日記に書きましたが、今日の朝刊にもっと詳しく岡崎さんのことが載っていました。

ご自分の病気を知っておられたこと、病院からライブに通い、病室でもずっと創作活動を続けていらっしゃったことが書いてありました。

岡崎さんの歌は歌も素晴らしかったし、(アニメの主題歌等たくさん手がけていらっしゃいます)歌声も素晴らしかったです。


でも何よりも音楽にかけていたご本人の姿勢と情熱が素晴らしかったのだと今日知り、頭が下がる思いです。

ものすごく透明感のある「歌」。

まだこれから、これからたくさんの歌を作って行かれるはずだった方なのにと思うと残念で仕方ありません。

改めまして心よりご冥福をお祈りいたします。


それからプロキシの元になったと書いた「Agape」はですね、「円盤皇女ワルキューレ」というアニメの(最初のシリーズです)最終回のほんの数分だけ流れた挿入歌だったんです。
OPでもEDでも無い、ただそれだけの。でも最終回に相応しい、幸せに満ちた曲だったのでした。

ちなみに「Agape」の意味は神の祝福。福音です。

カラオケではとんでも無い映像がついていて(TT)なのですが、どこかで機会がありましたらぜひ、プロキシの二人を思い出しつつ聴いてみてください。


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