| 2019年07月25日(木) |
圧倒的にナチュラルの話。 |
ガンダムSEEDはどこをどう切り取ってもコーディネイターのそれも一部の上位陣の話でしたが、Sガンダムはナチュラルの話だったと思います。
だって私たちナチュラルだし……。
昨日、Hidden figures(邦題:ドリーム)を観返していたんです。 Sガンダム書き終えたあとだったので「イグニッション!」の言葉だけでも号泣というわけのわからない状態でした。
おかげでまた夜更かしして身体ガタガタのまま。
そのあと日本での評判はどうだったんだろうとレビューを漁っていたら、黒人差別される場面を「申し訳ない」と感じている意見を見かけてちょっと頭をひねりました。
私たち東洋人はカラードなので被差別側で黒人用というか非白人用のトイレに走らされ、非白人用のコーヒーポットを使わされその他諸々される側なのに白人目線の「申し訳ない」ってどういうこっちゃ。と混乱したというか。 名誉白人的な感じというか……。 アメリカというか海外にいないとピンとこないのかもしれないですが、ナチュラルにあちら側目線になるのもそれはそれでどうなんだろう。と色々と思ったというか。
話はそれましたが。 フィクションとはいえ、コーディネイター側に入れ込むのは無理があるな……ナチュラル目線を入れないと。と思ったこともあり主人公はナチュラルで、国籍をニホンにしたんですが。
国籍がニホンの軍人という完全に日本向けの主役を作ったことはグローバル目線には欠けていたかもなーと思います。海外の人が読んだら引っかかる部分があるだろうなーと思います。 まあ書いている言語も日本語なのでそこまで気にしても……と思いつつ読み返す過程でかなり修正を加えました。
主人公はコーディネイター軍団のザフトに放り込んで主役陣営自体はザフトで話が進みますが……クルーゼはナチュラルだし、主人公もナチュラルで、結局(意図しなかったとはいえ)この二人の話に終始してやはりナチュラルの話になっていたと思います。
ただ彼らが属しているのはやはり大人組なので……特尉は最初は19歳で少年組、大人組どちらにも混じれる中間にしたつもりだったんですが……やはり無理があったというか。そもそも士官だしどうしても上官とまではいかなくても先任にはなってしまいますから、カテゴリー化すると大人組になり、そして歳が近いクルーゼとウマが合ってしまうのも仕方なかったというか。 序盤もニコルではなく歳が近いショーン・ブラウンと仲良くなってましたからね……意図的にではないんですが、彼らもあの世界で生きているので、やはりジェネレーション・ギャップはあるというか。
イザークは17歳というバランスも良かったのかもなー。 サイドストーリーにはイザークが一番貢献してくれましたし。 ニコルは最初からナチュラルに偏見のない賢くて優しい子なので物語的に発展性がないんですよね。おまけにブリッツなんて最強機体に乗ってるものだから「物語的に邪魔」というとんでもない仕打ちをされてしまう。 その点イザークは……意図しなかったキャラなので終盤において必要かというと全くそうではないキャラだったんですが、中盤は彼がいないとドラマ的に失速していたな。純粋に自分が読んで楽しめたという意味でも、コーディネイターの代表としてもなくてはならないキャラになってくれたというか。 クルーゼも特尉も軍人としてはほぼ隙のない完璧なキャラなので、イザークの未熟さは書く上でありがたかった……。
というか、特尉がクルーゼ(ナチュラル)に惚れた以上もう物語はコーディネイターそっちのけでナチュラルの話になっちゃうわけですから、イザークがいなければ詰んでいましたね……。ナチュコーディ問題は。ドラマ部分としては。
まあでも今にして思えば、特尉はクルーゼの秘密(ナチュラルであることも含め)を知った時からクルーゼに惹かれるのは必然だった気がします。 ナチュラルでかなりの身体的ディスアドバンテージも負ってるのにコーディネイター軍団のトップガンですからね。おまけに仮面取れば美青年。歳の差も4、5歳だし。さらにはイケボ(関俊彦@低音系)。 仕方ないよね……と思います。こう書くとめっちゃ「俗物が!」な感じですが。笑。
クルーゼは基本はなんでもできる万能型でしたが、特尉は特化型なので結局最後までMS戦は強くはなかったですね……。そして白兵戦(近接格闘)最強なので、白兵戦になる状況を作ったら確実に勝ってしまうジョーカーなので基本はMSに乗せておくしかないという物語の縛りもあり。 同じナチュラルでコーディネイター用のMSに乗りMS戦も強いクルーゼを軍人として尊敬していたのもクルーゼに惹かれた要素の一つなのかも。考えれば考えるほどクルーゼに惹かれるルートしかないというか。
話をHidden figuresに戻しますが。 主役の3人の女性は、クルーゼや特尉と同じ括りというか、ずば抜けた超天才なわけですよね(そして映画は物語的にリファインされた部分もあるけど実在の人物でキャサリン氏は存命)。 対する視聴者は、そこまでの天才が揃っているかと言うと……。
じゃあみんな誰に感情移入するんだろう……作劇として引いてみるのか。 それとも……なんてSガンダムのエンドマークを打ちながら考えてしまいました。 万人が納得する主役なんて存在しないとはいえ……。
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