2003年09月17日(水)
闘え! 起動戦士アサミンジャー 「不可解」の巻 〜ないわけなかろう!?〜


毎度。
飲みすぎて、朝から何だか気持ち悪いアサミンジャーです。
をいをい・・・・熱あるのに、酒飲んだんかいな!? というお叱りをさらりとかわし、言い訳するなら、
飲みすぎたのは、酒ではなく薬です(自爆)。
御陰様で、途中覚醒はバンバンするわ(3時間おき)、わけのわからん夢はバンバン見るわ、
気がついたら、安定剤(コンスタン&デパス)はいつもの3倍飲んでいることに気付き、
加えて、ここ2〜3日、特に必要ないなと思っていた睡眠導入剤アモバンも、
1日で一気に2錠も飲んでしまっている。あぁ・・・・ヘタレ・アサミンジャー


明らかに微熱の域を超えた高熱は、あたくしの覇気を一気に奪う。
肉体的には元気候なのだ。咳が出るとか節々が痛いとか、高熱に伴う症状は一切ない。
ただ、さすが高熱だけあって、かなりボーっとする。
自転車で行くところを、サヨコが買い物に行くからというので、
クリニックの前で、落としていってもらうことにした。


来週の火曜は秋分の日。だから、今週と再来週は、めっちゃ混む。
予想、大当たり。配当は、なし(当たり前( ̄∇ ̄;))
と、いうわけで、先週同様、たりた様にお借りした本を読むことで、時間潰し。
高熱のためか、同じ姿勢と同じ作業が続くと、すぐに疲れて集中力がなくなる。
その時のためにと用意していたノートに、次の『雑』に載せるための連載小説のプロットを書くことにする。
読書→プロット→読書→プロット・・・・むむむ?面白い雑誌がある。見覚えのある絵。
あぁ、あれだ。『エミリー・ザ・ストレインジ』
なるほどね、金子みすゞと同じ雑誌に『エミリ・ザ・ストレインジ』を特集するとは
物凄く面白い編集部(爆)。
そんなことを思いながら、以前、立ち読みした、その英語の絵本の翻訳についての
解説を読む。
この絵本は、某藤圭子の娘さん、ヒカル嬢が翻訳した。
あたくしは原作に目を通していないので、その翻訳が妥当か否かというコトは
絵本を見た時点ではわからなかったものの、この言葉をこう訳している・・・・
と例を挙げて見せられると、ほほぉ、なるほどね。さすがアメリカ育ち♪
くらいの感想は持てる。
まぁ皆様。多分、文芸コーナーにいる人ならちっとは知っていると思いますが、
白・黒・赤このたった三色で構成された、毒々しい絵本が、まだ今でもそのコーナーにいけば
平積みになっていると思うので、興味のある方は是非ご一読を。
大人ですから、5分で読めます。買う、買わないは、原作を見てから決めるとよろしいでしょう。
特に、英語に煩い方々などは、彼女が如何に潔く翻訳しきったかというのが一目瞭然ですので、
原作を読まれることをオススメします。


と、どこのマワシモノでもないのに『エミリー・ザ・ストレインジ』の宣伝をしてしまう
とっても親切なアサミンジャー。この記事を読み終わった頃に、診察室からお呼びがかかった。
戦闘開始(「くゎん」・・・・という情けない音のゴング( ̄∇ ̄;))。


「ゴメンゴメン、毎度待たせてしまって・・・・」

「いえ、慣れてますから( ̄ー ̄)ニヤリッ」

「どう? 調子は?」

「あんまり。ね、熱が・・・・」

「あれ、決まった? 配役。」

「うん、決まったけど、熱がぁ・・・・」

「どんな役? ヒロインか??」

「バイプレイヤーよ。宮中の女官長。まぁ、先生の好きそうな言葉を借りるなら
『大奥総取締役』ってとこ。中国皇帝の乳母みたいな役よ。それより、熱・・・・」


「そうかぁ!! ピッタリだな♪ よかった、よかった♪」

(熱、無視かよ〜〜〜〜〜〜〜!!!)

「やってて楽しいかい?」

「そりゃ、楽しいですよ♪」

「こう、役になりきるっていうのは、やっぱり面白いのか?」

「う〜ん・・・・あたしね、その言葉使わない。『なりきる』 って、何か変。
だって、なっちゃってるんだもん。」


「なっちゃってる・・・・? どういう意味だ??」

「なりきる・・・・って何か違和感があるのよ。だって、まだ嘘が観客にバレバレですって感じがして。
あたしたちって、思いっきった嘘をガツンとかまして、
『本当』 にしなきゃいけない仕事をしてるわけでしょ?
だから、『なりきってる』って指摘されると、嘘が全部ばれているみたいで気持ち悪い。」


「面白いことを言うねぇ。じゃあ、その役にスコンと入るのは、あなたにとってそんなに難しくないんだ。」

「その時点でけっ躓くってことは、その役が自分に合ってないってことなのよ。
まぁ、そんなことは今までに1度だってなかったけどね。」


「なるほどねぇ。こりゃ、かなりの真髄の話になってきたなぁ。」

「やだ、先生。コレはあくまでもあたしの表現であって、
他の人に聞けば、言いたいことは一緒だけど、別な言葉で表現する人たちは沢山いるわよ。」


「そんな中で、共演者たちには腹立たないの?」

「立つわけないでしょ? 皆が皆、プロじゃないんだから。」

「でもテレビに出ている二世タレントには腹が立つ・・・・」

「(笑) うん。」

「だろうなぁ。七光りバンバン浴びて、それで仕事が回ってくるなんて、
キミにしたら、腸が煮えくり返るくらいにムカつくんだろうなぁ。」


「でも、そればっかじゃないんだよ。」

「ん? どういうことだ?」

「大学のクラスメイトに、某有名女優の娘がいてさぁ。
その女優さんの出るドラマには、端役とはいえせりふのある役もらって、ちょこちょこ出てたのが、
最近ではさっぱり(爆)。思ったとおり、干されたみたいね( ̄ー ̄)ニヤリッ」


「あぁ、あの女優さんね。彼女本人はよく見るけれど、娘が出てたとはなぁ。初耳だ。」

「どうも、事務所は違うみたい。コレで事務所まで一緒だったら、
週刊誌に何て書かれるか(* ̄m ̄) ププッ」


「他人の不幸を笑えるようになったか。いいことだ(笑)」

「いや、随分前にね、実際に『売れてない2世タレント』の特集記事を見たときに、
彼女の名前もあったのよ。あれは確かに痛快だったわよ♪」


「そりゃあ、痛快だろう! 実力至上主義の世界なんだから。」

「それはそうとね、役が決まる前に、あたし、もう1つ、別の役をやらせてもらったんだ。」

「どんな役?」

「バイプレイヤーには代わりないんだけど、歌のソロパートもあって、結構重要な役でね。」

「ほうほう・・・・。」

「そのシーンの練習をする時、いつもその役をやってて、ほぼ決定って子がたまたまお休みで、
それであたしが指名されたの。歌だって、耳で聞いただけでスコアはほぼ初見に近いのに。
役柄的にはね、戦災孤児の面倒を見るおばさんで、コレはコレでやってて気持ちが良かったのよ。」


「あなたとしては、どっちがやりたかった?」

「どっちでもよかったな。両方ともすんなりシーンに入っていけるし、
演出家も特に不平を言わないところを見ると、あのおばさんの役はあたしにもできるってことよ。
その代わり、女官長はあたしにしか出来ない。他の誰にもやらせていないのよ。
別に、彼女が休んだならせりふや歌の差込は声楽の先生や演出家がどうとでもしてくれるとこ、
あたしに振ってくれたってことは、つまりそういうことでしょ?
あのおばさんは、あたしか彼女のどちらかで決めようってことがわかった。
痛快よ。気分、良かったわ。あたしの虚栄心を十二分に満たしてくれた出来事よ、コレは。」


「そうか。そのおばさんの役をやる子より、幅が広いと確信したってわけだな。
こうだんだんと、調子が良くなってきてるみたいだなぁ♪
前みたいな不安めいた、自信喪失な発言がない(笑)」


「あの場所にいる限り、あたしは居場所を追われない。どこかに必ずポジションがある。
しかも、芯でなくとも、物語の進行上、かなり重要なポジションがね。」


「やっぱりキミには、居場所が必要だったんだねぇ。それを見つけられたんだ。
良かったじゃないか。
ところで・・・・演じる時、あいつらはどうしてるんだ?」


「あいつらは協力的よ。」

「あのヤロウを除いてか・・・・?」

「うん・・・・そういうコトになる。」




ここで、オーアエは少し唸った。
納得いく、いかないの論点で、やっぱりあの協力的な4人に関しては、それぞれを「一人格」として扱うのは
妥当ではないみたいなことを仄めかしたのだ。



「一平はさぁ、キミの親が望んだ男の子の象徴だよ。
そして朝美ちゃんは、キミがレイプされた時に全てを背負ってくれた。
確かに心強い味方だよ。全員で(本名)ちゃんを守ってるんだからな。
ひとつ聞きたいことがあるんだけど、彼らは歳をとっているのかい?
出てきてから、年齢を重ねているとか、出てきた時のままの年齢で止まっているのか・・・・。」


「朝美は・・・・遅咲きだったから、出てきた時点で既に『女性』 だった。
『一平』はそれこそ凄い長い付き合いになるけれど、あんまり歳をとってないような気がするよ。
出てきた時点で、その頃のあたしより、随分年上だったような印象もあるし。」


「そうかぁ・・・・。」




どうしてこんなことを聞かれるかというと、解離性の何らかの障害がある場合、
交代人格は必ずしも本人と同年齢ではないのだ。それはあたくしも良く知っている。
それを見越して答えたわけではないが、「一平」は今尚血気盛んな少年のようだし、
「朝美」はいつまでたっても、肌のツヤの衰えを見せないような女だ。



「ねぇ、先生。コレは前から聞いてみたかったことなんだけど、
ガツリと一平モードの時に、生理痛っていうのは無痛になるものなの?」


「はぁ???」

「よくさぁ、主人格と交代人格が入れ代わると、
口調が変わったり筆跡が変わったり、顕著な例が出るじゃない?
あたしはそこまでじゃないんだけど、筆跡に限っては同一人物っぽいし、
ただ、一平の時は少し乱雑な字を書くみたいで、朝美の時は流れるような書体らしいんだけどさぁ。
生理痛の件だけは、今ひとつ自分でも納得がいかないのよね。
もんどりうつほど痛い時って、大概朝美なのよ。PMSの症状もガンガン出て。
でね、カチッと一平モードだなぁって感じる時の生理って、嘘みたいに軽いのよ。
勿論、経血の量はいつも同じくらいなのよ。ただ、痛みの感じ方が違う。・・・・これって、どうなの??」




別にあたくしは、彼を追い詰めようとして、こんなことを言ったわけではない。
予てから、不思議で不思議で仕方のなかったことなのだ。
でもって、当のオーアエはというと、あたくしのこの謎の質問に、文字通り頭を抱えているのである。



「う〜〜〜〜〜〜ん・・・・わからんっっ!!」

「( ̄∇ ̄;)」

「あなたには強力な3人の仲間がいる。ひょっとしたらあのヤロウも仲間になれるのかもしれない。」

「うん・・・・それは・・・・わかってる。」

「神はその懐へ飛び込もうとしないと悪魔になる。逆もまた然りだ。」

「はぁ!? 何の文献で読んだの?」

「遠い昔、そんなことを言った患者がいたんだよ。その人は実行して、病気を克服した。」

「へぇ〜。(ボタン連打中)」

「幸い、キミは今、状態がいい。タイミングを見計らって、それに挑戦するのも1つの手だと思ってな。」

「でも、どうするの? アイツ、最近出てこないよ?」

「そのうち出てくるだろ(笑)」




どこまでも楽観的なこの医者は、最終的にはあたくしの我侭を聞き、血圧を計る。
どうせ今日も低いんだろう、とか言いつつ、静脈を探っているが、
いつものように、脈が見出せない。
そんなバカなと思ったら、いきなりシュコンシュコンと空気を入れ始める。



「あれっ!!!??? 血圧が、ない!!!」

「( ̄∇ ̄;)ないわけなかろう!!」




無事、ギリギリで上の数値が100はあったものの、コントのように診察は終わっていったのであった。
この医者と、もう2年以上もつきあっている。
ボケとツッコミの役割でいくと、むこうが絶対にボケである( ̄^ ̄)
あたくしの本名を、コレでもかというくらいにぶつぶつと唱え、連呼して、

「やっぱりこの名前はいいよ。こう、雰囲気が♪」

と、わけのわからないことを言って、処方にカルテを回すボケ医者なのであった。

そして、その夜。

↑見た夢、総悪夢( ̄∇ ̄;)


安らかに眠りたい・・・・という欲求がそうさせているのなら、久々にリタリンでも飲んで、
はっちゃけた1日(勿論、不眠不休)というのを過ごすのも良かろう。
アイツは・・・・結局出てこなかった。
エレベーターがいきなり怖くなくなるように、病気もいきなり治るといいな。
夢みたいなバカなことを考えるアサミンジャーなのであった。

あさみ


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