悟朗さんがなかなかハッキリした結論を出さないまま3週間が経った。今日こそは・・・・きっと、今日こそは・・・・。誰もが信じて疑わなかった、正に今日。やっぱり、ハッキリしたことは何一つ増えず、ただ、イブちゃんだけは子供チームにガッツリ入れられて、基本的なダンスステップを小学生たちと一緒にやっている間、うちら大人チームは、芝居の稽古チックなことを繰り返したのでありました。どうやらナイチンゲール(主役)はユキちゃんっぽく、そして皇帝は川出ちゃんっぽく・・・・。そして、オペラ出身の多田ちゃんが機械ゲール、カオリちゃんはクイおばさん。侍従長は言わずと知れた、古橋パパで、シャオメイは涼子ちゃんがやるのだろう。で、あたくしが女官長・・・・コレがもう4週間続いているというのに、悟朗さんはやっぱり「決定です( ̄^ ̄)」とは言わないのであった。誰が見ても、そろそろ明々白々になってきたキャスティング・・・・自覚も芽生え始めた。休憩時間に、台本に目を通しながら、古橋パパと喋っていた。「もう、今日当たり決めてもらわんとなぁ・・・・。」「ですよねぇ・・・・とはいえ、もう決まってるようなもんでしょうけど(苦笑)古橋さん、侍従長やる以外に、何なんだよ!? って感じしません??」「まぁ、天に任せるさ。とはいえ、ちょっとねぇ・・・・。ハッキリすれば本も読み込めるし。」「それはありますね。あたしなんか、既に誰が何をやるか、予想表とか作っちゃってますもん。」「そんなもの作ったの?(爆)」「当たったら、自分にご褒美でも買ってやろうかと(笑)」笑いあいながら会話をしていると、突撃小学4年生が全力で突撃してくる( ̄∇ ̄;)「あぁ〜♪ 2人、ラブラブに見える♪」「ホント? 夫婦に見える?」「うぅん( ̄^ ̄)」「親子に見える?」「うぅん( ̄^ ̄)」「さすがに親子は古橋さんに失礼よね(笑) じゃあ、愛人とかっ♪」「うぅん( ̄^ ̄)」「( ̄□ ̄;)!! む・・・・娘の前でとんでもないことを言ってしまった!!」(古橋パパの娘が会話とは別で近くにいた)「ぎゃははははははは _(__)/彡☆ばんばん!」しかし、あの突撃小4・・・・「ラブラブ」なんて言葉をどこで覚えてくるのやら( ̄∇ ̄;)でもまぁ、こんな感じで、キャスト同士はだんだん仲良しになってきている。だから、休憩時間とか稽古の開始前、終了後に交わされる会話も、だんだん核心に迫りつつある。共演者の誰それと誰それが付き合っているだとか、そんな話まで先週は飛び出した。ガキども(おっと失礼・・・・)いや、お子様たちを隣の部屋に追いやって、排斥された中で大人たちの稽古は進んでいく。だんだん音楽と科白の間合いなども気にしなければならなくなってきた。まぁ、自分は無関係だろうと思われる箇所にも一応チェックを入れておく。スコアのファイルと台本の両方を持ちながらの稽古は、意外に足腰に来る(苦笑)。しかし、まだ誰が何の役をやるのか決まっていない中、いきなり演出家に「ちょっと、あなた●●の科白を入れてください。」だの「ここ、変更でお願いします。」だのと言われると、自分は女官長に違いない・・・・と思いつつも、聞き逃して、後々周囲にご迷惑をかけることがあってはいけないので、有り得ない役の注釈も、きちんと書き込む。まぁ、これは昔っからのクセで、キャスティングがガッツリ決まってからも、自分の動きに支障を来すといけないので、自分の出番の時に他の誰かに付けられた演出は全部メモ書きにして残すようにしている。今日も・・・・。「ここのシーンね、女官長のこのセリフはカットで、全員で『はぁ〜〜〜いぃ〜〜〜〜。』とハイトーンでお返事しながらお辞儀というふうに変更してくれるかな。」と、早速直しが入った。女官長のあたくしの後ろ手には、5人もの女官が従えていて、それぞれ、「はぁ〜い〜」「はぁ〜〜いぃ〜〜〜〜」とやっていたのだが、どうもこう、最初の音のアタックがうまく決まらない。「むむむ・・・・『はぁ〜いぃ〜〜〜〜〜〜』・・・・いや、違うな。」「もっと、ハイトーンなんだよ。『はぁ〜〜〜いぃ〜〜〜〜』って。」「はぁ〜〜〜〜いぃ〜〜〜〜〜〜」なかなかうまくいかないものだから、最終的には声楽の先生がお手本を見せてくれた。かなりのハイトーンヴォイスに、あたくしら女官は全員口をあんぐりさせた( ̄∇ ̄;)が、このトーンはどこかで聞き覚えがあり・・・・しかもかなり最近の記憶で。「いいかい? キミたちは宮中から滅多に外に出ることのない人間なんだよ。だから、お出かけできることをもっと喜ばなくっちゃ!!」「あぁ!!」「な、なんだ?」「大奥だ!! 大奥よ!!」「ヽ。◇°ノ ドテッ 何だよぉ・・・・今頃気付いたのかよぉ。」シーンに出演しない見学者から笑いを取ることができたので、良しとする(爆)<基準、それかよっ!!そう・・・・大奥だったのだ、ここは。(中華人民共和国なんだけど)↑妙に納得した瞬間だった(笑)で、あたくしの台本には、その科白のところにガッツリと「大奥!!!」と、まるで「マルサ!!!」みたいな勢いでメモ書きがしてある(爆)。あっという間に稽古時間は過ぎ行き、悟朗さんが「来週から17時までで」と宣言し、散会。あれこれ片付け物をしている間に、多田ちゃんとトモコさんと話をしていた。「今日も結局、発表してくれなかったね。」「今日こそと思ってたのにね。」「来週、来られないのよね・・・・。」「でも、機械ゲールで決まりっぽくない??」「うん、自分でもそう思う。」「いいなぁ・・・・私、本当は機械ゲールがやりたかったのよね。」「そうだったんですかぁ・・・・。」「ナイチンゲールよりも綺麗な設定だもんね(笑)」「そう、そう(笑)」「本当に来週、きちんと言ってくれるかなぁ・・・・?」「・・・・・・・・。」「・・・・・・・・。」コレばっかりは、不安を隠しきれない。あたくしも多田ちゃんもトモコさんも・・・・。トモコさんはあたくしよりもうんと年上だけど、このままいくと、あたくしの配下に収まることになってしまいそうだ。ダンスの経歴は多分、彼女の方が豊富だろうが、芝居の経験はあたくしの方が彼女を凌駕するのでやっぱり舞台の上で喋る勘というものは、この場において必要なのだろう。ちなみにトモコさんの狙っていた機械ゲールは、せりふは一切なく、「歌を歌う、お人形」という設定で、しかも、持ち歌は2曲。加えて、壊れた時の歌というのもあって、それをあわせると3曲となり、歌も上手な彼女にとっては、かなり絶好な狙い目の役だったのかもしれない。地味な小鳥、ナイチンゲールとは違い、美しく装飾されているという設定も美味しいし・・・・。あたくしは、稽古で自分が女官長をやるようになってから、ヘタな夢は見ないことにした。歌のエキスパート的存在と、役の数がピッタリ一致することに気付いてしまったのである。と、いうことはだ。どれだけ自己主張しようとも、それらの役がこっちに来ることはなく、暗黙の了解で、その役をこなす人物というのは自ずと浮き彫りになってくる。自己主張の方向性を変えたのは、丁度1ヶ月くらい前かも。「このあたくしが、如何に女官長に向いているかを見よ!」に変わっていった(苦笑)。無論、舞台で芯を張るというのは美味しいに決まっているけれど、慎ましやかなバイプレイヤーがいないと、話が前に進んでいかないことを知っているあたくしは、自分がいるといないとでは大きく場が変わることを、演出に知らしめてやりたかった。それが、来週あたり、答えとなって表われるはずなのだが・・・・。予定は未定だ( ̄∇ ̄;)そして来週から稽古時間は1時間伸びることになり、突撃小学生たちは、「宿題やらないかんのにぃ・・・・」と零しているのであった(笑)。「済ませてからおいでよ♪」最後に小学4年生の真子ちゃんの頭を撫でて、帰ってきた。↑運命にはさからえないワ♪