2003年07月21日(月)
謎の団体 高野連


沖縄県が早速、夏の高校野球大会出場校決定というコトで、
当の球児たちもさぞかし喜んでいることかと・・・・。


そんな本日、新聞で、うちの母校も初戦、7回コールドで快勝という記事を読み、
何となくなんだけど、嬉しい感じがした。
多分だけど、この次に当たる、斐太農林にも勝てると思っている。
斐太農林出身の方・・・・傲慢なこの母校びいきを許してくださいませ。


と・・・・。こんなふうに、高校野球を賞賛する一方で、あたくしはどうしても納得のいかない
「高校野球」の訳わからなさみたいなものも抱えている。


それは、高野連・・・・という特別な団体の存在である。


この団体の頭の固さといったら、もうハンパじゃなく、
ぷよ2なんかは「アレこそ正に昭和の遺物だよ。」なんて言ってたし、
あたくしは、昭和ならともかく、あんなのは日露戦争前の考え方で、明治・大正の遺物だと思っている。


このご時世・・・・。
高校生が普通に犯罪紛いなことを侵す・・・・というコトもさして珍しくなくなってしまった。
如何ともしがたい現実ではあるが、これも真実として受け止めなくてはならない。
しかし、犯罪とまでは行かなくとも、誰だって、ちょっとした風紀違反みたいなことは
したことがあるんじゃないか? ちょこっとだけ思い出してみていただきたい。

例えば。
万引きは犯罪だけど、喫茶店で駄弁っていたというのが校則違反で、
その校則違反に咎められたとしよう。
普通は、本人のみの処罰が下され、厳しくても1〜3日の謹慎、現行犯であれば
その場で厳重注意くらいで済むはずなのだけど・・・・
「高野連」が絡んでくると、この校則・・・・意外なほどの効力を発揮する場合があるのだ。


あたくしが高校3年の頃であった。
進学校にも拘らず、予選の抽選結果でなかなかいいカードを引いた我が校は
トントン拍子・・・・とはいかずとも、何と、県予選決勝まで勝ち残ってしまったのである。

コレには我が校の関係者は愚か、地元に名士として残っているOBたちまでもが大騒ぎで、
あっという間に寄付金が集まり、普段は目立たない生徒会までが動き始め、
決勝戦にはバスを何台もチャーターして、全校挙げての応援と相成った。
それまでは、うちらチアガールに、応援団(体育祭用の幹部集団)、
そして、音楽の先生が無理矢理に集めた、「楽器所有者」で結成された即席ブラスのみで
応援していたのが、準々決勝、準決勝と勝ち進んでいくうちに、だんだん
スタンドを埋めてくる数も増えてきて、在校生のみならず、
卒業生や古いOBも駆けつけてきて、一所懸命応援していた。


県内のとある地方の工業高校と当たった時のこと。
応援団とチアガールは、それぞれ、試合前に挨拶を交わすところから始まり、
何回表終了後にはエールの交換、何回裏終了後には母校の校歌斉唱等々、
応援のやり方にも色々としきたりがあるようだった。
この工業高校、女子生徒があまりに少なく、チアガールはいなかったので、
うちらも男子応援団と一緒に、一塁側・三塁側の丁度中間地点で、挨拶を交わすことになった。

見るからに、めっちゃ怖そうな相手の応援団長。
今はどこにも見あたらない、長ランにリーゼント・・・・( ̄∇ ̄;)
マジ、怖いんですけど・・・・と、口に出してしまうと揉める事確実なので、
グッと俯いて、なるべく発言らしい発言は控えるようにする(笑)。
一応、型どおりの挨拶が終わったところで、相手の応援団長が呟くようにだったが
とんでもないことを言い出した。

「貴様ら、進学校やと思ってデカいツラ、すんなや!!」

すぐさま反応したのは、他でもない、うちの応援団長の橋川くん(仮名)である。

「何やと、コラ!!」

「デカいツラしすぎや言うとるんや!!」



と、この騒ぎに逸早く気付いた、他の団員とチアガールは、
今にもつかみ合いになりかけの2人を羽交い絞めにして押さえ込んだ。
普段は温厚なうちの教頭先生までもが血相を変えて、間に入って2人を止めた。
「離せ!! オラッ!!」と荒れる相手に、まだ向かっていこうとする橋川くんを
今度はチアが立ちはだかって止めた。同級生の女の子を殴ってしまうほど、彼もバカではない。
バケツの水まで用意されて、まるでネコの縄張り争いみたいなものではあったが、
何とかこの場は鎮める事ができ、無事に試合は始まっていった。


こんなことは、野球部員は愚か、野球部の監督やコーチも全く知らない出来事である。
彼らがこの日の試合の駆け引きや、攻守の戦略を話し合ったり、
ウォーミングアップしているうちに、アルプススタンドではこんな騒ぎが起きようとしているのである。
この試合については、うちが勝ち、一応、面目も立ったので、試合後の騒ぎはなかったが、
先生たちの見ていないところで、先方の団長と橋川くんは正に、一触即発の状態で、
うちらは超ピリピリしていたのだ。

何故なら。
うちらが問題を起こすと、野球部が出場停止になってしまうからである。



この不思議なからくりがご理解頂けるだろうか?
野球部員は全く関係ない、そもそもケンカを吹っかけてきたのは向こうで、
両成敗になったとしてもだ、球児たちには何の責任もないのである。
しかし、「高野連」はこういった騒ぎを絶対に見逃さないのである。

あたくしたちは、そんな理不尽さに不満を感じつつも、
大きな勢力には抵抗できないことを知っていたので、甘んじて屈辱にも耐えた。
野球の強い某M校と当たった時は、先方の女子応援団から、

「チアガールなんてチャラチャラしやがって。」

と、あからさまに言われたのであるが、さすがに女子生徒同士のケンカが原因で
出場停止とあっては、前代未聞もいいところなので、こっちがグッと堪えて我慢した。
実は、この高校とは2年連続当たっていて、2年連続うちが勝っているのである。
なので、堪えるべきところは堪えなければならない。

「程度の低い高校の言うコトなんか相手にしない♪」

「要は、うちの野球部が勝ってくれればいいんだから♪」


これが、チアのリーダーが出した結論である。
オンナという生き物は、奇妙な強さと図太さを持っている。
「チアガールなんか・・・・」とか言っていた某M校であるが、
この高校、女子が異様に多い割りに野球が強く、それで2年連続うちに負けていたのだから世話がない。
オマケに、「チアガールなんか・・・・」とか言っておきながら、
この学校の家政科の有志一同がチアガールを結成してしまい(爆)、
うちの学校と当たる頃には、学ランを着た女の子と、スコートにポンポンをもった姿の女の子が
スタンドにいるという、奇妙な構図を醸し出してくれて、
それはそれで、うちの学校では密かな笑いものだったりした。
だったら、あんなことを言わなきゃいいのにね・・・・と、うちらは
大会前、結構練習していたので、この高校よりもうんとマシな振り付けで応援していた。


さて、遂に決勝戦までこぎつけて、当の野球部も、そしてうちら応援サイドも
何となく奇妙な雰囲気で、「おいおい、ひょっとしたら・・・・」ムードも何気に漂っていたりした。
相手は、名前を出せば全国的に誰でもわかる野球古豪校だったのだが、
勢いで上り詰めてきた感も否めないうちの高校は、何でか、奇妙な余裕と緊張感で
不思議な空気になっていた。

うちらチアガールは、この古豪チームのチアを見るのを大変楽しみにしていた。
負けてもいい、だけど、伝統ある「応援」とやらを一度、生で拝んでおきたい
という気持ちがあった。
野球部員はそれどころではなかっただろうが、応援サイドは応援サイドで、
それぞれが野球とは別のところに目標みたいなものができてしまって、
本当に奇妙な感じだった。


が、事件は試合当日起こった。
最初の挨拶の時に、いるはずのチアガールがいないのである。
「???」である。
で、うちの先生に聞いてみると、事情はこうであった。

「チアガールの中で、問題を起こした子がいるので、
決勝戦はチアガール全員、謹慎ということらしい。」


聞いた瞬間、全員が「はぁぁ???」といった感じだった。
問題って何? そもそも、チアガール全員で処分を受けなければならない程の大事件なの?
事実が明かされても、「???」で、結局、伝統ある美しいチアの応援を見ることは叶わず、
オマケに、野球部の方もバカスカ打たれて大敗をかまし、うちらの夏の儚き夢はそこで終わっていった。


大会も終わって、熱も冷めた頃、本当の事を知らされたのであるが、
実に些細で、何で謹慎になったのかわからないような理由で、
学校側が彼女たちを制止したのだということだけわかった。
謹慎理由も忘れてしまうような、ホントに些細なことだったのだ。
要するに、夏以外なら笑って許してくれるような校則違反の為に、
彼女たちは球場に入ることを許されなかったのだ。
全く以っておかしな話である。
まぁ、チアガールの連帯責任で話が収まっていたようなので、まだマシな方だが、
これが、新聞とかに載ってしまうような大事件になると、話は大きく変わってくる。

野球部自体が出場停止を喰らってしまうのである。

その審判を下すのは、高野連という団体で、判断基準は戦前の「高校生らしさ」を追及した
実にアホらしいものなのである。

否、実際に審判を下すのは高野連よりも先に、学校側である。
学校は、高野連に睨まれると、身動きが取れなくなってしまうので、高野連からのお達しが出る前に、
自主的に出場辞退という道を選んだりするのである。


でも、コレっておかしくない??


野球部員が問題を起こしたのならわかるよ。
連帯責任にも程度っていうものがあるから、
まぁ、野球部の中で治めてしまうのが一番よろしいかと思われる。


だが、しかし。
こういった、出場辞退現象を逆手にとって、野球の強豪校は、野球部員のみならず、
その学校全体が狙われるのである。
例えば、学校外でのいざこざ・・・・所謂、他校間とのケンカなどだ。
優勝候補に名を連ねる学校の、野球部員ではなく、何ら関係なさそうな、血の気の多そうなのを狙って
仕掛けるというのだから、あざとい。
そのケンカが明るみに出れば、野球部は必然的に出場停止、もしくは辞退をしなくてはならなくなり
本当に、どこからどこまでが連帯責任なのか、ハッキリいって支離滅裂もいいところなのだ。


前述した工業高校や、チアガールに文句をつけてきた高校も、
野球部の存在を度外視したあの態度が本当に気に食わなかった。
本物の騒ぎになったら、一体、どうしたというのだろう?
うちはいい。
たまさか、その年は調子が良くて、決勝まで残っていけたんだから、
本当に「棚から牡丹餅」・・・・出場停止や辞退を喰らっても、いくらでも残された道はある。
野球一筋で頑張ってきたあの高校の野球部の人たちは、じゃあ一体どうなるの??
無論、高野連が考えを改めてくれて、バカみたいな取締りをやめてくれれば、
幾許かの猶予も残るだろうが、今のこの状態で、ケンカ紛いなことを吹っかけるのは
球児たちが可哀想で仕方がないのだ。


この現状では、学校全体で、球児たちを守ってやる以外に手立てはない。
そういう学校からは、高校球児ヒーローみたいな一時的アイドルが生まれたりするので、
それはそれでどうかと思うんだけど、
この輪廻・・・・「高校生らしさ」を履き違えている高野連にそもそもの問題がありそうだと
あたくしは睨んでいる。




そんな中。
今大会の栃木県地区予選の、小山高対藤岡高の物凄い試合・・・・皆さんご存知??
数日前のこの日記の投票ボタンの裏側にも書きましたが、54対0という、
斯くも不名誉な金字塔を、藤岡高校は作ってしまったわけなんですけど、
あたくしは、この高校の野球部の裏側を知って、何となくジ〜ンとしてしまったんです。

実は、この高校。野球部員はたったの1名。しかも、今年が最後のチャンスの3年生。
しかし、この1名の為に、他の運動部員が立ち上がったのである。
最後のチャンスだから・・・・
野球部が甲子園を目指さなくてどうするんだよ・・・・
そんな感じで、8名が急遽、野球部員として登録し、
晴れて藤岡高校は地区予選に出られることになったのである。
このメンバーの中には、卓球部員なんかもいたりして、

「僕も、部員が足らずに大会へ出られそうになかった時に、他の部の皆さんに助けられましたから。」

という、実に純朴な理由・・・・正に奉仕の精神で名乗りを上げたらしい。
当の野球部員は投手。しかし、大会1ヶ月前に肩を壊してしまい、思うように投げられぬまま、
彼の・・・・そして彼らの夏は終わっていった。
このチームの監督は、泣いていた。
悔しくて泣いていたのではない。
1人しかいないチームの為に集まってくれたメンバーに対し、嬉しくて泣いていたのだ。
54点獲られても、9人いなければ野球はできない。
初めてバットを握る少年もいただろうに・・・・
初めてユニフォームを着る少年もいただろうに・・・・
でも、不名誉と思うなかれ。この高校には「愛校精神」がある。
とっても名誉なこと、素敵なことではなかろうか。
つまらないいざこざを野球部とは関係ないところで起こそうとする、バカな人間と比べるのも憚られる。

こういうのは「高校生らしい」というのではなく、「人間らしい」という方が
ピッタリ来る気がする。
高野連も、「高校生らしさ」や「スポーツマンシップ」などという時代錯誤なものにとらわれず、
「人間らしさ」「フェアプレイ」の方に重きを置いた方が、
野球をやっている人間も、見ている人間も、とても楽しめるような気がするんだけどな。

そういった中から、肉体的にも人間的にも鍛えられた優秀な人材が出てくるはずだ。

↑正しくは、学校から制裁を加えられたのだけど

何をしたかって、別に大したことじゃなく、決勝戦が終わった後に打ち上げをちょこっとやってただけで
生徒指導部の先生がすっ飛んできて、夏休み中だったので学校謹慎をかけられたのだ。
1つの部屋に軟禁状態にされて、反省文20枚書きあげるまで、解放されなかった嫌な思い出が
今年もまた甦る( ̄∇ ̄;)(爆)

↑普段だったら大したことなかったんだけど

何も、謹慎にすることないじゃん??
あたくしは、この日も暑気にやられて、発作を起こしていたのでありました(爆笑)。
今でも、応援団のメンバーでは語り草にされています・・・・┐( ̄∇ ̄)┌オホホ

あさみ


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あなたの毎日にずぅむいん・・・・

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