| 2003年06月25日(水)
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ファザーコンプレックス |
題名を書こうとして、いきなり「ファザー・ファッカー」と書きかけたあたくしは、 内田春菊かと思いました(爆)。 我が家は、あの物語のようなことは一切起きていない(精密に言うとそうじゃないと言われそうだが) まぁまぁ平和な家族です。
ヤクザ的山賊に、ガチガチカタギなサヨコ。 その間に生まれてきたあたくしは、どうやら父親方の血を多く受け継いだらしく、 DNAもそのようになっているようだ。
今日は、沢山、山賊と話した。 山賊の話には嘘のようなホントの話と、ホントのようで嘘八百・・・・という両極端な性質があるので、 それを上手に見破るのが、あたくしやサヨコの手練手管というわけ。 サヨコには見破れない作り話や冗談も、血の繋がったあたくしには、バレバレ・・・・というのも少なくない。 オーアエがよくあたくしのことを捕まえては、
「あなたも山賊になれ〜♪」
と、呪文のように唱えるわけなんだけど、本音を言ってしまえばあたくしもなるべく、 きっちりとヤクザ的な存在でありたいと願っているのだ。 それを許さなくする存在は、ガチガチカタギのサヨコ。 あたくしは、どちらとも血が繋がっていることになるが、元々、山賊とサヨコは赤の他人なのだ。 何でこの二人が結婚したのか不思議なくらいに、今でも、互いに異次元で暮らしているような夫婦なのだ。
山賊の話を聞いていると、マジで当たり前のように ●星会とか永●組とかの幹部の名前や、当時裏で繋がっていた政治家の名前、 そんなのがお友達感覚で出てくるのである。 今でも付き合いのある人々だって、裏を返せばムショ帰りだったり、 どんなワルサをしたとかいう話に及ぶと、犯罪一歩手前・・・・というかモロに犯罪なんだけど、 警察にたまたまお友達がいただとか、周囲にいた人間があまりに機転の利く人だったりとかして、 難を逃れた、なんていうのも決して珍しくないものだから、 あたくしは幼少の頃から、ここらへんまではやってもいいんだな・・・・と勘違いしていたくらいだ。
厳密に言うと、今でもその勘違いは続いているわけなんだけど、 山賊から収集したネタだけでは世間知らずのお嬢さんになりかねないので、 きちんとした情報を掻き集める為に、ムショの中を突撃取材したレポの書籍や、 薬物に関する書籍、犯罪に関する書籍、警察内部に関する書籍は あたくしの本棚にひしめいている。 で、山賊が潜り抜けてきた人生をそういうのと照らし合わせて検証してみると、 実に奇跡的なサヴァイヴを果たしているんだなというのが、手に取るようにわかる。
たまたま彼が出会った人が、後に政界や経済ヤクザなんかの大物になっていたりするんだけど 一歩間違えば、あの人だって同系の道を歩みかねないところだったのだ。 で、どうしてそんな彼が、ガチガチカタギのサヨコなんかと出会い、そして結婚してしまったかというと、 そこもそれ・・・・奇跡的な巡りあわせだったのである。
山賊が土建屋時代。 風邪をひいたか何だかで、マジで動けないというのがあったんだそうだ。 そこへ、食料を差し入れに行ったのが、サヨコ。 彼女が唯一の救世主になったらしいのだ。 部屋には何もなく、お金も食べ物もないところへ、そうやって差し入れを届けてくれる人がいれば、 誰だって絆される(爆)。 なぁんとなくだけど、山賊の気持ちも分からなくもない。
あたくしは、どっちかっていうと、そういう弱った男には興味がなくて、 イキの良い、完全状態の男に挑むのが好きなので、 サヨコの戦略はあんまり好きじゃないのだ。 オマケに、自分も自分で、弱ったところを救済してくれた正にその人と、今一緒にいるので、 山賊のことを、腹から哂えないのである。 ホントに・・・・似なくてもいいところまで似てしまった、あたくしと山賊( ̄∇ ̄;) 親子だなぁ・・・・と思うのだ。
サヨコの一挙手一投足については、凄く第三者的な目で見られるのに、 山賊のことになると、いつか自分も同じ失敗をするんじゃないか、 また、いつか自分もこの人みたいな成功をするんじゃないかと、淡い期待や不安を抱いてしまうのである。
世でいう、「ファザコン」とかいうヤツ(笑)。
あたくし自身は、ヤクザ(菱代紋のホンモノ)や桜代紋の人々に直接お友達がいるわけじゃないし、 まぁ、恩恵は多少なりとも享けてはいるけれども、 暮らしそのものは、カタギな暮らしをしているわけ。 だけど、刺激のないそういう生活は本当につまらなくて、在京時代は親にも言えないような秘密を 幾つも幾つも抱えては、乗り越えることで、何とか「自分」を見出していたのだ。 根が山賊寄りだから(笑)。
今日、話をしていて、ちょっとびっくりしたことがある。 根が山賊寄りなんだなというのは、自分でも薄々感じていたことなんだけど、 ホントのホントにDNA的に山賊だったんだというコトが判明した。
山賊は、生まれも育ちもハチャメチャなので、 今まで、彼の父方の話はあんまり出たこともなく、親戚つきあいも今やほとんど途絶えた状況。 彼の母方の方の人脈は、あたくし自身、会った事も話した事もあるし、 実際にお世話になったこともあるんだけど、 そういえば、父方の人脈ってあんまり聞かなかった。 山賊の幼少時代の人生を狂わせた張本人が彼の父親だったりするので、 話し好きな彼をも無意識に、その話をするのを避けさせていたのかもしれない。 山賊は小学4年生までに転校を7回、うち1回は孤児院に収容されている。 3人兄弟なんだけど、2つ離れたすぐ下のトオルおじさんと実際に暮らしたのは たったの4年間だけだったと言った。 そのまた2つ下のサトシおじさんとは、今でも深い付き合いをし、 孤児院から、今田(仮名)の家にもらわれていく時も一緒だったと言っていた。 まだオムツもはずれていない頃のサトシおじさんと一緒に、継母の虐待から逃れるために、 数十kmもの山道を、負ぶって下ったという話は昔も聞いた。 親戚の間をたらいまわしにされた挙句に、辿りついたのは孤児院・・・・。 体力に物を言わせて、3つの運動部を掛け持ちすることを条件に卒業した高校。 そして単身上京し、苦労に苦労を重ねた山賊・・・・。 出会った人々は、アクの強い、ヤクザや左翼そして警察に政治家。 ワルいことを沢山して、今に至るわけだが・・・・。
昔、悪かった人は、結婚をすると落ち着き、子供が出来ると子煩悩になり、 だんだん衰えを見せてくるものだというが、うちの山賊もその典型と言える。 サヨコがガチガチのカタギだったのが幸いしたのかもしれない。 あたくしはその煽りで、両親の本当に両極端な側面を幼少の頃から見てきたせいで 「自分」を見失いかけた。本当にヤバイと思った。 だから優等生も経験したし、後に悪ぶってもみた。 今ある自分を思うと、本当に自我を吹っ飛ばすのに琴線ギリギリのところを辿ってきたんだ、と 恐ろしくなることもたまにある。 つくなら早く、山賊側についてしまえば、もっとラクだったかもしれないのに・・・・。
尊敬・・・・はしないが、もっと早くに彼とタッグを組めば、面白い人生を歩めたかもしれないな、 そんな、馬鹿げた小さな後悔をたまにするところなんかは、ファザコンなのかもしれない(苦笑)。
今つきあっているぷよ2は、サヨコほどカタギではないが、 山賊ほどヤクザでもない。 あたくしが若干山賊寄りなのを、それに比べると若干カタギよりな彼が 何とか暴走を食い止めていてくれるといった感じかもしれない・・・・構図的には。 もっと、思考的にも行動的にも広がりを見せたいと思うのだが、 あたくしにはコピーとしても山賊みたいには生きられない。 何故なら、サヨコの血も半分入っているからだ(爆)。 つまんないな・・・・と思うけれど、コレばっかりは仕方がない。 血がそうさせているのだから。 でも・・・・
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