この世に、あたくしのことを「ヒメ様扱い」してくれる親類が一人だけいる。
叔母・チカコである。
サヨコとチカコと3人で、長島のアウトレットモールに行ってきました。
チカコはあたくしに、ホットパンツとベルトとシャツを買ってくれました。 サヨコはパンツ3本に靴2足買ってもらってました。 チカコはまた、一月しないうちに辺境の地、サウジアラビアに旅立ってしまうのです。
御年、61歳・・・・。 彼女の世界巡りは続きまくっている。
彼女には娘はいなくて、2人の息子は自分の気に入らない嫁と結婚していった(爆)。 あたくしから見れば、いとこのお嫁さんたちは、いとこの出来の良さからいって、 凄く妥当で、出来た人たちだと思っているのだけれど、 叔母・チカコはあんまりお気に召していない模様・・・・。
娘が欲しかったぁ・・・・・。 コレが彼女の口癖で、息子たちが結婚した暁には、彼女たちを世界旅行に連れまわしたりするのが 夢でもあったわけだ。 しかし、お嫁さんたちの趣味とチカコの趣味というのは、本当に逆ベクトルで、 そんなわけで、「ヒメ様」の役割はあたくしへと矛先が向く。
幼少の頃から、
「夕雅さん、アレ買ってあげる、コレ欲しくない?」
というのが続いてきた。 チカコの差し向けるものは、柄や色が派手で、 白・黒・グレー・青といった寒色系を好んでいた10代の頃までのあたくしは、 それこそ、今のいとこのお嫁さんたちみたいに、頑なに自分の主張を押し通してきたわけだけど、 さすがにこの年齢になると、身につける洋服の色も、多少鮮やかな方が顔色も良く見えるし、 デザインも多少奇抜な方が、若くも見えるということで、 ここ最近では、チカコからの提供物は、それこそミカンの皮でも頂くようにしている(爆)。
この日、サヨコは運転手、チカコはスポンサー。 ・・・・そしてあたくしは荷物持ち( ̄∇ ̄;) 彼女たちは買ったものをあたくしが全て持つので、あちこちの店に入っては、次々に試着。 結構楽しそうだった。
あたくしはといえば、ここ最近出かけるといっても、相手はほとんどぷよ2だし、 運動らしい運動なんかもしないから、荷物を持って歩き回るというのも、特に苦でもなく、 彼女たちの奇抜なファッションショーが見た目的にとても面白かった上、 自分でもちゃんとしたものを買ってもらったので大満足だ。
そんな大満足の中、帰って来た矢先にチカコから電話が入った。
「はい、日野です。」
「あら、夕雅さん? 無事に着いた??」
「うん♪ 今日は色々買ってもらってありがとう♪ 楽しかったよ。」
「そ〜ぉ? あのさぁ、あたし思ったんだけど、夕雅さん、実はそんなに買ってないんじゃないの? もしアレだったら、まだ向こうに経つまでに日もあるし、何か好きな靴でも1足くらい買いなさいな。」
「うわぁ〜♪ 何て殊勝な・・・・勿体無い!! 今日は欲しいものは全部買ってもらったから、もう別にいいのに。」
「どこかで見つけたら、サヨコさんにでも言って買ってもらっときなさいよ。」
「うん、ありがとう♪ そうさせてもらうわ♪」
どこまでも、「ヒメ様」なあたくしなのであった。 パラサイトシングルなので、スポンサーがいる時に、とにかく欲しいものをゲットしておく・・・・ というのは、まぁ基本中の基本だけれど、29にもなってこの有様はいかがなものかしら・・・・ と反省はしている、コレでも(爆)。
と言ってはいるけれど、実は本日ゲットしたものは、何も洋服関連だけではない。
実は、あたくし。 これらの商品がいくらするのか、全く知らない。 自分でそれこそ何本も持っているけれど、それらは全部、チカコから流れてきたものなので、 本当はいくらくらいのものなのか、全く知らない(爆)。 「ヒメ様」というのは現金を持ち歩かないものだが、これら商品の価格を知らない時点で、 あたくしは立派なヒメ様なんだなと思った(爆笑)。
・・・・現金は、ないので持ち歩かないというだけのこと(爆笑)。
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