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ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
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2001年06月13日(水)
聞き込み。

現場での調査は朝一で即終わった。
なんだ、あっという間じゃないか。
と思ったら、まだすることがあるらしい。
ヒアリング?
といってもどうやら英語の試験ではないらしい。(そらそうだ)
聞き込み調査のことをそのように呼ぶらしい。

今回の渓流調査は、
昨年9月の豪雨による土石流などで崩壊が起こった地域が対象となっている。
当然、近くの民家に住んでいた人は何らかの被害を受けている場合もあり、
それらの人から当日の被害状況、避難状況などを聞くのも現場での仕事の一部。
私は社員の里中さんが聞いた内容をメモするのが主な仕事となった。

ある意味で現場での調査より面倒いなぁと思ったことは白状せねばなるまい。
だが、実際やってみてその見識は大きく変わった。

私らのやってる仕事(バイトだが)は、
重に渓流や斜面等の崩壊による被害状況を調べたり、
道路や構造物などの耐久性をチェックしたりする仕事が中心だ。
だが、その多くは現場に行って調査するのみの場合が多い。
つまり、
「このあたりは落石が多くて危険だから処置が必要だ。」
「この渓流が氾濫するといけないのでダムを建設した方が良い。」
など、モノを見て判断するのがほとんどなのだ。

だから、会社で内業やっていてももうひとつピンと来ない。

そんな私にとって今回はとてもよい経験になったかもしれない。
現地で被害にあった人の色々な言葉が直に聞けたのだから。

当日の土砂崩れの様子。
それが家の真裏で起こったことに対する恐怖。
その後しばらくはどんな小さな音を聞いても当日のことを思い出して怯えた話。
隣の家が全壊して亡くなった方がいるという話。
半壊した家を取り潰して別の家に引っ越すという家族。

そういう話を聞くことによってこの仕事の重要性というのがよく分かった。

以前私がバイトの内容を説明したとき、
「地球を守ってるんだね」
という反応を頂いたことがあり、
「なんか違うなー」
という違和感があったが、やはり違う。

地球はほっといても大丈夫です。

むしろ、地球のもたらす自然の脅威から地元の人間を守らないといけない。
そんな仕事なんだなー、と思いましたとさ。

でもまぁ、それで仕事のやり方が変わるかってぇとそうでもないのだけれどね。