| 2008年03月14日(金) |
『君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956』 |
1956年、ソ連支配の共産主義政権下にあったハンガリーの首都ブダペスト。 改革を求め学生運動に身を投じる女子学生ヴィキと、メルボルン・オリンピック出場を目前にした水球チームの花形選手カルチが出会う。 それまで政治に無関心だったカルチも、秘密警察アーヴォや軍の横暴に傍観者ではいられなくなる。 同時にヴィキを愛するようになったカルチはオリンピックよりも彼女の傍にいることを決意する。。。
この手の作品を見ていつも思うことは、「自由がある」という当たり前の暮らしが、当たり前じゃない暮らしというのが、頭では理解できるけど、想像を絶するということ。 しかも、何百年も前の話ではなく、ホンの50年前の出来事という事実に驚きます。
ハンガリーといえば、レイフ・ファインズ主演の超大作『太陽の雫』が思い浮かびます。 確か、ラストの3役目は、ハンガリー動乱のエピソード辺りで幕を閉じているけど、ユダヤ人一族の100年を描いた話なので、同じハンガリーを題材にしていても、今作とは少々違うし、動乱事件そのものはあまりよく知りませんでした。
『トンネル』にしても『グッバイ・レーニン!』にしても『善き人のためのソナタ』にしても、共産主義を描いた作品は、とにかく色がない。 街の景色、人々の服装…明るさは皆無で、映画が始まった瞬間の、この色の無さが「あぁ…こうゆう時代だったんだなぁ」と、いつも感じます。
物語は、女子学生ヴィキの革命運動と、カルチの水球チームのオリンピック話、そして2人の恋愛と3本柱で進んでいきます。
やはり1番は動乱に至るまでのヴィキを中心としたエピソードが印象的。 戦車に向かって銃を撃ったところで勝ち目はない。 けど、立ち上がらずにはいられない。 そこまでしても欲しいのが「自由」ということ。 街中で火を噴く戦車を見て、日本は本当に平和なんだなぁと溜息が出ました。
今作、英語原題が『Children Of Glory』。 ラストシーンの先には、このタイトルがあってほしいと思いました。
自主上映にて、今日から3日間の限定上映。 ホワイトデーの夜だから?はたまた早めの歓送迎会?…今日は少々寂しい観客の入りでした。
ハンガリーのプチ情報(?) 宮本輝の小説で、『ドナウの旅人』という作品があります。 タイトルどおり、ドナウ川に沿って旅をするストーリーで、好きな作品だけど、内容よりも1番印象に残っているのが、「ハンガリー人は、日本と同じく名前が『名字+名前』の順」っていうくだり。 もしハンガリー人に逢ったら、真っ先に尋ねてみたいとずっと思っていることです。
♪BGM♪〜『EXILE LOVE』by:EXILE
<<昨日は『バンテージ・ポイント』
■感想予告■(映画見済・感想暫待) 『マイ・ブルーベリー・ナイツ』 『ONCE ダブリンの街角で』 『魔法にかけられて』
|