Diary?
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2004年11月15日(月) 呪われし茶会

……長かった。
しんしんと身体に沁み込んでくるような寒さの中、熱い茶をすすりながら3人は思わず遠くを見る。
まるで、何か強大な見えない力が我々を阻み続けたような道のりだった。
半年以上にもわたってその力に翻弄された、辛い日々ももう終わるのだ。

我々の眼に映るのは鉛色の空、葉を落とし始めた木立、着水する水鳥のV字の軌跡。
ワンカップを手に日がなベンチで過ごす男性。ラブラドール、シーズー犬、柴犬。

卓上にはカセットコンロ、茶菓子、そして茶杯。
我々が欲したのは、ただこれだけだったのだ。
我々は多くを求めたわけではない。
なのにここに辿りつくまでは何故こんなにも長かったのか。

そして何故こんなにも寒いのか。
3人は、遠くを見る眼のまま叫ぶ。

「寒いっ!もうだめだ!撤収!」

我々にはもう二次会について検討する気力さえ残っていなかった。
解散して帰途につきながら、熱い湯を張った風呂のことばかり考えていた。




……そんなわけで、11月14日、善福寺公園にて野外茶会。
雨に降られたり都合が悪くなったりで、半年以上延期に延期を重ねた野外茶会。

0次会は荻窪の精進カレー「ナタラジ」で大豆グルテンのカレー。旨い。
よく考えたらこの店も何年ぶりかで再訪したのだった。

茶会は池のほとりのテーブルにカセットコンロと薬缶をセットして決行。
武夷肉桂、凍頂烏龍、珈琲、千年古茶青プーアール茶を飲む。
茶菓子は月餅、黒どら焼き、栗羊羹、松蔵ポテトのポテコロと芋入りポンデケージョ。
とにかく寒かった。お茶の味の記憶が定かでないくらいに。
でもやっと実現してよかった。


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