にっきちゃん。

2002年09月14日(土) 2002年の夏

今元ちとせのハイヌミカゼを焼いております。
それまで、日記を書こうと。
日記を書こうと思い、画面に向かい合って書くのは
久しぶりのような気がします。


みなさん、毎日をどう過ごされていますか?
あたしはなんだかんだでイッパイイッパイです。
イッパソイッパソです。
むしろイシパソ イシパソです。


さて。今日は仕事での事を書こうと思います。


今日。いつものように出勤し、鳴り止まない電話を何本か取ってから
本日行われるブライダルフェアの会場準備をするために
あたしは部屋を出ました。
そして廊下を歩いていました。
ホテルの廊下でなく社員用の裏の廊下です。

そして女子トイレの前を通った時。
その中からドア越しにモノスゴイ声が・・・。
オンナの人が泣き叫んでいます。
本当に中で彼女がものすごい精神状態でいる事が
ドア越しにわかりました。

これは一人にしていては危険だ、という思いと
心配だという思いでドアを開けました。



そこにいたのは我がホテル、和食レストランの女店長。

トイレのきったない
(どれくらいきったないのかは過去の日記参照)←不親切でゴメン
タイルの床にべったりと座りこんで彼女は泣き崩れておりました。


理性とか、そんなものはまったくなく本当に壊れている状態でした。
そして、
「大丈夫ですか、何があったんですか」
そう声をかけてもそんな状態の彼女は返事をできるわけもなく
ものすごい過呼吸状態。

はっ、はっ、はっ、とものすごい早さで呼吸を繰り返しながら
悲鳴のように泣き崩れています。

その泣き方を見たら、彼女の精神状態が
どれだけものすごいものなのか、痛いほどわかりました。


あたしは、本当に彼女が心配でした。
彼女はイジメが激しい我が会社の中でいつもとても穏やかで
冷静で、あたしは心の中で非常に慕っておる人でした。

その冷静で穏やかな彼女がこんな状態に・・・。


ゴミや髪の毛や汚物だらけのトイレのタイルに座りこんで
泣き崩れている。

その状態は普通の精神状態で見たらひいてしまうくらいの
光景でした。


あたしはどうすることもできず、ただただ彼女の体を抱きしめ
さすりながらそばにいました。


どのくらい経ったでしょうか。


しばらくすると彼女の泣き叫ぶ声を聞きつけた
フロント課長Nさん(♂)が「どうしたんだ」とドアを開けました。


そして彼女を見て一言。

「あーこりゃ過呼吸だな」
そう笑いながら出ていき、すぐにビニール袋を持ってきて彼女の顔にかぶせ、
空気を吸えないようにしました。


「過呼吸にはな、これが一番一番」

さらりと言いました。


そして、彼女の体を支えながら
「よくあるんだよなー。過呼吸。うん、ははっははは」
「あー膝が痛いよ全く・・・」←彼女を支えているから



その間も彼女のはっ、はっ、はっ、と泣き叫びは鳴り止まず。
ビニール袋が彼女の呼吸に合わせて顔に張りついて、
彼女の息の温かさで顔中汗だらけ。


「苦しい・・・苦しい・・・」

彼女が叫んでいます。



しばらくそうしたあと、彼女の呼吸が落ちついてきました。
するとN課長は「はい、よし」と言って出ていきました。


そのあとあたしはホテルの静かな一室のカギを空けて彼女を連れていきました。
抱きかかえて。

一度はおさまった呼吸と泣き声はまた復活しました。
泣き声と言うかもう、・・・うまく表現できませんが
・・・なんと言ったらいいのでしょう。

あー、あああーーー、ああああああっっ、

という感じです。


誰かにわかってほしいとか、そんな泣き方ではなく
こらえきれず泣いてしまったとかそんな生易しいものではなく
・・・もう、本当に体の奥底から涌き出ている叫びでした。


あたしは、人があんなに理性をなくして苦しんでいるのを
初めて見ました。

本当にショックでした。



彼女はこの後仕事を続けられるわけはなく、
あたしは急遽彼女の穴埋めとして和食レストランに行きました。

そこで毎日彼女と一緒に仕事をしている仲間が言った言葉は

「あー?○○さんダメなの?じゃぁ今日はかえらすか。
こりゃ明日もダメだな、あーあ。」


それだけ。たったそれだけ。
途中助けに来たフロント課長が言った言葉。
「よくあるよくある、過呼吸なんてな」


たったそれだけ。


わからない。あたしにはわからない。
みんな、・・・一体どうやって毎日いきているの?




あんなに精神を壊している人がいるのにどうして
何も響かない?


彼女のあの姿を見て何も思わないのか・・・。




和食レストランの人がきてあたしにこう言った。

「昨日休みだったから休んだら今日支配人に呼ばれて
『休むな!』と怒鳴られた」と。

休むなって、じゃぁいつ休んだらいい?
休むな、ってどう言う事?

31日毎日休むな。って。


働け、って。


ココはおかしい、と思いすぎるほど思ってきたけれど
それを通り越して理解が出来ない。

31日毎日休むな、ってどうして怒鳴られる?

きっと和食レストランのトップの彼女は
あたしの想像や理解よりも、ものすごい負担と
ストレスを抱えていたのだろう。


それが今日抱えきれずに職場という最も吐き出してはいけない場所で
耐えられなくなってああなってしまったんだろう。

そうなるまでの彼女の精神状態を考えたら
あたしは「よくあるよくある」
「あーこりゃ明日もこれないな」

でおわらすなんて出来ない、できないよ。



彼女が弱いんじゃない。
違う。

強くそう思った。




強く強く、そう思った。







この間新入社員の女の子は精神がおかしくなって入院した。
またある人はこの間自律神経失調症になってやめていった。
以前違う人もトイレで過呼吸になって倒れていた。
また違う人も過呼吸になって途中で帰った。


新入社員のあの人の入院は体の治療が目的じゃない。
過呼吸は、体の病気じゃない。


ビニールかぶせて呼吸がおさまったら治療が終わりじゃない。
過呼吸は心の病気だよ。
心が病気になって、もう限界だよ、って精神が言うと
なる。



あたしは自分の好きな接客ができる仕事場で毎日過ごしていながら
これほど悲しい日々はない、と強く思った。
強く強く、思った。



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