Love Letters
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旅行の三日目は
前日の暑さが嘘のように肌寒くて、
朝から冷たい雨が降っていました。
約束通り、
遅咲きの桜を見ようと
山へ車を走らせました。
高い方へ上って行くと、
木々が霞んで見えるほど
辺りは白い霧に包まれていました。
天候が悪かったのと
早い時間だったことで、
桜祭りが催されているお寺は人気もまばらでした。
お寺の境内では薄紅色の桜が霧雨に濡れていました。
歴史が刻み込まれた仏堂。
荘厳な美しさをたたえる多くの仏像。
千二百年もの間、絶えることなく灯り続けている法灯。
しんとした静けさの中、
あなたと二人、 一つの傘で寄り添って歩きました。
あなたとこのような場所を訪れるのはとても楽しい。
知識はその人の知性を表す一部に過ぎないけれど、
ジャンルを問わないあなたの豊富な知識には
いつも関心させられます。
小さな茶屋で、
お抹茶と桜餅をいただきました。
車に戻って、
冷えた身体を温めるように
短いKissを交した時、
あなたはくすっと笑って、
「桜餅の味がする。^^」
と言いました。
家へ帰った後、
折りたたみの傘を開いたら、
薄紅色の花びらが一枚付いていました。
まるで
楽しかった二人の時間を
名残惜しむかのように。
0574 W.S.R
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小夜子
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