Love Letters
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2005年05月18日(水) 薄紅色の花びら


 旅行の三日目は

 前日の暑さが嘘のように肌寒くて、

 朝から冷たい雨が降っていました。



 約束通り、

 遅咲きの桜を見ようと

 山へ車を走らせました。

 高い方へ上って行くと、

 木々が霞んで見えるほど

 辺りは白い霧に包まれていました。



 天候が悪かったのと

 早い時間だったことで、

 桜祭りが催されているお寺は人気もまばらでした。

 お寺の境内では薄紅色の桜が霧雨に濡れていました。

 歴史が刻み込まれた仏堂。

 荘厳な美しさをたたえる多くの仏像。

 千二百年もの間、絶えることなく灯り続けている法灯。

 しんとした静けさの中、

 あなたと二人、
 
 一つの傘で寄り添って歩きました。

 


 あなたとこのような場所を訪れるのはとても楽しい。




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 知識はその人の知性を表す一部に過ぎないけれど、

 ジャンルを問わないあなたの豊富な知識には

 いつも関心させられます。




 小さな茶屋で、

 お抹茶と桜餅をいただきました。

 車に戻って、

 冷えた身体を温めるように

 短いKissを交した時、

 あなたはくすっと笑って、


  「桜餅の味がする。^^」

 
 と言いました。




 家へ帰った後、

 折りたたみの傘を開いたら、

 薄紅色の花びらが一枚付いていました。

 まるで

 楽しかった二人の時間を

 名残惜しむかのように。



0574 W.S.R

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小夜子

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