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2004年07月31日(土)
■約3年半ぶりの新幹線英語■

 本日、過去日記を取り上げる。

 2000年12月22日の日記で取り上げた「未来進行形」に関してささやかな考察を。

 結論から言うと、「未来進行形は、”単純な未来”を表す」という解釈が妥当である。この知見は、ちりんさんが解釈なさっているものと同じである。また、ちりんさんが2004年7月20日のblogにて示されている参考URL先でも、同様の解釈が見て取れる。

 ひとつ文献をあげると、安井(1996)では、未来進行形の解説として、I'll be having dinner in London about that time tomorrow. という例文をあげて次のように述べている。

「明日の今ごろという時間」になると,「夕食をとる」ということが始まっているということであり,単純な未来のことを表している.したがって,この点,未来進行形には意味上の紛れがない.
 ということで、will だけだと、未来意思か単純未来かが不明瞭になるため、未来進行形を用いて、その紛れをなくし、単純未来を表すことになる。

 JRがどこまで考えているのか分からないが、駅に近づいた時のアナウンスは、"We will make a brief stop at Nagoya." となっていて、ここでは will しか使われていない。駅が近づいてきて、「もうここへ止まるんやぞ」という意思未来だとして、その意思未来との差別化で、駅を出発した直後のアナウンスは、"We will be stopping at ..." としているのかな、と考えるはやはり考え過ぎだろうか。考え過ぎだろうな。

 で、ここで新たに浮かぶ疑問は、ちりんさんも述べているように、「なぜ未来進行形が意思を含まない表現となるのか」ということだ。意思の有無は、やはり主語や文脈によるだろう(安井 (1996)でも文脈によると説明されている)し、will か will be -ing かで決まるものなのかは怪しい。というか、will だけでは決まるまい。そういうワケで、もし明確に単純未来としたいのなら、"The (Our) train ..." というように無生物主語を用いる方がよいだろうな。

 ということで、まとめると、新幹線英語の未来進行形は、文献での知見や電車に意志はないという状況を踏まえると、意思を含まない「単純未来」ととらえるのが無難だと言える。しかし、単純未来を明確にするのであれば、無生物主語の方がよいのではないか、という提案も加えておきたい。

【参考文献】
 安井稔. (1996). 『英文法総覧』. 開拓社.


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