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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

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所有欲
2004年05月06日(木)

私には所有欲はない。
果かないものにお金をかけたい。

たとえば私は本は図書館で借りることが多い。
好きな本でも、持っていないものはたくさん。
どうせどこかにあるのならいではないか。
忘れっぽい私は、きっと本の内容も思い出せなくなるだろう。
それでも構わない。
いつか知識を使いたくて本を読んでいる訳じゃない。
本を利用して何かしようなんて思わない。

旅にしてもそうだ。
旅にお金をかけるのは実際には役に立たないことだ。
私は別に旅行して自分の成長に繋げようだの、小説のネタにしようだの、まったく思わない。
思い出も特にいらない。

なくなってしまって構わない。

かわいい洋服も、かわいい雑貨も別にいらない。
見るのは好きだけれど。
誰かが着ていたり、誰かが持っていればいいと思う。

映画や美術館にはお金をかけたい。
今しかないものがあるような気がするから。

お金は大好き。
でも誰かが持っていればいい。
金は天下の回り物だから、特に自分のものでなくともよいのだ。

何かを持っていてもちっとも幸せにならない。
幸せって何かわからないけれど。

わからないけれど、幸せは大きな青い海だとする。
しかし自分が海を所有していても、幸せとは思わないだろう。
だけれど波の起きる瞬間を誰かと眺めるとする。
その後、そんな瞬間のことも何もかも忘れてしまったとしても、それは幸せに近いような気がする。そういうことかもしれない。




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