私には所有欲はない。 果かないものにお金をかけたい。 たとえば私は本は図書館で借りることが多い。 好きな本でも、持っていないものはたくさん。 どうせどこかにあるのならいではないか。 忘れっぽい私は、きっと本の内容も思い出せなくなるだろう。 それでも構わない。 いつか知識を使いたくて本を読んでいる訳じゃない。 本を利用して何かしようなんて思わない。 旅にしてもそうだ。 旅にお金をかけるのは実際には役に立たないことだ。 私は別に旅行して自分の成長に繋げようだの、小説のネタにしようだの、まったく思わない。 思い出も特にいらない。 なくなってしまって構わない。 かわいい洋服も、かわいい雑貨も別にいらない。 見るのは好きだけれど。 誰かが着ていたり、誰かが持っていればいいと思う。 映画や美術館にはお金をかけたい。 今しかないものがあるような気がするから。 お金は大好き。 でも誰かが持っていればいい。 金は天下の回り物だから、特に自分のものでなくともよいのだ。 何かを持っていてもちっとも幸せにならない。 幸せって何かわからないけれど。 わからないけれど、幸せは大きな青い海だとする。 しかし自分が海を所有していても、幸せとは思わないだろう。 だけれど波の起きる瞬間を誰かと眺めるとする。 その後、そんな瞬間のことも何もかも忘れてしまったとしても、それは幸せに近いような気がする。そういうことかもしれない。
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