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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

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意味の無い冗談や、言葉遊びにはもう飽きた
2002年05月01日(水)

人と話す時に必要なのは、相手を思い遣る気持ち、相手を尊重する気持ち、だろう。
相手を大事な人だって思う気持ちだろう。

この世界にこの人が存在しているってことは、実は奇跡で、誰にとっても喜ばしいことのはずだ。

たとえば、どうしても自分と上手くいかない人がいたとしても、その人も誰かにとってはかげがえのない人だということを覚えているようにしたい。


そして、相手の欠点を嫌だと思わない人って大人だと思う。

誰かと話していれば、
大抵、自分と考えの合わないところ、意外な子供っぽさ、エゴがぶつかる、
といったことが出てくると思う。
それを受け止められると、大人って思う。

考えが浅いと、
「この人って、こうなんだ」
     ↓
「あんまりすきじゃない」
って、程度のことになってしまう。

でも違うと思うのだ。
人のことって、沢山の角度から見ることが出来るし、
一回何かあったからって、
「こうなんだ」
なんて、評価を決めてしまうのはもったいない、と思う。
もっと多角的に人を見たい。
そして、たとえ付き合いづらい面があったとしても、
どうすると上手く付き合えるか、知恵を絞る価値はあると思う。
乗り越えられると思う。

相手を自分に都合の良い人間のように思うのが一番いけない。
付き合いやすい人が、優しい人ってわけじゃないと思う。

相手はただ、生きているだけの人だ。
真面目に、色々傷つきながら、生きている人なのだ。

優しさを求めたり、
ちょっとした食い違いでいちいち落胆したり、
タイミングが合わないからだめだと思ったり、
そういうのって、ばかだ。

もっと鷹揚に構えたい。


人と話す時に、もう下らない冗談を言うのを止めようと思う。

もっと真っ直ぐ、人と向き合いたい。

その人が、世界にひとりしかいないってこと、そして、奇跡的に同時代に生まれて、奇跡的にこの場所で出会えたということ、
そういうことを意識出来たら、と思う。

ガラス細工に向き合うような気持ちで、人と接したい。

薄氷を踏む思いで、会話したい。

難しいことだけれど。





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