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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

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月見草
2002年03月15日(金)

卒業旅行に行ってきたのだが、まじで楽しかった。

熱海の梅園は行ったら全く咲いてないので、うけた。
あれはいつも咲いてないんだろーな。
「今年は遅くてまだだよ」とか「今年は早くて終わったよ」とかいつも言ってんだろう、と想像する。
まあ、散った後だったんだろうが。

尾崎紅葉の『金色夜叉』に出てくるお宮の松があるというので行ったが、お宮の格好をさせられて写真を撮ったのには辟易した。 

箱根の芦ノ湖で遊覧船に乗ったのは、寒かった。
またみんなでばかな写真を撮ろうとしているのになんとかストップをかける。

それから吉田うどん。うどん屋さんなんだけど、どうみても普通の民家。仏壇とかピアノとか子供の習字がかけられてたりする中、こたつで素朴なうどんを食べた。調子に乗って唐辛子味噌をがんがん入れたら私のツユの色だけ変わってた。辛くて難儀した。

富士山はすごい!
埼京線から見る富士山とは訳が違うよ。
大きいし、「きれいだ」

マリモ買う。

河口湖ロープウェイに乗って見た景色も素敵。
私は河口湖命だからね。

しかし何と言ってもすごかったのが、天下茶屋。

太宰治が『富嶽百景』を書いた時、泊ってたとこ。
本文にも出てくる。

「御坂峠、海抜千三百米(メエトル)。この峠の頂上に、天下茶屋といふ、小さい茶店があつて、井伏鱒二氏が初夏のころから、ここの二階に、こもつて仕事をして居られる。私は、それを知つてここへ来た。」

そこからの景色は、本当に、絶景。

太宰が泊ってた部屋が残されてるんだけど、そこからのぞくと、湖の上に富士が。

これは、書ける。

しかしこのお見合い相手の娘さん、そんなに美人じゃないのね。

太宰で卒論書いたやつが、のれん(なんか、あの「月見草がよく似合う」のフレーズののれんが売ってた)を買おうとしたら、どう見てもたくさんあるのに「品切れだ」と言われて売ってもらえないのが、うけた。
買ったらカラーコピーしてくれると言ってたのだが。いらないが。


そして私が「この旅で一番楽しかったのは大貧民だなー」と言ったらみんな怒っていた。
トランプは旅の醍醐味じゃないそう。

そんなこんなで、ほんとう、面白かった。
気の合う仲間だから言いたい事言えたし、引っ越したり、色々しても、また会えるといいな。





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