Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review
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2007年02月17日(土) 平井庸一グループ(a.k.a. Hirai Youichi Lennie Tristano Cool Jazz Project)、20日(火)にライブ!

平井庸一グループ(a.k.a. Hirai Youichi Lennie Tristano Cool Jazz Project)に出会ってかれこれ7年になる。ドクタージャズこと内田修先生、音楽誌編集者末次安里氏、荻窪グッドマン店主鎌田雄一氏、チャーリー・パーカー協会辻バード氏とそのお仲間、ジャズ評論家の瀬川昌久氏、岡村融氏、佐藤秀樹氏、そしてさらにウォーン・マーシュの息子(!)にまで注目されている、という彼ら。こないだ平井くんは、ディスク・ユニオンでジョー・マネリ(カルテットものを)とポール・モチアン(80年代のリーダー作)とハービー・マン(ムード音楽的ジャズロックにソニー・シャーロックがペションペションの音でグギャグギャ演る某怪盤)のCDを探してうろうろしていたら、いきなり若い店員に「まだCDは出さないんですか?CD出すときはCD発売記念ディスクユニオン店内ライブをやりましょう!」と言われたという。名も問われずに語りかけられた未経験ゾーンに、さすがに怖いもの知らず彼も照れたという。これだけ機が熟しているのに、ね。20年以上前に終わっているピアニスト、チック・コリアとリッチー・バイラークの駄盤がレコード会社の献金で金賞銀賞を獲得することに「さすがECM出身ピアニストはすごい!」と知たり顔でのたまうことにためらいがない美しいこの国だ。もとい。平井庸一のクールジャズコンセプトは、それをそのようにカテゴライズして聴いた途端に聴こえなくなるものだ。新宿ピットインのライブを会場最前列でDAT録音している篤志家のおじさんから、あるとき彼らは自分たちのライブ音源をもらったという。そしてこれが素晴らしい出来であったため、それを自主制作CDRにしてライブ会場で販売することにした。ここにはレニートリスターノがいる、と思わず唸ったピアノの都築猛、最新リーダー作がユニオンで品切れ状態のサックス橋爪亮督をはじめ、かけがえのない個性たちが舞うような演奏だ。どのトラックも10分くらいの演奏なのに、拍子の僅かな変化やソロの距離感の取り方の妙、複数の音色のブレンド感がスピード変化を伴なって時間感覚を失ってあっという間に聴いてしまう演奏ばかりだ。そうそう、変拍子を含むビートに依拠した演奏は、いわゆる器楽演奏的である、かもしれない。マッチョで力まかせに過ぎないモード的演奏をジャズ的というならば、激しくさえあればオッケー的なヘヴィメタ野郎とどう違うのか?ましてや前衛というクリシェにもいいかげん飽きてほしいし。ここにはモチアン〜ロヴァーノ〜フリーゼルをはじめクールジャズの現代的継承(具象の中に聴こえる抽象、「カラダで感じろ!」とは対照的なベクトル、といったコトバがわたしには生じるけれども)が聴こえる。彼らの演奏は、世界的に見ても比類がなく、個々の卓抜した演奏力がそれを支えているところに特別な価値がある。2サックス、2ベースの編成で、2月20日(火)、4月20日(金)、いずれも新宿ピットイン昼の部(14:30スタート)でライブがある。


Niseko-Rossy Pi-Pikoe |編集CDR寒山拾得交換会musicircus

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